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牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者 第7話「惨(いたみ)」感想

守りし者として、その遺志を

たとえその身が尽きても、同士に託した想いと魂は決して消えない

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  • 誇り高き騎士の継承

 折り返しに突入し、第7話まで来た牙狼ハガネ。前回のラストでホラーになったナオミ改めガエラとの戦いが繰り広げられましたが……切ない……という感想が出てくる戦いとなりました。予告の強敵感溢れるガエラの紹介や傷を負ったオビなど様々な要素から不穏な展開を予感していたのですが、イグスの殉職という形で現実のものとなった時は開いた口が塞がらなかったです。オビを庇ったうえ、ガエラに喰われる最期も壮絶でかなりショッキングでした。

 イグスの死に際の言葉が魔戒騎士、何よりロンとオビの師匠として実に真っすぐだったのも悲壮感に拍車をかけていましたね。弟子たちへの叱咤はもちろんのこと、ゴドウの遺したものや騎士としての使命を託したうえで死んでいく様子は非常に勇ましかったです。それだけに肉体が跡形もなく消滅し魔戒剣のみが残る瞬間の衝撃、後日その剣を墓標にするシーンのやるせなさに胸が痛んでしまいました。アゴラの三剣士全員に愛着が湧いてきた矢先にその1人が退場してしまったことには何とも言えない切なさを覚えます。

 ただ残された仲間たちが毅然と立ち向かう姿もあって決して悲しいだけでは終わらなかったのが今回の注目ポイントと言えます。イグスの死を前に多少取り乱しはしたものの、すぐさまガエラを倒すために一致団結したのは流石といったところ。創磨たち3人のコンビネーション(中でも互いの剣を投げて交換し合う戦法が面白かったですね)はもちろんのこと、トドメの閃光剣舞を繰り出した流牙などそれぞれの活躍が光っていました。イグスが遺した「魔戒騎士としての使命」をしっかりと受け取って、果敢に戦い抜いてみせた若者たちの強さも光る戦闘だったと思います。

 

 

  • 嫉妬と羨望に塗れた略奪者

 今回登場したホラー「ガエラ」は上述の通り元ダンサーのナオミの成れの果て。初登場時のボンテージテイストの衣装とパキケファロサウルスのような頭部のミスマッチ感がかえって不気味に思えるものに仕上がっています。強さに関しても法師や騎士たち複数人が束になっても苦戦するほどなのに、そこに「喰らった人間の能力を奪う」能力を加えてより手ごわくなるとんでもない強敵でした。(前回あれほど踊れる女性たちに切望の目を向けていたナオミがこうして相手の力を自分のモノにするホラーになるとか何たる皮肉か……)

 その奪う能力は単純に相手の身体的長所を引き継ぐだけかと思いきや、魔戒法師や魔戒騎士の武器や技術までも取り込むのはさすがに予想外です。特にイグスを喰らったことで「ソウルメタルを纏い魔戒剣を操るホラー」と化した時は度肝を抜かれましたね。これまでのホラーの常識を軽くぶっ壊すレベルでさながら大ボスのような無法っぷりです。これでまだ中盤の敵ってマジ?大勢の一般人やイグスの命を奪い、流牙たちを大いに苦しめたという点も含めて本作屈指のインパクトを残すホラーになったことでしょう。

 

 

 というわけで7話の感想でした。上でも書きましたがイグスの最期がかなり衝撃的な内容だったと思います。三剣士の内誰かが犠牲になるとしたらまぁ年長者の彼であろうと今になっては納得しますが、いざ見せられるとショックを受けてしまいますね。(個人的にはイグスの剣で作った墓標にて、オビの自分の未熟さを責めているかのような涙の様子に胸が締め付けられます)

 しかし牙狼共通のテーマにして本作最大のテーマであろう「意志を受け継いでいく」をしっかりと描いてみせたのは好印象。ただ相手の力を奪うだけのガエラとの対比になっているほか、イグス亡き後も毅然とした態度でクレアシティ防衛を担うロンとオビの姿も相まって彼の想いは見事次の世代に伝わったことが感じられます。こうして守りし者たちの永遠は形作られているのだと、視聴者に大きく教えてくれる素敵なエピソードでもありました。

 他にもガエラ戦の後、流牙たちが常闇の石を持って「迷宮アリビス」に入り込んだ後半も印象的。彼らの迷宮探索が描かれましたが、謎の転送ポイントや動き出す壁など非常に厄介な仕掛けが判明した時は如何にもな感じで少々苦笑いしてしまいましたね。とはいえこの手の迷路やダンジョンでは何度も同じ場所をグルグル回るなどが定石だと思っていたので、目印を付けた壁の配置が変わっているなどの会話は面白かったです。この迷宮を如何にして攻略していくのか、次回に期待したいです。

 

 

 そんな次回は迷宮アリビス攻略中、流牙が創磨に父・ゴドウのことを話す模様。自分とゴドウの出会いから彼に閃光剣舞を教わるまで、そしてゴドウが創磨に残した言葉についてがいよいよ明かされるようです。さらにゴドウが纏う鎧・ザンゴのお披露目も見られるようですし、本筋はあまり進みそうにないものの胸熱な回想になりそうですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。