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2024年冬アニメ&特撮簡易感想 その22

 

 

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 昨年秋から今年の頭にかけて放送され、大いに話題になった『ウルトラマンブレーザー』。個人的にも毎週楽しめた作品で、映画も非常に面白くて素敵な半年間を過ごせることが出来ました。そんなブレーザーの必殺技のうち、どれか人気なのかとシネマトゥデイが必殺技大投票を開始。円谷公式の人気投票ではないものの、ブレーザーのいくつかある必殺技を選ぶというのは面白い試みだと思います。僕自身、この記事を見つけた時は早速上のリンク先でブレーザー光線を投票しましたね。やはりあの最終回で満を持して光線技を披露した時の衝撃と感動は忘れられません。

 それはともかく、この投票で地味に気になったのが必殺技の種類。リンク先を読んでいただければわかるかと思いますが、スパイラルバレードの派生技が非常に多いんですよね。ゲードスを釣り上げたルアーバレード一本釣りをはじめとして、クレーンバレードやダブルバレード、エンブレイスと通常のバレードを含め実に7種類も存在しています。ブレーザーといえばバレード大喜利とも言われている技の豊富さですが、それぞれにちゃんとした固有技があること、そしてこの記事ではそれらを全て別々に選択肢に入れていることに思わずフフッときてしまいます。(しかも派生技の中では一本釣りがぶっちぎりの人気なのも腹筋に悪い)公式とこの記事の執筆者それぞれの律義さには不思議と顔が綻んでしまいますね。ちょっとおかしな話として、大いに癒されました。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第22話「翼の王」

 泥沼化していく激戦の数々。まず銀装兵団VSオルト・ゾラでは、前回に続いて多くの兵団メンバーが力尽きていく様子に胸が痛みました。全生命力をかけた一撃を繰り出したシンを筆頭に1人、また1人とこれまで濃いキャラを見せてきた連中が倒れていく過程は見ていて非常に辛かったです。全員自身の生存よりも、仲間たちの勝利のために身を投げ出す覚悟を見せつけてくるのですから清々しさとやるせなさが同時に襲い掛かってきましたね。特に大男のクリスの意外な半生と、自分の価値を見出してくれたスターリアの話からの最期が印象深かったです。(アイザックのゾラへのトドメもまた、生き残ってしまった者の悲しみが伝わってきてキツかったですね)

 竜側もかつての主を想って息絶えるゾラと、後を託したはずのネビュリムの死に泣き崩れるボルギウスなど兵団に負けないくらいの切なさを残していきました。(ネビュリムに関しては……天才だなんだと活躍フラグを立てていたのに反してあまりにも情けない最期だったので苦笑いしてしまいますが)その中でもクリムゾンの精神攻撃を喰らうアルテマティアの過去が面白かったです。太陽神教のカルラの1人だった頃の記憶、助けたい命が容易く失われる過酷な戦場での無念は興味深かったですね。助けられなかった命に報いたい、多くを助けたいと願った少女の末路が神の言いなりとなって命を選別する竜の王というのは何とも皮肉な話です。ここから先如何にして彼女が翼の王になったのか要注目です。

 

 

薬屋のひとりごと

第23話「鳳仙花と片喰」

 猫猫と羅漢による親子対決が勃発。劇中に登場する棋譜を使用したボードゲームということでどんな心理戦が繰り広げられるかと思いきや、そこは猫猫らしい番外戦術で勝利するという流れになりました。如何にもやり手な羅漢をどうやって出し抜くのかと期待したいたので、下戸という弱点を突いたやり方には少々肩の力が抜けてしまいましたね。とはいえ正攻法では勝ち目がないからこそ、身内だけが知りえる情報を以て攻略する絡め手自体は嫌いではありません。むしろ娘と遊べてウッキウキな親心を容赦なく利用する猫猫なりの戦略と称賛するべきでしょうか。

 そして長いこと謎だった羅漢の過去もようやく判明。人の顔を認識出来ない空虚な日々を叔父(声からしてやはり猫猫の……)や「鳳仙(フォンシェン)」といった理解者との出会いで色づき始めていた日々が、徐々に陰りを見せていく様子に胸が締め付けられました。中でも一夜の過ちで鳳仙を身籠らせてしまった故に起きた悲劇には絶句してします。自分のせいで彼女に悲惨な末路を辿らせてしまったとばかりに慟哭する羅漢の様子を見て、彼が抱えているものや猫猫に対する情愛の理由なども読み取れました。登場時こそ得体の知れない人物でしたが、ここにきて一気に人間味を帯びてきた羅漢のことが個人的にも好きになってきましたね。

 

 

SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)

第23話「Over the limit」

 ロケットとミステルを強奪してイストワールに向かったヴァイスハイトを止めるため、カナタたちがもう1つのロケットで宇宙に飛ぶことに。搭乗メンバーもトキオとマハトそれぞれのチーム含めた3組で、いよいよクライマックスに突入した感じがしますね。シエルが参加していないのは少々残念ですが、その分ロケットに乗り込む前の準備パートでしっかりとカナタの背中を押してくれたのは嬉しかったです。それだけでなくトキオとマハトの和解、そしてロックタウンのみんなに慕われながら向かうノワールの様子などにも癒されます。この暖かな関係こそカナタたちが築いた財産であることがよくわかります。(後述の大ピンチのシーンで久々にランゲたちが出てきたのもここすきポイント

