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2024年冬アニメ&特撮簡易感想 その18

 

 

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 先日ネット上にてとある怪獣特撮映画の情報を発見しました。カミノフデ ~怪獣たちのいる島~と銘打たれた本作の監督を務めるのは、美術造形家の村瀬継蔵(むらせ・けいぞう)氏。最初こそピンときませんでしたが、調べた結果モスラ』をはじめとした東宝怪獣映画の怪獣の着ぐるみなどを手掛けてきた特撮造形のレジェンドと知り衝撃を受けました。あの美しい初代モスラや『ゴジラVSキングギドラ』の雄々しいキングギドラはもちろんのこと、『仮面ライダー』のサイクロン号に『ウルトラマンA』のベロクロン&バキシム有名どころ怪獣たちの生みの親という事実には感動するほかありません。(特撮以外だと劇団四季の背景造形物や、岡本太郎氏の「太陽の塔」の内部に展示されている「生命の木」などにも関わっています)

 そんな村瀬氏が今回初の監督作品として、40年以上前に制作したプロットを元に作ったのが本作とのことです。往年の造形化として劇中に登場する怪獣・ヤマタノオロチ着ぐるみによる操演のみで表現することも報じられており、CGを多用することが多くなった現代特撮から敢えて逆行した表現を選ぶ渋さも特撮オタクとしてはたまらないです。予告からもそのレトロでぎこちなさがあるものの、耽美にも思える着ぐるみのオロチが映っておりテンションが上がってきます。(あとは主人公の少女と一緒にいるウサギのようなマスコット怪獣も気になりますね)怪獣造形の美術的な面を押し出してくれそうなカミノフデ、公開が楽しみな映画として覚えておきたいです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第20話「オレを見ていてくれ」

 いよいよ始まる王都突入前の準備と、突入後の激しいバトルが繰り広げられた今回。何といっても後者の銀装兵団VS翼の血族VSクリムゾン陣営の入り乱れた戦いに早くも興奮させられました。アルティマティアが時を操れなくなったことに気付いたクリムゾンの介入のおかげで、混沌としていながらも戦いに希望が持てるようになったのが面白いですね。そしてゴーレムの新ボディと出撃方法があまりにもロボットアニメすぎて一見ファンタジーな世界観とのミスマッチに吹き出してしまったり……

 また前回から引き続き、ラグナの戦う理由などがハッキリと確立されていく過程が大きな見どころとなっていました。多くの人たちが自分のような力を持って戦えるようになる未来を望み、そのために全力を尽くすようになったのは大きな進展と言えるでしょう。中でもボロボロのスターリアを前にした時の彼女のことも自分のことも諦めない、生き残るために戦いに臨む姿にはちょっとした感動を覚えます。これまでの捨て鉢っぷりが消え失せたこと、何よりスターリアが作ってくれた剣の力で今まで以上の力を出せるようになったのもエモくて燃えます。この状態のラグナのウォルテカムイとの最終決戦が楽しみで仕方ありません。

 

 

薬屋のひとりごと

第21話「身請け作戦」

 前回までのきな臭い話とは一転して、今回は李白が主役のほんわかエピソード。以前緑青館に来た際に相手をしてもらった妓女「白鈴(パイリン)」の身請けを目論む、どこか思春期男子染みた様子に笑ってしまいました。相談を受けた猫猫とのやり取りもコミカルで、裸を晒す様子を壬氏に見られてからのアンジャッシュ状態は腹筋が崩壊しそうになりましたね。特に壬氏は誤解が解けた後も李白に少々けしかけるなど、猫猫への独占欲の強さがこれでもかと出ていて最高に面倒くさくて気持ち悪かったです。(他には前半の徐々に育ちの良さが判明してきたやぶ医者が貴重な癒しになっていました)

 そんな壬氏や色恋に疎い猫猫に多少振り回されて大変だった李白ですが、白鈴への想いは本物だとわかって安心しました。壬氏による揺さぶりを前にしても、自分の力で彼女の身請けを望む姿勢は好感が持てます。如何にも男社会の考えに加え白鈴がどう思っているのか不明なまま話が進んでいますが、叶わぬ恋だとしても李白を応援したくなる魅力があったと思います。欲に忠実ながら真面目で不器用なところは、まさに劇中で猫猫が評していた「愛すべきバカ」そのものでしょう。それはともかく白鈴の母乳が出る特殊な体質についてkwsk

 

 

SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)

第21話「Your song」

 イデアールとの決戦前の1つの準備、シエルのボディを手に入れたノワールが前に進むための物語が描かれた今回。最初は彼女の死とそのうえで成り立つ自分の生存に戸惑っている様子でしたが、シエルが開催出来なかったライブを引き継ぐことで彼女の供養と自分のやりたいことを定める過程をしっかりと魅せてくれました。シエルが遺した曲をノワールの歌としてみんなに届ける、その意味を持ったうえでサブタイの“Your song”が響きます。視聴者にとっても中々受け入れられなかったシエルとのお別れをしっかりこなしつつ、新たに自己を確立したノワールの誕生を祝う素敵な回だったと思います。

