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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第32話「炸裂!強き想い」感想

強き精神に勝利の栄光を!

リッパー教授を睨みつけるカイザの鋭さ、アリだな……

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  • 強き心が掴む爽やかな決着

 前回の続き、ボウイVSカレンによるデュエル・ウォーズ準決勝第1試合が繰り広げられたデュエマWIN。中でも今回はボウイの攻勢が印象的で、そのままカレンを圧倒し勝利を収めるまでの流れには手に汗握りました。戦術においてもボウイの長期戦を狙ったプレイングが面白いところ。カレンのデッキがロングゲームに弱いことを突いて、切り札の富轟皇 ゴルギーニ・エン・ゲルス》を出すまで粘り続けていたという答え合わせには唸らされましたね。(ニンジャ・チェンジなど手札が命のカレン相手に、あちらの手札が尽きるまでを狙っていたように見えるのも興味深いです)

ボウイの成長に関しては前回までである程度書いたのですが、敢えて付け加えるなら前回と今回で一貫してメンタルが安定していたと言うべきでしょうか。これまでは劣勢に晒されるとよく動揺する場面が多かった中、ファルゴ戦などを経て徐々に動じない精神性を身に着けていったことが読み取れました。やはりD4といった肩書きを捨てたことでまっさらな自分自身を見つめ直したのでしょうね。ここまで積み重ねてきたボウイのメンタル成長の結果として、申し分ないものだったと思います。

 対するカレンはある程度喰いついてきたものの、最終的に敗北。もう1枚切り札を出すなどして盛り返してほしかったところはありますが、最後まで諦めなかった姿勢は評価したいです。どこか寂し気なカレンの描写もあって切なさを覚える一方、お互いに最後まで勝ちを捨てなかった両者に感動するデュエマでもありました。(試合後の握手が地味に後味を良くしてくれますね)それぞれを見守るカイザとイッサのさり気なさにもキュンとしつつ、爽やかに終わった準決勝第1試合でしたね。

 

 

  • 轟く富で天地を制覇する、機身を駆動せし皇帝天使

富轟皇(ふごうおう) ゴルギーニ・エン・ゲルス 光/闇文明 (7)
クリーチャー:メカ・エンジェル・コマンド
パワー11500
▪️革命チェンジ:コスト5以上のメカ
▪️W・ブレイカ
▪️このターンにシールドが離れていなければ、このクリーチャーは離れない。
▪️終極宣言:自分のターンのはじめに、次の中から4回選んでもよい。(同じものを選んでもよい。「終極宣言」は、ゲーム中に一度だけ使える)
▶︎相手のクリーチャーを1体選び、破壊する。その後、カードを1枚引く。
▶︎自分の山札の上から1枚目をシールド化する。その後、カードを1枚、自分の墓地から手札に戻す。

 ボウイが父より託された新切札。満を持して登場したメカの新たなオーバーレアです。メカ・エンジェル・コマンドを持った多色クリーチャーで、その姿は前回登場した《ドラン・ゴル・ゲルス》と同じ「車から変形した人型のロボット」を思わせる勇ましいものになっています。一方でドラン・ゴル・ゲルスらこれまでのメカ・クリーチャーと比べると丸っこいボディがカッコよくもあり、同時に可愛く感じますね。*1

 他にも巨大な剣を携えている点が特徴的。面白いのがカードイラストではこの剣を構えた姿が《龍の極限 ドギラゴールデン》と酷似しているところで、後述の能力も合わせてドギラゴールデンを明らかに意識していることが伺えます。また背景ストーリーによるとゴルギーニ一族の始祖で、古の時代に大公ボルシャックと共に《アビスベル=ジャシン帝》たちアビスを封印したとのこと。如何にして現代に蘇ったのか気になるところです。

 基礎スペックはコスト7のパワー11500、Wブレイカーと最高レアとしては及第点といったレベルで、コスト5以下のメカとの革命チェンジで早出し出来るのが特徴。メカは基本的に即時攻撃が出来るカードがないため、チェンジ元となるクリーチャーを出して1ターン以上待つ必要があります。そのため《パトファール-P4》や《アーテル・ゴルギーニ》といった味方または自身に耐性を与えるメカを用意するべきでしょう。

