レジェンダリー制作のモンスターヴァース最新作『Godzilla x Kong: The New Empire』の予告映像が先日ついに公開されました。前作『ゴジラVSコング』で死闘を繰り広げた怪獣王ゴジラと野生の王者コングが、今度は共闘するという胸熱な展開が繰り広げられるようです。地下に広がる広大な世界で君臨する新たなタイタン(怪獣)・スカーコングは、かつて2体の同種を屠ったこともあるという強敵。そんな相手にゴジラ&コングはどう立ち向かうのか既に気になるところです。
他にも可愛らしいミニコングも目に留まりますが、それ以上に気になるのが氷の中から目覚めたゴジラ。背ビレをはじめとした体色が薄い赤(ピンク)に染まっており、以前とは全く別物の印象を受けます。予告を見た人たちの間では前作のゴジラとは別個体かも?といった声が上がっているようですが、真相は如何に。
あとはやはり予告映像のクライマックス、並走するゴジラとコングの絵面のインパクトが強いですね。(右腕にアーマーを装着したコングも見逃せません)両者の共闘を表していてエモさも感じる一方、ダバダバした走り方にシュールな笑いを覚えます。現在公開中の『ゴジラ-1.0』とは180度異なるゴジラの面白おかしな一面に違和感もありますが、こうしたふり幅の大きさもまたゴジラの魅力と言えるでしょう。日本で放射能の恐ろしさを異化したゴジラを味わいつつ、海外制作の良い意味でIQが低い怪獣プロレスを繰り広げるゴジラを見れるのは素晴らしいことだと思います。ちびゴジラ「僕もいるよー!」ゴジラの多様な面白さを引き出してくれるであろう新作も楽しみです。
というわけで以下、今週の簡易感想です。
ポケットモンスター テラパゴスのかがやき
第31話「白い霧の歌声」
六英雄の1体であると思われるラプラスの噂からリコたちがとある海上に訪れた今回は、噂のラプラス像と大きく異なる実態に驚かされることに。濃霧の中歌で船を導いてくれる優しいラプラスかと思いきや、仲間のポケモンと共に物資を盗み出すための自作自演だという真実には意表を突かれました。(最初はラプラスを騙る別のポケモンだと思っていたのですが、普通にラプラスの仕業だったことにもびっくりです)見た目も通常の個体より目つきが鋭めで体中傷だらけと、過去に登場したラプラスを見てきた人ほど衝撃を受ける登場だったと言えます。
さてこのラプラスが仲間たちと共に船を狙っている理由も気になるところ。メンバーにはエテボースやリククラゲといったガラルにはいない陸生ポケモンがいるといった描写からして、もしやラプラスはトレーナーに捨てられたポケモンたちを養っているのでしょうか。リコたちへの敵意を感じる視線も、彼らを捨てた人間に対する不信感から来ているのかもしれません。どう見ても心を開いてくれそうにない雰囲気ですが、リコたちはここから如何にしてラプラスの心を解きほぐしてくれるのか期待したいですね。
また今回から「テラパゴスのキラキラ探検記」なる新コーナーでテラパゴスとニャオハのじゃれ合いが描かれたのも見逃せません。最初はテラパゴスのことをうっとおしく感じて逃げ回ってニャオハが、観念したように一緒に眠る様子には大いに癒されました。1番上の子ども(ニャオハ)と末っ子(テラパゴス)の一幕を見ているようで、何とも微笑ましかったです。
Dr.STONE(3期)
第19話「LAST MAN STANDING」
