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2024年冬アニメ&特撮簡易感想 その24

 

 

 

 7月に放送予定の『キン肉マン』新アニメの新キャスト情報が突如として公開されました。去年末に主人公のキン肉マン(キン肉スグル)を宮野真守さんが演じることが発表されてからしばらく音沙汰がなかったので、この情報は嬉しかったですね。出演者も軒並み豪華な面々が揃っており、加えて演技の方もこちらのイメージ通りのものばかりで大いに期待させられます。(この中では安元洋貴さんのバッファローマンが特に好きですね)

 

 

 そんな豪華キャストの中でもひと際注目異彩を放っていたのが悪魔超人のブラックホール役に抜擢された宮田俊哉さん。Kis-My-Ft2のメンバーの1人であり、ここ最近では『デリシャスパーティ♡プリキュア』や『カードファイト!! ヴァンガード Divinez』で声優として出演していたことでも有名な人です。アニメオタクを公言するレベル(そして生粋のラブライバー)であることは僕も知っていましたが、それだけにキン肉マンにまで出演を果たしたことに驚きを隠せませんこれからはキスマイ宮田改め、ブラックホール宮田と名乗らせてもらおう!

 しかし上の映像で確認したブラックホールの演技は見事の一言。「カカーッ!!」の笑い方とか本当にブラックホールのイメージ通りで驚嘆しましたね。上のポストからも宮田さんの本作への意気込みが伝わってきますし、彼が魅せてくれるブラックホールの活躍にワクワクが止まりません。キン肉マンのアニメがますます楽しみになってくる、素敵なニュースだったと思います。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

『SYNDUALITY Noir』第24話(最終話)の感想は個別感想で書く予定です。ご了承ください。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第23話「雷神」

 「戦いの中で急成長」という主人公みたいなムーブをかますウォルテカムイに仰天。アルテマティアが追い詰められてもラグナとの戦いに夢中で何してるんだ!と思い始めたところでの、ラグナ瞬殺&アルテマティアを狙う連中一掃を同時にこなしてきた時の衝撃は計り知れなかったです。さっきまで兵団&クリムゾンが優勢だった状況を、たった1人でひっくり返すカムイの強さはクライマックスに相応しいものに昇華されたと言えるでしょう。(そのカムイに首チョンパされた直後に自力で治して復活するラグナも相当イカれていますが……)

 またカムイ関連の回想シーンが多めだったのも今回の特徴。何といってもアルテマティアとの馴れ初めが印象的で、聖女の意志ではなく自分の意志で救う命を選ぶようになった彼女に借りを返すという理屈には少々吹き出してしまいました。他にも爪牙の王「ギルゼア」に倒されながら受けたアドバイスをキッチリ果たして上述の強さを手にするなど、カムイなりに相手への義理を果たす思考が伺えます。はたから見ると支離滅裂ですが、理解出来ないほどではないですね。むしろ滅茶苦茶ながらも本人にとっての筋を通すカムイのキャラが理解出来た次第です。

 他にはキメラの秘密が少々明かされたのも興味深いです。彼女の尻尾の“ヘビ”の方が実は本体で、しかもボルギウスも知っていることからこのヘビも元・翼の血族なのでしょう。クリムゾンといい、元々は竜側だった者たちが何故竜の神に反旗を翻したのかますます疑問が湧いてくるところです。

 

 

薬屋のひとりごと

第24話(最終話)「壬氏と猫猫」

 羅漢の選択に涙が止まらない……猫猫に負けて妓女に身請けすることになった時点で薄々感じ取っていましたが、あの時会えずじまいだった彼女との再会を果たす瞬間は本当に感動的でした。何もかも手遅れという見方もありますが、2人が碁を指すシーンだけでもわずかな救いはあると感じられますね。羅漢視点だと「かつての彼女の姿」のままなのが切なくもあり、美しくもあり……何より普段の得体の知れない笑顔でも、過去の悲痛な姿でもない、朗らかな表情を見せる羅漢を見ているだけで個人的には満足させられます。

 そんな羅漢、そして母親に対する猫猫の複雑な感情も印象に残りました。命中だの何だの直球の下ネタを口にする中で、単なる嫌いで済む話ではない様子が読み取れます。自分を生んでくれたのは感謝している一方で良き思い出がなく、歪んだ形でしか親子を表わせなかった関係ということだったのでしょう。猫猫的には義理を果たしてスッキリといったところでしょうが、見ている側としては小指の件も含めゾッとするものが残りました。

