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超宇宙刑事ギャバン インフィニティ 第1話「赤いギャバン」感想

蒸着せよ、

宇宙刑事ギャバン!!

次元を超える赤き英雄譚を見逃すな────

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 東映による新たな特撮シリーズ【PROJECT R.E.D.】。その第1弾である『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』の放送がいよいよスタート。80年代に放送された人気特撮『宇宙刑事ギャバン』を原典としつつ、複数の次元を飛び回る複数人のギャバンの物語として発表当時から大いに話題を呼びました。新シリーズ始動と同時に解禁された「赤いギャバン」のビジュアルの衝撃は、今も記憶に新しいかと思います。

 そして50年の歴史と共に一旦の休止を迎えたスーパー戦隊シリーズの後釜も務めることとなり、様々な意味で注目されている作品と言えるでしょう。僕自身、長く親しんでいた戦隊の終わりに未だ寂しさを感じているところ。しかし新たなヒーローシリーズを展開していく未知なる領域への期待も高まっており、放送された本作の1話でその興奮を味わうこととなりました。今回はそんなギャバンインフィニティの記念すべき1話についての感想を書いていく予定です。

(筆者はギャバンは一応知っているもののリアタイ世代ではないので、原典でのネタの言及に関して不十分になるかもしれませんがご了承ください

 

 

  • 異星人との社会&異なる宇宙を伝えよう

 というわけでまずは本作の世界観について触れていきたいと思います。宇宙人が地球人と共に当たり前のように生活している「宇宙共生時代」を現代社会で描いている、実に東映らしいSF的絵面が最初に目に飛び込んできました。異星人による犯罪が続出している点も、『特捜戦隊デカレンジャー』などを彷彿とさせるのでむしろ馴染み深いと言えますね。そして本作特有の設定として「エモルギー」なるものを悪用する者が出回っているのも、犯罪を取り締まる警察側の物語としてこれ以上ないくらいマッチしていました

 しかしそれ以上に重要なのが多元地球の要素。事前に説明されていた通り、複数の宇宙を巡るマルチバース(劇中では「コスモレイヤー」と呼称)が最大の特徴となっていました。それぞれの宇宙のエモルギー関連の事件と怪物「エモンズ」を対処するために各次元に移動して解決に当たる……という主人公周りの目的がシンプルに読み取れた次第です。ネガティブ波動なるものが増大すると多元宇宙が崩壊してしまう事実もサラリと語られているおかげで、事の重大さも伝わってきました各地球の見た目の相違点が乏しい点は引っ掛かりますが、本作ではそこは重要ではないのかもしれません。*1

 といったように1話から情報の洪水となっていましたが、スラリと呑み込めるのが見事でした。これらの設定周りをナレーションと登場人物の会話で自然に説明してくれるので、視聴者にとって非常にありがたかったです。(AIアシスタントの「アギ」が可愛いイラスト付きで解説してくれるパートがあるのも良き)それでいて何故資料課がこのような重大任務を極秘で遂行しているのかなど、気になるポイントをある程度仄めかしているのも素晴らしいですね。少しずつ情報を小出しにしていくことを実質約束してくれているので、安心して次回以降を見ていけます。総じて雰囲気を掴ませつつ、引きを作ってくれるバランス感覚に早速惹かれましたね

 

 

  • 誰かを想い大勇滾らせる熱血刑事

 そして本作の主人公「弩城怜慈(ドキ・レイジ)」についてですが、彼のシンプルながら深いヒーロー性に早くも魅了されました。普段は資料課として周囲にバカにされながらも、裏で重大事案をこなしていく凄腕の刑事。この設定からしてギャップ満載で痺れます。この手の窓際部署の所属がハイスペックという、日本の刑事モノあるあるを特撮作品でわかりやすく描いてくれているのがたまりませんね。(不肖メタレドはドラマ『相棒』シリーズが大好きなので、こういった設定相手は本当に弱いです)

 怜慈そのものに関しても、表向き飄々としていながらその実情に厚い熱血漢という性格が魅力的。中でも被害者の気持ちに寄りそいながら、加害者である兄に妹の想いを訴えるシーンに胸打たれました。家族の声を無視しているヤツの言葉が誰かに届くわけがねぇ!と言わんばかりの啖呵で、彼の熱さと義理堅さが伝わってきます。それでいて妹に兄貴が「声のあげ方しくじっただけだ」とフォローするのもここすきポイント。人の感情そのものではなく手段に憤る姿勢から“罪を憎んで人を憎まず”の信念も読み取れるのでより好感を抱きました。

 また劇中で発せられた特徴的なセリフの数々も見逃せません。「その怒り、俺が預かる」を筆頭に「そんな気持ちで食う飯が上手いはずがねぇ!」「お天道様を怒らせんな!」などの言い回しはやや古臭い、しかし裏を返せば親しみやすいとも取れますね。この辺りは『爆上戦隊ブンブンジャー』にて「自分のハンドルを握る」という印象的なセリフを使っていた、冨岡淳広氏ならではの味付けだと思います。それらの言葉に怒りを連想させるワードが入っているのもポイントで、怜慈の理不尽を許さない義憤が込められていることを理解出来ました。そんな熱さに満ちた怜慈の活躍、今後も楽しみになってきます。

 

 

  • 熱き血潮に怒りを宿し、真紅の連撃で悪意を討つ

 

ゲキドー
GEKIDO!
激 怒

チャージ!

