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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第34話「終結!希望の光」感想

その光は希望か?

それとも……

女神「希望の光を使いなさい……」ダメー

女神「強くなりたいんだろう?使いなさい……」ツカワナイデー

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  • 太陽を求める皇子の焦燥

 デュエル・ウォーズ準決勝第2試合にて、白熱していくウィンとカイザ。今回のデュエマWINで両者の激しい攻防が繰り広げられた中、まさかの一時中断という幕引きには衝撃を受けました。カイザが太陽を手中に収めようとするくだりの時点で嫌な予感がしていましたが、ウィンも含めて倒れてしまうのはさすがに予想していなかったです。太陽を引き寄せたことであわや大惨事になりかけましたし、最早デュエマしている場合じゃねぇ!とばかりの事態で有耶無耶になってしまったことにどこか残念に思ってしまいます。サブタイに「終結!」ってあるのに試合は全く終わっていないじゃないですかヤダー!

 何よりこのパニックを引き起こしたカイザの必死な様子が見ていられなかったですね。ウィンに追い詰められる中、女神ウィナの声を聞いて迷わず太陽の力を得ようとするシーンには彼の危うさのようなものが感じられました。それも絶対的な自信というよりも「こうでなければいけない」といった強迫観念に近いもので、カイザが知らず知らずの内に自分を追い詰めてしまっているのが痛々しかったです。前回明かされた母との過去もあり、母のような“理想の大人”になろうと必死になっているのがプリンス・カイザの現状なのかもしれません。(前々回のボウイが「自分らしさ」などを得て吹っ切れただけに、対照的に張りつめているカイザにますます同情を覚えます)ウィンほどフリーダムになってほしいとはいかずとも、カイザにはもう少し遊び心を覚えてほしいと思ってしまいます。

 準決勝ではウィン共々自身のマナを制御出来ずに倒れてしまいましたが、今後カイザが太陽の力を手に出来るかどうかも気になるポイント。太陽の力を得たボルシャック《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》を場に出すところまで行ったので、あとは如何にしてコントロールするかにかかっていそうです。(今回は《ボルシャック・サイン》で《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》を出してからのpigで踏み倒していましたが、次こそ正規に革命チェンジで出しそうですね)何よりウィンとの戦いが途中で終わって不完全燃焼になっているので、カイザが正しくバクテラスを使いこなしてからキッチリと決着をつけてくれることに期待したいです。

 

 

  • 大自然と暗黒を贄に、混沌の元帥が誕生する

シス=魔(マー)=シャル 闇/自然文明 (7)
クリーチャー:アビスキマイラ
パワー10000
▪️革命チェンジ:コスト5以上のアビス
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、自分の墓地にあるカードの枚数以下のコストを持つ他のクリーチャーをすべて、タップして持ち主のマナゾーンに置いてもよい。
▪️終極宣言:自分のターンのはじめに、アビス・クリーチャーを3体まで、自分のマナゾーンまたは墓地から出してもよい。(「終極宣言」は、ゲーム中に一度だけ使える)

 邪神くんがカイザ戦に向けてウィンに渡しておいた新アビス。アビスキマイラの《邪闘 シス》が、他のアビスと同じように自然文明と革命チェンジの力を開花させた形態です。以前の筋骨隆々かつ不気味なボディはそのままに、闇と自然複合のアビス特有の暴走族ファッション(黒い学ラン)に着替えているのが特徴的。不良らしくヤンキー座りしているほか、複数の腕でナイフや鉄パイプ、金属バットを構え、如何にもキレた若者のようにオラついているのが伝わってきますね。

 コスト7のパワー10000と以前のシスから若干サイズアップしており、コスト5以上のあアビスを対象に革命チェンジを行えるので出しやすさは良好。また革命チェンジに頼らずともアビス・メクレイドの踏み倒しや《アビスベル=ジャシン帝》による墓地からの召喚など、見た目の重さに反して場に出す手段に事欠かない点も魅力と言えます。

