【イグ・ノーベル賞2025 受賞一覧】19年連続で日本人受賞「黒い牛にシマウマ模様を描くと、ハエに刺される回数が半減した研究」
— ニコニコニュース (@nico_nico_news) 2025年9月18日
農研機構の兒嶋朋貴さんらの研究グループが生物学賞を受賞
10兆ジンバブエドルと濡れたティッシュが贈呈されました。#IgNobel #イグノーベル賞 #イグ・ノーベル賞 pic.twitter.com/4JIS7wZIaQ
皆様は「イグ・ノーベル賞」をご存じでしょうか。発明家のアルフレッド・ノーベルの遺言によって設立された、物理学をはじめとした各分野の目覚ましい貢献をした人に贈られるノーベル賞……のパロディです。奇抜すぎて何の役に立たないような研究を賞賛し、人々に笑いを与え時には考えさせることを目的とした賞となっています。何気に日本人はほぼ毎年受賞する常連っぷりとしても有名ですね。(ちなみに発明に対して賞が贈られる例もあるそうで、あの「たまごっち」も経済学賞で受賞された経験があったり*1)
受賞者は受賞式にて牽引時の幼稚園児の如くロープに掴まりながら並んで登壇したり、スピーチが長いと女の子に「退屈だからやめて!」と文句を言われるなどユニークな目に遭うとのこと。さらに賞金として10兆ジンバブエドル(現在は通貨として廃止されているためただの紙)が贈られると、徹底してユーモアを追及している面白おかしいのが最大の特徴というわけです。役に立つかどうかではなく面白いかあるいは独特なのか、笑いの精神を大事にしている姿勢は個人的にも大変好みであるところです。
そんなイグノーベル賞が今年も発表され、各受賞者と研究についてが明かされることに。例年通り日本人の受賞者も出しており、今年は日本の愛知県農業総合試験場の研究チームによる「黒い牛にシマウマ模様を描くと、ハエに刺される回数が半減した研究」が生物学賞を取ったとのことです。他にも「ニンニクを食べた母親の母乳が、乳児の行動に及ぼす影響の調査」や「コウモリがアルコールを摂取した時、飛行能力や超音波による空間把握能力が低下するかどうかを調べた研究」といった、普通ならまず考えつかないことにも目を向ける興味深い研究ばかりです。一見悪ふざけのようにも思えるモノを真剣に追い続ける人たちの面白さとカッコよさ、それを知る機会として今後もイグノーベル賞には注目していきたいですね。
というわけで以下、今週の簡易感想です。
※『ぷにるはかわいいスライム(2期)』第24話(最終話)の感想は個別感想で書く予定です。ご了承ください。
サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと
第11話「わたしの友達」
嫉妬で拗らせていたバーニーとの関係は意外な形で解決することに。前半まではチェス対決で決着を付けるのかと思いきや、教師に化けた侵入者によって風向きが変わったのでかなり意表を突かれた気分です。また例によってモニカの無詠唱魔術が炸裂して事件解決しただけでなく、バーニーが口裏合わせをしてくれたおかげで穏便に済むオチには驚きつつも上手い展開だなぁと膝を打ちましたね。
バーニーに関しては急に改心したようでもありますが、その実モニカに対する劣等感を認めたからこその態度の変化とも読み取れました。モニカに対する心無い言葉をぶつけた一方で、彼女は今も昔も変わらないことを知れたのも大きかったのかもしれません。内心ではその実力に納得していたことからも、何だかんだバーニーがモニカ・エヴァレットのことを誰よりも理解しているのは言うまでもないことなのでしょう。(またバーニーは自分を凡才と卑下していましたが、偽教師を見破る辺り彼も彼で優秀なんですよね)
そしてモニカの方もバーニーへの想いは変わらなかったのが良かったですね。前半こそ彼を見限ったような態度を取ったものの、その感謝の念は捨てきれなかった辺り当人なりの友情が感じられました。自分の想いをはっきりと言葉に出し、彼の助けを得たことでトラウマを上書き出来たような描写がたまりません。完全な和解とまではいかなかったものの、2人の拗れた関係は一応の解決を見たと言えるでしょう。
