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2024年春アニメ簡易感想 その15

 

ブルーロック 09 集合 アクリルボード

 

 

 今人気のサッカー漫画『ブルーロック』のアニメ2期情報が先日到着。現在公開中の劇場版の話題も冷めやらぬ中で発表してくるのは予想していましたが、今年の秋から始まることには驚きましたね。(それにしても上のポストに描かれている映画のタイトルを押しのけて主張してくる潔に笑う)意外にも早くも今年中に2期が見られるという事実に、少々テンションが上がってしまいます。

 そのため今現在、2022年の秋に始まったアニメ1期を見た時の衝撃、サッカーにデスゲーム要素を追加し、個人のエゴを推しだした内容に惹かれた時の思い出がよみがえってきます。登場人物それぞれの我が強く、そんなキャラでも容赦なく落とされる展開だからこそ伝わってくるヒリついた空気感は当時から中々に面白いと思っているので、2期の内容が早くも楽しみになってきました。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

夜のクラゲは泳げない

第5話「コメント欄」

 花音のお姉ちゃんの声が入ったせいで初合作が呪いの曲呼ばわりされててワロタ……などと言っている暇もなく、曇っていくまひるに目が離せなくなってきました。JELEEが有名になっていく傍らで、みんなと違って自分だけが普通であることに苦しむ様子は視聴者としても非常に辛かったです。花音の励ましよりも顔も知らないアンチコメントが胸に突き刺さる過程もリアルですが、それ以上に神絵師が描いてくれたファンアートに嫉妬と焦燥を覚える場面が印象に残ります。等身大の子どもだからこそのどす黒い感情の発露は、正直見ていてヒヤヒヤさせられましたね。(おいて行かれたくない一心で絵の勉強を続けて上達する流れもありましたが、この辺りの燻ぶった感情がいずれ爆発しそうで不安……

 そしてこの出来事を経てまひると花音の関係が少しずつ変化していく過程も今回の注目ポイント。自己肯定感の低いまひるがファンである花音に執着する一方で、花音は花音でまひるに惹かれていっているように感じました。かつては「ヨル(まひる)の絵が好き」だったのが、いつの間にか彼女そのものに対しての好意を見せ始めたのが興味深いです。ただそれを花音自身が自覚しているかは微妙なところで、まひるにキスしたことに当人が呆けているような態度を見せていたのは衝撃的でした。というかこれ百合アニメだったんか……!?ハロウィンでの出会いから数か月、お互いに相手のことを“尊敬する創作者”から“大切な個人”と認識し出している点に胸のザワつきが止まりません。

 

 

ささやくように恋を唄う

第4話「進展と、焦りと、静かな決意。」

 今回は主人公2人の部活動にほっこりしつつ、恋愛絡みでそれどころではなくなる感覚を味わいました。まず依先輩はひまりに自分を惚れさせるためにバンドに入ったものの、自然と仲間と音を合わせることに楽しさを見出していくのが微笑ましかったですね。同時にひまりも料理研究部に入り、恋に関わることでなくともそれぞれの時間を満喫している様子に癒されました。

 とはいえここにきて依先輩の面倒くさいところが発動して苦笑い。ひまりが同じ部の「里宮百々花(さとみや・ももか)」との時間にジェラシーを覚えるシーンは、予想通りながら何とも言えない気分にさせられます。(まぁウキウキと他の先輩の話をし出すひまりも無自覚すぎるんですけどね!)付き合ってすらいない段階でここまでの独占欲を発揮してくると、一周回って清々しさすら覚えてしまいそうです。

 そんな依への好意を隠し続ける亜季も別ベクトルで面倒くさかったですね。しかもその好意を当人ではなくひまりに対して明かし、彼女を牽制してくるラストには戦慄してしまいました。拗らせに拗らせた女子たち同士の修羅場が自然と発生し続ける状況に、恐怖と興奮を同時に覚えてしまった次第です。

 

 

夜桜さんちの大作戦

第5話「取り調べ/デート」

 どんどん人間を辞めていくよ太陽くん。序盤の取り調べのパートから始まり、授業中の訓練に至るまでスパイとしての成長に合わせ常人離れしていく主人公に唖然となりました。警察官の「仏山聖司(ほとけやま・せいじ)」との腹の探り合いの時点はまだカッコよかったのですが、眠りながら狂一郎の攻撃をかわすシーンは中々にぶっ飛んでて口が塞がらなかったです。夜に眠ったまま出歩く癖まで出来てしまいましたし、ギャグ展開ながら人間として大切なものが失われつつある太陽に涙を禁じえません。(それはそれとして長男とのバトルのトンチキさ加減とかには結構笑ってしまいましたが

