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2024年冬アニメ&特撮簡易感想 その8

 

 

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 1984年に北米にて誕生し、翌年では日本に上陸して長く愛されるコンテンツとなったトランスフォーマー』が今年で40周年を迎えることに。それを記念した40周年記念プロジェクトのティザーPV「“OUR ORIGIN”」が先日公開されました。玩具やコラボイベントなど、様々な企画を用意しているようでファンとしては期待感に胸が高まります。

 

 

 現状発表されているプロジェクトの中でも特に注目しているのが過去作品の配信。全ての始まりである初代トランスフォーマーこと『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』と、和製ビーストとも呼ばれている『ビーストウォーズⅡ 超生命体トランスフォーマー』の2作品が順次タカラトミーYouTubeチャンネルにて毎週配信されるとのことです。この2作は以前も配信されたことがあるのですが、またこうして見る機会が出来たのは嬉しいところ。

 

metared19.hatenablog.com

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↑以前それぞれの作品が配信された時の話については上の記事を参照。

 

 大真面目にやっているはずなのに何故か笑えるシュールギャグとカオスの連続を見せつけてくる初代TF(人によっては『勇気爆発バーンブレイバーン』とは別の“天然の狂気”を感じると語る)と、作画の荒さを各陣営のアットホームな雰囲気や複雑な家族関係、ライオコンボイガルバトロンの因縁などで見事にカバーしたビーストセカンドそれぞれ異なる魅力を内包しており、どちらも個人的にもおすすめしたい作品です。

 現在TFのアニメは最新作の『トランスフォーマー アーススパーク』が放送されていますが、昔の作品にも触れる機会を用意してくれるのは新規にも優しいと言えます。『ビーストウォーズネオ』『マイクロン伝説』といった他作品の配信などにも期待しつつ、これらの配信が始まった時には逃さずチェックしておきたいですね。

 

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ラグナクリムゾン

第15話「潜在する覚醒」

 クリムゾンとオルト・ゾラ、味方と敵それぞれの外道合戦はますます激しさを増していくことに。何といっても転移魔方陣をフーたちから奪い取り、有能な者だけを生かそうとするクリムゾンの行動に軽く引くことになりました。どこまでも冷徹かつ合理的な判断で、最低限の味方からは賛同を得そうなラインを選んでいるのが実に邪悪ですね。(それで安心しているモブ魔法士たちにもドン引きしたり)誰からも愛してもらえるよう中性的な見た目にしている事実も明かしており、人間の”愛”をここまで自分に都合よく解釈して利用するクリムゾンの恐ろしさが身に染みて伝わってきました。

 そんなクリムゾン無双になるのかと思いきや、そばかす魔女の「マジョルカ」(フーと兄妹という事実にもびっくり)によって跳ばされる展開で一転して笑ってしまいました。優秀な人材に喜ぶ傍らで「遊びすぎた」と後悔しながら落下していく様には上述のくだり全ての鬱憤が晴らされましたね。クリムゾンがあくどい作戦で周囲を引っ掻き回すものの、直後に必ず痛い目を見る形で視聴者の溜飲を下げる本作の絶妙なヘイト管理がよくわかります。

 あとは覚醒したラグナがシンたちと成竜を狩るパートでは、わかっているようでわかっていないラグナに呆れ返ることに。前々回のシンの説教を受け止めたはずが大抵のことを自分1人でこなしてしまうなど、「協力」の意味をまるで理解出来ていない姿には苦笑いするほかありません。素直に謝罪する様子も態度が態度なのでイラっときますし、彼の根っこの異常さは未だに治っていないことを思い知らされました。

 

 

薬屋のひとりごと

第16話「鉛」

 今回の事件はとある彫金細工師の自宅の奇妙な部屋の謎を解くという、いつにも増してトリック仕立ての内容となっていました。亡くなった老細工師の遺言を頼りに、息子それぞれに渡された遺産や変わった間取りの仕組みを解き明かすパートは見ていて中々に楽しかったですね。特に光の屈折を駆使して鉛を溶かし、タンスの鍵をその場で作り出すギミックには舌を巻くばかり。わかりやすい図説も映されており、ここまでの謎解きの中でも見応え抜群のものに仕上がっていたと思います。それを解き明かす猫猫のいつも通りのちょこちょこムーブと、それに苦労する「馬閃(バセン)」の高順を彷彿とさせる苦浪人っぷりにもニヤリときます。

