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仮面ライダーガッチャード 第13話「とりもどせ!ユージョーXフォーエバー!」感想

手を伸ばせ

そこには希望がある

友情を取り戻すため、今こそ未知なる友の力を掴め!!

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  • 絶望から這い上がろうとする者たち

 冒頭「加治木を襲うドレッドを錆丸ごと倒してしまう」という中々にエグい悪夢を見てしまった宝太郎。普段の元気はどこへやら、震えた声や様子から恐怖と動揺が何度も伝わってきて見ているこちらも辛かったです。ただその分、恐怖を覚えながらも必死に立ち上がろうとする姿勢を見せてくれたのでちょっとホッとしました。前回のラスト同様、戦うことへの覚悟を見せてくれる点に好感が持てます。

 そんな宝太郎を支えてくれる人たちの暖かさが描かれていたのもここすきポイント。悪夢の話を黙って聞いてくれたりんねや、悩むより先に動くことを教えて背中を押してくれる珠美母さんなど、事情を知っている側も知らない側も宝太郎を想ってくれていることが伝わってきて嬉しかったです。(中でも珠美母さんの朗らかな母性が素敵だと感じました)

 他にもミナト先生が錆丸を救うために錬金連合の上層部に掛け合っていましたし、誰もが自分なりの方法でこの状況を脱しようとしているのがことがわかる点にも注目したいところ。錆丸の救出よりもケミーの回収を優先させてくる錬金連合に関しては……まぁこの手の上層部あるあるですね……最悪の状況に意気消沈することはあるものの、決してそれだけでは終わらせない内容には大いに励まされました。前回の暗さを引きずりつつも、出ていた希望の芽をしっかりと示唆していくこの“明るい堅実さ”も本作の魅力だとつくづく思います。

 

 

  • 絆が紡ぐ勝利のガッチャ!

 というわけで今回のガッチャードは、宝太郎たちがエクスガッチャリバーを渡してくれたユーフォーエックスを呼び出そうとする緊迫の展開が最大の見どころでした。11話の錆丸のやり方で一度呼び出せていたことを知り、再び試してみるという自然な伏線回収には思わず膝を叩きましたね。そのうえよくわからないものの加わった加治木や、アイザック越しにユーフォーエックスへの想いを語る錆丸の声などエモい要素も盛りだくさん。前回が本当に絶望的だっただけに、この希望を求める展開にはグッとくるものがあります。

 そうして現れたユーフォーエックスが宝太郎をアブダクション(誘拐)*1された時には最初仰天。しかし即座に仲間になってくれたからのスーパーガッチャードへの変身・錆丸救出をテンポよく描いてくれたので一転してテンションが上がりました。あまりにもすんなり行きすぎたようにも感じますが、個人的にはユーフォーエックスがここまでの宝太郎の懸命さを見ていたからこそ手を貸してくれたのだろうと思いましたね。それ故支配することでは手に入らないレベルナンバー10の力を、仲間と認めてもらうことで使う展開にも大いに納得させられます。

 振り返ってみると全体を通して「みんなで錆丸を救う」という目的に力を入れており、そのため上述の展開からクライマックスまでのワクワク感が少しずつ上がっていく感触を覚えました。それもこれもここまでの宝太郎と仲間たちの関係性、ケミーとの友情描写などをしっかりやってきたからこそだと言えます。何より前回の時点で期待していた展開を、期待通りの内容で仕上げてくれたのでカタルシスが凄まじかったです。まさに前回の暗い雰囲気を吹き飛ばしてくれるパワーに溢れる、見事な逆転劇でしたね。

 

 

  • 彼方の理想より飛来する、素晴らしき神秘の超錬成

 

エクスガッチャリバー!

 

クロスオン!

 

マーベラスオカルト!

 

ガッチャンコ!

X!

 

ユーフォーエックス

UFO-X!!

スーパー!!

