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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第44話「決戦!太陽と闇」感想

その身を焦がすは怒りか

それとも……

深淵VS爆照 虚無VS暗黒、2つの決戦の火蓋は切って落とされた!!

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  • 使命の戦いか、楽しむデュエマか

 駆けつけたウィンと怒りに猛り狂うカイザ。今回のデュエマWINは因縁の2人のデュエマ再戦が描かれました。(他にも周囲の面々の応援などが見られましたが、中でも嫌味を言いながらもウィンとボウイを認めているファルゴがここすきポイント)革命チェンジなどを駆使して両者一歩も譲らない戦いを繰り広げており、大型がバンバン出てくるのもあって見応え抜群でした。革命チェンジによる踏み倒しがメインであるためか、盤面の展開速度がいつも以上に速いと感じますね。そしてウィンが手にした邪神くんの新たな力をカイザよりも先に披露していたのは意外でしたが、そこから次回どのような逆転に繋がるのか、という楽しみになっていたとも言えます。

 注目ポイントはやはりウィンとカイザの温度差と言えるでしょう。カイザは例によって激情を走らせている中ついでに顔芸を披露しながらウィンは至って平然と楽しそうにデュエマをしていたのが印象的。「考えるのは楽しい」「次に来るカードを思うと、ドキドキする」といった言動からもウィンがどんな状況でもデュエマを楽しんでいるのが伝わってきますね。加えてパパリンから教わった八つ切りや、「俺が邪神くんを捨てるのは墓地だけだ」などに、ちょっとした余裕と遊び心が感じられるのもグッド。

 あくまで邪神を滅ぼしマイハマを守る使命感でデュエマを行っているカイザとはまるで対照的です。この対比は前作でのウィンVSカイザ(2戦目)でも見られましたが、今回は余裕がなくなっているカイザの様子も相まってより顕著に描かれていると感じました。

 

 

  • 羨望が入り混じる皇子の心?

 さてそんな手に汗握るデュエマにて、カイザの邪神やウィンに対する感情の数々が読み取れたのが大きな見どころでした。ここ最近ずっと燃やしてきた邪神への憤りだけでなく、自由気ままに過ごすウィンのことをハッキリ「憎かった」と言い放ったのは地味に衝撃的でしたね。その怒りに身を任せ、闇のマナに魅入られた結果相棒の鉄仮面(ボルシャック)を傷付けてしまっている現状も悲しかったです。闇を憎む中で、闇そのものに取り込まれてしまった今のカイザには皮肉めいたものを感じます。

 何よりカイザの怒り・憎しみには、ウィンへのいくらかの羨望が混じっているようにも聞こえましたね。マイハマを守るための犠牲を語りながらのうのうと楽しく暮らすウィンが許せずにいる節の言動も、自分がそうすることが出来なかった過去からくる憧れなのではないでしょうか。亡き母のことを想い必死に大人になろうとしていたカイザですが、その実楽しい家族との日々などを欲していたのかもしれません。大人を憎む一方で母のような理想の大人になろうとしていた彼の背景を考えると余計にそう思えます。

 またパパリンと過ごすウィンと1人寂しく縮こまるカイザ、幼少期の2人のシーンが両者の対比を残酷に映していました。もうこの描写からしカイザに足りなかったのは家族との温もりであることがわかりますね。母親の望みやボルシャックのことなど核心に触れるべき課題はいくつもありますが、個人的にはこのカイザの「年相応の望み」と「楽しむ心」を取り戻すことこそ最も重要だと感じさせる幕間だったと考えます。

 

 

  • 闇の領域を滑走する、邪神寵愛を受けし魔の騎馬

邪騎(じゃき) スベルニル 闇文明 (7)
クリーチャー:アビスロイヤル
パワー9000
▪️自分のマナゾーンにあるカードの枚数が相手以下なら、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。
▪️アビスラッシュ
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から5枚まで墓地に置く。その後、クリーチャーを1体、自分の墓地から手札に戻す。
「我(わ)が愛馬(あいば)よ!!」 SR 自然文明 (4)
呪文:アビスへの誘い
▪️S・トリガー
▪️エレメントを1つ選び、持ち主のマナゾーンに置く。

