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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第41話「憤怒!暴爆の太陽」感想

その決意は光を制するか

イカロソくん「イカロスの伝説……呼んだ?」

モモキング「お主じゃねぇ座ってろでござる」

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  • 皇子と暴竜の熱き絆

 今回のデュエマWINはウィンたちの出番は少なめ。代わりにカイザと相棒の鉄仮面(ボルシャック・カイザー)が物語のメインとなり、太陽に挑まんとする彼らの決意と絆に焦点が当てられていました。カイザ母のものと思われる明らかに怪しい声に導かれて邪神への怒りを露にする点には不安定なものを感じたものの、それを除けば概ね正統派の主人公のような熱さがあってテンションが上がりましたね。(あとは「ボルシャックがカイザ母から直接カイザのことを任されていた」といった事実にもびっくりしたり)

 何といってもカイザの内に秘めた熱さや使命感といったものがわかりやすく表れていたのが魅力的。無気力ゾンビ状態の生徒が増える現状を案じる場面はもちろんのこと、亡き母の遺志を継ごうとする姿勢を改めてみせる様子に感動させられました。中でも新たな力を求めてボルシャックに頭を下げるシーンが印象に残りましたね。カイザという人物がどれだけプライドが高いかはこれまで散々描かれてきたこともあり、彼がそこまで懇願することの重大さが暗に伝わってきます。プライドをかなぐり捨ててでも母との約束や学園を守ろうとする姿勢は本当にカッコよかったです。

 同時に彼とボルシャックの互いを想い合う関係も胸熱でした。ボルシャックはカイザの身を案じて1人でクリーチャーワールドに向かい、置いていかれたカイザはボルシャックの無事を祈る……この構図には思わずウルっときてしまいます。形は違えど共に力や苦しみを背負おうとする覚悟が垣間見えており、実に心地よい信頼を築けていることが伺えますね。(ボルシャックが太陽に鎧を砕かれても「死ぬわけにはいかない!」と目の輝きを取り戻すシーンがここすきポイント)これまでの掘り下げもあってライバルキャラとしても魅力を大幅に上げた2人に、個人的にも大興奮の回でした。

 

 

  • 絆を利用する邪悪な声

 ……とまぁここまで書くとライバルの良き成長回のように見えますが、肝心の怒りの矛先などに問題があるのが気になるところ。そもそもカイザが聞いた母親の声は闇ウガタの演技であることがラストに判明していますし、そのせいで母の仇=学園の異変の原因=ジャシンという構図がカイザの中で出来上がっていることに苦々しいものを覚えます。黒幕の策にまんまと嵌って間違った相手に憤り、その結果ウィンたちに憎悪をぶつけて挑むであろうカイザの今後を思うと胸が痛みますね。

 また力を得た後のカイザとボルシャックが母の遺したジオラマを燃やすシーンもショッキングでした。「過去は振り返らない」という覚悟の上での行動ですが、正直そこまでしなくても……と思わずにはいられません。母の願いを受け継ごうとする中で、母との思い出を切り離す点にも矛盾を感じます。結局現状のカイザは黒幕の手のひらの上に過ぎず、この先も暴走しそうな予感がしてならない部分もありました。

 何というか、カイザの上述の想いがあるだけに闇ウガタ及びCOMPLEXの手口に対してこちらも憤りを覚えてしまいますね。母親を信じるカイザをその母の声で惑わし、ウィンたちへのお門違いの憎しみをぶつけさせるやり方はあまりにも卑劣の一言。(カイザ母の声が「邪神の仕業だ」と明言していないのがまた嫌らしい)そしてこの手口に見事に嵌ってしまったカイザへの心配も同時に湧き上がってしまいます。劇中でボルシャックが「イカロスの伝説」の語っていましたが、どうかカイザは神話のイカロスのように地に堕ちるような事態にはならないでほしいところです。

 

 

  • 戦う準備はOKかい?

 今回もう1つの見どころとしてはやはりデュエル・ウォーズの再開が挙げられます。生徒の大半が無気力ゾンビ状態になっているこの状況で正気か?と思ってしまう采配ですが、学園長の女神ウィナの信仰が強すぎてこれまた何とも言えない気分にさせられました。というか学園長の「女神様の導きで何とかなる」という姿勢にはどうにも眉をひそめてしまいますね。彼女はリッパー教授と同じく黒幕とは無関係で悪人ではないと思うのですが、如何せん女神ウィナへの妄信ぶりが強烈で味方とは言い切れない立ち位置になっていると言えます。

 それはともかく、デュエル・ウォーズ再開に合わせて学園長に準備が出来ているかを尋ねられるボウイが印象的。準決勝を勝ち上がったのであとは決勝待ちですが、カイザとウィンどちらとの戦いにも万全で挑めるかの精神的な描写が見られました。この辺りに関しては憧れのカイザに加え同等のライバルとなりつつあるウィン、どちらとも戦いたい!と内心言い切るボウイが素敵でしたね。迷っているような表情に最初は不安を覚えていたものの、自信満々のウィンの言葉を受けその自信が伝播したかのように明るくなるのが微笑ましかったです。上述のカイザの件もあり、割と健全に一歩一歩を進んでいるボウイにニヤリとなるシーンでした。

 

 

 今回は他にもボルシャックが訪れた火文明のクリーチャーワールドも見逃せません。岩肌が露出しマグマが煮え立つ光景はジョー編と同じですが、ネズミ(ビートジョッキー)ばかりだったあちらと比べるとドラゴンがひしめいていたのが嬉しいポイント。《ボルシャック・フォース・ドラゴン》や《コッコ・ルピア》といった面々の総登場は、まさに「デュエマの火文明」のイメージ通りでしたね。さらに巨大な太陽が封印されているという《ボルシャックの古代神殿》も劇中で表れ、《ボルシャック・ヴォルジャアク》もその地を守る「太陽に仕えし者」として登場するなど、背景ストーリーを彷彿とさせる要素の数々は見ていて実に興味深かったです。

 

 

 さてカイザがパワーアップしたところで次週はまたもや再放送になる模様。これで通算3回目の再放送となるわけですが、ここまで多いと正直不満を隠しきれなくなりますね。話が盛り上がってきてからのタイミングということもあって、フラストレーションがドンドン募ってしまうのを何とかしてほしいところです。(感想の方も合わせてお休みになると思うので、ご了承ください

 

 

 

 ではまた、次の機会に。