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牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者 第8話「閃(ひらめき)」感想

次代という名の希望

「ゴドウも牙狼闇もカッコいい!」という気持ちと「ムツギ法師嘘だろ!?」という気持ちが同時に襲い掛かってくる!

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  • 気高き父親と遺された言葉

 前回のラストに引き続き、迷宮アリビスでの破滅の門探索が描かれた今回の牙狼ハガネ。フリーレンといいダンジョン飯といい迷宮を攻略する話が奇跡的に重なってるな……そんな中で自分に足りないものを恥じる創磨のために、流牙が彼の父・ゴドウとの出会いと修行の日々を語る回想エピソードでもありました。閃光剣舞を会得するためにゴドウの元を訪れた流牙のかしこまった態度、そんな彼を受け入れるゴドウに目が離せなかったです。また流牙が闇を克服したことを証明するために、「ガロ闇(オン)」の姿になったのが密かなここすきポイント。戦闘では使われなかったものの、この黒牙狼が大好きな身としてはまさかの再登場に大興奮しましたよえぇ。

 中でも目に留まったのはやはりゴドウのキャラクター。黄金騎士である流牙を前にしても揺るがない態度然り、直前の戦闘シーン然り、威風堂々とした立ち振る舞いが印象に残りました。そして閃光剣舞習得のための稽古において厳しく、それでいて朗らかに指導してくれたのも感動的。割とあっさり習得してみせた流牙の才能を褒めつつ、研鑽を怠らないことを教える辺り指導者としてもお見事です。後述の息子への想いも合わせて、非の打ち所がない人格者であることがひしひしと伝わってきました。流牙やイグス、そして創磨が尊敬しているのも納得の人物だと思います。

 その一方で息子の創磨に対しては複雑な心境を見せていたのがまた素晴らしいポイントです。彼に期待している反面、未熟な部分を懸念して閃光剣舞の指導などを渋っている様子は、さながら子どもとの付き合い方に悩む親そのもの。それだけにゴドウの親しみやすさがより際立っていたと言えます。そして息子のことをはっきりと「俺にとってはガロ(希望)だ」と言ってくれたのは素敵でしたね。“ガロ”とは旧魔戒語で“希望”を意味する設定を拾ってきたのもありますし、それ以上にゴドウが創磨のことをどれだけ想っているかがこれだけで読み取れます。

 「全ての事象は始まりにある」というゴドウのアドバイスが流牙から創磨に送られるシーンも見逃せません。自分に足りないものを考える創磨に「初心に返る」ことの大切さを教えるのは興味深いところ。偉大な父親と至らぬ自分を比べて悔やむ創磨が、この言葉を受けどのように立ち上がっていくかが俄然楽しみになってきました。

 

 

  • 光と影を束ねて輝く、清廉なる純白騎士

 今回の回想シーンの冒頭にて、白羽ゴドウが召還して身に纏った鎧「光斬騎士ザンゴ(斬冴)」。称号は2話の時点で判明していましたが、鎧のデザインは今回ようやくお披露目となりました。そのビジュアルたるや白夜騎士ダンをはじめとした白がベースの鎧ということで、魔戒騎士としては比較的珍しい色合いなのもあって衝撃を受けましたね。見た目に関しては隈取りを思わせる顔の黒い目元、牙をベールで隠したような口元が特徴的で、味方ながら凶悪そうな顔つきをしているのが面白いところです。(白いのもあってドクロみたいかも……

 そして戦闘に関しては閃光剣舞を使い一瞬でホラーを撃退する実力を発揮。“光”の剣技を以て闇を“斬”る……まさに光斬騎士の称号に相応しい技量と言ったところでしょう。また敵ホラーの火球を手で受け止め握りつぶすという、鋼牙もやったことがあるシチュエーションを披露してくれたのもテンションが上がりましたね。ゴドウの精神的な強さと合わせ、相手が何者であろうと全く怯むことのない強者としての風格がビシビシと感じられます。

 また余談ですが、ちょっとした驚きのポイントとしてゴドウ/ザンゴが使用する閃光剣舞についての様々な情報が明かされました。使うと心身ともに多大な負荷を与えるうえ、鎧も損傷を避けるために使用後強制的に返還されるという仕様はこれまでの描写を見ても納得。問題は対となる「潜影剣舞」の存在ですね。光を闇に変えて放つという全く逆の技が、今後どのように使われるのか非常に気になるところです。

 

 

  • 怪しき法師、哀しき心滅

 迷宮アリビスに関しては上述の「全ての事象は始まりにある」から、最初の場所に破滅の門の入り口を発見するという形であっさり解決。この仕掛けはこの手のダンジョンあるあるで特に驚きはしなかったので、その直後のムツギ法師の行動に目を剥くことになりました。流牙とコヨリをどこかに転送し、自分と創磨だけで破滅の門に突入する構図を意図して引き起こした時はあんたが裏切り者なの!?と衝撃を受けましたね。(思えば前回常闇の石を真っ先に聞き出す時点で大分キナ臭かったような……)今回ゴドウが裏切っていないことがほぼ確定した中で怪しいのは確かにこの人なのですが、4話などで度々創磨やコヨリを母のように想う描写が見られたのもあってかなりショックが大きいです。

 衝撃的と言えばラストに映った破滅の門の内部もまた違った形でショッキングで、変わり果てたザンゴが映る驚きの光景が広がっていました。ザンゴが巨大な獣のような姿になって何かを抱えているビジュアルが気になりますが、これは恐らく心滅獣身でしょう。鎧を暴走させて何かを封じているようにも見える様子からして、ゴドウは破滅の門を閉じるために心滅の力で自分ごと封印しているのかもしれませんね。流牙シリーズの世界で初めて心滅が登場したと思ったら意外な形で使われているこの状況、果たしてゴドウに何があったのかで次回が待ちきれなくなってきた次第です。

 

 

 そんなわけで次回はムツギ法師の真意、そしてゴドウと破滅の門の真実がついに判明する模様。予告の時点でムツギ法師が「あなたはホラーのいない世界を想像したことがある?」と意味深な発言をしており、創磨に何かを施そうとする様子もあって黒幕感バリバリです。物語も終盤に差し掛かり、これらの真相が如何なるものなのかをいよいよ覚悟して見た方が良さそうですね……

 

 

 ではまた、次の機会に。