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仮面ライダーガッチャード 第10話「炎の京都!〜悲恋・ケミー雷電事件〜」感想

その想いは決して消えはしない

「一般人がヒーローを応援する」シチュはいつだって最高だよなぁ!!

 

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  • 支え支えられ勝利するヒーロー

 2週間ぶりとなるガッチャード本編は京都修学旅行の後編。脱走犯の1人が変身したマルガムを、早々に新フォームで撃退するシーンから始まりました。しかし聖さんが出会っていたのが彼女の実の兄にして脱走犯「姫野剣(ひめの・つるぎ)」だと判明し、クロトーによってマルガムにされているであろう彼を探すことに。そこから加治木のこともあってかなりノンストップで進んでいった印象です。

 そして今回は何といっても仲間たちの協力で勝利を掴んでいったのが大きな見どころでしたね。敵マルガムはいつも以上に強敵だった中、りんねたちのサポートのおかげで何とか勝てたというギリギリの塩梅に手に汗握りました。(映画村の刀をたくさん集めて避雷針にするシーンは何ともシュールでしたが)中でも加治木の応援が印象的で、押されていた宝太郎が友人の声を聞いて反撃に出る瞬間の盛り上がりは半端なかったです。一般人がヒーローに声援を送り、ヒーローがそれに応える……ヒーロー番組かくあるべしとも言えるシチュエーションを小細工なしに魅せてくれたことに心の底から喜びと興奮が湧き上がってきました。

 そのうえ聖さんが新たなマルガムになった際に、今度は宝太郎が加治木を応援するのがこれまた素敵。ケミーだけでなくマルガムになった人の心も救おうとする宝太郎の確固たる意気込みと同時に、親友のサポートをしつつ彼の恋心にエールを送るという意味でも秀逸な応援だったと思います。何より上述の声援を受けるヒーローのその先、ヒーローも一般人を支えるシチュエーションが描かれていたことに感動させられますね。りんねたちがサポートしたように宝太郎もみんなを助ける、支え合う構図は何とも胸が熱くなります。何より「愛と正義と友情」ともいうべき綺麗な真理を、真っ向から描いてくれる気持ちよさこそガッチャードという作品の魅力であることを改めて認識した次第です。

 

 

  • 例え何度でも貴女と出会う

 そして今回最大の注目ポイントはやはり加治木。前回に続いて修学旅行編の主役とも言うべき扱いを受けている彼ですが、冒頭では失恋のショックでおかしくなっていた様子がまず目を引きました。聖さんへの未練が強すぎるあまり「姫野」というワードを聞いただけで豹変するところは何とも言えない気まずさを覚えてしまいます。30分後に出てくる某イシャバーナの絢爛の女王にも反応しそうだな……しかしながら上述の通り、ガッチャードとマルガムの戦いを目撃してからは中々の活躍を見せてくれたので一転して安心しました。

 中でも兄に裏切られたショックでマルガムになってしまった聖さんへの説得パートが素晴らしかったです。兄との素敵な思い出も全て噓だったのかと絶望する彼女に対し、「楽しかった思い出まで否定するなよ!」と寄り添う過程には不覚にもウルっときてしまいましたね。彼女と通じ合ったオカルト趣味と、自分たちの投稿が載ったバックナンバーが説得のカギになるのも見事の一言です。色物染みていた加治木の趣味が、こうして1人の女性の記憶を救うことになる流れに素直に驚きと感動を味わった気分です。

 その後は錬金術の掟で聖さん共々記憶を消されてしまったのですが、残された猶予で一緒にUFOを目撃したこと、そして記憶を消された後に「運命の出会い直し」をするラストにこれまた感動させられました。(劇中のホッパー1みたいに気ぶり勢になってしまいましたよえぇ)前回までのやり取りがなかったことになっても、同じ趣味である以上は再び出会える可能性があることが示されたのが最高にオシャレです。前回から始まった加治木のロマンスとして、実に綺麗なオチだったと思いますね。最初はコミカルなだけの友人枠と思われていた加治木涼の魅力に気付けるという意味でも、非常に面白い回でした。

 

 

  • 情熱と消防、そして駆動する甲殻と激走の錬成

 

  フレイローズ

FLAYROSE!

 

ヒーケスキュー  

HIIKESCUE!

 

ガッチャンコ!

 

ヒーケスローズ!!

