目覚める使命
惑いと憂い
隠されていた秘密、消し去りたかった真実が今語られる
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- 明かされる滅びの道、行く末を見据える者たち
不自然な怪獣の出現、転じて人間と怪獣の終わりのない戦いを示唆することとなったオメガ22話。しかし今回はソラトを助けてくれた親切な人、もといゲネス人の「アーデル」が明かした驚きの真実が大きな見どころとなっていました。ビデオメッセージ越しに様々な情報を教えてくれるので、驚きと困惑が同時に襲い掛かってきましたね。情報量も多いので混乱しそうになりますが、箇条書きにしてまとめると……
- 「目覚めの刻(とき)」とは、生物が暮らす星に数千年に一度発生する怪獣増加出現期とも言うべき現象。(曰く「人間と怪獣の生存競争」なのだとか)地球でもはるか昔に一度小規模なモノが起きたらしい。
- 以前ゾヴァラスが口にした「ナギル・エグラータ」……「宇宙観測隊」は高度な文明の行く末を監視し、その記録を元に未来永劫続く平和を築こうとしている存在。宇宙人や宇宙怪獣による介入を防ぐ役割も担っている。
- ゲネスの民は怪獣を脳波で操る兵器(ゾヴァラス)などを作り対抗していったが、戦いの末故郷の星は荒廃、生き残ったわずかな民は肉体をエネルギーに変えて次なる故郷を探す長い旅に出たという。
- 地球を発見したゲネスの民は侵略しようとしたところで地球を担当する宇宙観測隊の1人・オメガと交戦。そして本編第1話冒頭へと繋がる。
といった感じ。目覚めの刻と宇宙観測隊、そしてゲネスの民の末路は密接に繋がっていたのはかなり興味深いです。何よりアーデルの説明が進む度に、本編の様々な描写が連想されていく演出に膝を打ちました。おかげで頭の片隅に残っていた疑問の数々が、点と点で繋がり線になっていく快感へと変わっていきましたね。(個人的にはゾヴァラスの話でアーデルがゲネス人だと察せられる瞬間がここすきポイント)これまで密かに積み重なってきた伏線や布石を見事に回収していったとして、この一連のシーンにはある種のカタルシスを覚えずにはいられなかったです。
その一方で目覚めの刻の正体に加えて、地球人が滅びの道を辿ろうとしている可能性に鳥肌が立ちました。怪獣を倒すために強い兵器を作り、結果怪獣も強くなり対抗してさらに強い兵器を作る……ちょうど地球人も似たような状況に置かれており、いずれゲネス人と同じ末路になることが容易に想像出来ます。(18話のバロッサ星人の「滅びゆく種族」発言や20話の荒廃した未来の地球が思い浮かびました)現実の熊被害の対策にも似たような、終わりのない戦いへの寂寥感も覚えますね。まさにかつて『ウルトラセブン』で登場した「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」の言葉に沿った話でした。
- 親切だったはずの彼のルセンチマン
このままでは地球人と怪獣の行く末は破滅しかないのか……という不安とはまた別に、アーデルの人間臭い訴えにも目が留まることとなりました。そもそも彼はゲネスの民の中では穏健派だったようで、故郷の星を壊しかねない行為や地球への侵略に反対していたとのこと。そのうえで記憶を失ったオメガ(ソラト)を助けたのも戦いをやめたがっていたという動機も明かされて、個人的に彼への好感度が上がりました。戦いを続けた結果を思えば、疲れ果てて静かに余生を過ごしたくなるのも当然の話です。(そういった意味ではソラトの言っていた通りの「親切な人」だったのでしょう)
しかしソラトが人間を守り始めたことで、彼に対する嫉妬や怒りの感情をぶつけてきた時はショックでした。同時に「自分たちを見捨てたくせに、地球だけを守るなんて許せない」という彼の気持ちも理解出来た次第です。逆恨みにも近いものの、今さらになって宇宙観測隊の役割を放棄したソラトに不公平を感じるのもまた人として当然の感情。観測隊員の肩入れによって上手くいっている地球と、滅びの道しか選べなかった自分の星を比べてしまったのがアーデルの悲劇と言えるでしょう。アーデルが本来穏やかな人物であることは十分に読み取れただけに、こうした形で感情が爆発してしまったのは悲しすぎますね……
