その思い出が奪われる
心の中のゴローゲ「やっぱりミナト先生は裏切り者じゃなかったんだぁぁぁぁぁ！！」
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- 振り返りと強襲のギャップ
今回のガッチャード前半はまさかの総集編。何、キング〇ージャーが最終回！？ならばこっちは総集編だ！最初こそ驚きはしましたが、物語も折り返しに差し掛かったということでなるほどちょうどいいタイミングだと納得させられる展開でもあります。これまでの出来事を思い出すきっかけも、何でも消してしまう消しゴムのケミー・ケシカスくんケスゾーによって錆丸のPCデータが消失してしまったので口頭でデータを再入力するためという自然な導入で描かれていたので違和感なく見ることが出来ましたね。振り返りの内容はごく普通だったものの、本作における仮面ライダーの定義が「伝説の「暁の錬金術師」が姿を現した時に名乗った”称号“」といった新しい情報があったのも嬉しかったです。
しかし後半ミナト先生の手紙から始まった、グリオンたちの罠に嵌りカードのほとんどを奪われる急展開には面食らいました。「プテラノドンマルガム」のワープホールを作る能力でカードを吸い込む力技だったものの、ホッパー1が宝太郎を庇って吸い込まれる絵面のショックは大きかったです。（この一連のシーンはホッパー1が宝太郎を蹴り、スチームライナーが彼を押し出して救うコンビネーションに唸らされましたね）何より上述の振り返りパートでケミーとの出会いや絆を深め合った思い出を触れてきたからこそ、それを突然失う光景の恐ろしさが際立っていたと言えます。
そんな絶望的状況の中、宝太郎は残されたスチームライナーと共に「人間とケミーを融合させる禁術」に手を出すラストがこれまた不穏。再錬成してテンライナーになったスチームライナーを使って「仮面ライダーアイアンガッチャード」に変身しましたが、如何にも副作用が大きそうなビジュアルと鏡花さんの事前の説明もあって不安しかありません。また宝太郎たちの前に現れた謎の女性も気になりますね。宝太郎が「あなたは……」と既知の人物であることが仄めかされていますが、果たしてそれは誰なのか？一応振り返りパートでちょっとだけ触れた針馬汐里が思い浮かびますが、三姉妹に心酔して連合を裏切った彼女が手を貸してくれるかは微妙なところ……その辺りもあって心配せずにはいられなかったです。
- 恐怖の身に幻想を纏う邪錬成の破壊者
スチームライナー
STEAMLINER.
ユニコン
UNICON.
ドレッド……
壱式！！
レプリスチームライナーに加え、「レプリユニコン」のレプリケミーカードをスキャンして変身したドレッドの新形態「壱式(いちしき)」。ドレッド零式の時点から多くの人が予想していたであろう強化フォームです。見た目も零式の右半身にユニコンを模した装甲が追加で装着されており、黒いボディと白い鎧のコントラストが特徴的。個人的には外骨格のようなボディから、獣の皮を無理やり被ったかのような不気味さも感じます。レプリユニコンのイメージを骨の手で捕まえて砕く変身シークエンスも相まって、零式の時と同じ「対象を逃がさない」という執念を思わせますね。
戦闘ではシンプルにスペックが上がっているようで、マジェードとヴァルバラド2人を相手取るほどの実力を発揮。新たな専用武器「ブラッディーUC」はレイピアの形状をしており、破壊エネルギーを込めた突きで命中したい相手の体を爆発させるほどの威力を秘めています。さらにレプリユニコンの幻想的なパワーをこちらも引き継いでおり、同じくユニコンの力を操るマジェードの攻撃を相殺する技まで披露していました。今回は実力者であるミナト先生が変身していたこと、さらにワープ能力を自在に利用するプテラノドンマルガムのサポートもあってかなりの強敵として君臨していたと思います。
- 邪悪が蔓延る理由と過去
今回の振り返りパートはグリオン側でも描かれていましたが、その中でもグリオンの話は結構興味深かったです。錬金連合が何故グリオンを容認しているのか、そんな視聴者の疑問に対し「裏切り者の九堂風雅を討ち取った功績を認められた」という答えをお出ししてきた時は頭を抱えてしまいましたね。グリオンの記憶改竄も合わせてこの説明でかなり腑に落ちた一方で、そんなんで組織として大丈夫なのか錬金連合！？とツッコまずにはいられなかったです。
そしてミナト先生がグリオンに従っている理由として、若干のヒントが示された描写も見逃せません。「教え子をまた殺したくはないだろう？」という意味深な言葉と「錫屋大輝(すずや・だいき)」という人物の名前、これらに関する過去がミナト先生を縛り付けているのは明らかです。同じくその過去を知っている鏡花さんの口ぶりからして、10年前の事件に何かあったようですね。個人的な考えとしてグリオンにこの時死んだ大輝の魂を握られているのではないか（「命令をこなせば彼を生き返らせてやる」とか？）と今のうちに予想しておきます。
いずれにしてもミナト先生の痛々しさがドンドン加速していっているのは見ていられないですね。錬金術で作った折り紙でメッセージを送り（その手紙に書かれた先生の字がちょっと可愛かったのがここすきポイント）、宝太郎たちを罠に嵌める作戦なども先生の本心ではないのが丸わかりで、無理して悪役ぶっている様子は見ていて辛かったです。次回で先生の過去が明らかになると同時に、彼をこの苦しみから解放してほしいと願うばかりです。
というわけで次回は上述の通り、ミナト先生の過去が判明。予告から伝わってくる悲壮感には、今の時点から息を飲んでしまいます。しかも仮面ライダーWEBにて掲載された「大人になるということは、ある意味「何かに敗北する」ことだと思うのです。」という意味深な言葉*1からして重い話が待っているのはほぼ確定。次回は覚悟して見た方が良さそうです。
またこの状況を打破する助っ人としてりんねの父・風雅が参戦するいきなりな展開も待っている模様。冬映画で彼が生存していることは明かされていましたが、散々待たせた挙句ここまで脈絡なく出てくるとちょっとズッコケてしまいまそうになりますね。とりあえずりんねはお父さんのことを1発引っ叩いてもいいと思うよ！
ではまた、次の機会に。