 そうして場に出てきたエン・ゲルス自身にも除去耐性が付与されており、ターン中にシールドが離れていない状況に限り強固な耐性を発揮します。相手はこのクリーチャーを攻撃して破壊するためには先にシールドをブレイクする必要があるため、相手からすればかなり厄介。特に攻撃前の呪文やcipによる除去にはほぼ無敵の防御力を誇ります。(またお互いのシールドが0枚であれば実質完全耐性となるのも見どころ)とはいえ積極的に攻撃していく革命チェンジとの相性は悪く、チェンジしつつ相手シールドをブレイクしてしまってはせっかくの耐性が活かせません。そのため何らかのカードで事前に相手クリーチャーをタップしてから攻撃するタップキルからの革命チェンジを狙うことになるでしょう。

 そして最大の特徴といえるのが固有能力である「終極宣言(ファイナル・エンド)」。自身のターン開始時に相手クリーチャー破壊&1ドローか、シールド追加&墓地回収のいずれかを4回選べるというド派手なものとなっています。(ゲーム中1度しか使えない点は上述のドギラゴールデンの「極限ファイナル革命」と似ていますね)確定除去を最大4回放てるのは言うまでもなく強力ですし、除去するクリーチャーがいなくてもシールドを増やして防御に転じやすいと、コントロール戦術において絶大な効果を発揮してくれることでしょう。一応山札を大幅に削る故のライブラリアウトの危険性にも気を付けておきたいところです。

 このように終極宣言を発動出来ればある程度盤面を支配出来るポテンシャルを持っているものの、ターンを跨ぐ必要がある点と耐性の条件といった問題は見逃せません。特にシールドが除去された場合簡単に離れるようになってしまうため。自らのシールドを削りに来る【邪王門】やシールド焼却の後に破壊してくる《CRYMAX ジャオウガ》は天敵中の天敵と言えます。終極宣言もあくまでトドメになりうるものではないため、如何に他カードとの組み合わせで自身の力を発揮出来るかが最も重要になってくるでしょう。最も今後発表されるカード次第で評価が変わる可能性もあるため、気長に待っていたいとも思います。

 

 

  • 勝負にかける想いとそれを見守る(?)教授

 第1試合がボウイの勝利に終わり、続く第2試合への準備を続けるウィンとカイザ。両者ともにある程度落ち着いていたものの、そこにリッパー教授が介入してきたのが気になりました。ウィンに「闇のおマナが足りない」と指摘し、カイザにはウィンが新たなカードを手にしたことを報告するなどぱっと見それぞれの力になろうとしているように思えます。が、教授自身の胡散臭さと相まってどうにも怪しかったですね。このどちらにもつかず言葉でかき乱していく様子に、「子ども同士の真剣勝負に大人が水をさしに来る」ような感覚を覚えました。どちらかというと、2人にちょっかいをかける形で様子を見て、その戦いで起こる“何か”を期待しているように思えてきます。

 他にもウィンとカイザの準決勝に対する意気込み、その温度差が激しかったのも印象に残りました。ウィンはカイザへのリベンジなどは全く気にせず、彼との対決に心躍らせる点はいつも通り。対するカイザはデュエル・ウォーズに絶対に勝つつもりで瞳をギラつかせており、この時点でウィンとは異なる貪欲さが見えてきます。(一人称が「俺」になり、リッパー教授に対して今にも噛みつきそうな態度を見せたのがここすきポイント)この優勝と願いに賭ける想いの違いが、準決勝ではどのような結果を生むのか……次回の対決が楽しみなところです。ボウイの決勝進出を受けて、準決勝はカイザが勝利して決勝はボウイVSカイザになるのではないか?と今のうちに予想しておきます。

 

 

 というわけで次回は準決勝第2試合でウィンとカイザが激突!これまで3度デュエマで戦ってきた2人ですが、果たしてどちらが勝つのでしょうか。現状カイザが2勝しているためウィンが勝つ可能性もありますが、あちらの新切り札など諸々の関係もあるのでまだまだわかりません。

 それよりも気になるのは、予告で触れたカイザの過去。幼少期のカイザと彼の母親との間に何があったのか、カイザがデュエル・ウォーズで何を願うのかがいよいよ明かされるようです。学園に隠されたマイハマ学園のジオラマの秘密に加えて、鉄仮面の男(ボルシャック・カイザー)に選ばれた理由なども判明しそうですね。カイザのファンとしては、彼の掘り下げが一気に行われそうなので非常に楽しみにしたいですそして源さんの過去については……その前にタコアザラシとは何かについて教えてください。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:余談だがエン・ゲルスという名前の元ネタは、カール・マルクスと共に「資本論」を築いたドイツの哲学者にして経済学者「フリードリヒ・エンゲルスかと思われる。