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仮面ライダーガッチャード 第27話「ガッチャ!クロスホッパー!」感想

つかめ!最強のガッチャ!

まだ見ぬ未来を手にするため、少年とケミーは新たな無限の可能性を解放する!!

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  • 自分たちに出来ることを……

 ついに始まったウロボロス界での決戦。今回のガッチャードは、暗黒の扉を開こうとするグリオンを止め、ケミーたちを救出せんと走り出す宝太郎たちの奮戦がいきなり展開されました。初の3人同時変身で始まり、そこからレプリカードを使用したマルガムとの戦いなど初っ端からド派手な戦闘シーンの連続で見応え抜群でしたね。

 何といっても宝太郎以外の仲間たちにそれぞれしっかりとした見せ場が用意されていたのが今回の注目ポイント。変身してマルガムを撃破するりんねとスパナはもちろんのこと、錆丸や蓮華たちもアトロポス相手に健闘していたのが嬉しかったです。ドレッド初登場の時に何も出来なかった悔しさから、戦闘錬金術やズキュンパイアの力を使った「対洗脳ズキュンシールド」を用意していたくだりは地味ながら興奮しましたね。(そんな胸熱な場面でズッキュン♡のようなコミカル要素を入れるのが本作らしいです)誰もが自分に出来ることを果たそうと、しっかりと活躍してくれる場面があるだけでも心が躍ります。
 そんな仲間のシーンの極めつけはやはりミナト先生の帰還。最早秒読みかと思われた戻ってくる瞬間を、満身創痍の宝太郎をFateのエクスカリバーの改造剣で助けるという最高のシチュエーションで果たしてくれたので本当にテンションが上がりました。加えて生徒たち1人1人の名を呼びかけるシーン、助けに入る直前の鏡花さんからの「忘れるなんて言うな」という説教を受けるシーン、どれもミナト先生が再起するまでの要素として最高の一言です。過去に失ってしまった後輩たちの無念を忘れることなく、今の生徒たちのために立ち上がる先生に感動せずにはいられません。まさにそれぞれの奮戦に相応しい名シーンの連続だったと言えます。

 

 

  • 人間とケミー、真の絆をここに

 そしてその上を行くより最高の名シーンが宝太郎とケミーたちのやり取り。仲間に背中を押された宝太郎が、闇の力に囚われたホッパー1たちに「しっかりしろっ!!」と叫んだ時は最初驚きましたね。しかしケミーが持つ無限の可能性を信じ、仲間たちが困難を乗り越える瞬間を見てきたからこそだとすれば納得。ケミーの友人として彼らを鼓舞しようとする、宝太郎らしい激励の言葉だと思いました。ケミーを守るだけの対象で終わらせず、一緒に成長して戦いたい……そんな宝太郎が夢見ている人間とケミーの対等な関係を謳ったなるほど面白い構図だと考えます。

 そんな宝太郎の言葉に対して、アイザック越しに応えるホッパー1のシーンがまた素敵です。アイザックの周囲の感情を読み取り言葉に変換してくれる機能を活かしてきた時には思わず膝を打ちました。普段人間の言葉を話さない存在がここぞという瞬間に喋るシチュエーションが好きな身としては内心飛び上がってしまいましたよえぇ。そこからクロスウィザードたちの力を託されクロスホッパーに進化するシーンのおかげで、宝太郎に合わせてホッパー1も成長を遂げたことが伝わってきます。

 何よりこれらの要素が野望を明かしたグリオンとの対比になっているのも興味深いですね。彼の目的が「全世界を黄金に変えてその“永遠”をいつまでも眺める」というしょうもないものだと判明した時は呆れましたが、宝太郎の前に進み続ける姿勢とは相容れないものだと考えると敵として相応しいと思います。「無価値なものを黄金に変える」従来の錬金術の理論を振りかざし世界を無価値を断ずるグリオンを、今の価値観を信じて未来の可能性に繋げる宝太郎とケミーの絆が打ち砕く……種族の垣根を越えて共に力を合わせ前へ進む構図として実に見事な展開でした。宝太郎の人間とケミーの友情の夢がある意味で叶ったとも感じられる、心が震える内容だったと思います。

 

 

神秘と幻想を纏い夢を奪う、邪悪な錬成破壊者

 

スチームライナー

STEAMLINER.

