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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第29~30話 感想

深淵が超獣世界を蝕む……

怖い悪役に見えるだろ?主人公の相棒たちなんだぜこれ

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 またもや本編がお休みとなり、29話と30話に総集編を挟んだ特別編が連続放送されたデュエマWIN。しかし今回の2週はデュエマのカードに描かれたクリーチャーや出来事をまとめたいわゆる「背景ストーリー」を映像化するという、ある意味で画期的な内容となっていました。デュエマのハイクオリティなCGが存分に活かされており、さながらフルCG映画のような映像美から繰り出されるクリーチャーたちの戦い……短いながらも満足は中々に高かったです。

 というわけで今回も2話分をまとめて感想を書くことにしました。例によって変則的になってしまいましたが、どうかご了承のほどよろしくお願いします。

 

 

  • 第29話「蹂躙!復活のアビス」
  • 第30話「壮絶!首領の最期」

 まずは上述の通りクリーチャーたちの背景ストーリーを綴った内容について。「超獣世界」と呼ばれるクリーチャーたちの世界を舞台に、深淵より蘇った《アビスベル=ジャシン帝》たちアビスの軍勢が侵攻し大暴れする壮絶な光景が展開されました。ストーリーそのものは実際のカードに書かれたフレーバーテキストにデュエチューバーでの解説などで把握していましたが、いざ映像にされると想像以上の迫力を味わうことが出来ましたね。

 何といってもクリーチャーのCGバトルが凄まじいの一言。デュエマアニメのクリーチャーCGのクオリティの高さは言うまでもなく理解していたつもりですが、それだけで構成すると1つの映画のような絵面が仕上がったという事実に驚かされます。ヌルヌルとした動きから繰り広げられるバトルの流麗さは、テレビで放送される作品としては間違いなく破格と言っていいでしょう。加えて通常のアニメで使われるCGよりもクリーチャーの陰影が濃くなっていたり、デザインの細部で違いが出ているなどの変化もあるのが特徴的。おかげで通常のデュエマとは大きく異なる、クリーチャーたちの過酷な死闘というものを味わえた気分です。

 

 またアニメと比べるとジャシン帝たちが凶悪かつ邪悪な存在として映っていたのも見逃せません。遊び半分の感覚で各文明世界を、抵抗する相手を弄ぶ様子はまさに悪役そのもの。アニメでほのぼのとしたギャグを繰り広げている邪神くんたちとは似ても似つかない恐ろしさに溢れていたと思います。(他アビスもシリアス気味の中、ブック=ラギルップ》の「ホンマに」はそのまんまなのがここすきポイント)同時にそれらの侵略に立ち向かう《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》や《首領竜 ゴルファンタジスタ》といった各文明のリーダーたちはさながら主人公のように活躍していたのも印象的です。それぞれ仲間たちの助けや声援を受け戦う姿は、少年漫画らしい熱さがありましたね。あっさり敗れてはしまったものの、《邪龍 ジャブラッド》《邪闘 シス》といった強敵を撃破するシーンは本当にカッコよかったです。

 ここまで書いているとアニメや漫画の本編とは立場が異なるように見えますが、実際のところはあまり変わっていないとも考えられますね。そもそもアニメの邪神くんは何故かウィンに逆らえないから従っているだけで、その枷が無くなれば邪神としてこの世界で暴れる可能性があることは散々示唆されています。もし邪神くんが解き放たれた場合、人間世界も上述のように脅かされることになるでしょう。

 またそんなアビスと戦うボルシャック・カイザーたちの構図は、今となってはウィンたちデュエマさいこークラブとカイザたちマイハマ学園側の抗争そのまま置き換えられるようにも思えます。学園の気風を壊して自由気ままに過ごすウィンたちは、カイザたち統治者の視点からすれば厄介な侵略者と言えます。今回の背景ストーリーはある意味で、アニメなどのウィンたちの物語と妙なリンクをしているのかもしれません。

 

 色々書きましたが、新しい試みとして非常に楽しかった今回の背景ストーリー回。ここまで見事な映像を魅せられると、また続きを期待したくなってしまいます。(とはいえこの先もジャシン帝が暴れる内容なのは変わらないので正直面白みはないのですが)総集編付き特別編は正直これっきりにしてほしい一方、どうせやるならこのフルCGを活かした新規映像もやってほしいと思うくらいには魅力的な内容でしたね。

 

 

  • 不明な教授と明朗な俳人の違い

 そして各話の後半はアニメ本編の総集編。29話ではリッパー教授、30話ではイッサがそれぞれの視点で物語を振り返っていきました。(ウィンVSイッサの決着後のデュエル・ウォーズについて触れていないのは、本戦がまだ終わっていないからでしょうね)思えばリッパー教授の就任から話が後半戦に突入したという感覚があるので、その出だしを振り返るのはちょうどよかったのかもしれません。そんな総集編では、リッパー教授の不明瞭さとイッサの明瞭さが感じられました。

 まずリッパー教授視点では、ウィンと邪神くんの力を見抜いて引き出そうとする過程が再び触れられていました。こうして書くと師匠ポジションのように思えますが、実際は何かしらの陰謀にウィンたちを利用している様子なので全く安心は出来ません。しかし現状リッパー教授の目的について何も明かされていないので、判断が非常に難しいことになっています。「存在しないマイハマ学園を救う」という発言の意味が未だに語られていない以上、この男をどのように見ればいいのか迷うところではありますね。ウィンを支えてくれる味方なのか、それとも邪神の力目当ての敵なのか……それすらもわかっていないので正直扱いに困るキャラです。

 対するイッサは学園の秩序のためにウィンを止めるという明確な目的が明かされていたので一転して感情移入しやすかったです。何より前回28話でカイザとの仲と彼に関するイッサ自身の願いについてが描かれたのもあって、彼の頑張りを見て応援したくなってきました。淡々とした性格に見せかけて、実はNo.2の同類項友情に熱い奴だとわかってからウィンとの戦いを見ると少々テンションが上がりますね。親友が束ねる学園を守りたい、そんなイッサの魅力を知ったからこその今回の振り返りの面白さが今回生まれていたように感じます。キャラとしてまだまだこれからのリッパー教授とある意味で完成されたイッサ、今回はまさに対照的な2人の振り返りでした。

 

 

 さて次回は本編に戻り、デュエル・ウォーズの本戦も再開。ついに準決勝まで上り詰めての対戦カードは何とボウイVSカレン!(ということはもう1つの準決勝はウィンVSカイザなのでしょうか?)10話で一度戦った両者が再び相まみえるという事態に驚かされますね。一方で公式がとうとう予告で「ヒロイン決定戦」だとか言い出してきたことに、思わず苦笑いしてしまいますが……

 それはともかく、この試合でボウイとカレンそれぞれの背負っている願いについてが明かされる模様。思えばボウイは謎の貧乏定食を食べており、カレンは謎の手紙を受け取るなどそれぞれの意味深な伏線が貼られていました。2人に一体何があったのか、何のために戦うのかがようやく語られることに期待せずにはいられません。そしてどちらが勝つかわからないこの勝負、その結果が実に楽しみですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。