 そんな面白トリックを用意した細工師が遺した息子たちへの想い、それを受け止めて和解していく兄弟たちのパートもベタながら素敵でしたね。細工師としての才能に溢れた末っ子にコンプレックスを抱いていた兄2人が、経営など別の手段で仕事を支えるという道を選んだのが物語として非常に収まりが良かったです。(個人的には猫猫が関わらずとも兄弟が自力で仲良くやっていった点にほっこりしましたね)また家族に対して腐ることなく自分の得意分野を活かして協力する過程も見事で、これこそ最後に羅漢がまとめた「適材適所」そのものと言えるでしょう。

 

 

SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)

第16話「Noir Rain」

 ノワールの悲壮な姿と最後に涙と動揺が止まらない……以前から「自分はカナタの力になれない」と無力に打ちのめされていたノワールですが、ミステルの修復によって自身の人格の消滅を迎える展開でその考えが余計に悲しく映っていました。メイガスとしてマスターを成長させるという役割に囚われて、カナタがノワールに求めている「家族」としての相棒の形に気付いていないのがまた切ないですね。カナタに喜んでもらおうと料理に挑む姿が健気なのも相まって、見ていて胸が締め付けられましたよえぇ。

 そんなノワールが今回エリーたち町の面々と触れ合う過程も後の悲哀を増大させていました。マイケルやマムといった個性的な面子がここぞとばかりにノワールと仲良くしている光景を見せることで、その後の別れをより哀しくさせてきているのがニクいです。同時にノワールが自分でも気付かないほどみんなに必要とされているのがわかり、最後にノワール自身が「消えたくない」と言えるきっかけに繋がっていたのも興味深かったです。

 しかし最終的にノワールはどうなってしまったのか?という疑問を残したまま終わったのでモヤモヤが凄まじいです。ミステルですら踏み込めない領域が存在していることも判明しましたし、この2人が共存出来る可能性はないのかとつい考えてしまいます。(当然ミステルの方にも愛着が湧いてきたのでどちらも消えてほしくないです)総じて頻繁に入れ替わる展開で安心してきた視聴者を、後ろから刺してくるような回でしたね。

 

 

愚かな天使は悪魔と踊る

第4話「Heat limit」

 もしかして悪魔ってみんなポンコツなのか……!?という疑惑が深まった今回。冒頭からリリーVS野犬の悪魔の激しい戦闘が繰り広げられていましたが、悪魔の方が人型になってから一転してギャグの応酬に変化して笑いが止まりませんでした。某西川貴教兄貴が来ていたような謎ボンテージ姿を見せつけてくるだけならまだしも、絶妙に情けない犬悪魔兄貴のキャラクターはかなり強烈だったと思います。そんな悪魔すら置き去りにする、阿久津とリリーの五・四・五対決も腹筋に悪かったです。(マジレスされて泣き出す阿久津はメンタル弱すぎない?

 さらに阿久津の上司である悪魔「リズ」も本格的に登場。見た目からして優秀そうなオーラを出しているのに、いざ口を開けばロクな作戦しか提案しない点に頭を抱えてしまいました。明らかなナンパ指南などくぎゅボイスでズレた発言ばかりしてくるのは中々に破壊力が高いですね。1話で阿久津のハゲ作戦を授けた張本人であることも納得のキャラでしたが、それでいて阿久津に任務失敗の危険性を暗に伝える仄暗さを見せてきたのはある意味で悪魔らしいと言うべきでしょうか。

 また阿久津がリリーに対する認識を大幅に改めていく様子も大きな見どころでした。浄化した悪魔を然るべきところに預けるなど、無闇な殺生を避ける姿勢は確かにこれまでの阿久津視点のリリーからはかけ離れているかもしれません。そしてイメージしていた天使とは全く違う奇妙な優しさにドギマギしつつ、彼女を意識し始めるのが何とも甘酸っぱいですね。憎たらしいと思っていたリリーを最終的にどう認識していくのか、阿久津の変化も気になるところです。

