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仮面ライダーガッチャード 第15話「掴めハッピー!輝けガッチャリバー!」感想

その声は風となり、

ヒーローの力となる

唐突な初代オマージュ、これもある意味でガッチャだね!!

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  • 仲間の声が導く風の力

 今回のガッチャードは前回ラストの続き、冥黒の三姉妹との直接対決が繰り広げられました。12話と同じくほぼ全編を通して同じ場所での戦いが描かれる珍しい内容で、バトルが多めだったので見ていて終始興奮させられましたね。

 まず見どころとして語りたいのが「ヒーローが仲間たちの声援を受け戦う」シチュエーションりんねやミナト先生たちいつもの面々はもちろんのこと、前回から登場している間辺親子も応援してくれる光景にはグッときました。その声がガッチャードライバーを通じてガッチャードの力になるという構図は、ヒーロー作品の原点に立ち返っているかのように感じます。それも単なる応援ではなく、敵三姉妹が語る「仲間などの関係の無意味さ」に対するアンチテーゼとしてしっかりと機能しているのが素晴らしかったですね。

 それらのやり取りに初代『仮面ライダー』のオマージュとも言える描写を挿入してみせたのが興味深いです。サイクロンの風車が回る音や1号ライダー&2号ライダーの変身音がそのまま流れた時は仰天してしまいました。少々唐突なシーンであったので困惑もしましたが、風車を回す風=仲間たちの声援という構図はしっかりと伝わってきたので決して脈絡のない描写ではなかったと思います。何より上述にもある通りヒーローの原点ともいえる展開を、仮面ライダーの原点オマージュで魅せるという点を評価をしたいです。

 そうした様子もあって、勝利後の賑やかで楽しそうな展開の数々には非常にほっこりさせられました。間辺親子の和解やクリスマスパーティーなどすんなり描かれ、にこやかな宝太郎たちの姿だけで顔が綻んでしまいます。ピンクレディーコスの加治木と歌唱力が微妙な宝太郎には何とも言えない表情になってしまいますが……また個人的なここすきポイントとして、ミナト先生が宝太郎の「甘さ」を認めてくれたシーンも印象的。人間やケミーのために戦い、時には敵も助ける宝太郎の優しさが実を結んでいく……ここまでの集大成ともいえる胸熱なバトル回だったと言えます。

 

 

  • 眩い絆に恋焦がれる者

 他にも注目したいのがりんねVSアトロポス。またもやこちらの精神をゴリゴリ削るような言葉責めを仕掛けるアトロポスに対し、とうとうりんねが反撃する様子にスカッとさせられました。

 何といっても仲間や家族を無意味を言い切るアトロポスが、りんねに「仲間や親子の関係に憧れている」「自分の寂しさを誤魔化すためにそれらを否定する」と指摘され動揺する場面に驚き納得させられました。今回りんねに父親・風雅の話を執拗に掘り返してきたのも、この親子に対する羨望や嫉妬が入れ交じった感情が原因と考えると腑に落ちますね。その指摘を受けた際のアトロポスの癇癪(沖田絃乃さんの演技が光る!)を見てもそれは明らかです。

 それ故に冥黒の三姉妹の関係性が少々気になるところ。家族を無意味と言っている割には姉妹で行動していることに疑問に感じ、実は三姉妹と名乗っているだけで3人とも赤の他人なのでは?といった可能性を考えてしまいました。現状三姉妹がどういった存在なのかはっきりしていないので断定は出来ませんが、上述のアトロポスの反応からしてただの姉妹でないことは確実かと思います。

 そう考えて見ると姉妹ごっこをしながらりんねたちの絆に憧れるアトロポスたちに複雑な感情を抱きますね。ラケシスがクロトーの身を案じるなど姉妹同士の仲は決して悪くないはずなのに、寂しさを抱き続けているのは何とも哀れです。現状は許せない敵であるものの、その様子に思うところもあるので今後のアトロポスたちに要注目したいところ。

 

 

  • 大地を踏み抜き咆哮する、偉大なる古代の超錬成

 

クロスオン!

 

グレイトフルエンシェント!

 

ガッチャンコ!

X!

 

エックスレックス 

X-REX!!

スーパー!!

 

 前回宝太郎が自分の全てを見せることで通じ合ったエンシェント属性最強のケミー「エックスレックス」を錬成(ガッチャンコ)して変身した形態「クロスエックスレックス」。ユーフォーエックスに続くスーパーガッチャードのフォームの1つです。そのビジュアルはクロスユーフォーエックス同様スチームホッパーをベースに装甲が追加されており、脚部と胸部を中心に装着されています。中でも胸部装甲はエックスレックスの頭部を模したデザインで、大きく口を開いて牙を剝く構図の迫力は中々のもの。さながらベルトごとガッチャードを飲み込もうとする勢いにも見えて面食らいそうになりますね。

 そして戦闘ではスピードのユーフォーエックスに対し、こちらはパワーを重視した戦いぶりを披露。馬乗りになってのパンチ連打、足払いや飛び掛かりなどダイナミックな攻撃でドレッド(クロトー)を圧倒する力強さを見せました。さらに装甲部分を使って恐竜のような技を繰り出すことが出来る点も見逃せません。背面の尻尾を叩きつけるのはもちろんのこと、胸部の口で相手の攻撃を受け止めつつ投げ飛ばす絵面まで展開するほど。極めつけの咆哮は相手を吹き飛ばしダメージを与えるほどで、終始荒々しいイメージで大暴れしてくれました。ラケシスが変身したマルガムを必殺技の一撃(噛みつくように足で相手を挟み込むタイプのキックなのが珍しい)で倒す破壊力も印象に残りましたし、最強のケミーの力に相応しいパワフルな活躍だったと思います。

 

 

 今回は他にも姿を消していた釘宮調査官が、レベルナンバー10のクロスウィザードと共に行動していたシーンに度肝を抜かれました。映画に出てくるキャラクターが本編に先行登場するのはよくあることですが、本編の人物との密接な関係を仄めかしているのは中々に新鮮です。前々回の「レベルナンバー10をぶつけるのに最適か」という釘宮調査官の口ぶりからしても、クロスウィザードが彼と繋がっているのは間違いなさそうです。

 加えて今週公開の冬映画のファイナル予告にも釘宮が登場することが判明したことも衝撃的。恐らくは黒幕ということでしょうが、映画のキーパーソンをここまで本編にガッツリ関わらせてくるのは予想外です。そして今度の冬映画がガッチャード本編に大きく関わっている可能性に驚きつつ、公開が俄然楽しみになってしまいましたね。映画の宣伝という意味では、かなり効果的な演出だったかもしれません。

 

 

 さて次回は闇の錬金術師・グリオンが出現!以前から冥黒の三姉妹の口から存在が語られていた男が満を持して登場するようです。如何にもヤバそうな雰囲気を放つ敵によって、宝太郎が大ピンチを迎えるらしい点も気になります。何て言いますか年末ということもあり、何かしらとんでもない展開が待っていそうな予感に戦々恐々してしまいますね……

 他には前回と今回であまりいいところがなかったスパナも気になるところ。彼の師匠である女性が登場し、彼女が書いたであろう設計図がスパナの目に留まる展開が描かれるようです。これはヴァルバラドの強化形態が来るのでは!?という期待を寄せつつ、スパナの今後も見守っていきたいところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。