 

「蒸着!!」

 

〈“蒸着”それはギャバンシステム発動のコマンドだ〉

〈では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!〉

〈蒸着コマンドを受けて臨界点を越えたエモルギーが、トリガー内に凝縮されたギャバリオン粒子と融合〉

〈わずか1ミリ秒でコンバットスーツへと投射形成され、蒸着を完了するのだ!〉

 

ゲキドー!!

アクティベート!

 

 多元地球Α0073(アルファマルマルナナサン)出身の銀河連邦警察・資料課所属の弩城怜慈がギャバン専用特殊宇宙銃「ギャバリオントリガー」に怒りのエモルギーが込められた「ゲキドーエモルギア」をセット。蒸着コマンドを唱えると同時に赤いコンバットスーツを蒸着した姿「宇宙刑事ギャバン・インフィニティ」。本作の主人公が変身する主役戦士・ギャバンの1人です。

 原典のギャバンのカラーリングが銀色なのに対してこちらは『宇宙刑事シャリバン』を彷彿とさせる赤を基調としているのが最大の特徴。しかしデザインシルエットに限れば、本作のギャバンで最も原典に近い丸くシンプルなフォルムをしています。さらにギャバン特有の発光部分はマスク全体に広がっており、さながら憤怒の形相を浮かべているのがポイント。まさに鬼神が如きその険しい表情にはカッコよさすら感じますね。

 戦闘ではギャバリオントリガーはもちろんのこと、剣型デバイス「ギャバリオンブレード」も同時に使用。ブレードで斬りトリガーで撃つ、といった動作を巧みに使い分けながら白兵戦での無類の強さを発揮していました。敵の攻撃は腕のブースターでの高速移動などを駆使して軽やかに避けつつ、攻撃の手を緩めない激しさがインフィニティの戦闘スタイルと言えるでしょう。必殺技のギャバリオンブレードによる連続攻撃の勢いからも伝わってくるように、“許せぬ悪意への怒りを力に変える”に申し分ない熱さを持っています。ギャバンの名を受け継ぐ新たなヒーローとして、鮮烈なデビューを果たしてくれましたね

(余談ですがナレーションとエモルギアの声を兼任している川澄綾子さんの「蒸着プロセスをもう一度見てみよう!」に思わずテンションが上がりました。しかもこのセリフが丸々DX玩具で変身ボイスとして入っている事実にじわじわきたり……

 

 

 というわけでギャバンインフィニティ第1話の感想でした。初っ端から「コスモギャバリオン」と5人のギャバンのバトルシーンから入って驚いたものの、以降は本作がどういったテイストなのかをしっかり魅せてくれるので肩の力を抜いて楽しめましたね。アイキャッチを導入しているなど懐かしさも盛り込みつつ、新鮮な気持ちで視聴出来た次第です。(ギャバリオントリガーのギミックに『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』のテガソード、エモルギアのマスコット性に『仮面ライダーガヴ』のゴチゾウといった過去作のヒット要素を盛り込んでいる点も評価したいところ

 そして休止したスーパー戦隊や同じニチアサで放送している仮面ライダーと似たような空気も感じていますが、これは東映特撮である以上避けられない問題なので仕方ないと割り切っています。*2同時に上記の2つのシリーズとは異なる、未知なる領域への挑戦も感じられるので何だかんだで好意的に見ているところです。むしろここから如何にして本作ならではの味わいを出していくのか、それらに対する楽しみが生まれてきましたね

 他にも地球支部局長「カレル・コム・ウィギレス」の意味深なセリフや捜査一課のやや道化じみたポジション。Λ8018(ラムダハチマルイチハチ)の「ギャバン・ブシドー」こと「哀哭院刹那(アイコクイン・セツナ)」のあまりにも時代劇すぎる喋り方など、個性的なキャラクターに目が惹かれます。(あと魔空空間の存在がある辺りマクーも出てくるのでしょうかね)ここから如何にしてギャバン同士の共闘を描いていくのか、戦隊に代わる新しいニチアサの楽しみとして見届けていく所存です。

 

 

(※ちなみに次回から感想は個別ではなく、4話くらいを簡易感想にまとめて書いていく予定です。しかしながら印象的、あるいは好みのエピソードがあった場合は個別で書くことがあるかもしれません。以降は月一の感想投稿になるので形式の違いに戸惑うことがあるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:ちなみにマルチバース導入に関して、チーフプロデューサーの久慈麗人氏は「映画『ドラえもん』でドラえもんとのび太が別の世界で冒険するワクワク」を例に挙げている。(リンク先(https://www.cinematoday.jp/news/N0153230)を参照)この証言から子ども向けとして難しくしない方向性を取っているのが伺えるだろう。

*2:この問題に関しては戦隊とライダーそれぞれが長い歴史の中で手広くやってきた結果、既視感を覚える要素が増えてしまった弊害とも言える。