多くを背負い、前に進む
東方探訪というCパートを予想出来た人は誰かいるのであろうか
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- 邪気をも光に変える力を
流牙、新たな力を得る。とも言うべき内容だった今回の牙狼東ノ界楼。莉杏にガロの鎧の浄化を頼んでいる間、前回登場した謎の魔戒騎士こと「亡者ノ鎧」を纏うこととなりました。主を失った鎧が納められた鎧ノ塚の存在もあって、前回の予告の時点で薄々想像は出来ていましたね。主人公がガロ以外の鎧を召還する点も、流牙主人公の前作『ハガネを継ぐ者』で既にハガネを使っていたので違和感もあまりなかったです。むしろオタクという存在はこういう急ごしらえの緊急フォームや装備が大好物なので、今回の話に大喜びしちゃったり……
しかし今回の大筋で鎧ノ塚で彷徨う英霊相手に、流牙が力を借り受けるまでの過程を短くもしっかり描いていたのが注目ポイント。気難しい英霊に臆することなく挑み、認めさせるまでがスムーズだったと感じています。「俺が信じた人たちのために戦う」という信念も、実に流牙らしい真っ直ぐなモノで胸が熱くなりましたね。そうして亡者ノ鎧を光で包み込んだ結果、瞳の色が流牙特有の橙色になる演出も見事でした。前回の時点では不気味で恐ろしく見えていた鎧が、一転して頼もしさに溢れた佇まいになったと直感で理解させられた気分です。
これだけでかなり盛り上がったのですが、さらに閃光剣舞の使用シーンでテンションが上がりました。ビジュアルこそ亡者ノ鎧ですが、前作と同じ構え&エフェクトだったのですぐにピンときましたね。(閃光剣舞の「自身の闇を光に変える」性質が亡者ノ鎧の邪気を利用しているように見えるのがまた良きかな)鎧に選ばれる展開が予想通りだっただけに、こうしたサプライズを持ってきてくれるのはファンとしてはたまりません。鈴村監督が続投しているからこそ実現した過去作との繋がりも相まって、大いに興奮させられるバトルでした。
- 嗤い、悩む、魔戒法師それぞれ
前回から流牙を監視している南の魔戒法師「レクトル」。序盤早々に流牙に見つかりながらも、掴みどころのない飄々とした態度を見せてくる妙なキャラクターが印象に残りました。終始ヘラヘラとしており、人によってはやや不快な印象を抱くかもしれません。しかし言動の端々から流牙への期待を寄せたり、時には心配する態度がにじみに出ていましたね。こういった要素もあって根は悪くなさそうなのも伝わってきますし、個人的には一応味方として見ていいと判断した次第です。とはいえ左腕が石化していたり、謎多き目玉のことを知っていたりと油断してはいけないのですが……
(またレクトルに関してはアクションシーンもここすきポイント。終始流牙に押されていたものの、やや及び腰なところも含めて動きが軽やかで見応えがあったと感じています)
他にはやはり莉杏のシーンが目に留まりましたね。流牙に対して大したことないかのように振る舞っていた意味が、リュメ様の「私の跡を継ぐのです」で一気に理解出来ました。*1この言葉を受けた莉杏が自分が界楼になるべきなのかと考えるのも当然と言えるでしょう。ただリュメ様が言う跡を継ぐというのは本当にそういう意味なのかについては正直怪しいところ。(そもそも流牙と莉杏の関係をよく知るリュメ様が彼女に界楼の役目を強いるでしょうか?)莉杏が向かおうとしている祠では何が待っているのかも含めて、彼女の動向は間違いなく本作で最も注目すべき内容となるでしょう。
- 東の街・サガンへようこそ
そして今回最も視聴者の度肝を抜いてであろう「東方探訪」なるコーナーについても触れておきたいところ。前回よりも早くEDが流れてきたように体感していたら、突然謎のCパートが始まってので困惑せずにはいられなかったです。しかも今回の舞台であるサガンの街を紹介してくるのもあって、その空気感はさながら大河ドラマ本編後に挿入される○○紀行といったコーナーのよう。全体的にどこかのどかに見せてくる雰囲気だった故、先ほどまでの緊迫した本編とのギャップから思わず吹き出しましたよえぇ。
ある意味本編の尺稼ぎとも言えるはじめはじわじわきましたが、CGのクオリティのおかげである種異世界を覗いていけるような体験が出来たのは素敵なポイントでした。何より「岩山と谷が生み出す特殊な地形が砂から街を守った」「かつては滝が流れていた」「他者の詮索をしない流儀が街にはある」といった、サガンの特徴が語られていたのが魅力的。本編で説明する暇がない状況で、世界観をこうして補完するのは上手い手法だと思いますね。最初は面食らったものの、これはこれでアリだと言えるくらいには素敵な試みかもしれません。
次回は流牙とレクトル、莉杏とエルミナそれぞれの道中が引き続き平行して描かれる模様。さらに今回の冒頭で嘆かれていたサガンの水不足について、長老が井戸に湧いた奇跡の水に気付くとのことで少々不穏になってきました。明らかに怪しい水ですが、ただでさえ苦しい生活を強いられている人々にとって喉から手が出るほど欲しいもの。ここから悲劇が始まることを覚悟しておいた方が良さそうですね。
次回!「砂獄」
罠とわかっていても、抗えない飢えはある
ではまた、次の機会に。
*1:余談だが今回のリュメ様の声は少女ではなく、本来の年齢のモノだったと推測出来る。
