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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第2話「設立!デュエマさいこークラブ」感想

過去とか気にせずレッツデュエマ!

デュエマは不良生徒も(元)ギャングも楽しめる健全なカードゲームです。

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  • 過去がどうだろうと楽しもうぜ!

 前回のラストでデュエマを自由に楽しめる「デュエマさいこークラブ」の設立を決心したウィン。今回のデュエマWINは部活設立のために働くウィンの様子から始まりました。堂々と授業をサボって源さんと部室掃除に励むなど、順調に不良の道に突き進んでいることにウィンらしいと思いつつもちょっと苦笑いしてしまったり。(あとバレた時に酷い目に遭わされると想像する源さんがここすきポイント)またルームメイトであるウガタがウィンの計画性の無さについて小言を挟むシーンも印象的でした。とはいえ文句を言いながらも付き合ってくれている辺り、何だかんだで2人の相性はいい方だと思いますね。

 そして部の設立のために必要な部員確保のため、同じくマイハマ学園に入学していたマズキとケンドラを引き込む展開に。とは言ったものの、ウィンの方は2人のことをあんまり覚えていないことに吹き出してしまいました。邪神くんの邪神タイム(おしおき)が未だにトラウマになっているマズキたちと比べて、何とも温度差が激しい問答シーンです。しかしデュエマをしてからの両者の関係が非常に爽やかになったのは良かったですね。マズキたちが「デュエマに負けたら部に入る」という約束を守ったのは意外でしたが、ギャングから足を洗って真面目に学園に入学したなど彼らもだいぶまともになったのかもしれません。カツアゲクラブを作ろうとしていましたが。

 またウィンもウィンでマズキたちを快く迎え入れてくれたのも素敵なポイント。以前から描写されていましたが、ウィンは昔の諍いや恨みとかを気にせず誰とも仲良くなれる素質を持っていることがわかります。パパリンの件であれほどカイザに対する怒りを燃やしていたのに、今では彼すらも部に引き込もうと考えるほどです。良くも悪くも済んだことは気にしない、デュエマをすればみんな友達を実行しているサッパリした性格と言えますね。そんなウィンだからこそ、前作で露骨な悪役だったマズキたちも仲間に出来るということが良くわかる回でした。

 

 

  • いろはにほへとちりぬるを 呪符を呼び込む常ならぬ

コーボー・マジカルショッカー 水文明 (4)
クリーチャー:マジック・マーフォーク
パワー4000
▪️ジャストダイバー
▪️このクリーチャーが出た時、カードを3枚引く。その後、自分の手札を2枚、好きな順序で山札の下に置く。
▪️各ターン、自分がはじめて呪文を唱えた時、自分の手札を1枚捨ててもよい。そうしたら、マジック・メクレイド5する。(マジック・メクレイド5:自分の山札の上から3枚を見る。その中から、コスト5以下のマジックを1枚、コストを支払わずに使ってもよい。残りを好きな順序で山札の下に置く)

 マズキが新しく構築したデッキに搭載されていた1枚。「マジック・マーフォーク」という新種族を引っ提げたメクレイド持ちクリーチャーです。「ゴッド・オブ・アビス」以降の水文明らしく、着物を羽織った“和”の要素とヘッドフォンをかけたハイテク要素が混在している特徴的な出で立ちをしています。そして名前の元ネタは「弘法筆を選ばず*1のことわざで有名な弘法大師真言宗の開祖である空海諡号です。(空海が名前の元ネタである《開眼者クーカイ》との関連性は……まぁないでしょうね

 カードとしては典型的なシステムクリーチャーといったところ。各ターンごとに初めて呪文が唱えられたタイミングに誘発して、手札1枚を捨てたのちマジック・メクレイド5を行います。手札コストはかかるものの、自身のコスト以上のマジックを踏み倒せるのはそこそこ優秀と言えるでしょう。しかも唱える呪文の種類や誰が使うのかといった指定が存在しないため、相手ターン中に相手が唱えた呪文や自身のシールドからトリガーした呪文からも誘発が可能。いざという時のカウンターとしての動きも期待出来ます。

 また登場時は手札交換のcipとジャストダイバーのおかげで安全にメクレイドの準備を行えるのが魅力的。狙ったカードを踏み倒したい場合は《ブレイン・ストーム》といった山札操作呪文を唱えてからメクレイドするといいでしょう。同系統の呪文面を持つ《マジック・A・セミプーロ/♪閑かさや とにかくブレイン 蝉ミンミン》はメクレイドのコスト対象にはギリギリ入らないものの、おすすめの組み合わせです。

 懸念点はやはり手札消費の激しさですね。自分からメクレイドを発動するためには唱える呪文と捨てる用の手札の2枚が必要になってきます。cipの手札交換もそこまで増えるものではないので、手札が潤沢かつ唱えられる呪文が存在するうちに出しておく必要があります。堅実なメクレイドが可能な1枚だからこそ、しっかりと手札を整えて使っていきたいですね。

 

 

