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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第36話「苦悶!考える呪縛」感想

考えるな?感じろ?

突然の角付きネズミ、怪しい……!

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  • 長考少年の悩みと憧れ

 今回のデュエマWINは予告通りウガタがメイン。彼の特徴でもある長考癖に関する物語が、ウガタ自身の過去も交えたうえで描かれました。冒頭からお疲れ様パーティーを開くデュエマさいこークラブのメンバーをよそに、1人考え込むウガタのシュールさに変な笑いが出てきます。ずっと気になっていたデュエル・ウォーズの戦績もその考えすぎが災いしたようで、24話で行われた制限時間付き「メンタルデュエマ」でボロ負けしたことが明かされた時もすごく納得させられました。(しかも相手がカイザだというのですから、そりゃあ負けますよね……)

 このように長考しっぱなしのウガタが何故考えるようになったのか、彼の言う「考える呪縛」のきっかけが明かされたのが注目ポイント。ギャグチックに描かれていたものの、自分のせいで大怪我を負ってしまった父親に「これからは常に考えてから行動しろ」と言われるのは中々にショッキングでした。この時の出来事がウガタの呪いとなったのは一目瞭然ですし、過剰なまでの考えすぎが「危険な目に遭わないため」だと思うと腑に落ちる過去でしたね。また元々は活発だったウガタが、長考のせいで徐々に孤立していく様子は見ていて辛いものがありました。

 それ故ウガタがウィンの即断即決に憧れるようになるのも理解出来ますし、一方で彼の「みんな違うから面白い」という言葉を胸に今の自分も肯定してほしいと考えてしまいます。以前の感想でも書きましたが、ウガタは裏を返せば慎重かつ思慮深いとも取れるので、迷わない姿勢も大事にしつつ成長していってほしいところ。ただ今回の部室の火事でウィンに助けられたことから、「ウィンみたいになりたい」という気持ちがより強まって終わってしまったのが不穏ですね。後述のネズミや闇のマナを生み出すシーン、何より女神ウィナの声が聞けていた時だけの決断力を得ていた経験もあって、徐々にウガタが良からぬ方向に向かっていく感覚を覚えずにはいられません。

 

 

  • 最高のワクワクを導き出す“直感”

 さてウガタの憧れとなったウィンですが、ウガタに「俺、何も考えてないかも」とはっきり言った時は思わず笑ってしまいましたね。ある意味前向きでシンプルな答えであり、「その方が楽しそうだから」と突き進んでいく姿勢はなるほどウィンらしいと言えます。恐らくウィンのすごいところはそうして取った行動を身にする“直感の鋭さ”にあるのでしょうね。何も考えていないようでいて、相手の行動や状況に応じて最適解を感覚で導き出しているのかもしれません。それでいて選んだものを最大限生かすデュエルタクティクスの持ち主である点も、ウィンの主人公としての凄まじさに拍車をかけていたと言えます。

 そんなウィンの直感とタクティクスが存分に発揮されたのが今回の「デッキ交換デュエマ」。ウィンとウガタが互いのデッキを交換して、前者が60枚入り【5cハイランダー】で後者がジャシン帝抜き【黒緑アビスロイヤル】といった具合での対戦が描かれました。そのほぼ初めて触るデッキでウィンは《13番目の計画》の裏面である《サファイア・ミスティ》のエクストラウィンを達成させるのですから本当に舌を巻きました。《ドンドン吸い込むナウ》でデッキボトムに戻したカードを《パーロックのミラクルフィーバー》で指定して大量ドローする流れの時点で目を見開きましたし、《強欲の王国》による大量マナブースト視聴者にもしや……!?と思わせてくる演出も素敵でした。ウガタが憧れるのも当然と納得させられるウィンの実力に、見ているこっちも魅了されましたね。

 

 

  • 勝利を手にするための力、頂上にて縫い合わさる

頂上縫合 ドギラディス勝3rd 水/自然文明 (8)
クリーチャー:ディスペクター/メガ・コマンド・ドラゴン/グレートメカオー
パワー13000
▪️EXライフ
▪️革命チェンジ:多色のコスト5以上のドラゴン
▪️T・ブレイカ
▪️ファイナル革命:このクリーチャーが「革命チェンジ」によって出た時、そのターン中に他の「ファイナル革命」をまだ使っていなければ、コスト6以下の多色の呪文を1枚、自分の手札またはマナゾーンからコストを支払わずに唱えてもよい。
▪️各ターンに一度、自分が多色の呪文を唱えた時、それを墓地から手札に戻してもよい。

 ウィンがウガタとデッキを交換する「デッキ交換デュエマ」にて、《サファイアミスティ》のエクストラウィンを達成するために使用したカード。久々の登場となる新規の縫合ディスペクターです。言わずと知れた強さを誇る「革命ファイナル」の申し子《蒼き団長 ドギラゴン剣》と、数多くのループデッキに組み込まれた《常勝ディス・オプティマ》が合成された姿であり、かつ2016年に開催されたDMGP-3rdの決勝戦の対戦カードである「【火闇ドギラゴン剣】VS【ラララオプティマス】」を意識した組み合わせとなっています。