 一方で後半の六美とのデート回には癒されましたね。一応は危険人物を探し出す任務の真っ最中なのですが、カモフラージュと称して太陽と六美の純粋なイチャつきっぷりを繰り広げる絵面にニヤニヤさせられます。そして極めつけは太陽がプレゼント用のバラを買うくだりで、裏社会のバカップルに傷つけられた時の怒りようなどから六美への想いが込められているのが伝わってきました。(そのバラを敢えて受け取って喜ぶ六美の器の大きさにも惚れ惚れします)部分部分でシュールギャグが挟まれながらも、ここぞという場面で夫婦の絆を見せてくれるので最終的にはこちらの心も温かくなってきます。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第107話「暗闇からの押忍」

 まーた変な奴が出てきた……サビュラスとブリュエアに続いて登場した新たなダークメン「ゼイエト」が登場し、彼女のよわよわメンタルからの自分を応援コンボに目が点になってしまいました。「絶望が私を強くする」という言い回しはカッコいいと思えるものの、ネガティブ思考が極限すぎる点と明るいユウディアスへの拒否反応もあってこれまた強烈なキャラに仕上がっていました。(まぁその前に出てきた連中の変態っぷりを思えば幾ばくかマシですが)そこに敵をも応援するユウディアスのポジティブっぷりが合わさることで、とんでもないカオスな空間に襲われた気分です。

 またラッシュデュエルが始まる前のパートに「スーパー凡人将棋」とはじめとした3つのゲームが登場しましたが、それらの意味不明なルールとこのゲームでニャカヨシ星が地獄の様相を呈した話に衝撃を受けることに。情報遮断装置で争いの種を長いことシャットダウンしていた事実もあって、ニャカヨシ星人の闇の深さを実感させられます。だからこそ秘密の部屋に入る条件「争いを繰り広げても相手と仲良く出来る」を、上のユウディアスが実現してみせたことにちょっとした感動を覚える回でもありましたが。

 

 

トランスフォーマー アーススパーク

第31話「おしえてメガトロン」

 本編が始まる以前の話、オートボットとディセプティコンの戦争が繰り広げられていた時代のエピソードの一部がついに判明。歴史の授業としてマルト家の子どもたちに過去の体験を話すメガトロンの様子に思わず見入ってしまいました。戦争を知らない世代を「未来の希望」と呼び、過ちを繰り返さないために戦時下を生きた者が自身の体験を伝えていく……現実においても大切な“非戦”の姿勢を描いているので、かつてないほどの緊張を覚えます。

 何といってもディセプティコンを裏切ってまで種の存続を選んだメガトロンの苦悩に目がいきますね。かつてはリーダーだった男がドット母さんとの出会いを経て命の大切さを知ったのは素敵なことですが、その結果部下たちから裏切り者呼ばわりされている過去と現在には胸が痛みます。“裏切り者”の代名詞であるスタスクにそう言われるのは軽い尊厳破壊だろそんな彼の評価を表わすかの如くフェードインしてきた、汚れや落書き塗れのメガトロン像は地味にショッキングでした。表向きは戦争終結の立役者でも、一部の者からは蔑みと憎しみの対象になっている辺りが何とも生々しいです。

 回想で明かされた若干チンピラっぽい「ショックウェーブ」とのやり取りも印象的。勝利の栄光を求めるショックウェーブに「戦争を始めた時点で勝者などいない!」と訴えるも聞き入れてもらえず、だまし討ちするしかなかったメガトロンの心情は察するに余りあります。部下や友人の元から離れて戦争を終わらせても、未だに心に影を落としている彼に救いが欲しいと思わずにはいられなかったです。

 

 

 そういえば今公開している『エピソード凪』ですが、思っていたよりも凪視点の物語が面白くて見入りましたね。やる気のない天才が相対す人間たちの喰らいつく姿勢に未知の恐怖を感じたり、それに感化されていく過程がこれでもかと描かれていて彼への造詣を深められました。同時に玲王との温度差・互いへの感情の違いもわかりしんどくなりましたが……こういったドロドロした人間関係もブルーロックの面白いところだなぁ、とつくづく感じた次第です。

 

 

 ではまた、次の機会に。