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デュエル・マスターズ WIN 決闘学園編(デュエル・ウォーズ) 第27話「不屈!ボウイの覚悟」感想

敗北を知るからこそ強くなれる

ボウイの実家大丈夫?本人が成長したところで家の方が大変な目に遭ってない?

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  • 折れてもなお立ち上がる者たち

 早々に予選が終了し、いよいよ残ったベスト16による本戦が始まることとなったマイハマ学園デュエル・ウォーズ。今回のデュエマWINは初戦の組み合わせで当たることになったボウイとファルゴの激闘が描かれることになりました。思えばボウイは前作の頃からファルゴに煽られたりしていたので、ある意味で因縁の対決ということになるのかもしれません。そんな両者の戦いで注目したいのがサブタイにもある「不屈」のスタイル。大きな敗北を経験してきた2人が、それぞれの形で立ち上がる姿勢を見せてきたのが大きな見どころとなっていました。

 まずファルゴに関しては「ゾンビのファルゴ」とか名乗り出す意味不明っぷりを発揮していたのが愉快でした。敗北から何度でも立ち上がる強さを目指し始めたのはいいものの、取り巻きたちから自らを痛めつけるように仕向けて肉体的にも精神的にもダメージを負いつつ立ち上がる姿は中々にシュールの一言。最早ゾンビというよりドMの領域のような気がしてきます。とはいえ卑怯な手を使ったりせず、真っ向から挑むようになった点には好感が持てますね。ボウイに負けた後もリベンジを誓うようになりましたし、方向性は迷子になっているものの健全な成長を果たしたと言えるでしょう。

 対するボウイは真っ当に強くなっていたのが素晴らしかったです。ファルゴよりも先に敗北や挫折を味わい、自分の未熟さを認めて這い上がってきたことを証明してくれていました。この辺りは以前からボウイに起こった数々の苦難を見てきたのもあって、実に説得力のある語りになっていたと感じます。ただ歯を食いしばって努力しているシーンはもっと前から描いてほしかったなぁ、と思ったり……何より「僕の前を走る男を追い抜くために」とウィンのことを思い出しているシーンが素敵でしたね。憧れのカイザだけでなく、もう1人の目標を見つけ出したのはボウイにとって間違いなくプラスになっていることがわかります。(デッキに闇文明を入れたのも、ウィンへのリスペクトのように感じられるのがここすきポイント)何かと曇らされがちなボウイに胸を痛めてきた身としては、見たかったボウイの成長パートをようやく楽しむことが出来て大満足の回でしたね。

 

 

  • 蘇るルールの必勝法

 今回もう1つの注目ポイントは本戦で適用された新たな縛りルール「ゾンビデュエマ」。バトルゾーンにいる全てのクリーチャーが「墓地に行く度に、1度だけタップ状態で復活する能力」を有しているこれまた特殊なルールです。(わかりやすく言えば全クリーチャーが《阿修羅ムカデ》のリアニメイトを1回限りで使える、といったところでしょうか)

 味方には実質的な破壊耐性が付いているので頼もしいものの、相手のクリーチャーも同様ということから簡単に除去出来ない厄介さも存在しているのが面白いですね。また復活と言ってもタップ状態なので攻撃やブロックに参加しにくく、相手ターン中にはそのまま殴られて終わりの可能性もあるので一概に便利とは言えません。その辺りを考慮したうえでどのように展開しつつ相手を排除していくのか、興味深いルールだと思います。

 劇中で説明されていたようにクリーチャーを大量展開するデッキとの相性はそこそこ良さげ。しかしボウイの「如何に相手のクリーチャーを破壊せず、無効化するか」という必勝法には1本取られましたね。ボウイとファルゴのデッキは共に横並びを得意としている中、除去せずに相手クリーチャーをフリーズで封じたボウイの立ち回りは驚嘆ものです。正直クリーチャーを並べることばかりに気を取られて視聴していたので、これには膝を打ちました。そうしてこちらの考えを超えてきたという意味でも、ボウイの成長が感じられる場面だったと言えます。ただ相手クリーチャーを出させなければいい都合上、ハンデスデッキが1番強そうに思えるのは内緒。

