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牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者 第11話「誘(いざない)」感想

揺るがぬ心が悪しきを討つ

創磨もコヨリも強くなってて僕も嬉しいよ(後方保護者面)

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  • 禁断に呑まれし者

 妙に長いダイジェストのアバンを終え、ムツギ法師との決戦が描かれた今回の牙狼ハガネ。ザンゴの鎧が弾け飛んだことで破滅の門が開かれ、そこから出てきた禁断の果実をムツギ法師が喰らってしまうというおよそ最悪の展開から始まったのが目に焼き付きました。この辺りの戦闘シーンでは、禁断の果実を食べて全知全能の力を得たらしいムツギ法師(隈取りが妙にカッコいい)の強さにビビらされます。流牙たち3人を同時に相手取ってむしろ押しているのは驚きでしたね。流牙以外の2人は歯が立たないように項垂れていましたし、術によるエフェクトマシマシの演出も相まって変貌した法師の強キャラっぷりが伝わってきました。

 またムツギ法師が街に放った謎の術がそれ以上に衝撃的。クレアシティの住人の何割かがホラーになりかけているような白目描写はあまりにもショッキングでした。これこそが法師が言っていた「陰我を持った人間を選別し殲滅する」という目的を形にしたのでしょうが、明らかに無理やりホラーにさせたうえで消すつもりなのが恐ろしいです。ホラーや人間の悪意を憎むあまり、それらを利用しているのが何とも皮肉に感じます。使命を捨ててまで成し遂げなかったのがこんな凄惨なものだと思うと、ムツギ法師に対してさらなる憐れみを覚えずにはいられませんね。

 

 

  • 強き心で戦い続ける者

 そんなムツギ法師に対し、真っ向から立ち向かいその考えを否定する流牙たちの強さが描かれたのが今回の注目ポイント。特に法師の揺さぶりにも一切動じることなく、人間の強さを信じる流牙には大いに心が震えました。この辺りは『闇を照らす者』や『-GOLD STORM- 翔』など過去の流牙の活躍を見てきたからこその納得と感動があったかと思います。何より個人的には「欲望という陰我があるからこそ人は進化し成長してきた」という言葉が印象に残ります。これらの言葉から邪なことや困難があるからこそ、それを乗り越えることの大切さが読み取れますね。まさに劇中で流牙自身が言っていたように「人間を信じる」「そのうえで戦い続ける」守りし者としての在り方を魅せてくれたと言えます。

 流牙だけでなく、何度倒れても立ち上がっていく創磨とコヨリの戦いぶりも見逃せません。前者は騎士の使命とハガネとしての誇りに目覚め、後者は前回と変わらずムツギ法師に立ち向かう強メンタルを発揮するなどある程度見せ場と成長の場面が用意されていたのが嬉しかったです。中でも法師の攻撃を2人で受け止め、跳ね返すシーンはまさにそんな幼馴染2人の力強さが感じられました。極めつけはガロによる投擲!コヨリの筆を光の槍に変えて禁断の果実を撃ち抜く瞬間は地味ながら胸熱でテンションが上がりました。(その結果上述の白目の住人たちが元に戻ったのも一安心)心の弱さから誘惑に負け外道に堕ちてしまったムツギ法師に対し、決して負けない精神で居続けた騎士と法師の尊さがこの1話で丸々描かれていましたね。

 

 

 

 そして最後の最後で誘惑者が現れ、ムツギ法師の体を乗っ取ったシーンでも仰天しました。豪華ながらどこか邪悪なものを思わせるビジュアルになった様子がやたら印象に残ります。何というか、真っ黒な小林幸子みたいだな……また見た目の派手さに反して、ムツギ法師が絶望する瞬間を待っていたという悪辣なやり口も誘惑者の敵としての印象を深めていました。破滅の門を完全に開いて謎の怪物を出現させた黒幕との最終決戦の火蓋が切って落とされた……まさにクライマックスに相応しいラストだったと思います。

 

 

 さて次回はいよいよハガネを継ぐ者最終回!!本性を現した誘惑者を相手に、流牙と創磨は如何にして立ち向かうのでしょうか。気になるのは予告の映像で2人がそれぞれ別の剣技を披露していた点ですね。流牙は何度も見せてきた閃光剣舞なのがわかりますが、対する創磨は闇を纏っているからもしや潜影剣舞……?かもしれません。ゴドウが遺してくれた2つの技で決着をつけるというのはかなり面白いので、最終回が非常に楽しみになってきました。

 というわけで最終回の陰我!!斬り裂け、牙狼<GARO>!!

 

 

 ではまた、次の機会に。