 その見た目はボディの大部分がオプティマス、頭部はドギラゴン剣といったかなり極端な配分。ディスペクターらしく、一見すると巨大なボディに対し頭部の小ささがミスマッチに感じますね。(小さいドギラゴンの頭が刀を咥えたままなのがちょっと可愛らしく見えたり)ですが、ドギラゴンがロボットの装甲を纏っているようにも見えるビジュアルは中々にカッコいいと思います。

 カードの性能ではパワー13000というライフとEXライフによる場持ちの良さが魅力的ですが、それ以上に目を引くのは元ネタと同じ革命チェンジとファイナル革命持ちという点。チェンジ元の条件がコスト5以上の多色ドラゴンと多少厳しいですが、《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》など強力な多色ドラゴンも多いので構築次第で革命チェンジはそこまで苦にはならないでしょう。劇中のように《龍風混成 ザーディクリカ》といった多色のドラゴンディスペクターとの相性も良く、チェンジ元のEXライフさえどうにかしておけばすんなり出すことが出来ます。

 そしてファイナル革命はコスト6以下の多色呪文の踏み倒し。革命チェンジもあって《未来の法皇 ミラダンテSF》を彷彿とさせる能力ですが、あちらと比べると光や水の入っていない呪文をマナゾーンからも唱えられる利点を持っています。コスト6以下という範囲も《焦土と開拓の天変》や《「未来から来る、だからミラクル」》といった光るものが揃っており、攻めるもよし・守るもよしと呪文を多用するデッキでの出番が期待出来ますね。加えて多色呪文を唱えた時にそれを墓地から回収する能力も持っているので、唱えるチャンスを生かして連続詠唱を狙っていきたいところ。(一方でこの呪文回収は「唱えた時」に発動する誘発なので、龍素記号wD サイクルペディア》などの置換効果で呪文が墓地以外に置かれた場合は回収できない点には注意)

 まとめると呪文戦略を支える潤滑油のようなカードという印象です。元ネタのドギラゴンやオプティマスと比べると必殺の切り札感は薄まっているものの、呪文との組み合わせ次第で如何様にも活躍させられるでしょう。呪文回収のタイミングなど引っ掛かる点などにも注意しつつ、なるべくファイナル革命を発動させて使いこなしてみたいところです。

 

 

  • ダボゴルファー再び?と謎多き角付きネズミ

 ウィンとウガタのやり取りの裏で繰り広げられていた静かな反逆。久々登場のファルゴがカイザやカレンから冷たい扱いを受けるシーンと、さいこークラブへの逆恨みに発展する流れには面食らいました。ここまでやってきたことからその仕打ちになるのもまぁ当然と思います(特にカレンは11話の出来事を思えば、ファルゴに辛辣になってもおかしくないですね)が、今になってさいこークラブに矛先を向けるのは流石に予想外です。というかデュエル・ウォーズでのボウイとのデュエマである程度健全になったかと思った矢先にこれだったので、卑劣な面が戻ってしまったファルゴに少々悲しくなってしまいました。

 しかし今回の描写からして逆恨みの原因は突如登場した「ユニコーンネズミ」にある模様。*1ファルゴから発せられた黒いモヤを角から吸い取るネズミの構図に、彼の豹変の理由が隠されているように感じます。恐らくこのネズミが周囲の人間の「負の感情」を餌にしているのかもしれません。(実際ネズミが離れた後のファルゴは何も覚えていなかったですし)また何となくこの黒いモヤが今回ウガタも出した闇のマナに似ており、その辺りの関係性も気になるところ。というか先日発売された「あるカード」のイラストを見た人ならわかると思いますが、このネズミが厄ネタであることはほぼ間違いないでしょう。ファルゴからは突然の雷でさっさと離れていきましたが、今度はウガタに懐いたこともあって不安でしかありません。上述のウガタもあって、この先起こるであろう展開に今からビクビクしてしまいますね。

 

 

 さて次回はクリスマスシーズン到来!ということでウィンが冬休みを利用して再びシラハマに里帰り。パパリンやランナーたち3人組がまた出てくることに早速ワクワクしてくる一方、何故かウガタがついて来るのが気になりますね。ウガタの意図もさることながら、ウィンの家庭を見て今回のような憧れをさらに深めてしまう可能性がありそうで怖くなってきました……

 一方でウィンとパパリン、久々の親子デュエマ対決は見ものですね。何とパパリンの方は【ジョーカーズ】を使うみたいで、懐かしのジョーカーズたちが再び活躍する予告映像に早くも喜びを隠せません。実質新旧主人公デッキ対決とも言えるこのデュエマ、個人的にも実に楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:個人的な余談だが、このユニコーンネズミの声を担当している本渡楓さんは筆者の推しキャラである『刀使の巫女』の衛藤可奈美役としても有名である。