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2023年夏アニメ簡易感想 その14

 

 

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 実写映画『ビースト覚醒』も公開され、今度は「ミッシングリンク」なる新企画も発表されたりと絶好調のトランスフォーマーシリーズ。それを受けてか、YouTubeタカラトミー公式チャンネルでシリーズ最初のアニメ作品である『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー』の期間限定配信が先日始まりました。パイロット版とも呼ばれる第1~3話までの序盤(と何故かスカイファイアー初登場回の第57話)というチョイスとなっています。

 「G1」の通称を持つ初代トランスフォーマーのアニメですが、作品としてはとにかくネタ要素が多いのが特徴。戦争を繰り広げているはずなのに死者が1人も出てこないので妙に雰囲気が緩い他、異様に濃い各キャラクターと異常なテンポで進むストーリー、頻発する作画ミスの連続で見ていてとにかく飽きません。上に貼り付けている1話だけでも……

 

  • 政宗一成かくしてサイバトロン戦士たちは、正義と平和のために敢然と立ち上がったのである!」→初手サイバトロン戦士がエネルギー泥棒をするシーン
  • プロール「宇宙探索に出かけては?」コンボイ「そうしよう(食い気味)」
  • ポカポカ殴り合う宇宙船での戦闘
  • 前半で地球に墜落してからいきなり400万年経過する(この間に『ビーストウォーズ』が描かれる)
  • 「エネルギーを無駄にするな」と注意されても攻撃を止めないスタースクリーム(しかもその攻撃のせいでサイバトロンが目を覚ましてしまう)
  • クリフデストロンの奴らを2、3人血祭りにあげてきます!」
  • スタスク「資材はどうするんですか?」メガトロン「そんなことくらい自分で考えろ!」スタスク「(サウンドウェーブに向かって)おい何かいい考えはないか?」
  • コンドルさんはこの頃から優秀
  • 破壊された原子力発電所に普通に近づいて無事な地球人
  • やたらと勇敢かつ強いスパイク&スパークプラグ親子

 

 とまぁこんな感じで面白ポイントが盛りだくさんです。もちろんネタ要素以外にも見どころが多い本作なのですが、気軽に楽しめる明るいロボットアニメであることは確かなので興味があったら一度見てみるのは如何でしょうか。下に続く

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

BLEACH 千年血戦篇ー訣別譚ー

第19話「THE WHITE HAZE」

 前回の恋次に続き、今回はルキアが修行の成果を披露してくれました。袖白雪の本当の能力である「自身の体温の低下」を駆使し、エス・ノトの恐怖に対抗していく光景は文字通りクールといったところ。(「体表温度の低下で攻撃を皮膚の辺りで止めている」と説明がありましたが、ルキア自身の心も冷やして恐怖を感じさせなくしているかのような描写にも見えました)極めつけは満を持して習得した卍解白霞罸(はっかのとがめ)」で、一瞬にしてエス・ノトを凍結させて倒すシーンのインパクは計り知れなかったです。ルキアの雪女のような変化といい、EDの特殊演出といい、今回は特に絵作りに気合が入っているのがまた素敵でした。

 ルキア以外にも白哉始解で迎撃するなど活躍していたのも印象的。特にルキアに対し素直に「よくやった」と褒めるくだりは、あの口下手な白哉が……!という衝撃と感動に満ち溢れていましたね。言葉でわかり合えた兄妹の絆の前では、敵が与える恐怖はまさに遅るるに足りず……ともいうべき構図にテンションが上がります。

 他には今回倒されたエス・ノトの描写も目に焼き付きました。わずかに描かれた回想シーンと「陛下に叱られる」ことを恐れる独白から、彼の異質さと子どもっぽい感性が読み取れます。松岡禎丞さんの演技もあって、何よりも恐怖に怯えていた敵の心象がよく表れていたと思いましたね。

 

 

シュガーアップル・フェアリーテイル

第18話「幽霊なんかこわくない」

 前回アンが大騒ぎしていた幽霊騒動、その真相は忠義からくる悲しいすれ違いで……城でずっと主人を待っていたという妖精「ノア」の我慢は悲劇的で、主人に帰ってきてほしいあまり自分の身を削ってまで待つその様子に胸が痛みました。彼が信頼を寄せる主人「ハーバート」はノアに自由になってほしかったのが伝わってきた分、帰ってこない者を待つ忠犬ハチ公を見ているかのような気分に陥ってしまいます。それ故謎の夢で主従の問題を知ったアンが、どのような形でノアを解放してくれるのかは見ものですね。

 それらの問題の他にも、グラディスの怪しい行動も見どころになっていました。妖精たちの輪にフレンドリーに入って来たかと思いきや、今度はアンに接触する……とまるでシャルを挑発するかのような振る舞いには思わず緊張が走ります。(アンを誘惑しようとした彼に対し、静かに怒るシャルの据わった目が印象的)というか愛玩妖精であることを活かしてアンに近づく際のグラディスの絶妙な気持ち悪さが否が応でも目に焼き付いてしまいましたね。雨で銀砂糖が湿るといったピンチも発生した中、暗躍を続けるグラディスにも目が離せません。

 

 

SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)