 

 

  • 奇跡の宇宙キファー!!大気圏すらも超える銀河竜

銀河竜(ギャラクティカ) ゴルファンタジスタ 水/自然文明 (7)
クリーチャー:ジャイアント・ドラゴン 
パワー13000
▪️革命チェンジ:コスト5以上のジャイアント(自分のコスト5以上のジャイアントが攻撃する時、そのクリーチャーと手札にあるこのクリーチャーを入れ替えてもよい)
▪️T・ブレイカ
▪️相手のクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
▪️自分の他のジャイアントが相手のクリーチャーとバトルする時、かわりにこのクリーチャーにバトルさせてもよい。

 おかしな方向に目覚めたファルゴが使用する新たな切り札。彼の代名詞でもある《首領竜 ゴルファンタジスタ》が革命チェンジの力を得てパワーアップした姿です。新規のジャイアントと同じように水文明との多色になったこと、そして宇宙の力で体を一部を機械化していることで新しい形態となった模様です。このゴルファンタジスタも例に漏れず、背中のバックパックらしきものから機械の腕が生えているのが特徴的。ポケモンのカイリキーが如く4本腕になり、よりパワフルになった印象を受けますね。

 カードとしてはコスト7のパワー13000、T・ブレイカーと以前の姿よりもサイズが大幅に下がっています。しかし革命チェンジによって出しやすさは格段に向上しており、またチェンジ元となるジャイアントにはマッハファイター持ちが多く存在するため早い段階で踏み倒すことが可能です。そうなってくると同サイクルの中でもトップクラスのパワーと打点を併せ持つこのカードの強さが伝わってくるでしょう。(アビス・レボリューションの大型革命チェンジ獣で、T・ブレイカーを持っているのは現状ジャイアントのみという点に注目したいところ)

 そうして出てからは、相手クリーチャーは登場時に攻撃とブロックを封じる“プリン効果”を常時発生させることが可能。相手の即時打点を抑えるほか、自身が攻める時には《ヘブンズ・ゲート》やニンジャ・ストライクで出てきたブロッカーを素通り出来るのが非常に便利です。何気に嬉しいのが次の自分のターンの初めまで効力が発揮される点で、革命チェンジメタの《流星のガイアッュ・カイザー》や《ZEROの侵略 ブラックアウト》を出されても次のターンでの攻撃を封じられます。

 さらに味方ジャイアントのバトルを肩代わりする能力も持っており、実質自身のジャイアントのパワーの最低ラインを13000にまで引き上げてくれるこれまた便利なものとなっています。横に並べることが得意なジャイアントには打ってつけと言えるでしょう。上述のマッハファイター持ちで相手にバトルを仕掛けるだけでも十分ですが、相手の殴り返しの対策にもなるので上のプリン効果と合わせて攻められにくい堅牢さを発揮してくれます。

 総じて2つの能力で相手を攻撃を牽制しつつ、自身の展開を補助してくれる良きフィニッシャーと言うべき1枚。しかしその力を最大限発揮するためには革命チェンジで早期の内に出しておく必要があり、相手に先にメタカードを出されると動きづらくなる欠点もあるので注意が必要です。その分早い段階で出して立ち回れれば、強力なパワーを発揮してくれること間違いなしです。

 

 

  • 漆黒のボディで蠢き走る重走車龍

アーテル・ゴルギーニ 闇文明 (5)
クリーチャー:メカ・デル・ディネロ/スーパーカー・ドラゴン
パワー6000
▪️ブロッカー
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、次の中から2つ選ぶ。(同じものを2回選んでもよい。)
►相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-4000する。
►自分の山札の上から4枚を墓地に置く。
►コスト4以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。
▪️このクリーチャーが離れる時、かわりに自分の他のクリーチャーを1体破壊してもよい。