 それだけに猫猫と壬氏のやり取りは安定感がありました。猫猫に対する面倒くさいものの真っ当な感情の向け方は、いい意味で壬氏らしいと言えます。1期OPを彷彿とさせる踊りを披露する猫猫に見惚れるシーン(やっぱりあの歌詞は壬氏視点の猫猫を歌っているんだろうな……)など、壬氏には猫猫はどこまでも輝いて見えていることが伺えますね。生まれもあって少々自嘲気味な猫猫にとって、自身を肯定してくれる壬氏の存在は既に欠かすことの出来ないものになっているのかもしれません。

 

総評

 中華風のミステリー仕立ての作品である本作。いざ見てみた時の独特の空気感にいきなり惹かれるものがありましたね。内心毒舌で変人な猫猫が舞い込んでくる謎を解き明かしていく探偵モノとしての側面が強いのですが、それでいて全ての謎が語られない塩梅が面白いところでした。あくまで仄めかす程度に留め、視聴者に判断を委ねる作風は結構いい感じです。猫猫の敢えて踏み込みすぎないスタンスももどかしさを感じるところは多々あれど、何だかんだでそれが主人公の味として納得させられるものがあります。謎が解明されたところで状況が好転するわけではないほろ苦さも素敵だと感じました。

 あとはやはり壬氏をはじめとした一癖も二癖もある登場人物と、それらが絡む日常パートも魅力的。後宮故の陰湿で殺伐とした雰囲気が蔓延する一方で、猫猫の周囲は比較的穏やかな様子で描かれていたので少しだけ肩の力を抜いて見ることが出来ました。特に猫猫への好意が変な方向に歪みすぎて、面倒くさい反応を取る壬氏が気持ち悪くて面白かったですね。猫猫が全くその気がないので恋愛になりにくい点もかえって愉快なものとなっており、スッキリとしない事件の要素をちょうどいい具合に中和してくれていたのが非常にありがたかったです。来年放送予定の2期でも、この2人のやり取りに期待したいところ。

 

 

愚かな天使は悪魔と踊る

第12話(最終話)「to you.」

 前回からどこか重苦しい空気が続いていたからか、最終回はある意味でいつも通りのラブコメが展開。目覚めたリリーが純潔を奪われた!と勘違いして盛大に自爆する様子が初っ端から炸裂して笑いが止まらなかったです。その後も以前とは逆に阿久津宅に泊まることになって両者ドギマギしたり(リーリヤは追い出された模様)、お互いのことを意識しまくっている点に安心感を覚えましたね。やはりこの2人はこうやって恋愛頭脳戦をやってこそ、と感じます。

 それでいてリリーが阿久津への感謝などを覚えるくだりも見逃せません。冒頭のリーリヤ然り、地獄でしかなかった家庭でのトラウマを盛大に壊してくれた阿久津の存在はそれだけ大きかったということなのでしょう。あの時の阿久津の力に恐怖を覚えたり利用することを考えはしたものの、彼への想いそのものが最も重要であることが伺えます。(そうして脳内ボクサーがとうとう和解するシーンもここすきポイント)

 そうしていつものラブコメ作品に戻ってきてからのCパートも衝撃的。リズの存在がとうとうリリーに知られただけでなく、如何にもな修羅場見たな状況を目撃されて俺たちの戦いはこれからだ!をやったので吹き出してしまいました。この2人のやり取りが今後も見たくなってくる上手いラストだと思いますね。

 

総評

 タイトルからは想像つかなかった、天使と悪魔の恋愛合戦が魅力となっていた本作。最初こそ両種族の殺伐とした関係に困惑しましたが、主人公とヒロインの濃密なギャグとどこかズレた勝負などで一気に話のノリを掴んで楽しむことが出来ましたね。無駄に声優が豪華な脳内ボクサーの対決など演出もユニークで、ギャグのキレも個人的にはかなり好みです。流されがちで微妙に不憫な阿久津と、尊大に見せかけて意外と抜けているリリー。どちらも同レベルのポンコツっぷりを発揮していたのが本作のコミカルさをより際立たせていたと言えます。

