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2024年冬アニメ&特撮簡易感想 その10

 

 

 

 先日、スーパー戦隊の公式X(旧Twitter)アカウントにて謎のポストが投稿されました。1994年に放送された『忍者戦隊カクレンジャー』のタイトルロゴが“30th Anniversary”に変化し、サスケ/ニンジャレッドと思われる人物の「よぉお前ら、元気してたか?」というセリフが流れるというもの。わずか10秒ながら、この情報には衝撃を受けました。まさかカクレンジャー30周年として何かあるのか!?という期待がファンの間で駆け巡ったことでしょう。公開を控えている『特捜戦隊デカレンジャー』のように、Vシネでカクレンジャー5人が再集結する可能性には確かに胸躍らせたくなります。

 僕自身カクレンジャーは最近YouTubeでの配信で視聴しましたが、ポップでコミカルな作風とバトルには大いに魅了されました。加えて中盤メンバーが一度分かれて新たな力を各々手に入れていく修行展開は、少年漫画的熱さもあって非常に好みです。スタイリッシュな初代忍者モチーフの戦隊として、今見てもかなり楽しめます。そんなカクレンジャーが新たに見られるとなったら、期待せずにはいられませんね。

 

 

 そのカクレンジャーの詳細については18日の午後5時半に発表する模様。これは30年前の当時、カクレンジャー第1話が放送された日時とのことで、中々の凝りようにニヤリときます。10日ほど先なので少々じれったいですが、ここは焦らず待つ所存です。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第16話「抗う意志」

 姫様も兵団もみんなカッコいい!!となった今回。オルト・ゾラの策略に次第に追い詰められていくものの、ありとあらゆる策を弄して逆に肉薄していく銀装兵団の意地がこれでもかと詰まっていました。ゾラの意表を突いた「ナサレナ・テルジアン」や脳筋理論で周囲を鼓舞する「クリストファー・オルグレン」、そしてスターリアを回収したモブたちなど、それぞれが適切かつ勇猛な活躍を果たす光景に惚れ惚れさせられます。そして極めつけであるスターリアの喰らいついていく姿勢は最高にカッコよかったですね。地に這いながらも野心や希望を一切捨てない目の輝きには改めて彼女のカリスマ性が感じられます。泥臭く戦い続けてついにはタラテクトラに一矢報いるラストまで含めて、その決してブレない精神に感銘を受けました。

 対するオルト・ゾラについては、スターリアを人間だった頃の主人と重ね合わせてしまうというまさかの精神攻撃を受けていたのが衝撃的。回想シーンで描かれたその主人ラクーシャ」姫の自信に満ちた態度はなるほどスターリアに似ていると思いつつも、それだけで徐々に揺らいでしまうゾラの意外な脆さに驚かされますね。オネエキャラがかつての自分と決別した証という情報も印象的で、彼がそこまでしないと竜として割り切ることが出来なかったことが伺えます。しかもその決別ですら万全ではなく、上述の醜態を見るに未練や無念を残していることが伺えます。上述のスターリアたちとは覚悟の差や揺るがない心持ち、そして過去と向き合えていたどうかが今回の勝敗を分けたと言っても過言ではないでしょう。

 

 

薬屋のひとりごと

第17話「街歩き」

 まさかまさかのデート回。壬氏たっての願いで彼を若干みすぼらしく見せる化粧をしつつ(それでも十分イケメンな辺り顔が良すぎるぞこいつ)、逆に猫猫が高貴なお嬢様の装いになって街を練り歩く様子にニヤニヤが止まらなくなりました。立場が逆転した状態をノリノリで振る舞うものの、如何せん普段のやり取りに戻りがちな2人にどこか微笑ましくなってきますね。猫猫を着飾る際にいつになく圧が強かった水連婆さんや、監視しながら露店の串焼きを堪能する可愛い馬閃と他の面々にもほっこりさせられます。

 しかし猫猫の養父や妓女のことを調べ回る壬氏によって両者の間に明確な溝が生まれつつある様子も感じました。特に妓女の境遇については明らかに猫猫の地雷を踏んでしまったことが伝わってきます。この手の女性の壮絶な扱いは想像に難くありませんが、いざ説明されると少々気が滅入ってしまいますね。

 また壬氏の秘密についてを仄めかす描写がいくつか見られたのも注目ポイント。今回のお忍びが彼にとってどれだけ難儀なものだったのかは言わずもがな、宦官としては不自然な要素が久々に出てきました。今回の猫猫のやり取りといい、壬氏の正体についても気になるばかりです。

 

 

SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)

第17話「Greyish zone」

 ノワールの機能停止に続き、カナタにとって苦難の展開が続く今回。何故か敵側に寝返ったトキオやついに正体を表したシエルなど、味方と思っていた面々が次々と敵に回っての四面楚歌状態だったのでかなり気の毒に思えてきました。久々登場のアルバとエイダのような良縁を描いた前半との落差に加え、OPやEDなしという特殊演出も相まって絶望感も凄まじいです。ノワールのために必要なゼロ型メイガスの素体探しという難題も残されている中、困難ばかりが降りかかるカナタの今後や如何に。

 そして今回カナタを追い詰めた三銃士の中でも、上述のトキオが最も衝撃的でしたね。マハトたちの真意を知るためにイデアーレに潜入するのはまぁわかるのですが、「白仮面」とか名乗り出すセンスには笑うしかありません。他にもシュネーがちょっと口が悪くなるレベルのムートンのすっとぼけなど、敵地に乗り込みつつもマハトのことを全力でおちょくるスタイルはある意味で彼らしいと言えます。そのため何だかんだでカナタのことを助けてくれそう、という安心感も生まれてきました。