  • 愉悦に捩じれた段差が獲物の思考を削り取る

深淵(しんえん)の螺穿(らせん) ラゼル=ズバイラル 闇文明 (8)
クリーチャー:アビスロイヤル
パワー10000
▪️ブロッカー
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、またはタップした時、もしくは離れた時、自分は次の中から2つ選び、その後、相手は選ばれた2つのうちの1つを選び、自分がそれを使う。
▶相手は自分の手札を全て捨てる。
▶相手は自身のクリーチャーを全て破壊する。
▶次の相手のターンのはじめに、相手は自身のマナゾーンのカードを3枚までしかアンタップできない。
▶相手のシールドを2つブレイクする。

 マズキ戦にてウィンが用意した今回のスペシャルゲスト。《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》と似た冠詞を持つことからもわかる通り、アビスロイヤルの中でも上位の存在の模様。全身に螺旋階段の意匠が巻き付いている特殊なデザインをしており、筋骨隆々な鎧姿と相まって見る者を圧倒させる何かを感じさせます。ちなみに劇中のジャシン帝からは「変わり者」扱いされているようですが、それは後述の能力が関係していると思われます。

 まず目を引くのが8というコストの高さ。比較的低コストのクリーチャーたちが多いアビスにおける屈指の重量級と言えます。加えてパワー10000のブロッカー、W・ブレイカー持ちと基礎スペックも中々のもの。しかしそれ以上にこのカードの目玉と言えるのが、後述の選択式(モード)です。

 それこそ4つの選択肢の中から2つを選び、さらにその2つから相手が選んだものを発動させるというもの。テキストから読み取るのは少々わかりにくいですが、要は「相手にとって嫌な選択肢を当人に選ばせて使う」ということですね。相手は2つの選択肢のうちマシな方を選ぶと思うので、実質「相手が2番目に使ってほしくない能力を使う」とも読み取れます。その4つの選択肢もハンデス&クリーチャー全破壊&マナ使用制限&シールドブレイクと、地味に強力なものが揃っています。

 しかも特筆すべきはこのモード発動のタイミングがcipとタップ時、さらにはpigと実に3種類も存在する点。《アビスベル=ジャシン帝》のアビスラッシュ付与と組み合わせれば、同じターンに3回連続での発動が見込めます。「相手に選ばせる効果は弱い」というのがこの手のカードの常ですが、1ターンに何度も選ばせればそこまで問題にはならないでしょう。相手が選ばなかった選択肢を選んで選択を押し付ければ、ほぼ確実に3回分の選択肢を発動して相手の盤面を削ることが出来ます。

 とはいえ自分から先に選ぶ以上、相手がこの状況でどの選択肢を選びたくないか、仕方なく選ぶとしたらどれなのかを見極める必要があります。またシールドブレイクの選択肢はかえって相手にアドバンテージを与えてしまう可能性があるので、考えなしに選ばない方がいいでしょう。相手に心理的なプレッシャーを与えられる分、使用者の洞察力や思考がカギを握るトリッキーな切り札と言えます。

 

 

  • 不気味な学園の怪しい学園長

 基本的にウィンの和やかな雰囲気が楽しめた回でしたが、他にもカイザがマイハマ学園の学園長と対面するシーンがさらっと挿入されていた点も見逃せません。あのカイザにとっても目上の存在である、謎のヴェールで姿を隠した学園長*2の怪しさに注目せずにはいられなかったです。

 まずウィンが入学出来たのは学園長の手引きであることが判明。その理由も邪神の力を監視下に置くというものでまぁ納得は出来るのですが、同時に語った「学園、ひいては世界に心からの平和をもたらす」という目的には不穏なものを感じましたね。何より学園の守り神である女神様(学園のステンドグラスで描かれている女性がそれでしょうか)の元行っている点がカルト宗教染みており、どこか不気味に思えてきます。

 他にはカイザにデュエル・マスター捜索を命じていたことにも驚きましたね。前作ではカイザがデュエル・マスターの力を欲していたように見えていましたが、実際に求めていたのは学園長ということでしょうか。もしやこのマイハマ学園はデュエル・マスターを生み出すために創設されたのではないか……!?といった考えすら浮かんできます。それでいて「デュエル・マスターはこれから生まれる存在かもしれない」と捜索を中止させるなど、気まぐれにも思える行動からは学園長の得体の知れなさが伝わってきます。序盤だというのに早くも胡散臭い雰囲気を醸し出してきたマイハマ学園、そしてその学園長に今後も目が離せません。

 

 

 そして次回はデュエマさいこークラブ設立をかけたウィンVSカイザのデュエマが勃発!部を作るためにカイザの承認が必要とはいえ、こんなにも早く彼と再戦することになるとは思ってもみませんでした。話の展開からしてウィンが勝てる気はあまりしないので、本当にさいこークラブが出来るのが不安になってきましたね。カイザの新切り札も登場するようですし、ウィンがどこまで喰らいつけるのか気になるところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:弘法大師はどんな筆を使っても綺麗な字を書けたという話から転じて、「本当の名人に道具の善し悪しは問題ではない」ことを指すことわざである。

*2:とはいえOPでヴェールの下から見た目が確認出来るが。(どうやら学園長は小柄な老婆である模様