 

ダイオーニ  

DAIOHNI.

 

ドレッド……

弐式!!

 

 レプリスチームライナーと「レプリダイオーニ」のレプリケミーカードをスキャンして変身したドレッドの新形態「弐式(にしき)」。壱式に続いて登場した新たな強化フォームです。壱式が右半身に白い装甲を纏っていたのに対し、こちらは左半身にダイオーニを模した赤い装甲が追加で装着されています。そのビジュアルもマスクの牙や鬼のツノを彷彿とさせるトゲなど非常に攻撃的なものになっており、これまでのドレッドの不気味さとはまた異なるベクトルの威圧感を覚えますね。

 戦闘ではレプリダイオーニが持つ怪力を活かしたパワー戦法を発揮。変身者であるグリオンの戦い方というのもあるのでしょうが、過去のドレッドと比べても力任せの攻撃一辺倒な様子が目に付きました。そして……

 

スチームライナー

STEAMLINER.

 

 ユニコン

UNICON.

 

ダイオーニ  

DAIOHNI.

 

ドレッド……

参式!!

 

 レプリスチームライナーとレプリユニコン、レプリダイオーニの3枚を使用した「参式(さんしき)」までサプライズで登場。恐らくはこれがドレッドの最終形態なのでしょう。(存在そのものは予想していたものの、弐式に初変身した回の内に披露するとは思ってもみなかったです)右に壱式の鎧、左に弐式の鎧がそれぞれ装着され、零式の面影が無くなるまでに変化しました。左右の鎧のコンセプトがまるで異なる非対称(アシンメントリー)な見た目ですが、意外とまとまっているように見えるのが面白いところです。

 3枚のカードによる形態らしくその力はより強力に。ガッチャードたち3人のライダーをまとめてねじ伏せるだけの戦闘力を発揮していました。さらに弐式時点での追加装備だった「ブラッディーOD」という金棒を使い、一撃でマジェードを吹っ飛ばすほどのパワーも見せつけています。宝太郎たちを変身解除まで追い込んだ時といい、ドレッドの最強フォームに相応しい絶望感をもたらしてくれましたね。

 

 

  • 無限の可能性を輝き照らす、超躍と蒸鉄の白金錬成

 

    クロスホッパー

CROSSHOPPER!

 

ホッパーオン!!

「ホッパー!」   「ライナー!」

 

ガッチャンコ!           

ガッチャンコ!

           ガッチャンコ!

 

ガッチャ!

ガッチャ!

ガッチャ!!

 

プラチナガッチャード!!

 

 ホッパー1がクロスウィザードたちレベルナンバー10の力を受け取って自らを再錬成した「クロスホッパー」をガッチャードライバー&テンライナーと合体(ホッパーオン)させ、錬成(ガッチャンコ)した姿「仮面ライダープラチナガッチャード」。アイアンガッチャードの先を行くガッチャードの強化形態です。混合錬成を維持した状態でさらにパワーアップした形態であり、これまでのガッチャードの中でもひと際強力であることがこの時点で読み取れます。(アイアンガッチャードの鎧が弾け飛び中から出てきたような変身シークエンスがまたオシャレ)
 ビジュアルは武骨なアイアンガッチャードから一転、スチームホッパーをさらに洗練させたようなシルエットに変化しました。白を基調としたボディカラーと相まってスリムでスマートな印象を受けるほか、ところどころが鋭角的になっているのがクールです。それでいてアイアンガッチャードから引き継がれたテンライナー型の胸部装甲から、クロスホッパーが顔を覗かせているのが可愛らしいですね。

 戦闘スタイルもパワーと防御力がウリだったアイアンガッチャードとは対照的に、軽い身のこなしで相手の攻撃をいなしつつ一撃を加えていくものに。ドレッド参式の攻撃をものともせず受け止めるシーンなどは強者としての風格が漂っていましたね。加えて最大の特徴と言えるのが他のケミーの力を融合してさらにパワーアップするユニゾン能力。ドライバーにセットしたカードの力を両腕両足に宿し、多種多様な必殺技を繰り出すことが可能になっています。今回披露したものだけでも……

