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仮面ライダーガッチャード 第17話「ムーンブレイク・メッセンジャー」感想

選択の時、迫る

デザグラ関係者「何か……ウチの参加者が迷惑をかけてしまったようで大変申し訳ありませんでした」

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  • その裏切りの衝撃と謎

 2024年になって最初のガッチャードですが、年明け早々波乱の幕開けとも言えるエピソードになっていました。前回までの様子からある程度覚悟していた中、ラストにぶち込まれたミナト先生の裏切り展開には本当に驚愕させられましたね。グリオンが錬金アカデミーに乗り込むのでミナト先生が無事では済まないだろうとは思っていたのですが、こうした形で意表を突いてきたことに唸らされます。

 何といってもミナト先生たちの変貌ぶりに驚かされます。ドライなイメージに反して宝太郎たちの心情を配慮してくれる粋な人だったのに、途端に見た目そのままの冷徹さを出してきた衝撃は計り知れません。そのうえ冥黒の三姉妹をアカデミー生徒に据え正直この三姉妹はアカデミー制服が似合わないね、自身はドレッドに変身するなど次から次へと想定外過ぎる絵面をぶち込んでくるので情緒が追い付かなかったです。錆丸がドレッドに変身させられた時と同じく、ミナト先生との交流の過程が丁寧に描かれていたからこその落差が大きなショックに繋がっていました。

 そんな宝太郎たちの追い詰められっぷりに唖然となる一方で、気になるのはやはりミナト先生の真意。何故いきなり先生がこんなことを言い出したのかつい考えたくなりますね。1番あり得そうなのはグリオンに洗脳され操られているという展開ですが、個人的には先生は素面のまま無理をして悪役を演じているように見えました。「釘宮調査官をはじめとした上級錬金術師の裏切り」このギーツのキャラ、ガッチャード世界に迷惑かけすぎでしょ……を理由にアカデミーを閉校するのも理由として無理があると思います。グリオンたちを自分だけでどうにか処理するために、敢えて宝太郎たちを遠ざけているのかも?といった考えを巡らせながら、今後の先生の動向に注目したいところ。

 

 

  • 秘密の来訪者の正体は?

 今回もう1つ注目したいのがガッチャードデイブレイク。前回同様苦戦する宝太郎の前に颯爽と現れ、敵マルガムと互角に渡り合う実力差として活躍していたのが印象に残ります。そのうえ「お前に残された選択肢は2つ」といった選択肢ワードを多用する決めゼリフも決まってて中々にカッコいいですね。また大方の人たちの予想通り、声を担当しているのが「ウィッシュ!」で有名なDAIGOさんだと発表されたのも相まって強烈な存在になったかと思います。

 さてこのデイブレイクの正体について。前回の時点では「過去から来た暁の錬金術」と予想していましたが、今回の描写から「未来から来た宝太郎」である可能性が出てきたのが面白いところです。宝太郎にこれから起こる出来事を仄めかす発言をするなど、まるで未来を知っているような印象を受けます。極めつけはりんねたちを助けた時の「九堂……りんね」と言い淀みながら名前を付け足すシーン。この時点で宝太郎かもしれないと感じましたね。(加えて後述の次回予告からしこの男が時間を飛び越えられるのは明らかです)懐かしの『カブト』のハイパーカブトを彷彿とさせる、未来の主人公の登場には少々テンションが上がってしまいます。

 そしてデイブレイクが宝太郎だとして、あの明るい宝太郎が何故こうなってしまったのかについて考えたくなりますね。真っ先に思いつくのはデイブレイクはりんねたち仲間が全滅してしまった世界線から来た場合。最悪の結末を変えるために過去の自分を導きにやってきたのかもしれません。(「未来の俺は選択することすら叶わなかった」とか言いそう)もしそうだとデイブレイクのありようも相まって辛くなってくるのですが、つい妄想せずにはいられない盛り上がりになってきたと感じる展開でもありました。

 

 

  • 不器用な男の想い

 他には本筋の合間に挟まれたスパナと鏡花さんのやり取りも印象的だった今回。研究と制作に没頭するあまり食事を忘れて倒れてしまった鏡花さんのために、スパナがご飯を作ってあげる過程に思わず顔が綻んでしまいました。普段宝太郎にキツく当たったりしている態度からは想像も出来ない、スパナの朗らかな様子も意外で変な笑いが出てきます。またこれらのシーンからスパナが普段からだらしない鏡花さんの世話をしていること、何よりそんな彼女との日々を好ましく思っていることが伺えるのが素敵なポイント。(料理が上手いのもこの人のために頑張ったからなんだろうなぁ……)どこかいけ好かなかった彼に新たな魅力が出てきてほっこりさせられました。

 しかし身寄りのなかった自分を引き取って育ててくれた鏡花に報いるために、スパナが張りつめている様子も目に留まりました。超A級錬金術師の肩書にこだわっているように見えるのも、彼女のおかげでここまで昇り詰めることが出来たと思っているからなのかもしれません。義理堅いスパナにこれまた好感度が上がるのですが、それはそれとして無理をしているように見えるので少々心配してしまいますね。鏡花さんもそんなスパナのことを案じているようですし、もう少し彼が穏やかになれればなぁ……とつい考えてしまう一幕になっていました。

 

 

 本編の内容以外だと、今回から主題歌の「CHEMY×STORY(ケミストリー)」がパワーアップした点も見逃せません。放送前の予告通り、初期から主題歌を担当しているBACK-ONさんが他アーティストとコラボして歌う豪華な仕様になっていました。しかも最初の相手はNARUTO』といったアニメのタイアップで有名なFLOWさんというのですから驚きです。アニソン感が増して、よりハイテンポかつ盛り上がれる曲になったことに興奮せずにはいられません。

 映像に関してもりんねとスパナがそれぞれ変身したライダーが加わり、仮面ライダー3人態勢で画面に映っているのが良いですね。(それ以外だと歌詞が2番になり、「1人じゃなく仲間と分かち合おう」の部分で仲間たちとのこれまでの様子が映る演出もここすきポイント)本作の見どころの1つでもあるサビ前の「変身!!」ボイスも3人分仕様で声が重なる瞬間がたまりません。未だにテレビシリーズ本編には登場していない2号・3号ライダーですが、いざ参戦してきた時の瞬間が俄然楽しみになってくる主題歌パートでした。

 

 

 さて次回はまさかのタイムスリップ回。ミナト先生の消失に加えりんねがマルガムに捕まるなど息もつかせぬ展開の連続の中、デイブレイクがタイムロードのケミーを使って宝太郎を過去に飛ばすようです。過去の時間にこの状況を打開出来る“何か”があるのかは疑問ですが、風雅といった(形式上は)故人になっている人物が出てくるのは熱いですね。何よりデイブレイクから託されたアイテムでガッチャードのさらなる強化フォームが出てくるようですし、今回の絶望を吹き飛ばしてくれることに期待したいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。