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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第19話「異端!リッパ―教授」感想

怪しきお超能力にご注意を

もしやデュエマってマナそのものについて触れることがこれまであまりなかったりする……?

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  • お謎多きお教授のお怪しいお指導

 約3週間ぶりのデュエマWIN本編。ファルゴに勝利しマイハマ祭でも優勝したデュエマさいこークラブが絶好調の中、マイハマ学園で新たに赴任してきた「リッパー教授」が今回の目玉でした。初っ端から4階の窓からのD4の生徒会室にお邪魔するという、ぶっ飛んだ登場の仕方を披露してきたことにまず吹き出してしまいましたね。不思議な力を行使し、それらを「真理を極める旅の途中で身に着けたお超能力」と説明しているのが実に怪しかったです。

 その後もファルゴやマズキにH・L・C(ハナクソ・レーザー・キャノン)なるもので鼻を洗浄してあげたり、邪神くんのウインナーを食べるなど本作屈指のやりたい放題っぷりで存在感を放っていました。そもそも見た目からして不審者マシマシですし、「お」を付けるキャラ付けがシュールすぎますよこの人……そういえば昔『デュエル・ジャック!』で何でも「お」を付けるキャラがいたような……終始警戒していたD4とは対照的に、そんな教授とすぐ打ち解けているウィンにもどこか笑ってしまいましたね。

 しかしこの教授の得体の知れなさ、底の知れなさには見ていて驚愕の連続でした。ウィンやカイザの力を見抜いたうえで品定めしているかのような態度、加えてウィンとのデュエマで彼を圧倒する実力を見せつけたことでこの男がただ者ではないことが嫌というほど伝わってきましたね。クリーチャーを実体化させたり邪神フィールドを無効化する点も異質で、これが単なる超能力ではないことは明白です。

 こうしてウィンすらも翻弄するリッパー教授ですが、彼がウィンたちを使って何かを為そうとしている点も気になります。特にラストに発した「マイハマを本当に救えるかも……」「本来ならば存在しないこのマイハマ」といったセリフに目を剥きました。この言葉が一体何を意味するのか……!?何よりこれまでは子どもたちの諍いがメインだったウィン編に、如何にも怪しい大人が介入してくる構図に胸がザワついて仕方なかったです。大人たちによって子どもたちの遊びであるデュエマが大きく歪められるのではないか?そういった不安を抱かずにはいられない新展開の幕開けでした。

 

 

  • 願いを叶えるマナの可能性

 といった感じでかな~り怪しいリッパー教授ですが、デュエマ中に彼がウィンに説明した「マナ」についての秘密はとても興味深かったです。曰く「世界中のどこにでも存在し、人が生きるためのエネルギーでもある」「何かを願った、何かをしようとする心にマナの力は宿る」とのことで、噛み砕いて言えば「強い願いを実現させるエネルギー」とといったところでしょうか。マナさえ使いこなせればどんな願いも叶えられますし、デュエマも強くなれるという万能っぷりが実にTCGアニメらしいです。

 また全てのデュエリストは無自覚の内にマナを使っているらしく、これは単にデュエマ中にカードを使う際にマナをタップしていることに限らない模様。恐らくは使いこなせることでクリーチャーの力を自在に行使出来るのかもしれません。教授は恐らくそれを使いこなせる段階にあるようで(上述のクリーチャー実体化もその力の1つでしょう)、さらにウィンにもそれを使いこなさせようと導いている節があります。もしかしたらウィンの心の闇や邪神くんたちを従える力も、そもそもはマナによるものだったりするのかもしれませんね……

 とまぁわずかな時間でしたがマナとは何か?と教えてくれるパートのは中々に楽しかったです。デュエマは20年以上の歴史を持ちますが、マナそのものについて触れたことはあまりないのでかなり新鮮でした。最早ネタは掘り尽くされたとばかり思っていた中、ここにきてマナの重要性についてを解き明かせる懐の深さを魅せてくれたことにワクワクが止まりません。本作におけるマナの可能性に、今後も注目していきたいですね。

 

 

  • 我こそは、全ての心(しん)を束ねる銀の鎧なり

「心」(しん)の頂天(ちょうてん) プロフェシー 無色 (10)
クリーチャー:ゼニス・セレス
パワー23132
▪️革命チェンジ:コスト7以上のアンノウンまたはゼニス(自分のコスト7以上のアンノウンまたはゼニスが攻撃する時、そのクリーチャーと手札にあるこのクリーチャーを入れ替えてもよい)
▪️Q・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、無色ではないコスト7以下のエレメントをすべて破壊する。

