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デュエル・マスターズ WIN 第25話「大逆転!!決着の行方」感想

この可能性はLimitless

1つの決着が付く時、新たな始まりが予感される

デュエルマスターズ DM11-005-VE 《調和と繁栄の罠》

デュエルマスターズ DM11-005-VE 《調和と繁栄の罠》

  • DM11-聖拳編2 無限軍団の飛翔(エターナル・ウェーブ)
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  • その本質は闇だけにあらず

 前回の続き、カイザとのデュエマの様子から始まった今回のデュエマWIN。そんな本編は、前回からずっと怒りを燃やしているウィンに対して危機感を覚える展開が続いているのが特徴的でした。邪神くんの目論見通り、ウィンが怒りと闇に支配されているのが何とも恐ろしかったですね。ウィンの闇に眉をひそめるカイザとボルシャック・カイザーとは対照的に、その姿を見てほくそ笑む邪神くんは何とも邪悪だと何度も実感させられます。(ボルシャック・カイザーの攻撃でフライパン・マウンテンに落とされて焼かれるジャシン帝のシーンは、シュールながらも計画通りとばかりに笑みを浮かべる様子もあって恐ろしかったですね

 そんな激闘の後半、ウィンの最後のシールドにあった《調和と栄の罠》が発動するシーンには度肝を抜かれました。劇中のカイザや邪神くんのように、ウィンが闇以外のカードを使ったのは中々に衝撃的でしたね。ただウィンはこれまでもアビスロイヤル以外のカードを積極的に使ってみせていたので、今回のカード使用もあまり違和感なく受け入れることが出来ました。(《ホーリー・スパーク》に何度も助けられてきた勝舞など、主人公がメインの文明以外のカードを防御札に入れておく展開は割と定番だったのもあります)そして調和と繁栄の罠をマナに置かず、ギリギリまで隠していたウィンのプレイングセンスにも舌を巻くばかりです。

 何よりこのカードの使用は、ウィンが闇だけではないことを示しているのかもしれないと思えました。ウィンの内側には確かに闇が存在しており、それが解放される危険性も孕んでいる……しかし闇や怒りが彼の全てではなく、喜びや楽しいといった感情もひっくるめて全て斬札ウィンという少年だということが、このシーンに込められているように感じます。*1

 そうして闇を制御して、楽しいデュエマを続けようとするウィン。そんな彼が最後まで苛烈なカイザに喰いついて逆転する展開は爽快感抜群でしたね。ここまで溜まっていたフラストレーションが、お互いに全力を出す描写のおかげで一気に解消されたと思います。デュエマパートの構成としても、ウィンとカイザがそれぞれ自分のターンに大量展開して一気に攻める構図を繰り返していたのが見ごたえ抜群の一言。(《ボルシャック英雄譚》でボルシャック軍団を展開する光景をアニメで見られたのは感無量……!)アニメのCGがいつにも増してド迫力で動いていたのもあり、テンションの上がる決着でしたね。

 

 

  • 決着の後、彼らの未来とは……

 激闘の末カイザへのリベンジを果たしたウィン。その後戦いの余波でボロボロになったビルが倒壊するハプニングがあったものの、邪神くんのおかげで何とか事なきを得てホッとしました。(そしてボウイの掛け声ひとつでみんなを避難させたジーヤもすごかったなぁ)パパリンをはじめとした仲間たちに囲まれながら、彼らに心配されたりお祝いを受けるといった光景にほっこりさせられます。同時にウィンの勝利に感動を覚えるボウイやその事実を訝しむイッサやファルゴなど、主要人物ほぼ全員から注目される主人公の構図にはどこかワクワクさせられましたね。

 一方でウィンに敗北を喫したカイザのその後も印象的。鉄仮面の男に助けられて難を逃れたものの、夜の海で佇む姿には哀愁が漂っていました。ただ決して敗北感に打ちひしがれていたわけではなく、「私にもう敗北はない!」と決意を新たにする様子を見せたのがカッコよかったです。カイザの飛行機事故生還がボルシャック・カイザーによるものだと判明したと同時に、彼が与えられた為すべき大義のために生きていることを強く意識していることが明らかになったのも興味深いです。ウィンとの戦いと敗北を糧にどのような躍進を遂げていくのか、プリンス・カイザの今後に期待と高揚感を抱くばかりです。

 

 

 というわけでメインのストーリーであるカイザとの因縁はこれにて一旦の決着を見せました。ウィンが暴走してしまうかと思いきや、むしろ闇を制御してみせる展開には驚かされましたね。以前から描かれていた主人公の得体の知れなさが、意外性と熱さを持って再び顔を出したと言えます。同時にカイザがこの敗北を経て成長するのかどうかにも注目したいところです。

 さて邪神くんの目論見も外れてしまった今、これからどのような展開が待っているのか気になるところ。個人的にはアビスロイヤルの闇やウィンの家庭に隠された秘密など、残された謎は結構多いのでその辺りを突き詰めてほしいですね。(今回すぐに姿を消したカレンについても掘り下げておくれ……)また前回からクリーチャーワールドが断片的に登場した割には、本作の世界におけるクリーチャーが何者なのかが全く触れられずに終わったことは今回の明確な不満点。なのでそちらの設定が明かされることにも期待したいと思います。

 

 

 そして次回はウィンがボウイからマイハマ学園の入学を誘われるという展開が。曰くマイハマ学園はカイザや他のD4も通う、デュエマを極めし者たちが集まる学園とのことです。大丈夫?その学園ディスペクターとか作っている怪しい学園長とかいない?デュエマ好きにとって中々に魅力的な学園ですが、ウィンはこの誘いを断る模様。学園入学を蹴る彼の胸中や如何に?

 そんなウィンに待ったをかけるのがランナー&うんちく&いいやんの友人トリオ。ウィンの判断に対し、彼らがどのように説得してくれるのか気になるところです。また予告映像を見る限り、デュエマパートではランナーたちが《流星のガイアッシュ・カイザー》や《天災 デドダム》といったカードを使用しているのが確認されてビビりましたね。現実の環境でも猛威を振るっているカードたちを惜しみなく使う、ランナーたちの本気が楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:今回使用した《調和と栄の罠》はボウイとカレンの文明を意識している=彼らとの思い出もウィンの一部とも解釈出来る。