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仮面ライダーガッチャード 第31話「暗闇のふたり、互いを信じて。」感想

我が相棒に乾杯!!

(宝太郎×りんねを見ながら)もう付き合っちゃえよ!!!

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  • 仲間との信頼こそが彼女の力

 アトロポスの精神攻撃によって追い詰められていたりんねの様子から始まった今回のガッチャード。ここからさらにりんねが可哀想な目に遭うと覚悟しながら見ていた中、ミナト先生の助太刀&激励によって一気に立ち直ってみせたのでちょっと面食らいました。とはいえ「支えてくれる仲間がいるから」と奮起するりんねの姿は素直に素敵でしたね。りんねはスペックこそ高いものの自分のことになると自信を失くしがちですが、逆に誰かとの繋がりには確固たる思いを以て行動出来るのだとつくづく感じます。(ジュリエットの代役をこなす際のシーンは特に彼女の実力が出ていますね)

 そんなりんねの強さを感じたのは後半の「クラーケンマルガム」戦。敵味方の認識を逆転させる幻覚を操る敵に対し、敢えて自らガッチャードの必殺技を喰らうことでやれらたように見せかけ騙す展開には大いに驚かされました。『ロミオとジュリエット』の終盤、ジュリエットがロレンス神父から貰った仮死状態を作り出す毒で死んだように見せかけるシーンから発想を得たというのがまた面白いです。(ネミネムーンで死んだように見せかける理屈にはあまりピンときませんが)原典では悲劇だった出来事を、逆転の一手に変換するシチュエーションが素晴らしいと個人的には思いますね。

 さらに今回の戦闘でガッチャードとマジェードの抜群のコンビネーションが発揮されていた点も見逃せません。上述の作戦に加え、エクスガッチャリバーを共有・交換しながら戦う場面にはテンションが爆上がりしました。仲間がいるからこそ自分を信じて戦える……そんな九堂りんねという人物の本領がよく表れていたと言えます。ロミオとジュリエットのすれ違いからくるバッドエンドを、このようにポジティブな信頼へと解釈した描写も含めて非常に心地よい展開でしたね。

 

 

  • 少女のほろ苦なアオハル

 前回から宝太郎の前でグイグイくる静奈のエピソードも今回の注目すべきポイント。助け出されてからりんねに対して敵意剥き出しだった彼女に最初こそ唖然としましたが、静奈の立場から見るとこうなるのも無理はないかなぁとも思います。「仮面ライダーWEB*1でも言及されていますが、宝太郎との再会に喜んでいたら知らない女子が隣で不機嫌オーラを出しているわ謎の幼女に襲われて死にかけるわと静奈もかなり散々であることがわかります。加えてアトロポスの嘘もあるので信じられないのは当然と言えるでしょう。

 さらに宝太郎とのやり取りで、静奈の抱える感情や背景などがそれとなく読み取れました。「家の中がゴチャゴチャして居場所がなくて」というセリフでボカされていたものの、幼い頃の彼女の家庭環境が悲惨だったことが容易に想像出来ます。(転校を繰り返している理由についても色々邪推してしまいますね……)そんな状況で明るく夢を語る宝太郎に励まされた話もあって、彼に惚れるのも納得といったところ。この短いシーンだけで九十九静奈という人物の多くを知れた気分です。

 それだけに宝太郎の仲裁のおかげで仲違いを解決出来て一安心。りんねに嫉妬したことをはっきり口にして謝れるのは中々に偉いことだと思いますね。その後も上述の宝太郎とりんねの息の合いようを見て、2人の仲を認める姿は寂しさと清々しさが内包されていて実に素敵です。最初こそ恋愛の雰囲気にちょっとギスギスしたものを感じましたが、こうした過ちを含めて青春として昇華する内容に満足させられました。それはそれとして無自覚なまま周囲にファンを作りまくる宝太郎は爆発しろ!

 

 

  • 弟子の心、師匠知らず

 今回の残りの見どころといえばやはり不遇なスパナでしょうか。まず前半ではクラーケンマルガム戦にて参戦したものの、幻覚戦術を前にあえなく倒されるシーンが可哀想でした。とはいえ見せられた幻覚が鏡花さんということもあり、やられたのも当然だとも思います。むしろ「頭ではわかっているのに……!」と鏡花さんの幻覚を攻撃出来ない姿が何とも可愛らしいと感じましたね。お前のそういう「冷静・冷徹を振る舞っているけど身内にはめちゃくちゃ甘いところ」が結構好きだよ僕は……!

 さらにラストのラケシスが複製したヴァルバラッシャーを見せつけるシーンでさらにお労しいことに。戦力増強という目的そのものは真っ当なものの、ラケシスを警戒するスパナの気持ちもわかるので反対を聞き入れてもらえない様子は何とも哀れでした。(ミナト先生までラケシスを受け入れているのであの場は完全に四面楚歌でしたね)幻覚の鏡花さんに苦戦を強いられたと思ったら、本物鏡花さんからも不意打ちを喰らってしまった構図でおかしさと同情が同時に湧いてきます。

 鏡花さんって優しいけど割と勝手だよなぁ……などと感じつつ、ラケシスから色々情報を聞き出そうとしているのもあって余計に複雑な気持ちになってしまいます。実際グリオンを連れ去った謎の手が「冥黒の王」なる存在であることが判明しましたし、鏡花さんのやり方も間違ってはいないと思います。ただスパナと意見がすれ違っているのは何とも切ないので、後々ちゃんと師弟で話し合う展開を見せてほしいですね。

 

 

 そして次回はまさかの宝太郎とクロトーがメイン!?特殊な空間に閉じ込められた2人が、即席タッグを組んで脱出を図るようです。ここにきてクロトーにスポットが当たることに当初は驚きましたが、アトロポスがりんね、ラケシスがスパナと絡んでいるなら彼女が宝太郎との組み合わせになるのもなるほど納得ではあります。というわけでクロトーは前回の悲痛な叫びといい最近不憫な目に遭っている分、宝太郎によってある程度救われてほしいですね。同時にガッチャード&ドレッドの呉越同舟コンビネーションにも期待したいところ。

 また宝太郎たちを襲ってきた謎の勢力に関してですが、予告映像で『ジオウ』に出てくるカッシーンが映っている点に衝撃を受けました。しかも仮面ライダーWEBのあらすじによると組織の名前は「ハンドレッド」……『ガッチャードVSレジェンド』でカグヤ/レジェンドが戦っていた異世界の侵略者が、ついに本編に絡んでくる展開に驚きと興奮を隠せません。さらに今回ラケシスが口にした冥黒の王まで参戦するとのことですが、どんなカオスとてんこ盛りが待っているのか非常に気になりますね。

 

 

 ではまた、次の機会に。