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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第43話「哀切!ダイヤモンドの意志」感想

爆臨する皇者と向き合い……

シスくんお前、そんな理知的なキャラだったのか!?

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  • 友として笑顔を見せて

 前回に続いてボウイとカイザのデュエマから始まった今回のデュエマWIN。懸命に攻めたてるボウイとそれにも全く動じずに反撃に出るカイザ、それぞれの異なる印象が目に焼き付く試合内容となっていました。ボウイの必死ながらも前向きな姿勢が目立つ分、彼のことを応援したくなりますね。

 ボウイの奮闘に関しては前回同様カイザを同じ目線に立つ仲間として助けようとしているのが印象的。加えて今回は「あなたに笑ってほしい」「デュエマは楽しむモノなんだ」といった言葉で説得してきたことにウルっときました。幼き日に笑ってくれたあの頃を思い出しながら、カイザに楽しくデュエマをしてほしいと願う姿には感動が止まらなくなります。視聴者の身としてもカイザの張りつめた表情に胸を痛めることが多かったので、カイザの笑顔を想ってやれる存在がいることへの安心感を覚えますね。ウィンから教えてもらったものを糧に強くなったボウイには、ここ最近エモさを感じて仕方ありません。結果的には大敗を喫してしまったものの、最後まで弱音を吐かなかったその雄姿を賞賛するべきでしょう。

 あとはやはり2人の激闘を観戦していたイッサとファルゴが、カイザの幼馴染として恥じているシーンも鮮烈でした。少年時代のビジュアルと一緒に昔からカイザと一緒にいた事実にも驚かされますが(特にラッパーみたいな少年ファルゴと「ファー!俺も甘く甘くなったものだ!」には吹き出してしまいましたよえぇ)、どんどん強くなっていくカイザを遠い存在にしてしまったことを語る様子がより衝撃的。この才能がある友人に対して引け目を感じてしまうという点は現実味があるからこその共感を覚えますね。だからこそカイザと同じ目線に立って止めようとするボウイとの残酷なまでの対比になっており、そのことを自覚して後悔と反省を見せる2人にもグッとくるものがありました。ここまで孤高を気取っていたカイザですが、彼にもこうして心配してくれる仲間がいるとわかっただけでも喜ばしいです。

 

 

  • 爆ぜる光を纏う時、全て照らす竜皇の神と成らん

竜皇神(りゅうおうしん) ボルシャック・バクテラス 光/火文明 (10)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン
パワー17000
▪️革命チェンジ:コスト7以上の名前に《ボルシャック》とある多色クリーチャー
▪️T・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から4枚を見て、その中から《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》ではないアーマードを好きな数出す。残りを好きな順序で山札の下に置く。
▪️自分の他のクリーチャーすべてに「ブロッカー」と「スピードアタッカー」を与える。
▪️各ターンの終わりに、自分の他のクリーチャーをすべてアンタップする。

 ついにカイザが使用した最強の切り札。彼の相棒である鉄仮面こと轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》が火文明の太陽とマイハマの太陽、2つの太陽の力を取り込むことで爆臨・覚醒した究極のボルシャックです。そのビジュアルたるや太陽をそのまま内包したかのような胸部を中心に炎が広がっているような趣があり、炎のマントを羽織った見た目も相まってボルシャックの王に相応しい威風堂々とした佇まいとなっています。(名前の由来は日本神話における主神にして太陽神「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」でしょう)

 また腕を広げたポーズはどこか《終焉の禁断 ドルマゲドンX》を彷彿とさせるものになっているのも特徴的。ボウイの《富轟皇 ゴルギーニ・エン・ゲルス》が《龍の極限 ドギラゴールデン》に酷似したポーズを取っているのと合わせて意味深な共通点です。このデザインの方向性は太陽の力は強大である一方で、ドルマゲドンのように使い方を誤れば危険な存在になりうる……そんな意味合いを孕んでいるように思えますね。

 基本スペックはコスト10でパワー17000、T・ブレイカーとボルシャック・カイザーの形態の中でも最大級。加えて革命チェンジも持っていますが、条件がコスト7以上の多色ボルシャックというこれまでの中でも屈指の難易度を誇ります。(現時点でチェンジ元の条件を満たせるクリーチャーはわずか9種類しか存在しません)革命チェンジの候補としては《輝く革命 ボルャック・フレア》や《ボルシャック・ヴォルジャアク》辺りが狙い目でしょうか。

