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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第33話「宿敵!それぞれの願い」感想

母への想いは光となるか

色々と明かされた過去回想にカイザへの推しが止まらない

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  • 想いを継ごうとする皇の願い

 今回のデュエマWINはデュエル・ウォーズ準決勝第2試合、ウィンVSカイザの戦いがいよいよ始まるところまでの内容。前作からの因縁の2人が、今回で4度目となる決戦を繰り広げるまでの準備が描かれました。その中でも最大の見どころはカイザの過去回想ですね。以前から仄めかされていた母親に関する謎がようやく明かされると同時に、彼がそこまでして叶えたい願いの詳細と想いもわかってきたのが興味深かったです。

 何といっても以前出てきたマイハマのジオラマが「カイザ母の理想の象徴」であった点に注目したいところ。マイハマの宇宙ステーションで働いていた母が太陽光を増幅するシステムでエネルギー問題解決を試みていたことを知り、あのジオラマが親子揃っての夢そのものだと判明した瞬間の驚きと納得は計り知れなかったです。(同時に以前の感想で「監視社会」云々などと的外れなことを書いてしまったことを恥ずかしく感じてしまいましたね……)加えて少年時代のカイザの純真さと母親との仲睦まじい光景から、彼にとって母との思い出と願いが“希望”であることが読み取れます。

 この親子のシーンがあまりにも微笑ましかったので最初から癒されましたが、それ故に何か雑に降ってきた謎の隕石によって宇宙ステーションと母を同時に失う展開にはかえって呆然となりました。死別していたのだろうとはある程度予想していたものの、いざ見せられると辛いものがありましたね。そしてこの出来事こそがカイザの戦う動機に繋がったこともわかりやすく伝わってきます。親から愛情と同時に貰った夢を受け継ごうとする辺り、カイザはある意味で誰よりも純粋なのかもしれません。母という理想と比べての周囲の大人への失望など苛烈な面も目立ちますが、個人的には今回の必死に母の理想の「光」であろうとするでカイザへの好感が結構上がりましたね。

 

 またこうして色々語られた後だと、なるほどウィンの願いが一蹴されるのもわからなくはありません。彼の「みんなで最高に楽しいデュエマがしたい」という願いはわざわざ叶えてもらうようなものではありませんし、上述のカイザの願いと比べると「良くも悪くも軽い」とさえ思ってしまいますね。そのうえここまで描かれてきたボウイやカレンたちの背負っている想いと比べても浮いていますし、現状のウィンには”勝ちたい”という貪欲さはないように感じます。とはいえ楽しむ姿勢そのものは決して悪いものではなく、ウィン自身自分の軽さなどを理解しているらしいことも留意しておきたいです。

 

 

  • 明かされた多くの事実と謎

 今回のカイザの回想シーンでは、他にも気になる描写がいくつか見られたのも見逃せません。まず母親を奪った隕石が闇のマナを纏っているという情報は衝撃的。加えて鉄仮面の男(ボルシャック・カイザー)の証言からしてあの隕石はアビスと関連がある模様。これに関しては腑に落ちることが多く、カイザがジャシンとそれを扱うウィンへの敵愾心や闇のマナが危険とされている根拠などの様々な理由が見えてきました。あの隕石に邪神くんたちが宿っていた可能性もありますが、その場合如何にしてシラハマのウィンの自宅にまで転がり込んできたのかという謎も残りますね。

 あとはボルシャック・カイザーが宇宙からの落下物からマイハマを守り、太陽を作り出した事実にも仰天させられました。マイハマに結界を張りつつ闇のマナを纏った落下物を破壊する姿は中々に勇ましかったです。(《完全防御革命》をおもむろに取り出して使うシーンはシュールでしたが)そしてこの出来事こそリッパー教授の「マイハマ学園は存在しない」発言の真相なのではないかとも思いましたね。存在しないというのは「本来マイハマはあの日、落下物によって闇のマナに侵食され消滅する運命にあった」といった意味合いがありそうです。そう考えるとリッパー教授の目的が途端にきな臭くなってきますが……

