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牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者 第5話「悟(さとる)」感想

剣を重ね闇を討つ

良かった、鎧を召喚する暇もなく退場する不遇な騎士はいなかったんだね……

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  • 夜のビルでの共闘

 今回の牙狼ハガネはやってきました大規模バトル回。ホラーの巣窟と化してしまったオフィスビルを舞台に、流牙たちが総出で立ち向かう様子が丸々1話使って描かれていました。前回と前々回がホラーとの戦闘なしでおとなしめだった分、今回に全力を注いだという印象がありますね。またホラー軍団がゾンビ映画染みていたこと、騎士法師含めて総勢7人という味方側の多さなどはこれまでのシリーズと比べても珍しく、後述の共闘も含めてかなり新鮮に思えました。

 そんな中でもひと際感動したのはやはり創磨関連の描写。ビルに結界を張る前に創磨が来ることを信じる流牙と、その期待に応えてみせた創磨の関係には大いに胸打たれました。「この街には創磨が必要だ」と言ってのける流牙の頼もしさもさることながら、創磨がしっかりと協調性を発揮していたのが嬉しかったですね。ゲートの封印を流牙に任せるシーンで、前回の彼の言葉がちゃんと通じたことが伝わってきます。その後のコヨリやアゴラの三剣士たちとの共闘でも朗らかな表情を見せており、どこか子どもの成長を見ているような気分になりました。(あとは「作戦を立てろ」という無茶ぶりで創磨を許す空気を作ったロンがここすきポイント)

 まさにその「共闘」がテーマとばかりに、騎士と法師たちの役割分担が見られたのも注目ポイントの1つです。ムツギ法師が結界を張る場面はもちろんのこと、1つの部屋にホラーをおびき寄せて一網打尽にする作戦に舌を巻くばかり。これまでの牙狼シリーズは圧倒的に強い個人がそれぞれどうにかするというイメージがあったため、ここまでのスムーズな協力にはかなり興奮させられました。高名な騎士や法師ではないものの、その力を合わせることで称号以上の成果を発揮することを見せてもらいましたね。

 

 

  • 「余裕」から見る実力

 戦闘ばかり映されている今回は、基本的に面々の実力の違いなどが何となく見てとれるのが面白かったですね。まずダイナミックに飛び回り斬りつける創磨の戦闘シーン然り打撃戦を好むコヨリ然り、若者たちは結構荒々しい戦いぶりが印象に残りました。一方でムツギ法師のようなベテランは落ち着いた動作でホラーの大群をいなしており、これだけで風格が感じられます。(サポートメインだったとはいえ息が上がっていないことからも彼女の強さが伺えます)年季の差が表れているとばかりに、戦いにおける「余裕」に明確な差が出ているように感じました。

 中でも今回の流牙はまさに別格。単身ゲートの元に向かう際のホラーを斬って捨てを繰り返す1人回し、そして風祭を一撃で屠るシーンには黄金騎士としての強さがこれでもかと詰まっていました。また鎧を紹介しないまま倒しきったのも驚きですね。数が脅威ながら個々は大したことない、といった風に生身のままな辺りに彼の強さが滲み出ていました。仲間たちの奮闘ぶりも素敵でしたが、そんな中で余裕を持って乗り切ってみせた主人公のカッコよさも捨てがたいほど魅力的です。

 あとはやはりアゴラの三剣士の活躍も外せません。元々3人で戦っていたことからコンビネーションは抜群であることを十二分に見せつけており、最後の鎧召喚→烈火炎装を散弾のように放つ合体技には痺れましたね。何よりついに彼らそれぞれのハガネの召喚シーンには待ってました!と言わんばかりにテンションが上がりました。創磨と同じデザインで瞳の色が異なるという特徴*1を見せながら活躍してくれたのは本当に喜ばしかったです。彼らが単なるかませ役ではなく、1人1人がしっかりとした騎士であることを魅せてくれただけでもう大満足ですよえぇ。

 

 

  • その声が意味するモノとは?

 ゾンビホラー軍団を無事撃退し一件落着かと思いきや、ラストに不穏な描写を残していったのも今回のちょっとした見どころ。何といっても突如かかってきた謎の電話の声を流牙が聞くシーンは、視聴者には聞き取れなかったこともあり妙な不気味さがありました。そして最後の声の主は……恐らくはゴドウでしょうか?(前回ラストのUnknown=ゴドウなんですかね)長らく回想シーンだけの登場だったのでこれには驚かずにはいられません。

 ちなみにゴドウらしき声が残した「朱月(あかつき)の夜」や「隻眼の森」といったワードの数々は、以前ムツギ法師が語っていた破滅の門に関する情報と合致しています。2話での説明が確かなら門が存在する「迷宮アリビス」に行くために必要な「常闇の石」はそこに隠されているとのこと。これらの情報から、ゴドウはやはり門の封印のために動いている可能性がありますね。

 とはいえ何故ゲートになっていた受話器からゴドウの声が聞こえてきたのか、彼は果たして誰に話しかけていたのかという疑問は残ります。ゴドウが今どこで何をしているのか、それらが明かされない限りはまだ味方だと安心してはいけないことを教えられているかのようです。これらの謎については今後明かされていく情報に期待したいところ。

 

 

 そして次回は常闇の石を手に入れるため、流牙と創磨が隻眼の森に挑む模様。そこで謎の精霊に取り引きを持ちかけられるようですが……?近代的な街で戦っていたこれまでとは打って変わって、森での幻想的な冒険がメインになりそうです。雨宮慶太作品における独特なファンタジー要素が全面に出そうな点は、久々ということもあり結構楽しみですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:この「同じ鎧でも装着者によって瞳の色が異なる」設定は、他の作品でも見られている。