わからなくても、楽しいモノ
対戦中の長考には広い心を持ったうえで気を付けよう!
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
- 理解出来ずとも“わかる”こと
5人目の部員としてカレン、顧問としてエリザ先生が入ってくれたことでついに部として発足したデュエマさいこークラブ。しかし今回のデュエマWINはそんな部の様子を描くというよりも、ウガタによるウィンの観察が話のメインとなっていました。以前から抱いていたウィンやアビスロイヤルに対する不信感を解消するため、じっくりと見極めようとしていくウガタの姿は不審者そのもので何ともシュールです。(とはいえ視聴者にとっても疑問だったウィンの変貌などにも触れてくれたのは嬉しいところ)
初登場から何かと「慎重」を極めているキャラでしたが、その慎重っぷりからかえってトンチキな方向に進むのが特徴的なウガタ。今回もウィンのコミュ力の高さやウインナーの出来などいちいちメモする行動が目立っており、律義さが実におかしかったです。何でもかんでも理解しようとするタチ故か、「わからなくても面白ければいい」というウィンのスタンスに驚愕するのも興味深かったですね。その結果ウィンについては理解出来ないことだらけないことだらけながら、「良い奴なのだろう」ということだけはわかったオチも爽やかで、ウガタにとっても視聴者にとっても不思議と満足感を得られましたね。
デュエマパートでもそんなウガタのキャラクターが反映されていたことも注目ポイント。何と言ってもルール・プラス《13番目の計画》4枚でデッキ枚数を増加した「60枚デッキ」を持ち出してきたことに思わず声を上げてしまいました。デッキ内容に関しても特定の状況下で強力に作用する「銀の弾丸(シルバーバレット)」を大量に投入したシルバーバレットデッキで、《ディメンジョン・ゲート》といったサーチカードで様々な状況下に対応するようカードを揃えていく様子には感心させられました。山札を見ることで間接的にシールドの内容も確認し、トリガーを仕込むプレイングもお見事です。
その慎重さ故にプレイ中に1時間以上長考するシーンも挿入されましたが、対戦相手のウィンも同意のうえで待ってくれたのでそこまで問題ではなかったということでしょうか。(ウガタ自身がキチンと断りを入れていた点も好ましいです)むしろ様々な状況を考慮し、少しでも可能性を広げようと模索するウガタの慎重さがよく表れていたとも言えます。他にもウィンがそんな面倒くさいところも受け入れてくれたからこそ、ウガタも彼が良い奴だと結論出来たのかもしれないと個人的には感じられるパートでしたね。
- ウインナーから生まれる新たな眷属
今回もう1つの見どころだったのがアビスに新たな戦力「ノワールアビス」が加わったこと。邪神くんが生み出した存在であることは事前に告知されていましたが、ウィンが作ったタコさんウインナーを食べることで生まれる経緯には唖然となりましたね。ウインナーを食べられず干からびていた邪神くんの姿だけでも絵面が濃いのに、ウインナーを食べてから産む瞬間のショッキングさったらなかったです。
そうして生み出したノワールアビスのスパトー:ド:スパトゥーに対する邪神くんの可愛がりようも意外でした。部下のアビスロイヤルには理不尽なパワハラが多い彼にこうして愛でる感情があったのは結構驚きです。(やはりお腹を痛めて産んだ子どもだから、母性本能が湧いてくるのでしょうか)ただ劇中のスパトゥーはグロテスクな見た目ながらペットの犬のようにはしゃいでいる様子が多かったので、こちらも見ている内にその可愛さにすぐ魅了されることになりましたね。ジョーカーズの時のようなマスコット的愛嬌もあるので、邪神くんが可愛がるのも納得といったところ。
そして問題はそんなノワールアビスを生み出したウインナーの謎について。パパリンが作ったウインナーを食べた時にはこのようなことがなかったことから、ウィンが作ったのが最大の要因であることが読み取れます。最初は特級呪物宿儺の指かな?を生み出してしまっていたものの、デュエマ以外でも覚醒モード(仮)になってこのウインナーを生み出したウィンの底知れなさを感じ取った気分です。まぁそもそもアビスの眷属まとめて魅了するこの世界のウインナーの意味不明さにも驚きを隠せないのですがね……