 

 

メタリックルージュ

第4話「自由と幻影と」

 前回発生したユバルの殺害事件とそれに伴い訪れるCFNの危機。彼らに拘束されたルジュが人間とネアンの間に揺れ動いたり、自分の殺した相手の幻影に苦しめられるなど視聴者にも心苦しい展開が続きました。(とはいえ後者の幻影は半分は知らない奴なのでピンとこないものもありますが)さらに今回の騒動の犯人であるアフダルがインモータルナイン「幻影のヴェルデ」だと判明し、事態がドンドン混迷を極めていくので見ていて混乱が止まりません。個人的にはぶっきらぼうながら優しいと思っていたアフダルの冷徹な面には素直にショックを受けてしまいましたね。ただアフダル本人が自分がロクな奴じゃないと言い聞かせているだけのような気もします……

 そんなアフダルもといヴェルデとの戦闘では「自由など存在しない」という無慈悲な現実を突き付けてくる語りが印象的。ネアンへの差別は終わるどころがさらに縛られていき、それを行う人間たちも無自覚なまま何かに縛られている……残酷ながら何となく理解出来てしまう世界の仕組みには言葉に出来ない胸の痛みが走ります。特に2話からずっと自由について考えていたルジュがその言葉に動揺するのが辛かったですね。子どものような純粋さを持つ彼女が上述の罪の意識や現実に打ちのめされる様は、求める自由に囚われている人々そのものを表しているかのようでした。まさに自由とは果たして何なのか?と問いかけずにはいられない要素満載だったと言えます。

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第1話「セブンガー強化計画」

 『ウルトラマンブレーザー』が完結し、毎年恒例のクロニクル枠が今年もスタート!何と去年放送されていた番組と同じタイトルを冠しており、今年も引き続き「ニュージェネレーション」と呼ばれるウルトラマンたちにスポットを当てていくようです。ブレーザーもニュージェネに数えられているのが個人的にも嬉しかったり)

 ストーリーとしてはSTORAGE(ストレイジ)に所属する「オオタ・ユカ」が特空機1号 セブンガーにさらなる強化を施すために奮闘するようですが、序盤から行き詰っている様子にちょっとフフッときてしまいました。宇宙に行くなど割とやることやり尽くしているセブンガーにこれ以上何を施せばいいのか……?と悩む理由にも頷かされます。あとはラストにハルキがアキトから借りパクしたままっぽいGUTSスパークレンス一式が、ユカの手によって保管されていた事実にも仰天しましたね。

 そして映像での振り返りではユカ自身の回想という形で『ウルトラマンZ』本編の映像が流れましたが、あのウルトラマンゼットちょっとクールに描かれているように感じたのがちょっと意外。ハルキや視聴者には天然ボケの多いキャラが知れ渡っているものの、彼女の視点だとそれがわからないから理知的に見えるということなのでしょう。本編でのカッコよさはそのままに、ウルトラマンとしての神秘性を周囲に認識させているゼットはなるほどヨウコ先輩が惚れるのも納得かもしれません。

 

 

 トランスフォーマーは40年の歴史があるので実に様々なアニメが存在しているのですが、個人的に好きなのは『マイクロン伝説』『スーパーリンク』『ギャラクシーフォース』の3作品だったりします。まとめて「ユニクロン3部作」とも呼ばれているこの作品群が直撃世代だったメタレドとしては、またみんなと視聴して感想を共有したい!という魅力がありますね。マイ伝のカッコよすぎるスタスクなどは有名ですが、他にもマイ伝アイアンハイドの人情やホットロッドの成長、アルファQの葛藤、それに応えるキッカー、ベクタープライムや各惑星のコンボイたちなど、語り始めたら止まらなくなりそうです。そんな本作についてちょっと見返したいなという欲望をひっそりと、でもその時を楽しみに今は潜ませておく所存です。

 

 

 ではまた、次の機会に。