 そうして場に出てからは、まず百族の長 プチョヘンザ》を彷彿とさせる全体マナ送りを任意で放てます。自身の墓地のカードの枚数を参照したコスト除去で、墓地肥しを得意としているアビスにおいては十二分に効力を発揮出来る強力な全体除去です。相手だけでなく味方クリーチャーまで巻き込んでしまうのが玉に瑕ですが、《邪龍 ジャブラッド》で耐性付与して回避したり《アビスベル=覇=ロード》でマナから出し直すことである程度のケアは可能。後述の終極宣言を見越しておくのもアリでしょう。

 その終極宣言こそマナゾーンと墓地のアビスを最大3体踏み倒すというもの。何とマナコストなどの制限が存在しないため、大型からウィニーまでどのようなアビスでも呼び出せるという強力無比なものになっています。上のcipで相手の場を更地にした後に、自分だけが大量展開してきたら相手はひとたまりもないでしょう。(最もアビスの大半がアビスラッシュでない限り場に出てすぐに相手プレイヤーを攻撃出来ない点には注意が必要)

 このようにボードアドバンテージを稼ぐことにおいてはかなりの性能を持ちますが、見過ごせない難点もいくつか存在します。まず全体除去然り終極宣言然り墓地とマナゾーンの枚数に依存するため、それらがある程度溜まってからでないと効力を発揮しにくいです。これは革命チェンジによる早出し戦術とは噛み合いが若干悪いと言えます。もう1つ、全体除去はマナ送りのため実質相手のマナを増やしてしまうことから、場合によっては利敵行為になりかねません。cipを放ってからターンを渡した後に相手が潤沢になったマナで展開・反撃に出る可能性も十分にあり得ます。

 以上のことをまとめると、早い段階で繰り出すよりも墓地や盤面が整った状況を見極めて放つ詰めのカードと言えます。終極宣言を使わずともcipだけで十分に強いので、それらを如何に効果的に放つかを考えて使っていきたいですね。

 

 

  • その女神は果たして……?

 上述のカイザ暴走を引き起こした女神ウィナに関しても、今回は気になる要素がいくつかありました。とうとうウガタ以外にもその声が聞こえるようになり、「希望の光を使うのです」と囁きかけるシーンは厳かながらもどこか不穏なものを感じずにはいられなかったです。そもそもカイザがこうなってしまった以上、使わせようとした希望の光とやらがどこまで信頼していいのかも怪しく思えてきますね。

 それ以上に今回の件で、周囲の女神ウィナへの異常な信頼が描かれたのが印象的。劇中ではウィンのみ「何で女神があんなことを言ったのか」と不信がっており、他は全員そんなことを露ほども考えていませんでした。特に女神を信奉するカイザはまだしも、一見信心深さとは無縁なマズキが「女神ウィナが間違ったことを言うはずねぇだろ」と言い出した時は耳を疑ってしまいました。誰もが女神に対する疑問を抱かない光景は、まるでマイハマ学園の生徒たちがカルト教団の洗脳を受けているかのようで妙にゾッとさせられます。

 そんな女神ウィナの秘密を暴こうとするリッパー教授も見逃せません。ウィンとカイザのマナの昂りを感じ取るシーンなど、いつになくハイテンションに描かれていたのが何とも不気味でした。あと今回の作画も相まって顔芸がいつも以上に濃い!どうやら本気の2人をぶつけ合わせれば女神が動き出すことを読んでいたようですが、女神の持つ力を狙っているのでしょうか。女神への不信感を募らせるウィンとは別に、その正体に関して何かしらを握っているっぽい教授もかなり気になります。デュエル・ウォーズの結果は先延ばしになってしまったものの、一気にきな臭くなってきた女神関連にその分目が離せません。

 

 

 さて次回はちょっとした日常回に戻る模様。デュエル・ウォーズの一時中断により暇になった中、邪神くんは何やらウィンを強くするために動き出すようで……?魂胆はどうあれ相棒が主人公の強化を図ってくれるのは嬉しいところなのですが、予告で確認出来る餅をついている邪神くんの光景からしてトンチキな話になりそうですね。

 またカレンの様子も描かれるようで、病で倒れた頭領のために薬草を探しに行くとのこと。謎の熊軍団やら自生しているラーメン(!?)が蔓延る秘境を舞台に、カレンは頭領を助けることが出来るのでしょうか。絵面は例によってカオスですが、カレンのひた向きな想いには応援したいところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。