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仮面ライダーガッチャード 第16話「クライシスXmas!オロチ事変」感想

そして物語は加速する

クリスマス退場は不安よな。デイブレイク、動きます。

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 さて今回のガッチャードですが、前回との間に冬映画の出来事があったという形で物語が始まることになりました。クロスウィザードを含めたレベルナンバー10を新たに6枚ガッチャしているほか、りんね仮面ライダーに変身出来るようになったなど情報量が結構多かったのが特徴的。(りんね映画で変身したため「しばらく力が使えない」という理由付けで本編での参戦を送らせているのが上手いと感じました)本編と映画がリンクしているからこそと考えると中々に面白いと思います。

 ただ映画が公開されてから2日しか経ってない(放送時点)中なので、映画を観に行けてない人には状況が呑み込めずチンプンカンプンだったかもしれません。こういった作品内のストーリーが繋がっている描写自体は非常に好みな一方、視聴者に少々不親切なのではないかとも感じてしまいましたね。

 

 

  • 困難に立ち向かう覚悟

 それはともかく本編はクリスマス回。前回早めのクリスマスパーティーに加え小駆動でのクリスマスが行われてほっこりしたのも束の間、本来のクリスマスシーズンに大ボスが襲撃してくる怒涛の展開が待っていたので驚きましたね。序盤の内から加治木ら仲間たちが、果てはりんねやスパナまでもが犠牲になる様子はテンポが早いのもあって困惑しっぱなしでした。それでいて宝太郎の家の食堂のお客さんが犠牲になったらしい描写(食堂で配ったシールで間接的に表現するのが絶妙)もあり、絶望感はしっかり伝わってきたと思います。

 その状況に打ちのめされる宝太郎に胸が痛みましたが、直後にオレンジのガッチャードが現れてからは一気にテンションが上がりましたね。突然の強キャラ新ライダーの登場に興奮したのもありますが、彼の「俺に全てを任せるか、お前が未来を掴むか」と宝太郎に質問する様子が最も印象に残りました。頼もしそうな相手ではなく、未熟ながらも自分で問題を解決することを選んだ宝太郎の意志の強さが光るシーンになっていたのがグッド。以前から少しずつ高まっていた宝太郎の「仮面ライダーとして戦う責任感」をしっかり見せてくれるのは個人的にもかなり好印象です。

 紆余曲折あったものの、敵を退け一件落着したことに安心させられました。12話のように宝太郎が曇らされている状況に最初ヒヤヒヤした分、その回の内に立ち直らせてくれたことにホッとさせられます。ここ最近のライダーの年末回は何かと不穏なイメージが多かった分、それを払拭させてくれるほどのヒーロー再起のパワーを見せてくれる回でしたね。

 

 

  • 明星の大地に立つ、燃え上がる錬成戦士

 今回突如として現れ、宝太郎を助けた謎の仮面ライダー仮面ライダーガッチャード デイブレイク」。見た目はそのままオレンジ色のガッチャードで、ゴーグルやマントなど一部にファイヤーパターンが施されています。鬼滅の刃』の煉獄さんみたいなマントだぁ……そのため従来のガッチャードの爽やかなイメージとは正反対の、熱く攻撃的なイメージを抱かせてきますね。そのうえベルト部分には後々宝太郎たちが獲得しそうな追加パーツが装着されており、本来のガッチャードよりも強化されていることが伺えるのも見逃せません。

 その実力の高そうな見た目に違わず、劇中でもその強さを遺憾なく発揮していました。炎の紋様が追加された専用のライドケミーカードを使い、ガッチャージガンやガッチャートルネードといった初期武器だけで敵マルガムを真っ向からねじ伏せる姿はインパクト抜群。そのうえ戦闘時にケミーカードを空中にズラッと並べて選ぶシーンには度肝を抜かれましたね。宝太郎たちがまだ獲得していない全ケミーを獲得しているのがわかる描写で、まさに歴戦の戦士としての印象をこれでもかと焼き付けてきました