第6話「Dice is cast」

 バカラネストというギャンブル街で以前登場したメイガス「シエル」が登場。初登場時から感じ取っていた独特の雰囲気がマスターを持たないメイガスという身の上から来るものだったと知って一気に彼女に興味が湧いてきました。歌姫として活動している点といい、これまでドリフターの相棒(あるいは道具)としてのメイガスのイメージがひっくり返った気分です。理想のマスターと契約を結ぶことを夢見ているようですが、彼女がマスターに何を求めているのかが気になるところです。案外カナタを狙ったラブコメ展開になったりして……

 そんなシエルを救うため、ランゲの用意した戦いに挑むカナタたちの戦闘シーンには見入りましたね。これまでの経験を活かしてかモブドリフターをバッタバッタとなぎ倒していく光景に、カナタの成長が感じられます。黒仮面の助太刀など予想していた展開も多く、待ってました!と言わんばかりに盛り上がることが出来ました。一方で窮地にノワールがメイガススキルを発動するシーン(名前に相応しく黒くなるのがポイントっぽい)もありましたが、どうにも不穏なものを覚えてなりません。直後の「私はノワールです」と自分に言い聞かせているかのような言葉からして、失われた記憶が一時的に戻っているのでしょうか……?

 

 

好きな子がめがねを忘れた

第7話「好きな子のめがねを持って帰った」

 小村くんはさぁ……妄想逞しいタイプの思春期なの?と言いたくなった前半。三重さんが学校で忘れためがねを預かる漢気を見せた矢先、謎のイメージでドギマギする主人公に愕然とせずにはいられませんでした。好きな人のものに緊張する気持ちはわかる一方で、三重さんのめがね=三重さん自身が部屋にいるみたいな妄想を広げる辺りはそうはならんやろ、と思ってしまいます。しかも本物三重さんが「私が小村くんの家にお邪魔しているみたいだね」と言い出したせいで余計に妄想が加速する流れがあまりにも面白かったです。小村くんの気持ち悪さも来るところまで来た気がしますね。

 対する三重さんも小村くん相手にグイグイ来るなど相変わらず。序盤こそ染谷さんとのやり取りで顔を近づけられる羞恥心を覚えたのに、ものの数エピソードでいつも通りに戻ってしまったことにかえって安心感を覚えてしまいます。さらには小村くんの手をぐにぐに触るシーンなど、めがねをかけている時でも距離感がおかしい描写が出てきたので仰天してしまいました。例によって小村くんに向けた好意が駄々洩れでしたが、徐々に当人も気付きそうなレベルにまで達していると思われます。

 

 

贄姫と獣の王

第18話「救出と宿命の対決」

 王の命を狙うフェンリルと、サリフィ救出に向かった王様がついに対面。玉座を巡って繰り広げられた戦い、その血みどろの闘争はあまりにも凄惨でした。お互いに魔力を使い果たしたうえで爪と牙を突き立てる戦いぶりは流血描写もマシマシで、要所要所で見せる作画の激しさも相まって目をそらしたくなるほど痛々しかったです。

 そんな戦いで心が折れそうになりながらも、レオンハートの名前を支えに立ち上がる王様の必死さには胸を打たれましたね。自分のことを卑下しがちな彼だからこそ、サリフィから貰った「勇敢なる心」の名に相応しい者であろうとする姿はあまりにも鮮烈でした。見事フェンリルに勝利し、血塗れになりながらもサリフィに抱きしめられるシーンのカタルシスも凄まじかったです。

 対するフェンリル奪われた誇りを取り戻す、それだけを支えに戦い抜いたのは敵ながら天晴。一方で敗北後グレイプニルに自らを殺させたことといい、誇りという名の呪縛に囚われていたことが伝わって少々しんみりしてしまいました。ニルもニルでフェンリルの道具として、最後に彼を呪縛から解き放ってやれたと悲壮な面立ちを見せていたのが印象的でしたね。歪ながらもある意味で真っすぐだった、この2人の主従と友情に涙せずにはいられなかったです。

 

 

 上で初代トランスフォーマーのネタ要素について触れましたが、個人的には正義のサイバトロン(オートボット)と悪のデストロンディセプティコン)の対比にも注目してほしいところ。対立する2つの組織の在り様は、実に対照的で興味深いです。

 例えばサイバトロンをまとめるコンボイはリーダーとしては頼りない一面を持っていますが(ただしタイマン時の戦闘では鬼のように強い)、仲間想いで思い切りの良い性格もあって人望が厚いのが魅力的。未熟な点も個性豊かな部下に支えてもらい、一丸となってサイバトロンを指揮していますマイスターアイアンハイドなど、副官ポジションが多いのも強みですね。

 対するデストロン破壊大帝メガトロンの強さとカリスマもあって組織としては非常に強固。ただし彼のワンマン・独裁体制ということもあって、メガトロンなしでは途端に烏合の衆と化す危うさを持っています。(スタスクが重宝されているのはメガトロンがいなくても自発的に行動出来る数少ない人材だからなんですよね)仲間同士で協力していくサイバトロンとでは、このいざという時の対応力に大きな差が出ています。

 他にもサイバトロン戦士は普段は地球の遊びなどに興じることがあるもののデストロンはそれがない……など様々な相違点が見られるトランスフォーマーの2大陣営。民間の組織と軍隊というそれぞれの性質もあって、これらの違いは中々に面白いです。そういったところに注目して見てみると、このシリーズをより楽しめるかと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。