 邪神くんがウィンと闇のマナを共鳴させ、新たな力と共に手にした新アビス。《深淵の三咆哮 バウワウジャ》と同じくアビスロイヤルとしては珍しい獣の姿をしています。これは呪文面でも触れている通り、ジャシン帝の愛馬としてアビスロイヤル入りを果たしているということでしょう。《邪龍 ジャブラッド》や《邪闘 シス》と同じく冠詞に「邪〇」とある辺りからも、最上級のアビスであることが伺えます。

 その見た目は白馬のようなシルエットに対して、4対の目玉と8本の足、尻尾も3本以上あるなどかなり不気味。軟体生物で作られたかのような鞍も合わせてアビスらしい少々気持ち悪いビジュアルをしていますね。(足の数については元ネタが北欧神話に登場する6本足の神馬「スレイプニル」と考えると納得ではあります)しかしジャシン帝がまたがる姿は中々様になっていますし、その不気味なカッコよさがまた魅力的とも取れます。

 ツインパクトカードでまずクリーチャー面はコスト7の大型アビスで、マナの数が相手以下ならば2マナ軽減出来るのでアビスラッシュと合わせて手札・墓地からの早期着地が可能。相手のマナを参照する都合上どうしても相手依存になりがちですが、裏を返せばこちらのマナが上回っているなら正規の7マナで召喚することが出来るということ。コスト軽減は狙ってするものではなく、あくまで相手側に合わせて使い分けるという認識で使用するのが正解と思われます。

 登場後は墓地肥しと回収を同時に行うcipを使い、攻撃時に大型アビスに革命チェンジする活用法が一般的。本来のコストの大きさから劇中のように《アビスベル=覇統=ジャシン帝》に繋げることになるでしょう。ただアビスラッシュで出す場合相手のシールドに攻撃しなければならないのが不安要素ではありますね。それを補いたいならば《アビスベル=覇=ロード》のマッハファイター付与と組み合わせる方法も考えられます。
 そして呪文面はエレメント1つを対象としたマナ送り。コスト4の《ナチュラル・トラップ》というだけでもインフレを感じさせるほどですが、エレメント除去である点と自他を問わない点がさらに強力です。相手のタマシードやフィールドにも手が出せるのはもちろんのこと、cipを使い終わった味方をマナに変えてリソースとするなど柔軟な使い方が出来ます。コストの低さから手打ちやメクレイドなどでも唱えられるコストパフォーマンスの良さも目を見張るものがある優秀な呪文と言えるでしょう。普段は呪文面を活用しつつ、狙えるタイミングでアビスラッシュからの革命チェンジを行うサポートカードとして魅力的な1枚です。

 

 

  • 人を見た目で判断してはいけません

 ウィンとカイザの激闘の一方で、リッパー教授が闇ウガタが鎮座する神殿に辿り着いた展開も見逃せません。しかも黒幕の正体が女神ウィナを騙るCOMPLEXであることまで突き止めたことには驚きました。(これは女神ウィナ=COMPLEXということでしょうか?女神本人が別にいてCOMPLEXはその真似をしている可能性もありそうですが……)ウィンたちが戦う傍ら、異変の元凶を探し当てる有能さには舌を巻くばかり。そしてウガタを操るCOMPLEXとの決戦を繰り広げるなど、こちらはこちらで気になりすぎる光景だったのがニクイです。十中八九省略されるであろうマッチングですが、盤面を公開するなどしてある程度リッパー教授の活躍を見せてほしいですね。

 それにしても……リッパー教授が終盤ここまで頼もしくなるとは思ってもみなかったです。登場当初からその怪しい見た目と立ち振る舞いに警戒していたのですが、蓋を開いてみればウィンを鍛えたりアドバイスをしてくれるなど結構味方っぽかったです。それでも僕個人はどうしても教授の怪しさに引っ張られて何か企みがあるのではないか……?と疑っていたものの、今回COMPLEXと対峙するシーンで完全にその疑いが氷解してしまいました。変な話ですが「人を見かけで判断してはいけない」という大切なことを、教授から学んだ気分です。疑ってごめんなさい&頑張ってリッパー教授!

 

 

 そして次回はウィンとカイザのデュエマがさらにヒートアップ!カイザもバクテラスを繰り出し、両者の切り札がぶつかり合うことになるようです。しかもそれぞれのカードの能力と予告で見られる大量のアーマード&アビスの展開から、かなりド派手な光景が見られるであろうことが予想されます。加えてリッパー教授もCOMPLEXとの激闘を繰り広げており、マイハマ学園で始まる2つの戦いの行方が気になって仕方がないです。

 

 

 ではまた、次の機会に。