 

  • サボニードル」+「レスラーG
  • エックスレックス」+「ユーフォーエックス
  • カイザービー」+「メカニッカニ
  • テンフォートレス」+「オドリッパ
  • ライデンジ」+「キャッチュラ
  • レンキングロボ」+「ワープテラ

 

 といった感じで最初から大盤振る舞いでした。(この中だと序盤で人間との絆を築いたレスラーGとサボ助の組み合わせが個人的なお気に入り)そして注目したいのはこれまでのガッチャンコがレベルナンバーの足し算や属性の相性などを考慮していたのに対し、このユニゾンではそれらの制約に縛られることなく自由な組み合わせになっている点。これはまさに宝太郎が口にした「ケミーたちの無限の可能性」を体現しているかのようで、文字通り無限に近いガッチャンコを体現していると言えます。宝太郎が目指した人間とケミーの可能性の、1つの到達点のようなフォームとして非常に印象に残りましたね。

 

 

 というわけでガッチャード27話の感想でした。いやぁここまでのガッチャードの中でも最高の神回でしたね。予告の時点で高まっていた視聴者の期待を軽々と超え、ヒーロー番組として理想的な形で最高潮のカタルシスを与えてくれたと思います。宝太郎とホッパー1の友情や錆丸たちの意外な活躍、ミナト先生の復帰など見たかったものをより胸熱なシチュエーションで魅せてくれたのも喜ばしいです。

 ズキュンパイアの力の応用や冬映画で出演したクロっち(クロスウィザード)の助太刀など、ケミーたちの力が存分に活かされていたのも見逃せないポイント。ここまで見てきた視聴者にとって、仲間になったケミーの再活用は非常に嬉しい演出でした。ここまでの積み重ねを昇華し、こちらの期待以上のもので興奮させてくれる……「愛と勇気と友情」といったシンプルなテーマをストレートかつ真摯に描いてくれる、ガッチャードという作品の1つの完成をここに見たと感じています。

 

 さてガッチャードの第3部、ひいてはグリオンとの戦いもこれにて完結。しかし冥黒の三姉妹は無事(さらっと味方してくれたラケシスは今後どうなることやら……)ですし、グリオンを暗黒の扉の向こう側に連れて行った謎の腕など不穏な要素はまだまだあるので油断出来ません。(宝太郎の父親とか風雅の安否とかもまだ判明していませんし)中でも腕に連れて行かれる直前にグリオンが口にした「エルドラド」が気になりますね。”黄金郷“を意味する言葉ですが、そのエルドラドは暗黒の扉の向こう側にあるのでしょうか。ガッチャードも折り返し地点にきたことですし、その辺りの謎の判明も楽しみにしていたいです。

 

 

 そして次回は日常に戻ってのギャグ回。蓮華の母方の故郷である九ツ村に妖怪が出たとの騒動を聞き、ケミーのことではないかと調査する模様。そこでスターシャイン星野なる謎の妖怪退治のプロと、彼の弟子を名乗る加治木が現れるとのことで……ここ最近のシリアスからの温度差が激しいものの、まさにガッチャード!という感じの息抜きエピソードになりそうですね。久々の加治木の出番と合わせて大いに癒されそうな予感がします。

 さらに注目したいのが次回の監督で、務めるのは何と去年『ウルトラマンブレーザー』でネット上を大いに沸かせた田口清隆氏!『魔進戦隊キラメイジャー』に続いて再びニチアサに現れた田口監督が、ついにライダーに参加するというだけで驚きと興奮に包まれてしまいます。加えてそんな田口監督の代表作『ウルトラマンオーブ』のメインヴィラン・ジャグラスジャグラー役として有名な青柳尊哉もスターシャイン星野役として参戦!田口監督の作品が好きな身としては、次回を全力で楽しみたいですね……!!

 

 

 ではまた、次の機会に。