 また早い段階から両者がお互いのことを意識し始めるのが興味深かったですね。相手に惚れさせるつもりが自分の方が惚れていたという、木乃伊取りが木乃伊になる展開を2つ同時にやってみせた時は感心しました。おかげで既に確約されたとも言える2人の仲が、徐々に進展していく甘酸っぱさも見どころになっていたと思います。そんな阿久津とリリーを取り巻くサブキャラも魅力的ですが、個人的にはハムハムな棚橋夕香がお気に入り。最初こそリリーとの女の戦いに戦慄したものの、その後は出歯亀根性で2人の間を引っ掻き回しつつ後押ししてくれる絶妙な友人キャラに収まっていたのが面白かったです。

 

 

メタリックルージュ

第12話「仮面の墓場」

 それぞれの激戦が繰り広げられたクライマックス目前の今回。まず目に留まったのがエデン(ノアール)VSグラウフォンで、それぞれの意地のぶつかり合いともいえる死闘が魅力的でした。特にジル(シルヴィア)のやり方が間違っているとわかっていても、彼女を1人にすることは出来なかったグラウフォンのいじらしさが印象に残ります。何とか勝利したエデンも辛そうでしたが、ジーンに父親として頼られたのは救いと言えますね。この両者の差は、大切な人と向き合えたかどうかから来ているようにも考えられます。

 そしてルジュとジルの対決はルジュがあっさり敗北したことに衝撃を受けましたが、その後のナオミが自分のイドを渡すシーンは胸熱でしたね。自分の意志で戦っていることを主張するルジュに感化され、合理的な判断を捨ててまで相棒を助けようとするナオミの葛藤の過程に惹かれます。誰かの操り人形ではなく、自分で考えてやりたいことを選択した者の強さが描かれていると感じられました。ちなみにそういった意味では最初から自分のやりたいことのために周囲を引っ掻き回し、ナオミたちの手助けをして事切れたジャロンが1番の勝ち組かもしれません。

 最後に人形遣いの正体ですが、前回予想した通りロイ・ユングハルトであることがラストで判明。仮面をかぶっていた時とのキャラの違いは、わかっていてもギャップがあって困惑させられます。何よりシアンを使って彼が何を為そうとしているのか非常に気になるところです。

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第9話「怪奇! 虫の音の夜」

 6話に続いてまたもや『ブレーザー』の本編が流れた今回は、20話のズグガンとの戦いがピックアップ。恐らくは映画に登場した怪獣&昆虫怪獣繋がりでタガヌラーに合わせているのでしょうね。幼体と成体それぞれの厄介な強さと、その独特な生態が改めて目に留まりました。またその生態を見抜いたうえで利用し撃退するテルアキ副隊長の機転も魅力的ですし、その活躍を副隊長の父が見届けるストーリーも印象的。最初は息子に戻ってきてもらいたい一心だった不器用な親父が、自然と「もう俺の知っているアイツはないんだなぁ……」と理解していく過程が身に沁みます。

 それはともかく、本編では例によってユカがいない間にブレーザーのデータが送信されたのも今回のポイントですね。しかも部屋に残っていたマウンテンガリバーが突然機能停止するシーンまで挿入されて驚きました。(明らかにハッキングされているっぽいのが……)徹底してブレーザーの存在を他のウルトラマンから独立させている気概を感じる一方、そこまでしてユカたちにデータを送る謎の存在への恐怖が湧いてくるところです。しかしアースガロンに続いてブレーザーのハイパーキーも作られた中、ユカたちがようやくそのキーの存在を認識したので何かしらの進展に期待出来そうです。

 

 

 キン肉マン新アニメのキャスト情報ではもう1人、個人的に見逃せないものがあります。それが下の古川登志夫さんです。

 

 

 古川さんはかつてアニメ『キン肉マンⅡ世』でスグルを演じていたことでも有名。それが委員長役というのが中々に面白いキャスティングとなっています。初代アニメでスグル役だった神谷明さんをスグルの父・真弓が演じることも含め、新旧キン肉マンの声優が幼馴染コンビをやる事実にニヤリとさせられます。

 何よりⅡ世のアニメは僕が初めて触れたキン肉マンであり、僕にとってキン肉マンの声は古川さんのイメージがあるので新アニメでも登板してくれるのは嬉しい限り。神谷さんも含め、両者のレジェンドっぷりも堪能していく所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。