石化武器・メデューサを巡る戦い、ついに決着!島全体を包んだ石化光線からクロムの閃きと仲間たちの協力、そして自身の計算によって生き延びた千空の光線突破までのくだりにまず心が震えます。千空を信じて絶望することなく託していく流れ、それに応えた千空が無言のハイタッチを交わすシーンには言葉に出来ない感動がありましたね。他にも後述の決着後に勝利の雄たけびを上げたり、孤独に島を彷徨う中「1人じゃない」ことを噛みしめるなど、全編を通して千空の中々表に出さない感情的な面が多く見られました。(リアリストを気取っているようでいて実際は少年漫画らしい熱さを持っているところも千空の魅力ですね)
そしてイバラとのメデューサ争奪戦では互いに一歩も引かぬ頭脳戦が展開。イバラが千空を嵌めたと思ったら千空の方が逆転してまたイバラが意表を突いてくる……そんな優勢劣勢の座がグルグル入れ替わる、息もつかせぬ駆け引きが終始描かれていました。加えて龍水を交えてのドローンによるメデューサ奪取という、最初に企てていた中断したままの作戦をここぞという場面で実行する場面にも興奮させられます。無線機による遠隔の音声出力による決着も、「自分が賢いと思っている奴ほど簡単に嵌められる」とのたまったイバラに対する意趣返しが効いていて爽快感は抜群です。イバラが最後まで邪悪で抜け目ない悪役だったのもあって、見事なクライマックスが描かれたと思います。
呪術廻戦(2期)
第43話「理非-弐-」
七海に続いて今度は野薔薇が犠牲に……前回の時点で嫌な予感を覚えていた野薔薇VS真人戦でしたが、途中野薔薇の優勢っぷりが描かれていただけに油断させられました。というか虎杖とはまた別に魂への直接攻撃を可能とする共鳴り(ともなり)に加え、野薔薇自身の胆力と度胸が相まって前半はこれはイケるのではないか?と思わせてくるものがありましたね。彼女の頼もしさを余すことなく味わい安心してきたところで突き落としてくる、という本作のエゲつない構成を改めて実感した気分です。何より目の前でクラスメイトの顔が吹っ飛ぶ様を見せられた虎杖が気の毒でなりません。どこまで主人公の心をへし折れば気が済むんだ真人とこの作品は!!
また突然挿入された野薔薇の過去編には別の意味で見入りました。田舎に対する嫌悪や憤りをこれでもかと吐き捨てつつ、ふみちゃんや沙織ちゃんといった心を許した友人たちとの日々が何とも切なかったです。野薔薇は故郷の連中をクソばかりと見ていたようですが、当時の彼女が思っていたほど悪意があったわけではなかったようにも捉えられるのが面白いところです。憧れの沙織ちゃんにも問題があったことが示唆されていますし、1つの視点だけでは片付かない話だったと思いました。だからこそ高専に来て多くを体験した野薔薇が、過去の考えを改めたのでしょう。それを理解した故の虎杖への「悪くなかった」発言も、今となってはどこかエモいと感じますね。
葬送のフリーレン
第13話「同族嫌悪」
ダンディに見せかけた生臭僧侶「ザイン」が登場。冒頭から底なし沼に嵌っていたりシュタルク共々賭けで身ぐるみ剝がされるなど情けない一面ばかりが最初目立っていましたが、要所要所で見せる僧侶としての技能の高さには唸らされました。また飄々としているものの妙に俗っぽい性格がかえって素敵ですね。後述のフリーレンに対して「年上のお姉さん」という性癖について切実な叫びをあげるところで、この男の憎めないキャラクターを存分に味わいました。
一方で冒険者を目指していたザインの「夢を諦めた男」としての一面にはまた別に惹かれることになりました。旅立った友人の誘いを断ってしまったことへの後悔、自分のために村に残った兄に対する負い目……それらの感情を抱えたまま時間だけを浪費してしまった大人の気難しさにどこか共感を覚えます。それ故に兄のビンタを喰らって吹っ切れてからのパーティー加入にはグッときましたね。子どもの頃の夢に決着を付けようとする、ザインの渋い魅力が伝わりました。それにしてもこのパーティー、前衛がシュタルク1人に任せきりなのはどうなんだ?