青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない
第12話「トナカイの仕事」
事態がドンドンややこしくなっていく……ただでさえ岩見沢寧々が周囲に認識されていないのに、彼女が自分の情報を忘れて霧島透子だと思い込み始めている様子に愕然としました。そのうえ霧島透子の歌を歌った動画までも大勢から認識されなくなっているなど、まるで“霧島透子という概念”が人々を侵食しつつあるかのようです。さながら霧島透子になろうとした人は存在を消され、自分こそが霧島透子になろうとする……どちらかというと呪い染みていて、最早思春期症候群どころではなくなっている気がしますね。
さらに福山との会話で夢を見ない人の末路についての考察が出てきた時はゾッとしました。未来の出来事を夢に見るため、夢を見ないのはその人の未来がない=近い将来死が待っている、と考えると鳥肌が止まりません。上述の霧島透子の件といい、特に麻衣さんの死亡フラグが少しずつ現実味を増してくる点で不安が湧いてきます。咲太がいつになく狼狽するのも当然のことですし、運命の2月4日へのタイムリミットにかつてないほどの緊迫感を覚えた次第です。
福山といえば前回の想像通り、岩見沢寧々と近しい人物だったのが判明したのも見逃せません。当事者の反応からして、相当親しい間柄なのは言うまでもないでしょう。しかしやっとの思いで付き合っている彼女と同じ大学に受かったと思ったら、その存在ごと忘れてしまっていたのは中々気の毒に感じますね。ノリは軽いけど悪いヤツではないので、福山が彼女と再会を果たせるよう祈るばかりです。
SAND LAND: THE SERIES(サンドランド ザ・シリーズ)
第12話「最終決戦!!」
侵入したガラム内部にて、サブタイ通り最終決戦が開幕!!ラオ&シーフがブレッドと、ベルゼがムニエルと戦い、アンが主砲発射を防ぐと役割分担のスムーズさは見ていて興奮を覚えます。中でも武骨な巨大パワードスーツを纏ったブレッド相手に、戦車での攻防を繰り広げるラオの勇姿にまたもや惚れ惚れしました。「捨て駒を買って出るのは俺たちジジイの仕事だろ!」と言いつつも、戦意を捨てずしっかりと勝利してみせるところがまた最高にダンディと言えますね。(シーフがパタンガンを当てるために戦車から離れる戦術が勝利のカギとなったのもここすきポイント)
そしてベルゼVSムニエルですが、ブギギレベルゼによって一瞬で決着が付くシーンが最高に気持ち良かったです。散々痛めつけられてからようやく怒るのは虫人間戦を彷彿とさせますが、今回はムニエルの所業&アンを人質に取る卑怯なやり方も相まってより一層容赦のなさが際立っていたと感じています。(それでもここまでされるまでキレなかった辺り本当に優しいですね)あまりのハイスピードだったうえ直後のムニエルパワーアップの印象が強かったのですが、やりたい放題やっていた憎たらしい天使への溜飲は少しだけ下がったので良しとしましょう。
余談ですが、数あるイグ・ノーベル賞の中でも僕個人が気に入っているのが「アイスクリームは抗がん剤メルファランによる有害な副作用の予防に有効なのを示したことに対して」。こちらは2022年の医学賞を受賞した研究で、抗がん剤を摂取による口内の炎症をバニラ味のアイスが抑えてくれることが判明しました。
以前は炎症予防に患者は氷を口に含んでいたそうで、それの代わりになるうえ美味しいおやつとして楽しめることを証明したのは素直に賞賛に値します。意外なところで感心しつつ、意外な形で人々の役に立つであろう研究が見られるのもイグ・ノーベル賞の醍醐味だとつくづく思いましたね。
ではまた、次の機会に。
*1:ちなみにたまごっちの授賞理由は「数百万人分の労働時間を仮想ペットの飼育に費やさせた」だそうな。