- 古き記憶より呼び寄せしは、深淵を八足に宿らせる獣なり
スパトー:ド:スパトゥー 闇文明 (5)
クリーチャー:ノワールアビス
パワー8000
▪️アビスラッシュ:このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。そうしたら、このターン、このクリーチャーはプレイヤーを攻撃でき、ターンの終わりに山札の下に置かれる。
▪️W・ブレイカー
▪️このクリーチャーが離れた時、アビス・メクレイド8する。
邪暴乱舞(ジャンボ・ラブ) 闇文明 (6)
呪文:アビスへの誘い
▪️アビス・メクレイド8する。
▪️自分の山札の上から2枚を墓地に置く。
ウィンが手にした新たな闇のキリフダ。邪神くん自らが生み出した新種族「ノワールアビス」を持つオーバーレアです。そのデザインはこれまで登場したアビスロイヤルとは異なり、古代の生物をモチーフにした見た目が特徴的。アビスロイヤルが不気味ながらも品格漂う雰囲気を醸し出していたのに対し、このノワールアビスは生物としてのおどろおどろしさ・生々しさが押し出されているように感じられます。(一方で愛らしさもあるのですが)中でもスパトゥーはタコを思わせる軟体生物を思わせるビジュアルをしており、アビス関連で少しだけ露出していたクトゥルフ神話要素を強く意識しているように思えます。(また余談ですが、このクリーチャーのビジュアル自体は《深淵からの復活 ジャシン帝》のイラストで既に登場していました。この時点でノワールアビスの存在を仄めかしていたことに驚かされますね)
まずクリーチャー面はコスト5のパワー8000、W・ブレイカーと上々のスペック。自前でアビスラッシュを持っているため、墓地に置いておけば即時打点になれるのは及第点といったところでしょうか。さらにこのカードは場から離れた時にアビス・メクレイド8を行うpigも備えており、仮に除去されても確実に後続に繋げられるのが大きな強みとなっています。アビスラッシュで出しておき、ターン終了時に山札に戻るデメリットをある程度緩和しているのもいいですね。メクレイドのコスト対象も大きいので、劇中のように《深淵の螺穿 ラゼル=ズバイラル》といった大型アビスも出せるのが嬉しいところ。
そして呪文面は同じくアビス・メクレイド8を行い、さらに山札から2枚墓地に置く効果。メクレイドだけでなく墓地肥しにも使うことが出来るので、唱えられたらかなり便利です。そしてメクレイドでこのカードがめくれた際、呪文面を唱えることでさらなるメクレイドと墓地肥しに繋げられるのが何より強力。山札の方も一気に圧縮させられるので、その後のメクレイドの成功率をさらに高めてくれるでしょう。6というアビスで手打ちするには厳しい高コストと現状のアビス・メクレイドの不足がネックですが、今後のカードプールの増加次第で使い心地が如何様にも変わる可能性はあります。アビスラッシュとメクレイド、2つの能力を楽しめる新カードとして早く使ってみたい1枚だと思いますね。
さて次回はここ最近のネットミーム化している人D4の一角・霞ヶ関ファルゴによる妨害が発生。前回からウィンたちに対する当たりがキツかったところはありましたが、まさか直接的な嫌がらせをしてくるのはショッキングですね。とはいえ主人公の部活動を止めようとしてくるお邪魔キャラは学園モノでは定番中の定番なので、ある種の安心感もあったりします。
個人的にはファルゴよりも彼に立ち向かうとするケンドラに注目したいところですね。卑怯な手に怒る様子にどの口がと思うところもありますが、かつてイカサマを仕掛けてきた元不良が更生して同じような相手を正そうとしている点には好感が持てます。正直勝てる気があまりしませんが、少しでもファルゴに喰いついていけるよう、ケンドラを応援してやりたいです。
ではまた、次の機会に。