 リッパー教授が出してきた相棒と思われるクリーチャー。まさかまさかの新規の無色ゼニスです。(「心技体」ということで技や体の頂点もいるのでしょうか?)「ゼニス・セレス」*1という新種族を単体で引っ提げてきているほか、体にトライストーンが存在せず、革命チェンジを持っているのに対しエターナル・Ωはないなど、従来の無色ゼニスとは異なる特徴を多く備えた存在となっています。

 見た目に関しても巨大な鎧がそのまま動き出したかのようなビジュアル、そしてクロスギアのイラストなどで見られる魔導職人・エンハンスメントに酷似した白い人影に糸が伸びているのが何とも不気味。アニメではリッパー教授によって実体化された際、教授の体から糸が伸びていたことから「使い手によって操縦されるクリーチャー」なのかもしれません。加えて「心」の頂点という冠詞を持っていながらジャシン帝に「意志も感情も見えない「無」そのもの」と評されており、このクリーチャー自身に意志といったものが存在しない可能性がありますね。

 カードとしてコスト10のパワー23132、Q・ブレイカーとゼニスらしい超大型の基礎スペックがまず目に留まります。特にパワーはかなり独特で、エンジェルナンバーで「冒険心」や「創造性」を意味したり、Leet表記で「SELES」と読めたりと中々に意味深です。単純にそのパワーのおかげで大抵のクリーチャーとのバトルや除去に強いのも魅力的ですね。

 そんな高コストながら、前述通り革命チェンジで早出しすることが可能。対象がコスト7以上のゼニスorアンノウンと厳しめですが、これまでのゼニスと比べても出しやすさはかなり向上しています。ゼニスに限らずアンノウンも対象なのが嬉しいところで、《偽りの名 バザガジー・ラゴン》は疑似マッハファイターも持っているので抜群の相性を誇ります。その他強力なcip付きのゼニスを手札に戻すことで再度召喚したり、劇中の《創世と終焉のゼニスパーク》のコストにしたりと様々な活用法が考えられますね。*2革命チェンジに頼らずとも、無色である点を活かして単純に多くのビッグマナに入れられるのも面白そうです。

 そうして場に出てからは有色カードを一掃するcipを発揮。コスト7以下のエレメントということでクロスギアやフィールドもまとめて葬り去れるのは中々にド派手です。自分の有色カードを巻き込んでしまうほかコスト8以上には無力など問題もありますが、場に出す手軽さに反してこの全体除去の範囲は間違いなく相手の驚異となりえます。この時点で強力ですが、ほかにも次のターンでプロフェシーから別のプロフェシーへと革命チェンジ出来る可能性をチラつかせ、相手にプレッシャーを与えるのも地味ながら有効な戦術と言えるかもしれません。

 問題はcipを使った後は淡白なファッティで終わってしまうこと。加えて4枚ブレイクの打点の中途半端さも相まって、即死打点まで持っていくのにひと工夫必要な点も挙げられます。このカードの全体除去に巻き込まれないクリーチャーをあらかじめ出しておき、トドメまで持っていくことを考えて盤面を整えるべきでしょう。全く新しいお手軽除去のゼニスとして、活躍していくことを期待したいです。

 

 

 さて次回はリッパー教授によるウィンの指導の続きが開始。今度は心のマナを鍛えるとのことですが、あの「心の館」がまたつかわれるらしい事実に仰天させられます。ファルゴが吹っ切れた原因でもあるこの館、実はかなりヤバいところなのでは……!?心の先生が教授と共にウィンを拘束しているかのようなシーンも見られましたし、この先生もただの先生ではないのかもしれません。

 そうして新たな試練に巻き込まれたウィンはイッサとデュエマを繰り広げるようですが、個人的にはウィンの心象風景を映し出しているかのような映像が気になります。サブタイに「心の闇」とあることからも、彼の過去が暴き出されるのかもしれません。ずっと気になっていたウィンの過去、そして抱えている闇の正体についての片鱗が見られそうなことにドキドキが止まりません……!

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:セレスとは恐らくローマ神話に登場する豊穣の女神「セレス(ケレース)」から来ていると思われる。

*2:無色ゼニスが持つエターナル・Ωで革命チェンジが不発するようにも思えるが、結果手札に戻るため「バトルゾーンのエレメントと手札のカードを入れ替える」革命チェンジは成立する模様