 一方でヴァイスハイトのメイガスへの敵意が印象的。これまで見せていた嫌悪感を露にしただけでなく、イストワールのシステムを使って全てのメイガスを機能停止に追い込んだ時は愕然としました。「人類を導く」とのたまいながら、エンダーズなどを放置して真っ先にメイガスを処理する辺りにヴァイスハイトの私情が入れ混じった感覚が読み取れます。シエルのことで憤るカナタを「気持ち悪い」お前が言うな!と切り捨てるなど、理由は不明ですが計算人形に対する拒否感が尋常ではありません。たった1人でメイガスを排し、人類を支配せんとするヴァイスハイトの歪みがこれでもかと出ていました。

 あとやはりイストワールの正体も見逃せません。大方の予想通り地球のありとあらゆる情報が蓄積されたデータベースとのことでしたが、ヴァイスハイトの命令を実行するほどの機能も有しているのが恐ろしいところ。そしてそのメイガスの機能停止が効かないノワールは、まさにイストワールと関係があるのでしょう。最終決戦で明かされるであろう、ノワールの正体も気になるばかりです。

 

 

 

愚かな天使は悪魔と踊る

第11話「Thanks」

 まさかの主人公暴走回。前回のリリーへの仕打ちに怒った阿久津がツヴァイとその義体たちをボコボコにするのはまぁまだ良かったのですが、思った以上に容赦がないこととリリーにすら攻撃する見境の無さに少々引いてしまいました。(義体の少女を顔面から破壊するシーンは作者の趣味かな?とか思ったり)しかも阿久津を止めるためにリリー&ツヴァイの兄妹が共闘するなど、予想だにしていなかった展開ばかりで驚きの連続でしたね。ツヴァイの回想に関しては唐突で少々面食らいましたが、仄めかされている姉の存在も考えるとそこまで不自然なものではないのかもしれません。むしろこの兄が抱えているものが俄然気になってくるところです。

 そして後半はいつものラブコメディ展開に戻って一安心。リリーの介抱イベントとドギマギする阿久津再びの構図に、普段のノリを感じてホッとさせられます。その一方でリーリヤからリリーを助けようとしたことへの(少々紛らわしい)感謝の言葉を貰うなど、リリーに抱えている家の問題に触れたシーンもあっていい塩梅になっていたと思います。何よりツヴァイ然りリーリヤ然り、自分では出来なかった“リリーを救う”という行動を容易くやってみせた阿久津は、彼らにとっては特別な存在になったということなのでしょう。天使の翼に酷似した阿久津の翼など不穏なものが散見されるものの、彼の存在がリリーとその周囲を救ってくれた事実にどこか胸打たれる回でもありました。

 

 

メタリックルージュ

第11話「狙われた星」

 ルジュたちが金星に突入し、いよいよ決戦の火蓋が切られることに。シアンと離れ離れになってしまったルジュとナオミの行動はほとんど映らず、どちらかというとシアンと行動を共にするアッシュとノアールが目立っていた印象です。その中でも声に抗えなかったシアンを回収した人形遣いの正体についての描写が目に付きました。アッシュの発言と声優からして、恐らくその正体は死んだと思われていたロイ・ユングハルトなのでしょうか。彼が生きていることで色々と謎がひっくり返りそうな予感がします。

 その一方でインモータル側ではジーンがノアールとエヴァの間に生まれた子どもである新事実が判明したことに仰天しました。なるほど人間とネアンのハーフならジルが利用するのも一理あるということですが、それ以上にジルの他のネアンのことを考えない強硬的な姿勢が気になります。金星で新たなネアンを作ってでも周囲を従わせようとするやり方は、彼女が憎む人間と同じように見えてなりません。劇中でアエスが言っていたように「頭のいい奴は考えすぎるとバカになる」という言葉がピッタリな歪みが見えてきましたね。

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第8話「ユカの苦悩 二号ロボ起動計画」

 前回の若き天才紹介ラッシュで落ち込んでしまったユカのために、マウンテンガリバーが立ち上がった今回。『Z』でユカが特空機2号ウインダムを起動させるエピソードを流し、彼女の頑張りをしっかりと評価することで叱咤激励する流れには素直に感動しました。中でも「あなたはSTORAGEで恥じるような仕事をしてきましたか?」という言葉からは、厳しいながらユカのこと想っているが故の優しさが伝わってきます。ロボット特有の人間の感情に乏しいキャラクターになるかと思いきや、むしろ積極的に察知して労わってくれるマウンテンガリバーの心意気には大いに感銘を受けるところです。

 また今回放送されたエピソードではウインダムの活躍の他にも、共に戦うゼットとハルキのコンビネーションやドリルアタックを披露するテレスドンなども見どころとなっていました。中でも注目したいのがガチャ廃人セレブロによってパワーアップしたエリマキテレスドン。ジラースのエリマキを付けたビジュアルは、従来のテレスドンの魅力をそのままに新たな個性を引き出していると言えます。何より諸事情で本編に出せないジラースをメダルによるパワーアップアイテムとして出演させる方法には当時感心しましたね。こういう既存の怪獣のパワーアップはもっと見てみたいところです。

 

 

 ウルトラマンといえば今年の夏に始まるであろう新作についても気になるところ。それらしき名前のウルトラマンの商標は既に登録されているという話も聞きますし、来月くらいには詳細が判明するかもしれません。ブレーザーという変わり種の次はどんなウルトラマンが来るのか、新たなウルトラマンへの期待から早くも楽しみになってきます。

 

 

 ではまた、次の機会に。