また余談として、アーデルを演じた螢雪次朗さんの存在感は見事の一言。元々『ゴジラ』をはじめとして様々な特撮作品と縁の深い役者さんであり、個人的には『牙狼<GARO>』シリーズで倉橋ゴンザを演じていたのが印象深いです。(ちょうど今年公開された映画『牙狼<GARO> TAIGA』にもサプライズ出演を果たしてくれましたね)アーデルの人の好さそうなキャラクターと、そんな人物ですら過去と現在の境遇から憤りをぶつけるまでに陥ってしまう、そんな素敵な演技を見せてくれた螢さんに感謝の念を送りたいところです。
- 目覚めの刻より現れし、無数の怪獣たち
今回アーデルが用意したであろう「甲虫怪獣タガヌラー」は、元は『ウルトラマンブレーザー』にて初登場した怪獣。前作『ウルトラマンアーク』にも登場しており、今回で3年連続出演を果たしました。長い鼻と巨大なカマ付きの腕を持つ、特徴的なフォルムはいつ見ても個性的だと感じます。戦闘に関してはオメガをカマの一振りで吹っ飛ばし、ヴァルジェネス相手には頭部の光線でダウンさせるなど意外なほど善戦していたので驚きましたね。(ただこの辺りはソラトもコウセイも動揺していて本来の力が出せなかっただけかもしれませんが)最終的にはヴァルジェネスアーマーの一撃で瞬殺されてしまったものの、短くも鮮烈な活躍を果たしてくれた思います。
他にも今回はアーデルの説明のイメージとして、ゲネス星に発生したであろう怪獣たちのシルエットが多数見られたのも注目ポイント。レッドキングやベムスター、ネロンガにバードンとお馴染みの怪獣はもちろんのこと、グロマイトにオニオン、ロベルガーやキングシルバゴンといったマイナーどころまで確認出来たので度肝を抜かれましたね。近年の作品であまり見られない怪獣がしれっと映っていたのは、ファンとしても非常に嬉しいところ。経年劣化したスーツが残っていたり、あるいはヒーローショーなどのアトラクション用スーツを使用しているのかもしれない、といった考えまで浮かんできます。シルエットだから叶ったであろう、懐かしの面々を見られてちょっと興奮気味です。
- 矛盾した宿命に何を思う
さてこれらの情報からソラトもといオメガの正体が一気に明らかになったわけですが、結果彼の悲しいジレンマを感じ取ってしまうことに。もう1人のソラトが咎めていたのは地球人に肩入れする、宇宙観測隊の領分を逸脱した行為そのものだったのでしょう。(怒りをぶつけるアーデルに冷淡とした態度を見せたのは、このもう1人のソラトだったのかもしれません)それだけにこれまでやってきたことが間違いであることを突きつけられたも同然なので、ソラトのショックは計り知れないと言えます。
さらにソラトは元々宇宙観測隊の役目に疑問を抱いていた可能性が何となく伝わってきましたね。思えば第1話でコウセイが迷子の女の子を助けた後、「見捨てると気分が悪い」という彼の言葉を理解していました。自分には救える力があるのにそれを行使してはいけないことに、不満を抱いているからこその発言だったのかもしれません。エグラータ(観測隊)という言葉をギリギリまで思い出せなかったのも、かつての立場に戻りたくなかった深層心理からきているのかもしれませんね。
以上のことを踏まえたうえで、ソラトが変わったのはやはりコウセイの存在が大きかったのだろうと改めて感じ取りました。上述の女の子にコウセイが手を差し伸べるまで傍観に徹していましたし、彼が掛け値なしの純粋な優しさに触れたのがきっかけだったように見えます。ウルトラマンオメガという存在は、まさに「優しい」若者に感化されて生まれたことがここにきて伝わってきましたね。(そうなると残った謎はメテオカイジュウなんですが……何故レキネスたちはソラトではなくコウセイを主に選んだのでしょうか?)
そして次回は過去を思い出してしまったソラトの苦悩が描かれる模様。本来の自分を取り戻していくと同時に、今の自分との考えの違いがせめぎ合っていそうで気が気でありません。地球人を守ってきたことを否定され、ソラトの優しい人格が塗りつぶされてしまうのかも……といった不安すら湧き上がってきますね。
さらに人間と怪獣の戦いは激化の一途を辿るということで、これまたハラハラさせられます。国際的な怪獣対策組織が発足される中、未知の怪獣の出現によって再び激戦が始まるようです。このままではゲネスのように滅んでしまうかもしれないとしても、この難題にどう向き合っていくのか。今後の展開に目が離せません。
ではまた、次の機会に。
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