またザインに対するフリーレンの同族嫌悪も興味深かったです。決断を先延ばししてきた彼に似たものを覚え、かつてのヒンメルのようにそこから引っ張り出そうとする姿勢は何ともエモかったです。歳をとって生き方を変えることが如何に難しいかを描きつつ、それを乗り越えていく話は今だからこそ感動させられるものがあります。(あとフリーレンが実行した「師匠直伝の投げキッス」のシーンが色んな意味で何を見せられているんだコレ……となりましたね)
遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!
第87話「どうするユウディアス」
未だにクァイドゥール時空の本質を理解していないユウディアスに現状を理解させるため、遊飛たち総出で「ユウディアスわからせ作戦」このユウディアスめ……わからせてやる……が決行された今回。クァイドゥールによって強固なロックが仕掛けられている可能性が示唆されたものの、概念的な現象を視覚的に理解させることが如何に難しいかがこれでもかと描かれていました。しかしあの手この手で理解させようとしても当人は表面的にしか受け取らないので、その度に見ている側もそういうところだぞユウディアス!と言いたくなってしまいます。
そんな膠着状態を打破してくれたのが遊歩の催眠術、そしてロヴィアンのポエムという展開には舌を巻きました。中でも後者は直前のユウナとの会話が印象的で、自分の元を離れた友人に拗ねながらも彼女なりに立ち上がったことが伝わってきます。それらを受けたユウディアスもようやく「わかりたい」「みんなと同じものを見たい」という想いを抱くようになり、ついにクァイドゥール時空の本質を見抜くまでに至る流れに感動させられましたね。(それにしても気付いた者の視点でのクァイドゥール時空が怖すぎる……)
また今回、催眠術にかかったユウディアスが見た「9」の数字について何度も強調されていたのが気になりました。何故わざわざ9のみが光っていたのでしょうか。遊戯王アニメ“7”作目である『SEVENS』、“8”作目の本作ゴーラッシュに続くアニメ“9”作目のことを指しているようにも思えますが果たして……!?
トランスフォーマー アーススパーク
第10話「ゴーストのなぞ」
司令官の「ねっ☆」が可愛い。ゴーストの研修を受けることになったドット母さんが下りた先で、オプティマスのお茶目な一面に最初癒されることになりました。フレンドリーなもののどこかズレた対応が終始冷めた態度のドットと相まってどこかシュールになっており、彼の真面目ながら天然が入ったキャラクターが良く伝わるものになっていたといえます。
一方でゴーストへの不信感を募らせるドットの質問をはぐらかす辺りはいただけなかったですね。オプティマス自身ゴーストを全面的に信じているわけではないことはわかりますが、信頼も捨てきれていない態度に彼の「物事の良い面ばかり見てしまう」という美点にして欠点の意味を理解することが出来ました。捕まえたディセプティコンへの処遇など明らかにおかしい状況に対して「もっといい方法を必ず探す」と約束してくれるのは頼もしかったのですが。
また前回勃発したロビーとモーの兄妹ゲンカですが、トレーニングを通じて自然と仲直りしていったので一安心。「お兄ちゃんだから」と妹に心配をかけたくないロビーに対し、モーが「1人で強くならなくていい」と言ってあげられる関係にどこかウルっときてしまいます。トレーニングルームの出来事でも仲間全員で力を合わせて突破したことですし、この先もそうして家族で一緒に乗り越えていくことがわかる和解でした。
上のゴジラ×コングの新作の敵となる怪獣は今のところスカーコング1体のみ。ゴジラの一族とコングの一族の対立に大きく関わっていそうな設定が見え隠れしている興味深い怪獣ですが、現状モンスターヴァースの敵怪獣としてはインパクトが弱めのように思います。実際同じようなことを考えている人が他にもいるようです。(キングギドラのような強キャラの後だとそう見えるのも仕方ないのですが)
なのでスカーコング以外にも何かしらのサプライズ怪獣が出てくるのではないか?とネット上では噂されていますね。前作のメカゴジラのようなサプライズ枠が存在したとしても不思議ではありません。その場合誰が出てくるのかでまた頭をひねりますが、あまり変な期待をせずに待っていたいと思います。
ではまた、次の機会に。