 

 今回の中盤、火を扱うバッテリーマルガム(剣)に対抗するために変身した「ヒーケスローズ」。以前蓮華が入手した「フレイローズ」と「ヒーケスキュー」の2枚の組み合わせで、『ビルド』に登場したトライアルフォームのローズ消防車を彷彿とさせます。(あちらがベストマッチではなかったのに対し、こちらは見事にガッチャンコ!しているのが面白いところ)消防車モチーフということもあって腕のホースから高圧水流を発射し、猛火をあっという間に消火する活躍を見せてくれました。加えてバラの花びらを周囲に放ち敵の視界を封じたうえで、ウォーターカッターを放ちながらの回し蹴りをお見舞いする必殺技も印象的。個人的にはガッチャードの必殺技の中でも特にオシャレで好みですね。

 

 

    メカニカニ

MECHANICHANI!

 

ゴルドダッシュ  

GOLDDASH!

 

ガッチャンコ!

 

ゴルドメカニッカー!!

 

 そして以前7話冒頭でガッチャした「カニカニ」と2話以降何かとお世話になっているバイク枠「ゴルドダッシュ」を錬成(ガッチャンコ)して変身した派生形態「ゴルドメカニッカー」。序盤の山場に出てくる通常よりもやや強力なタイプのフォームですが、その巨大な装甲とボディがまず目に留まります。金色のゴテゴテしい装備で身を包むアンダースーツも一回り大きくなっており、これまでのフォームと比べてもかなりずんぐりむっくりとなっているように感じます。とはいえ前作『ギーツ』に登場したコマンドフォームよりさらにロボット感溢れるテイストになっており、より重厚そうな印象が強くなった魅力的な姿は個人的に嫌いではないですね。

 戦闘ではその分厚い装甲を駆使した堅牢な防御力、そして相手の攻撃をハサミで切り落とす攻撃性能を遺憾なく発揮。さらに全身が絶縁コーティングで処理されているとのことで、バッテリーマルガム(聖さん)の放つ電撃を受け止める活躍も見せてくれました。(とはいえ宝太郎自身のダメージは決して少ないようでしたが)加えて鈍重そうな見た目に反して機動力にも優れており、ワイルド形態になることで即座に敵の後ろを取れるほどだったことにも驚かされます。必殺技が巨大な足と体重を活かしたかかと落しというのもインパクト抜群で、現状ガッチャードのフォームの中でも特に強烈な活躍をしてくれたと思います。

 

 

 というわけでガッチャード10話の感想でした。1週分待たされたのはじれったかったものの、その分素敵な後編が見られましたね。以前の7&8話に続いて、本作の前後編エピソードの手堅い「良いお話」っぷりは見ていて本当に気持ち良かったです。上でも書きましたが、このシンプルかつストレートな真理を爽快に描いてくれるのが本作の面白さなのでしょう。

 そんな宝太郎たちの物語が順風満帆だった一方、クロトーはしっかりと目的を果たしている点も見逃せません。加治木たちが見たUFOの正体であるケミー・ユーフォーエックスは彼女たちの手中になってしまいましたし、前回に続いて倒されたマルガムの欠片を集める様子も不気味。負け続きに見せかけて、実は計画を順調に進めていると思われる冥黒の三姉妹にも注目が止まらないです。

 ちなみに東映の公式ブログでも「ここまでが第1章、以降は第2章が始まる」とのこですし*1、本作はまだまだ盛り上がっていく模様。これから先の話がますます楽しみになってきますね。

 

 

 というわけで次回は錬金連合から派遣された調査官が登場。いきなり宝太郎に「君を仮面ライダーとして認めていない」と厳しい評価を浴びせる厄介な人が出てくるようですが、スパナとは別に嫌味な感じはしないのでまだ好感が持てそうな予感がします。またこの調査官を演じているのが『剣(ブレイド)』で伊坂/ピーコックアンデッド役だった本宮泰風(もとみや・やすかぜ)さんという点に、早くも期待してしまいますね。

 他にもスパナの発言により錬金アカデミー側にスパイ容疑が出てくる模様。未だ出てきていないキャラも含めてのことなのかはわかりませんが、もし宝太郎たちと仲良くなった生徒の誰かがだと思うと気が重くなりますね。蓮華や錆丸などここまでで愛着が湧いてきただけに、彼ら誰かが裏切っていたと思うと見ているこちらのショックも大きくなりそうです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:リンク先の記事(https://www.kamen-rider-official.com/gotchard/11/)を参照。