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2024年冬アニメ簡易感想 その2

 

 

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 ガンダムSEEDの劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の公開が今月末に迫る中、ガンチャン(ガンダム関連の公式YouTubeチャンネル)にて謎の動画が突如投稿されました。作品の舞台であるコズミック・イラの歴史とコーディネイターについてを開設しているのですが、上の動画のサムネを見ればわかる通り何と関暁夫氏がパーソナリティーとして語るとんでもない構成となっていました。『やりすぎ都市伝説』などで都市伝説ブームを生み、「信じるかどうかはあなた次第」という流行ワードまで生み出した人に解説させる……ガンチャンのそんな采配には思わず笑うしかありません。(動画タイトルの【信じるか信じないかは「あなた"SEEDaい"です」】も腹筋に悪い)

 しかしこの動画、SEEDの世界観解説としては非常によく出来ているのがまた面白いところです。遺伝子操作によって生まれた優良人類「コーディネイター」の台頭により、従来の人間「ナチュラル」との間に生まれる確執。そこから様々な事件も発生して両者の対立がドンドン深まっていくコズミック・イラの歴史がとても分かりやすく語られていました。またその昔に発生したという戦争による遺伝子汚染から始まったことや、黄道同盟にS2型インフルエンザといった初めて聞いたワードの数々も興味深かったです。おかげで本作がどれだけ深く設定を詰めているのかを改めて伺えましたね。昔SEEDを見ていた身としてもかなり楽しい、意義のある時間が過ごせました。

 ……ただやっぱり、全体的に胡散臭いのが何とも言えないシュールさを醸し出していますジョージ・グレン暗殺の件に裏にいる存在を仄めかしたり、コーディネイターの問題点を淡々と語る場面のプロパガンダめいた一面は見ていて妙な猜疑心を抱いてしまいます。ブルーコスモスの名前を徹底して出さないのも“それっぽい”ですね。まぁそういった都市伝説モノのあるあるをまとめたネタなのでしょうし、深く考えず楽しんで動画を見返していきたいとも思います。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

※今週の『ラグナクリムゾン』はお休みだったため感想はありません。

 

 

 

 

薬屋のひとりごと

第13話「外廷勤務」

 2クール目に突入し、猫猫の後宮生活が再び始まることに。しかし今度は壬氏の元外廷で働くという大きな変化が待っていたのがポイントですね。これまでと異なる環境への新鮮さは感じるものの、1クール目で仲良くなった下女たちの再登場はあまり期待出来なさそうなのが少々残念なです。(新OPを見る限り上級妃たちの出番はありそうですが)

 そんな外廷でも様々な出来事に巻き込まれる猫猫には変な笑いが出てしまいました。官女たちに問い詰められるわ、官女試験で落ちるわ散々な目に遭う展開はある意味で1クール目と同じで安心感があります。特に前者は女子のいじめの現場ちっくで懐かしさを覚えてしまったり。そんな状況で無自覚煽りを入れて火に油を注ぐ猫猫のキャラも例によって笑ってしまいます。

 そして壬氏の猫猫への感情がいつも通りで、これまた安心してしまいました。無自覚な色っぽい姿は女性を集める理由として納得しかない一方、猫猫に対しては独占欲を発揮するのが何とも湿っぽいです。ただ美貌しか誇れるものがないという背景が語られるなど、彼なりの苦悩も今回判明したので以前よりかは同情の目線で見られるようになりましたね。このコンプレックスと猫猫への好意の関連性も気になるところです。

 

 

SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)

第13話「Double cast」

 約3ヶ月のインターバルを乗り越え、ついにシンデュラ第2クールがスタート!!ノワールの消失とそこから入れ替わるように表出したミステルの話についてずっと気になっていた中、終盤ノワールがあっさり戻ってきたことに唖然となりました。こういうのは大抵終盤の重要な場面でノワール復活をやるとばかり思っていたので、これには意表を突かれましたね。それでいてすぐにミステルに戻りましたし、今後はノワールとミステルの人格が頻繁に入れ替わる展開が待っているのだと直感で理解することが出来ました。

 そして本筋として今回はミステルとの交流がメイン。何かとツンツンしているミステルに今の世界を見せてあげるカナタの粋と、彼女が徐々に心を許していく過程が何とも心地よかったです。かつてのマスターのこと以外興味がなさそうだったミステルが、様々なことに興味を向けていく様子にもほっこりさせられます。(亡きマスター「パスカル」は恐らく、彼女にそんな生きがいを与えてやりたかったのかもしれませんね)はじめは唐突感が強かった少女を、自然と受け入れることが出来る回としても良く出来ていたと思います。