 回想シーン以外でもウィンの闇の件やリッパー教授が狙っている「アレ」など、如何にも伏線になりそうなシーンが満載で心が休まらなかったです。特にウィンの闇は出てきたかと思ったらすぐに引っ込むを何度も繰り返しているので、わかっていながらも心臓に悪いですね。さすがに何度もやりすぎな気がするので、上述の謎の判明のようにそろそろウィンの闇についても明確な詳細が欲しいところです

 

 

  • 鉄の弧を引き絞り、闇を焼く炎を放て!

ボルシャック・バリスタ・ドラゴン 火文明 (5)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン
パワー5000
▪️S・トリガー
▪️スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
▪️このクリーチャーが出た時、相手のコスト4以下のエレメントを1つ選び、破壊する。

 ウィンがブレイクしたシールドから登場したカイザのカード。彼の使用カード特有《ボルシャック》の名前を持ったドラゴンの1体です。通常のアーマード・ドラゴンですが、アビス・レボリューションが始まってからのボルシャックに見られる恐竜のような体型をしているのが特徴的。中でもこのバリスタ・ドラゴンは《ボルシャック・コーヤ・ドラゴン》などに見られる珍しい四足歩行をしており、頭部や背中を装甲で覆っているのが面白いところです。ちなみに背中に背負っているバリスタ(弩砲)からして、長距離の敵を撃ち抜く役割を持っているドラゴンかと思われます。

 カードとしてはまずコスト5にパワー5000とバニラ並みのスペックを持ちながら、S・トリガーとスピードアタッカー両方を有した基礎スペックが目を引きます。cipもコスト4以下のエレメント破壊と使いやすく、手打ちによるメタ焼きからトリガーからの防御まで使える場面が幅広いです。加えて自分のターンにはそのまま即時打点にもなり、《チャラ・ルピア》や《メンデルスゾーン》などから繋いで最速3ターン目に攻めることも可能。腐ることが少ない優秀な1枚と言えます。

 そしてこのカード最大の魅力は革命チェンジ要員としての適任ぶり。ドラゴンを対象とした《蒼き守護神 ドギラゴン閃》や《蒼き団長 ドギラゴン剣》はもちろんのこと、《輝く革命 ボルシャック・フレア》のアーマード革命チェンジにも対応しているのでそれらを主体としたデッキでの採用が検討出来ます。上述の除去能力も革命チェンジの天敵である踏み倒しメタをあらかじめ退かしておく手段になりますし、即座に大型に繋げられる点では他のチェンジ元と比べても段違いに使いやすいことでしょう。またボルシャックでもあるので【赤緑ボルシャック】でも防御札として使えるのが嬉しいところ。(《決闘者・チャージャー》で手札に持ってこられるのは個人的にもポイントが高いです)

 同じようにコスト5のチェンジ元になれるドラゴンには《紅奏龍メルダウ》がいますが、あちらは全体除去が基本なので差別化は容易。いっそのことこのカードと合わせて8枚体制にしても何ら問題はないでしょう。カードパワーや種族、名前までどれをとっても優等生なので、今後多くの出番が生まれることが期待出来ますね。

 

 

 さて次回はウィンとカイザのデュエマの後半戦。いよいよ現れるカイザの新たな切り札の存在に気分が高揚させられます。とはいえウィンの方も邪神くんから貰った新カードをまだ切っていない以上、ただやられっぱなしにはならないことも予想出来ますね。今回のように、まさしく一進一退の攻防が見られることでしょう。

 また邪神くんが例によってウィンの闇を引き出そうと企んでいるので油断なりません。案外ウィンの闇が暴走するなどして勝負が有耶無耶に……なんてこともありそうですが(実際予告ではウィンが苦しそうにしている様子が確認出来ますし)、決着はハッキリと付けてほしいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。