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牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者 第1話「創(はじまり)」感想

希望の光が今再び

黄金騎士、そしてハガネの新たな伝説が始まる

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 深夜特撮の人気シリーズ『牙狼GARO>』の最新作『ハガネを継ぐ者』がついに始まりました。久々の道外流牙が主役のシリーズであり、同時に本格的な牙狼としても数年ぶり。『JINGA』や『-VERSUS ROAD-』といった外伝も大好きですが、ファンとしてはやはりヒーローしている牙狼も見たい!!ということで大変待ちわびていました。

 というわけで早速1話を視聴したのですが、感想を一言で表すなら「僕らがよく知る牙狼が帰ってきた!!」といったところでしょうか。多くのファンが知っているイメージを踏襲し、懐かしさを感じさせてくれる内容は見事。歴代主人公の中でも個人的に推している流牙が主役という点も、結構湧かせてくれましたね。というわけで今回からそんなハガネを継ぐ者の感想を書いていきたいと思います。

 

 

  • 闇を照らすは希望の光、嵐と翔ける黄金の騎士

 1話の感想についてまず語りたいことといえば主人公「道外流牙(どうがい・りゅうが)」の序盤の活躍ですね。冒頭いきなり現れたホラー「シャウラ」から一般人(演者はまさかのダンディ坂野さん)を逃がし、華麗に撃退する流牙の立ち回りには初っ端から惚れ惚れさせられました。またこれらのシーンで「人間を襲う魔獣ホラーと戦う魔戒騎士」という物語の根本の設定を短くも端的に描いていたと言えます。

 そして何といっても流牙の貫禄が凄まじかったですシャウラス相手に見事な対応力を見せ、終始圧倒していく様子は実に鮮やか。過去作での戦闘の中でも余裕と冷静さが備わっていることが伝わってきて、彼の成長ぶりがかなり伺えましたね。『闇を照らす者』を見ていた当時、未熟ながらも熱い流牙を知っている身としては何とも感慨深いものを覚えます。

 また戦闘中は不敵な笑みを浮かべていたのも印象的。ホラーに対してにっこり笑い、ちょうはつしているかのような態度がチラホラ見られました。この辺りは昔からの流牙の特徴で、こっちは逆に全く変わっていないことがわかりますね。死闘の中でそのような態度を取るのは少々不真面目にも思えますが、今となってはこれもまた流牙のアイデンティティに繋がっているとも考えます。

 最後に流牙が纏う鎧「黄金騎士ガロ(牙狼)翔」について。流牙専用の「牙狼」に変化している点は前作から変わらず、ある意味でいつも通りでした。通常の牙狼よりも装飾華美で、より重厚感が増した見た目は相変わらず。『劇場版 GOLD STORM 翔』で初登場した時は驚いた情報量の多い鎧も、今となっては安心感を覚えますね。牙狼特有の鎧を出してからの瞬殺っぷりも相まって、視聴者に「いつもの牙狼」としてのイメージを前半の内に叩き込んでくれたかと思います。

 

 

  • 若く荒々しい、鈍色に光る武道の剣士

 そして牙狼以外のもう1つの注目ポイントにして、もう1人の主人公といえるであろう「白羽創磨(しらはね・そうま)」も見逃せません。出番自体は終盤いきなりの登場でしたが、その数分だけでも与えたインパクトは絶大でした。ホラー「レグレージ」を倒そうと躍起になり、流牙に「こいつは俺の獲物だ」と言い放つ不遜な態度には思わず変な笑いが出てしまいました。もうこの時点で創磨という騎士が生意気盛りな若者であることが感じられますね。黄金騎士にすら噛みつく怖いもの知らずな彼のことが早くも気になってきましたよえぇ。

 また彼の纏う鎧「ハガネ(鋼)」のビジュアルと戦闘シーンも印象に残りました。無名の魔戒騎士が纏う称号のない量産型の鎧にして、全ての鎧の原点(『BLEACH』で例えると浅打みたいなポジションですね)という中々に興味深い設定。何より他の騎士と比べると確かにシンプルですが、日本の鎧武者の趣を感じさせる意匠の数々には惹かれるものがあります。個人的には口元の牙がマスクで見えなくなっているのがお気に入りポイントです。なるほど牙狼や他の称号持ち騎士と比べると弱く見えるものの、カッコよさに関しては決して劣らないものがあると思います。

 そんなハガネを纏った創磨の戦いぶりもしっかり魅せてくれました。レグレージ相手に多少たじろぐことはあっても押されずに倒すなど、魔戒騎士としての十分な実力が伺えます。それでいて流牙と比べると少々荒々しさが見え隠れしているのが興味深いです。創磨の良くも悪くも若々しい一面を垣間見た気分で、彼への注目度が高まりましたね。この若い騎士が流牙とどのようなやり取りを交わしていくのか俄然気になってきました。

 

 

  • その他の魅力も語りたい!

 今回は他にも女性魔戒法師「コヨリ」の意外と武闘派な戦闘シーンや、物語の舞台「クレアシティ」のちょっと治安の悪そうな描写の数々も印象的。(それを「賑やかな街だな」と評する流牙がここすきポイント)流牙編特有の退廃的な空気感がよく出ており、ちょっとニヤリとさせられます。また牙狼シリーズではお馴染みJAM Projectさんが今回ED「其れは穢れなき修羅の涙」を担当しているのも珍しいですね。そしてOP「GARO ハガネを継ぐ者 with JAM Project」の作曲があの梶浦由記さんという事実にも驚いたり。

 中でも本作のキーワードである「破滅の門」と、それによるホラーの増大が目に焼き付きましたね。最古のゲートの影響で陰我が増大している火急の事態という話でしたが、レグレージと化した青年(演者は『仮面ライダー響鬼』の威吹鬼役で有名な渋江譲二さん)の堕ちる瞬間で一気に納得させられました。追い詰められて人を殺しそうな状況ではあるものの、まだ手を出していない段階でホラーに乗っ取られるのは流石に早すぎです。歴代のシリーズを見てきた人ほど、この異様さが伝わってくる描写だったと言えます。

 またCGといった映像技術がより美麗に進化したことや、例によって変わらないアクション面の質の高さも語りたいポイント。中でも個人的に印象に残ったのはハガネ(創磨)VSレグレージの戦闘シーンで、街灯の光を水溜りの反射と組み合わせてハガネの鎧の渋い色合いをより濃くしているように映りました。多少の暗さがかえって牙狼の金ぴかさとは異なる魅力を引き出していたと思いますね。改めて牙狼の映像演出のクオリティを思い知った次第です。

 

 

 というわけでハガネを継ぐ者第1話の感想でした。魔戒騎士やホラーとは何か、牙狼とは何かといった面をわかりやすくハイテンポで描くことで、作品の雰囲気を思う存分味わうことが出来る見事な初回でしたね。物語の運びもシンプルで、「破滅の門に関する異常事態」なども端的に説明してくれるおかげで世界観に入り込みやすかったです。何より上述の通り、外伝とは異なる正統派の牙狼の帰還に感動させられます

 本作は1クールと例年より短く感じる構成ですが、その分1話のように濃く・テンポよく描いてくれることでしょう。視聴した際の昂りをそのまま胸に秘め、新しい流牙の戦いを最後まで見届けていく所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。