 そんなガッチャードデイブレイクの変身者が誰なのかは当然気になるところ。最も可能性が高いのは、かつて風雅がりんねに話していた伝説の「暁の錬金術師」でしょうか。名前のデイブレイク(Daybreak)が「夜明け」を意味していることからもそれが読み取れます。(あとは誰が演じているかですが、「声がDAIGOっぽい」という意見をチラホラ聞きますね)100年以上前の錬金術師が何故現代に現れたのか、その辺りの謎にも注目したいところです。

 

 

  • 邪悪なる狂気の根源現る

 そして敵の大ボスである「グリオン」が本格登場したのも注目ポイント。冥黒の三姉妹を従える闇の錬金術師としてどのような暗躍をするのかと思っていた最中、早速ラケシスを操ってきたのでギョッとさせられました。さらにマルガム化させたラケシスを宝太郎にけしかけるために、大勢の一般人を巻き込む様子も衝撃的。それらを「実験」と評する点もあってこの男が、他者を踏みにじる邪悪なマッドサイエンティストであることが伝わってきます。

 またボスキャラらしくキチンと強いのが見事。今回襲い掛かってきた「オロチマルガム」がこれまでのマルガムとは別物の大きさと強さを発揮しており、上空に巨大な蛇の首がいくつも現れるインパクは計り知れなかったです。(古き良きギニョール操演に、ウルトラマンガイア』に出てきたゾーリムを彷彿としましたね)恐らくはグリオンが力を増幅させていたといった理由なのでしょうが、レベルナンバー10のマルガムでもないのにこの絶望感は強烈でした。

 一方で三姉妹同様詳しい正体が不明なのが気がかりですが、「闇の錬金術師」といった肩書きからして錬金連合の裏切り者という説が妥当なところでしょうか。実際次回予告で錬金アカデミーを「久しぶり」と感想を残していましたし、ラストのミナト先生の様子もあって元教え子なのかもしれません。というか現状、顔が公開されていない宝太郎の父親ではないか?という説が頭の中を巡ってきてしかたないんですが……いずれにしても、初登場でとんでもない脅威であることを印象付けてきたグリオンに警戒せざるをえませんね。

 

 

 今回は他にもスパナのスランプ気味な描写もありました。師匠の「枝見鏡花(えだみ・きょうか)」から「道具は鏡」といった助言を受ける様子、そのうえで超A級錬金術師としてのプライドを持ち続ける姿には何とも言えない切なさがありました。後々変身するであろう新ライダーのこともあり、スパナは今後プライドの固執から抜け出せるかが描かれそうな予感がしますね。宝太郎のことを少なからず認めているシーンもあるので、この先の成長に期待したいところです。

 

 

 というわけで2023年最後のガッチャード感想でした。不穏なものを残しつつも、何だかんだで明るく来年を迎えるガッチャードに改めて安心感を覚えましたね。クリスマスといえば誰かが退場する」というファンのイメージに対し、敢えて新キャラを増やすことで意表を突く公式の開き直りっぷりも一周回って清々しいです。*1良くも悪くも暗すぎる点を引きずりすぎない、シンプルで見やすい作品を貫いてくれていると思います。

 加えて来年からのガッチャードも実に楽しみです。何といっても今後の急展開を予感させる新ビジュアルが鮮烈で、ガッチャードの新フォームやりんねとスパナがそれぞれ変身した新ライダー、そして今回登場したデイブレイクまで映っておりワクワク感を際立たせてくれています。(しかもレジェンドまでいるのはどういうことなの……!?本編にも出るの……!?)例年のライダーと比べても、新展開への気合の入りように驚愕しっぱなしですね。そんな公式側の供給を受け止めつつ、2024年もガッチャードを明るく楽しく視聴していきたいです。

 

 

 そして新年一発目のガッチャードはいきなりグリオンが錬金アカデミーに襲撃する模様。そのうえデイブレイクが宝太郎に厳しく当たるなど、新年早々厳しい展開が描かれそうです。予告映像では宝太郎の悲痛な叫びなども確認出来ますし、どうなってしまうのか実に気になります。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:仮面ライダーWEB」を参照。https://www.kamen-rider-official.com/gotchard/17/