 

 錆丸を救う決意を固めた宝太郎が「エクスガッチャリバー」をガッチャードライバーと合体(クロスオン)させ、オカルト属性最強のケミー「ユーフォーエックス」を錬成(ガッチャンコ)して変身した姿「仮面ライダースーパーガッチャード クロスユーフォーエックス」。長いこと登場していたユーフォーエックスを仲間にすることでついに手にした中間フォームです。スチームホッパーからさらに多重錬成を行ったケミー3体使用の形態であり、そのボディもスチームホッパーをベースに装甲が追加されたものとなっています。このクロスユーフォーエックスの場合は追加装甲が上半身に集中しており、ユーフォーエックスのボディをそのまま被ったようなビジュアルは中々に奇抜なものなので嫌でも記憶に残ります。

 戦闘では上述の鈍重そうな見た目に反して、相手の攻撃を受け流す華麗な身のこなしを発揮。加えてユーフォーエックスの転送能力を駆使した浮遊&瞬間移動で終始ドレッドを翻弄していたのが印象深いです。さらにその能力を使い、ドレッドから錆丸を分離させる意外な技まで披露して彼を救い出したシーンには驚かされました。(錆丸分離後もドレッドがちょっとだけ動いていたことにもびっくり)「錆丸を救い出すためにユーフォーエックスが必要だった」ことがよくわかる能力です。これらの意表を突く機動力と錬金剣状態に変形させたエクスガッチャリバーによる剣戟は圧倒的とまではいかなかったものの、通常のガッチャードとは大きく異なることが伝わってきましたね。

 あとは必殺技なのですが、両腕の円盤で相手を捕縛したまま空中で蹴り上げるというこれまたユニークなものでした。惑星の公転のような回転がオシャレである一方、敵共々フワ~ッと上がる様子は少々シュールに見えましたね。総じて劇中での活躍含め、強烈なインパクトを残してくれた中間フォームと言えるでしょう。

 

 

 というわけでガッチャード13話の感想でした。いやぁ良き強化フォームお披露目回でしたね。前回仲間が操られるという鬱展開を描きながら、それを新たな力で解決していく……新フォームの活躍の見せ方としてお手本のような内容だったと言えます。上でも書きましたが、こちらがやってくれると思っていたことを、期待通りに気持ちよく魅せてくれたので爽快感が半端なかったです。同時にアカデミーの仲間たちとの友情も描いてくれたので、全員に愛着が湧いた身としてはウルっとくる場面が実に多くて楽しい回でもありました。(余談ですが、ミナト先生が錬金術さすまたを作って応戦するシーンが微妙にタイムリーかつシュールでクスっときてしまいました

 そんな宝太郎たちの友情に感動する一方、冥黒の三姉妹の恐ろしさが引き続き描かれていたのも見逃せません。ドレッドに変身して死にそうな錆丸を使い捨てる気満々の態度は序の口、宝太郎たちが通う富良洲高校の英語教師(漫画『呪術廻戦』に出てくる七海健人に似ているともっぱらの評判)を容赦なく消した時は衝撃を受けました。周りの人間たちを人として見ていない、まるでゴミを払うかのように利用し消し去る容赦のなさにはゾッとさせられます。以前はゲストキャラのクズっぷりの影に隠れていた三姉妹ですが、前回からようやく敵キャラとしての貫禄が付いてきたと言えますね。

 

 

 さて次回はりんねが宝太郎に「ある悩み」を打ち明ける模様。彼女に関しては父親の件やアトロポスに言われたことなど心当たりが多いので、一体何を語るのかが予想つきませんね。ただ悩みの内容はともかく、りんねがわざわざ宝太郎に話すくらい彼に信頼を寄せるようになったのは嬉しいところ。この後も順調に2人の絆を育んでほしいです。

 またユーフォーエックスに続く新たなレベルナンバー10・エクスレックスが出現。予告では「人間を食べる」というやたら物騒な説明がされていますが、果たしてそれは真実なのでしょうか。ケミーの性質からして何かしら事情がありそうですし(単純に遊んでほしくてガブッとしているだけの可能性も……)、そんな厄介な噂が付いて回っているケミーとどのように交流していくのか気になるところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:英語で「誘拐、拉致」といった意味を持つ。中でも宇宙人に攫われるといった超常現象によるものを指すことが多い。