 またトキオがサラッと帰ってきて自身の過去をあっさり話していましたが、あまりにも軽いノリだったので内心ズッコケてしまいました。しかもサブキャラたちが総出でノワールに協力してくれるエモい展開の中で、しれっと白仮面をノリノリで再使用しているのが面白すぎます。この辺りはカナタに嫌われたくないといういじらしさも読み取れるのですが、ここまで待たされた身としては如何せんヤキモキしてしまいますね。(しかもノワールの歌を見届けた後またどっか行っちゃうし)まぁカナタに思いっきり殴られたことでスッキリしたのは何よりですし、向こうも受け入れてくれたので良しとしましょう。

 

 

愚かな天使は悪魔と踊る

第9話「No absolutes」

 以前暴走したリリーの素体もとい「リーリヤ」が突然登校してきて何事かと思ったのも束の間、彼女のポンコツJKライフっぷりに大笑いしてしまいました。持ち主であるリリーのことを想っているものの、彼女のスリーサイズや流れ込む感情などを口に出してしまう迂闊なキャラが何ともシュールです。それでいて阿久津を糾弾するシーンをはじめとして、前回のリリーのモヤモヤに触れてきたのは面白いところですね。両者ともに相手への好意が無自覚なまま進んでいるこの状況で、ハッキリと言及してメスを入れる彼女の存在はかなり有難いと言えます。(加えてハムハム夕香ちゃんのお節介も良き)

 そんな連中による横からのアドバイスや後押しを経て、リリーと阿久津のギクシャクしていた関係が徐々に修復していく過程にもホッとさせられました。途中こそジェラシーによって「醜い顔をしている」と自身を卑下していたリリーにハラハラさせられたものの、阿久津が嫉妬の原因に気付いてからは一気に微笑ましい様子に変わっていって一安心です。客観的に見るとイチャイチャしているように見えるのに、本人たちはそれを知らない現状。その膠着状態を第三者の介入によって一歩先に押し上げてくれて本当に良かったです。ここからいつも通りになっていった2人のその後も見たいところですね。

 

 

メタリックルージュ

第9話「訪れ来た者たち」

 乱戦に次ぐ乱戦の結果ジーンがジルたちに攫われる緊急事態にまで発展、そんな中ナオミたちが明かしたさらなる真実の連続に劇中のルジュ共々混乱することに。何といっても来訪者もとい「ゼノア」の正体とその目的が衝撃的で、長いこと謎だった金星開拓が彼らのための計画だった話に驚きつつも納得させられました。ネアンもゼノアの新天地のために造られた存在であり、結局のところ道具に過ぎなかったのは結構ショッキングですね。ゼノアの合理的を追求する人格といい、心というものがことごとく蔑ろにされているのは良い気分ではありません。(とはいえ後述のナオミの「休暇」に納得してしまうゼノアの一面はちょっと可愛いと思ってしまいましたが)

 そしてナオミの正体もネアンという事実にこれまた度肝を抜かれました。ネアンのルジュに対する人間のバディとばかり認識していたのでこれには動揺を隠せません。そのうえ実質的なゼノアの手先である点もショックが大きくて、ルジュが信じられなくなるのも無理はないと思います。しかし後半に入ってからはルジュの想いを尊重し、自ら「休暇」という形でゼノアの命令から離れる選択を取ってくれたのは嬉しかったですね。合理的な判断を下すドライな部分はあるものの、相棒のためにそれを捻じ曲げてくれるだけの情があることが伝わってきました。何より長いことバラバラに行動していた2人が1つの目的のために協力出来るようになって、ようやくバディとして完成したと感じます。

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第6話「出撃! その名はアースガロン」

 今回はウルトラマンシリーズ最新作である『ブレーザー』の第3話の実質的な再放送。主人公のゲント隊長をはじめとしたSKaRDの隊員たち、そしてアースガロンの活躍などブレーザーという作品の空気感をわかりやすくまとめている1話としてこのエピソードが紹介されるのも妥当かと思います。当時放送された時に視聴した身としては、SKaRDメンバーの初々しさやウルトラマンブレーザーのコミカルな動き(あとやたら存在感のある関智一さん)などで既に懐かしさを感じました。またこの回に登場したタガヌラーが放った光線が、本作全体の大きな伏線となっていたことを知ったうえで見ると感慨深いですね。

 そんなブレーザーたちの活躍がユカのパソコンに送信されてきたわけですが、持ち主が居ぬ間に勝手に再生されていつの間にかアースガロンのハイパーキーが生成されるラストには度肝を抜かれました。他の宇宙の人間がゲント隊長やブレーザーの存在を知らないまま話が進んでいく点は、シリーズの中でも独立しているブレーザーの世界観を忠実に守っているのがわかってニヤリときますね。しかしパソコンにこのデータを送ってきたのは何者なのか……?その辺りの謎が今後気になるところです。

 

 

 上述のカミノフデですが、さらに調べたところ元々は『神の筆』というタイトルで2021年に制作が開始された企画だったようです。当初はクラウドファンディングで制作費を募っていたものの、徐々に規模が大きくなり、同時に2022年~2023年完成と遅れに遅れてしまったとのこと。その結果今年の夏にようやく公開とものすごい時間がかかってしまっているのが世知辛いですね。(タイトルだけでなくストーリーも当初から結構変わっているようですし)

 とはいえ企画そのものが頓挫することなく、こうして日の目を見ることになったのは喜ばしいことだと思います。そのおかげで僕も本作の存在に触れることが出来ましたし、着ぐるみのみでの映画だからこその味を魅せてくれるであろう機会に感謝したいところです主題歌がドリカムことDREAMS COME TRUEさんなのも地味に気になっていたり。

 

 

 ではまた、次の機会に。