 とはいえ後述の能力は革命チェンジで出さなくとも使える点、そして《ボルシャック》であることを活かした優秀なサポートが豊富な点から敢えて他の方法で出すのもアリでしょう。《ボルシャック・サイン》とカイザーのコンボで手札から踏み倒すのも良し、《ボルシャック英雄譚》で他のボルシャックと一緒に出すのも良しと手段はいくつもあるので踏み倒し自体には意外と困りません。個人的には聖竜ボルシャック・ウルフェウス》でボルシャック英雄譚を唱えつつ、革命チェンジでバクテラスに繋げるテクニックがおすすめです。

 そうして場に出てからはデッキトップからバクテラス以外のアーマードを踏み倒せるcipを発動。出せる数は最大4体と、踏み倒し能力の中でもトップクラスの規模を発揮します。踏み倒しの範囲もアーマード以外条件がないので、《ボルシャックライシス・NEX》や《龍騎旋竜ボルシャック・バルガ》といった超重量級さえも出してさらなる展開が狙えるのもド派手です。(まぁそうでなくともそこそこのサイズを4体揃えられるだけで過剰打点としては十分なので、重量級の採用はほどほどにしておくべきですが)

 さらに自分以外の味方全員にブロッカーとスピードアタッカー、警戒能力を付与する能力も見逃せません。何もない状況から打点を揃えるワンショットキル性能、返しのターンにはブロッカーで殴り返しなどに対応出来る防御性能と、攻防一体の地力を持っているのは魅力的と言えます。総じて爆発力のあるアーマード大量展開と攻めきれなかった時の堅実な保険、全てを兼ね備えたまさに切り札に相応しい1枚です。カイザーのヒーロー性も合わせて、是非使いこなしてみたいですね。

 

 

  • 邪悪な利害を合わせて

 もう1つ前回の続きとして描かれていたのがウィンと邪神くんの関係性。前回ウィンに煽られた邪神くんがさらなる力を手にすることを考えていましたが、その過程で悶々とした態度を取っていたのが目に付きました。そして自分の抱いている感情の正体を把握出来ずにいるどこかいじらしい邪神くんに、まさかの邪闘 シスが助言をする展開に驚愕しましたね。邪神くんがウィンに期待され胸躍っていることを指摘しつつ、それを自分たちのために利用するべきと説く姿には納得と同時に上手いこと上司をコントロールしているな……と感心せずにはいられません。というかここにきてシスが優秀なアドバイザーになったのが意外です。

 そんなシスの言葉に従い、邪神くんとウィンが闇のマナを共鳴させるくだりにもこれまた衝撃を受けました。ウィンの心の昂りや逸る気持ちを「我も同じだ」と肯定したうえで、力を合わせる柔軟性を手に入れた点はあまりにも驚きが大きかったです。以前は邪神くんとウィンの関係に思うところがあった分、こうした危険やリスクを承知のうえで危ない道を共に選ぶようになった両者に何とも言えない高揚感を覚えます。邪神くんの周りに集って運命を共にするアビスロイヤルの配下たちもここすきポイント)この2人のまともな相棒ではないものの、だからこそ利害の一致で成り立つ奇妙な形でパワーアップしているのだと感じましたね。

 

 

 あとは余談ですが、裏で暗躍を続けている闇ウガタがウィンに関することで怒りを見せていたのが印象的。ボウイの語り然り彼を助ける瞬間然り、自分の思い通りにならないことへの憤りや嫉妬をウィンにぶつけている様子が何ともショッキングです。中でも「なんだその主人公な登場の仕方は!?」というメタネタギリギリな発言にはじわじわきてしまいましたね。この辺りはウガタ本人のウィンへの複雑な感情も見え隠れしており、彼の抱えるコンプレックスと合わせて非常に興味深いです。(そんなウガタの闇のマナをチュウ太郎が吸収しているシーンも気になるところ)

 

 

 そして次回はウィンとカイザの決戦の火蓋がついに切って落とされることに。怒れるカイザといつも通りなウィンという対比が面白いですが、個人的にはこれがデュエル・ウォーズの準決勝なのかどうかが気になってきます。この2人の戦いを大会とは別に描くことでデュエル・ウォーズ本番の方はどうなってしまうのか?とつい考えてしまいますね。ともあれ因縁の2人の対決自体は、間違いなく見逃せないことになるでしょう。

 

 

 ではまた、次の機会に。