 不屈となったボウイが闇文明の投入と共に手に入れた今回のキーカード。初の闇単色のメカ・デル・ディネロ&スーパーカー・ドラゴンであり、《ドラン・ゴルギーニ》たちと同じゴルギーニの名を持つ新たなクリーチャーです。(背景ストーリーにおいて、ドラン・ゴルギーニたちとの関係はどうなっているのかは現状不明)その見た目はラテン語で「黒」を意味する「アーテル(ater)」の名の通り真っ黒な車体が特徴的。形状も大きく重武装化しており、他の光のゴルギーニと比べてもかなり異質に感じます。以前よりもクラッシュギアっぽくなったなとか思ったり。

 カードとして一言で表すならクリーチャー版《絶望と反魂と滅殺の決断といったところ。cipでパワー低下と墓地肥しとリアニメイトを好きな組み合わせで選べるのはあちらと同じ強みとなっており、状況に応じて様々な効力を発揮します。とこしえの超人》や《禁術のカルマ カレイコ》といったメタカードを除去してから他の2つを行えますし、自力で墓地肥し→リアニメイトを狙うことも可能。特にコスト4以下というリアニメイト範囲は軽量カードの多いメカとの相性が良く、劇中のようにドラン・ゴルギーニを出しておけるのは頼もしいです。

 絶望と反魂と滅殺の決断と比べると1コストの増加やオーラまでリアニメイト出来ないこと、手札から墓地へと連続で唱える戦法も不可能となっていますが、その分2打点のブロッカーが残るので十分と言えるでしょう。加えて味方クリーチャーを破壊することで生き残る耐性を持っており場持ちにも優れています。何気にこの破壊耐性は任意なので、敢えてニンジャ・チェンジや革命チェンジで手札に戻し、再度出してcipを狙うのもアリですね。

 このようにメカを中心としたデッキの強化となりうるカードですが、既存のメカ・メクレイドとの相性は少々疑問が残るところ。他の闇のメカを積極的に加えていない場合は、いざという時の除去&リアニメイト札として使用するといいかもしれません。スペックは破格そのものなので、このカードを活かすために新たなメカデッキを構築することも考えられます。それ以上に他の墓地利用デッキに採用が見込める汎用性も魅力的です。生きたダークネスの通り名に恥じない、八面六臂のカードと言えますね。

 

 

 ボウイとファルゴがお互いに覇を競い合う非常に熱い内容でしたが、一方でボウイの今地の状況が目に留まる回でもありました。というのもボウイが食堂で「もやし定食」ともいえる食事を取っていたシーンに驚かされたからですね。(おはしをちゃんと持てるようになってて偉いね!とも思いましたが)一応D4を抜けた後もお金持ちのはずだったボウイがこんな質素なものを食べていることには違和感を覚えます。加えて前回父親に意味ありげな電話を取っていたこともあり、ボウイの家の財政は今ヤバいのではないか……?といった考えが浮かんできました。その辺りの事情をこの先詳しく描いてほしいところです。

 

 

 さて次回のマッチングはカレンVSイッサ!今度は現役D4同士の対決ということで、これまた目玉の対戦カードとなるようです。しかしカレンは今回のラストで受け取った謎の手紙に驚愕するシーン、さらに予告でのカイザの「カレンにはデュエリストとして致命的に足りないものがある」発言から何やら暗雲が立ち込めているのが気がかりです。カレンの欠点とは何か?彼女の身の回りに何が起こったのかで不安にさせられます。さらにイッサの「学園の秩序を守る」という目的の意味も明かされるようで……?

 また次回はさらなるルールが適用されるのですが、今度は「メンタルデュエマ」なるルールになる模様。曰く『異世界転生宣言 デュエル・マスターズ「覇」』という記事シリーズにて発明されたルールで、ざっくり言うと「実際にプレイするカードと同じ文明・コストを持つ別のカードとして扱うことが出来る」とのこと。*1予告映像でも火のコスト8以下のカードが《我我我ガイアール・ブランド》になるシーンも描かれており、いつも以上に奇妙なデュエマが展開されそうです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:リンク先の(https://corocoro.jp/bakuren/310964/)を参照。