 またそんなミステルが驚いた現代の指摘についても見逃せません。1クール目から気になっていた本作の生き生きとした世界観ですが、こうして劇中のキャラが言及すると確かに人間の逞しさを感じますね。人間ってのは20年もあれば地獄も住みよくする」というマムの言葉にも大いに頷かされます。文明が一度崩壊したポストアポカリプスながら、今の娯楽が楽しめる現状まで生活の余裕を持たせたこの世界の明るさには少々元気づけられるものがありました。

 

 

愚かな天使は悪魔と踊る

第1話「Dance with the devil」

 ブコメ……なのかこれは?と最初困惑させられた今季新アニメの1作。タイトルからしてある程度予感していましたが、主人公の「阿久津雅虎(あくつ・まさとら)」が悪魔、ヒロインの「天音リリー(あまね・リリー)」が天使というそれぞれの正体が判明してからの急展開には面食らいました。途中までは不穏なものを匂わせつつも普通に甘酸っぱそうな内容だっただけに、終盤のタネ明かしのジャンル変貌には驚かされるものがあります。そしてラストのいかがわしい首輪シーンに今度は呆然となったり……

 内容としては敵対している天使と悪魔それぞれの代表者として腹の探り合いを繰り広げる、といったところでしょうか。割とガチの命の奪い合い(「浄化する」といった形ですが)が行われていそうな世界観の中、リリーに翻弄される阿久津に何とも憐憫の目を向けてしまいます。思春期男子のドギマギ感全開なうえ知将を気取る痛々しさなど、妙なところで親しみを覚える主人公になっていますね。

 また個人的に厄介だと思ったのはリリーの方。のじゃロリな本性も印象的ですが、何より猫を被っている時の可愛らしさには衝撃を受けました。男子の庇護欲を掻き立てるような、彼らが好きそうな“可愛い女子”を演じているのは中々に脅威です。自分の武器を最大限活かしているこの天使に対し、序盤から阿久津に勝ち目がなさ過ぎてもう笑うしかありませんね。

 

 

メタリックルージュ

第1話「紅は暁に奏でる」

 ボンズ制作のオリジナルアニメ。人造人間(ネアン)が人間と暮らす世界で反旗を翻す人造人間を秘密裏に処理する少女2人のバディもの、という事前情報と、いざ始まった時の仄暗い雰囲気に早速見入ることになりました。世界観説明に関してはほとんどされずにいるのですが、人造人間が人間たちに虐げられている状況はわかりやすく伝わってくるのでどうしようもない閉塞感を覚えずにはいられません。敵であるインモータルナインの連中の悲痛な叫びも相まって、被支配者層である人造人間の方に同情を寄せてしまいますね。

 そんな敵を淡々と処理する主人公「ルジュ・レッドスター」のキャラクターも興味深いです。人造人間故なのかはわかりませんが、どこかぎこちない喋り方や敵に対する関心のなさには幼いものを感じます。情緒が未発達のように見える様子で、それを相棒の「ナオミ・オルトマン」が導く関係性は何とも言えない危うさがありますね。この2人はその内対立しそうな予感もしてくるので、両者のやり取りにも注目していきたいところ。

 そして目玉である戦闘シーンは中々に迫力満点でした。特撮の如く装甲を纏った姿に変身してからのバトルは個人的にかなり刺さるものがありましたね。またルジュの戦闘形態「メタルルージュ」の戦闘プロセスが、ナオミの分析によって成り立っているのも注目ポイント。今回戦った相手が様々な技を披露する中、それらの対抗策を練ったうえで急所をピンポイントで狙って勝つ冷静さはかなり異質。この仕事人気質なバトルスタイルは、本作の冷徹な世界観にマッチしていると言えるでしょう。

 

 

 上の動画のおかげで、ガンダムSEEDの映画がもうすぐ公開という事実を実感することになった今日この頃。ほぼ20年ぶりの新作ということで大分待たされた感じがする分、いざ始まろうとしていることが今でも信じられない自分がいます。正直SEED本編を久しく見ていない自分でも楽しめるのか……?といった不安も湧いてきますが、公開したら是非映画館で観ておきたい高揚感もしっかりありますね。個人的には後者の気持ちを大事にしつつ、その日を待つ所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。