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牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者 第2話「兆(きざし)」感想

「守るべきもの」は何か

西銘くんが演じるキャラは大体可愛い

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  • 父への想いに逸る若さ

  ある程度王道だった1話とは異なり、初っ端から波乱の幕開けとなった牙狼ハガネ第2話。何といっても今回は創磨というもう1人の主人公の描写がメインとなっていました。前回の時点で見られていた生意気な面がこれでもかと出ており、1人でクレアシティでの使命の全てをこなそうとする様子に絶妙な“若さ”を感じます。そのうえ援軍として来てくれた騎士たちに「魔戒騎士失格だ」とまで言い放つので驚きを隠せません。2号ライダーポイントがドンドン加算されていってるな……

 一方で創磨が逸る理由もしっかり語られており、間接的に彼の心情を汲み取ることが出来たのも見逃せないポイント。3年前に行方不明になった父「白羽ゴドウ」(騎士としての称号は「コウザン(鋼斬?)騎士ザンゴ」とのこと)に代わり、クレアシティを管轄していると聞いた時は大きく納得させられました。父親のための居場所を守ろうとするところに創磨のいじらしさが伝わってきて、彼に対する印象が一気に上がってきました。幼馴染として彼のことを理解しているコヨリも素敵ですし、創磨周りの関係性は個人的にもかなり好みです。

 ただ父を想う気持ちは強いものの、そればかりが先行している今の創磨は大変危なっかしいところも描写されていました。中でもホラー「ルガルゴル」を倒すのに躍起になるあまり、一般人を危険に晒してしまったことには思わず顔を覆ってしまいましたね。流牙にまで叱咤される始末に、守るべき人間を零してしまった彼の未熟さが痛烈に描かれていたといえます。周りを寄せ付けずにいた結果、守るべきものを見誤る……「守りし者」としてまだまだ発展途上な創磨が如何に成長していくのか、まずはそこが気になる回でもありました。

 

 

  • 未熟な戦士を導けるか

 上述の一匹狼を気取って周りと不破を起こす創磨とは対照的に、流牙は例によって黄金騎士としての貫禄を発揮していたのが印象的。仲間割れを諫め、コヨリのフォローも欠かさない気遣いには見ていて惚れ惚れさせられます。元来流牙は優しい人物であると知っている身としては、その優しさが精神的に成熟したことで安心に変わるものになっていると感じましたね。それはホラーとの戦闘にも表れており、必死な創磨とは違い至って冷静に戦っている辺りから余裕が見られました。この頼もしさには思わずニヤリとしてしまいます。

 そして創磨に対して厳しい物言いをするものの、立派な騎士としてしっかり鍛えようとする意志を見せてくれたのも見逃せません。というか彼の父・ゴドウと知り合いだったことや、創磨に関して色々と話していたらしい情報が明らかになった時は驚きましたね。後付けとはいえこういった関係性を出してくるのは面白いところです。流牙を創磨を放っておかず、彼の成長を見守る師匠となってくれるであろうという期待が湧いてきます。現状ラストの創磨は色々と打ちのめされてしまっている状況ですが、ここから流牙がどのように彼を導いてくれるのかが実に楽しみです。

 

 

  • 本作の仲間たち

 他には今回から登場した新キャラの数々にも注目したいところ。まずクレアシティを管轄する「ムツギ」法師ですが、こちらは流牙とはまた違った安心感を放っていました。落ち着いた物言いで周囲をまとめつつ、破滅の門封印の方法を丁寧に語ってくれる様子は年長者らしい風格があったかと思います。創磨やコヨリが忙しないキャラクターである分、こういった落ち着いた大人の存在はとても重要だということがわかりますね。

 そしてムツギ法師が呼び寄せた「アゴラの三剣士」。こちらは師匠の「イグス」が「ロン」と「オビ」という2人の弟子を連れている状態で、彼らの実力や存在感に関しては現状未知数といったところ。ただ個人的には黄金騎士を目の当たりにしてウキウキのオビがどこか微笑ましいと感じますね。演じている西銘俊さん(『仮面ライダーゴースト』の主演としても有名)の演技もそうですが、後輩のような可愛さがあって妙に癒されます。騎士として頼りになるかは微妙なものの、本作でこういった清涼剤は貴重だと思うのでオビには今後もちょっとミーハーな面を出していってほしいです。

 改めて見ると、本作は魔戒騎士が5人に法師が2人と仲間の数が過去最多レベルなのがわかります。(そもそも人間の陰我を増大させる「闇のパルファム」や「誘惑者」についても現状謎が多いです)それだけ破滅の門に関わる事件が重大かが読み取れますが、果たして流牙以外がどこまで活躍出来るのが気になりますね。願わくば黄金騎士に頼りきりではなく、それぞれが自分の役目を果たす場面を用意してほしいものです。

 

 

 あとは今回の戦闘シーンですが、まず今回登場のホラー・ルガルゴルの絶妙な気持ち悪さが目を引きました。カエルのような両生類を思わせるビジュアルにカタツムリに見える背中と両腕の装甲、何より粘液でヌメヌメしているっぽい光沢がたまりません。それでいて口から火球を発射する攻撃性(「ガマの油で火を点ける」とかそんな感じですかね?)に、ホラーとしても独特で印象に残りやすいヤツに仕上がっていたと思います。

 そんなルガルゴルを撃破した流牙の「閃光剣舞も見逃せません。烈火炎装の炎で作った火球をぶつけ貫いた直後、一瞬で近づき切り裂く……二撃で決着をつける必殺技として実にカッコよかったです。そしてこの技は元々ゴドウが教えている技ということなので、いつか創磨が習得して披露してくれるかもしれないという期待も出てきます。本作で重要な技になりそうな予感がする閃光剣舞、次使われる瞬間が早くも楽しみになってきました。

 

 

 ではまた、次の機会に。