 あとはアルバたちによってノワールが独立した存在であることが明かされたのも見逃せません。ミステルとは元々別のメイガスであるという点も気になるところですが、イストワールと関係あるのはノワールの方かもしれない可能性が出てきたのも興味深いです。ノワールの秘密が明かされる瞬間も楽しみです。

 

 

愚かな天使は悪魔と踊る

第5話「Turning point」

 2話で繰り広げられた堕とし合い&脳内ボクシングバトルがまたもや勃発するかと思いきや、待っていたのはまさかの正統派ラブコメ!?阿久津の態度に暖簾に腕押しどころかカウンターを喰らってばかりのリリーにまず笑ってしまいますが、途中から彼女の家でのイチャイチャに面食らってしまいました。パスタばかりの食事や映画鑑賞でのいざこざなど、これまでと比べても気心の知れた平和なやり取りばかりでトンチキぶりが普段よりも半端ではなかったです。加えて以前は激しい攻防を見せていた脳内ボクサーたちが、2人のバカップルっぷりに「なんかもう好きにしろよ」と呆れてるシーンがこれまた腹筋に悪かったですはい。

 それでいてクライマックスでの押し倒しハプニング、そしてお互い相手のことを意識し出す流れにはテンションが上がりましたね。リリーの色っぽさもさることながら、動かない2人がもしや……と思わせてくる流れで見ている側もドギマギさせられます。天使と悪魔の戦いから始まった陥落バトルがいつの間にか、両者惹かれあっていることで甘酸っぱい恋愛へと発展していく構成は見事なものです。敵対している者ではなく、純粋に気になる異性として認識し出した阿久津とリリーの今後には劇中のボクサーたち動揺目が離せません。

 

 

メタリックルージュ

第5話「カーニバルは忘却と踊る」

 突如出現した謎のサーカス集団との戦いは、ルジュの記憶を巡り信念を探す旅として繰り広げられていました。突然の過去編突入か?と思わせておいて謎の「人形遣い師」によるものとわかった時の困惑は大きかったですね。簒奪者関係者であるらしいサーカスの連中の目的の不明瞭さ、ルジュの記憶と幻覚が交互に入れ替わる過程を理解することには少々苦労してしまいました。

 しかしその過程でルジュが如何に縛られているか、そこからどうやって脱出するかが描かれていたのは興味深いポイント。兄のような存在である「ジーン・ユングハルト」から命じられてインモータルナインを追っている事実など、彼女が最初からネアンとして生き方を定められてしまっていることが伺えます。それ自体は悲壮感たっぷりなものの、ルジュ自身が疑問を持ったりナオミが助けに入るなどして光明が見えてくるのは良かったですね。個人的にはナオミのドライな仕事人を振る舞っているつもりで、その実情に厚い一面には救われました。この調子で彼女がルジュの枷を解き放ってほしいです。

 あとは2人の前に現れた謎の黒いグラディエーター、もとい2話から登場している「エデン・ヴァロック」の助太刀も印象的。彼がインモータルナインの1人であることは確定でしょうが、敵とばかり思っていた陣営故に今回の行動には疑問を持ちますね。インモータルナインも一枚岩ではないということでしょうか。

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第2話「トレジャーハンター現る」

 『ウルトラマントリガー』よりさすらいのトレジャーハンター「イグニス」が登場。『デッカー』ではついぞ登場しなかったこともあり、彼の久々の出演には思わず感銘を受けましたね。加えてトリガー序盤の不敵な態度も戻ってきており、謎のGUTSハイパーキーを見せてユカにある依頼をするつもりなのが実に彼らしかったです。(それでいてユカの質問に何でも答える辺り親切っぷりも健在)一昨年のウルサマステージで初登場した謎のロボット「マウンテンガリバーⅡ-Ⅴ」を何故連れているのかも気になるところ。

 振り返りパートではまずトリガー本編のゼット客演回が映されました。ユカが知らなかったハルキとゼットの別宇宙での出来事をイグニスが語る、というごく自然な形で入っていくのがこれまた絶妙ウルトラマントリガーとゼットが繰り広げたバロッサ星人(四代目)パワードダダとの戦いを挟みつつ、異なる宇宙での文化交流みたいになっていたと思います。また最終的に破壊されていたキングジョー ストレイジカスタムが修復されていたことが明かされるなど、本編の補完が為されていた点もグッド。

 あとは『ウルトラマンギンガ』の紹介もされたことですね。ギンガの強さや美鈴がレッドキングにウルトライブする場面など簡単に映された程度ですが、マウンテンガリバーの「別の宇宙のウルトラマンのデータも記録されている」という設定を説明するには打ってつけだったとも言えます。ニュージェネ1号であるギンガを皮切りに他のニュージェネウルトラマンの物語も語られていく……と思うと悪くない滑り出しです。

 

 

 カクレンジャーといえばケイン・コスギさんといった俳優陣も魅力的ですが、個人的には主題歌の「シークレット・カクレンジャー」がお気に入りだったりします。三味線などの和楽器をリズムに入れながら、どこか洋楽的なアレンジも多い曲調は中々にオシャレです。(そもそも従来の戦隊の曲のように「タイトルがそのまま曲名になっている」タイプではないのが珍しいです)

 そして何といっても三者から見たカクレンジャーを歌った歌詞が特徴的。「夕暮れやっとあの子といい感じ」と若者の青春模様に突然割って入ってブラックホールに消えるという、ヒーローソングとは思えない摩訶不思議な内容は色んな意味で新鮮です。戦隊らしさも忍者らしさもないのにどこか素敵という、当時としては異質だったであろうカクレンジャーを見事に表している名曲だと思います。気になった人は是非調べて聞いてみてほしいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。