どんな形であろうとも
志を貫いてみせる
大智って味方になるとこんなにも頼もしいんだなぁ……
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- 揺るがぬ心で悪辣蛙を討つ
道長と奮闘と大智の協力もあって姉・沙羅を救い出すことに成功した景和。今回のギーツはそんな彼がついにケケラと決着をつける展開が描かれました。この辺りは前半までのケケラの反転アンチぶりが目に焼き付きましたね。景和以外のライダーを排除し(道長たちがモチーフの置物になっているのが何とも可愛い)、彼が囚われの一般人を助け出せるかというゲームで弄ぶ様子にはちょっとドン引きさせられます。
一見助け出せそうで、ケケラの妨害のせいで絶対に手が出せなくなっている構図に、ケケラの性悪さが垣間見えます。そんなケケラの変化を大智が「蛙化現象」*1と説明していましたが、彼のモチーフも相まって実にぴったりだと思いました。自分の思い通りにならない推しに対する歪んだケケラの感情は、まさしく好意がひっくり“カエル”この言葉に相応しいと言えます。
最悪のゲームを仕掛けてきたケケラに対し景和も最初は翻弄されっぱなしでしたが、「みんなを救う」という揺るがぬ意志でケケラを打破したことには感動させられましたね。勝手な仮面ライダー像を押し付ける相手に「仮面ライダーだとか関係ない」と言ってのけたのが最高にスカッとしました。彼の人助けの精神は肩書きに縛られないものだと以前からわかっていた身としては、劇中ではっきりとそれを示してくれたことに感極まってしまいます。さらに力の所在関係なしに助けるために戦おうとする景和に合わせるかのように、ブジンソードの複眼が赤く変化する演出もこれまたお見事です。(夏映画で先行出演していた「赤目のブジンソード」がついに本編でも出てきて嬉しい!)
またケケラを撃破した後に、景和が彼に仮面ライダーにしてくれたことを感謝するシーンに驚かされました。(とはいえ景和なら憎い相手でもそれはそれ、とやってくれるだろうとは思いましたね)ここでも彼の「どんな肩書や経緯も関係ない」という姿勢が感じ取れます。はじめは漠然とした願いでデザイアグランプリに参加したものの、そこから少しずつ自分の信念を肉付けしていった景和らしいと言えます。過去の過ちも背負ったうえで「誰もが幸せになれる世界」のために戦う景和は、まさに本物の仮面ライダーになれたのだと伝わってくる回でしたね。
- 人々の想いを力に変えて
そんな景和に影響を受けてか、英寿もここにきて大活躍したパートも今回の見どころ。感情を持たない神になる危険性を孕んでいた創世の力の呪縛を自ら断ち切ってみせたことには度肝を抜かれましたね。(鉄条網を引きちぎるシーンが主題歌の映像の回収となっているのがこれまた小ネタ)前回までの心配があっさり解決したことには拍子抜けしてしまいましたが、ずっと1人で抱え込んでいた英寿が景和に倣っていく展開自体は中々にエモかったです。
何といっても幸せを望む人々の想いを力にしているかのような描写が素敵でした。これはこの世界の不幸を望んでいる未来のオーディンスに対する見事な返しとなっていますし、何より多数の願いの力で創世の力を増す設定とうまく合致していると言えます。上述の景和の戦いを観戦していた一般人が応援していたシーンも挿入されており、ある程度説得力が生まれていたのも大きかったですね。そして個人的には、そんな人々の声援で立ち上がるヒーローの構図そのものにグッときます。ヒーローショーのような応援を力に変えるお約束を、劇中に違和感なく落とし込んでいるのが素晴らしかったです。
そうしてジットが変身したリガドを撃破し一安心……したのも束の間、帰ってきたスエルが再び暗躍を始めたのが不穏でした。「終幕のデザイアグランプリ」なるものを始めようとしている模様ですが、それは果たしてどんなゲームなのか。黒ツムリが一般人にボックスを配りまくっているシーンからも嫌な予感がしてなりません。物語が終わりに差し掛かってきた中、今度はどんな恐怖のゲームが始まるのか戦々恐々となりますね。
- 邪悪な願いと終撃をもたらす巨眼の支配者
ZILLION DRIVER!!
REGAD,ACCESS!
GENERATE.
ENFORCEMENT OF VIOLENCE.
REGAD.
ジットが「ジリオンドライバー」に「シリウスカード」を読み込み、認証させて変身した姿「仮面ライダーリガド」。ついに登場したジットの仮面ライダー形態です。見た目はグレアやゲイザーら運営側のライダーと酷似していますが、赤・黒・金の配色や下半身についたローブからかなり別物としての雰囲気を放っています。最大の違いはオーディエンスがデザグラを視聴する際に使用している「オーディエンスアイ」と変身時に融合している点で、バッドエンドを望むオーディエンスの想いを自分のパワーに変える模様。幸せを望む人々の想いを背負った英寿/ギーツとは見事に対照的な力と言えます。
その設定もあってか、戦闘ではギーツⅨにもそこそこ善戦している光景が印象的。高速移動能力で一方的に攻撃し、さらには他のバックルの武器を使う能力まで使用するので中々に見応えがありました。中でもニンジャデュアラーをブーメランのように投げて、ギーツのギーツバスターQB9を打ち落とす戦法には膝を打ちましたね。ただそんなリガドでも、創世の力を制御したギーツⅨには敵わなかったのですが……
REGAD Ω,ACCESS!
GENERATE.
CREATION & MASTER OF ALL.
REGAD Ω.
自身が生み出したジットを取り込み、英寿たちの世界に戻ってきたスエルが変身した「仮面ライダーリガドΩ(オメガ)」。リガドのさらなる形態です。(今回登場したばかりのライダーの強化形態を間髪入れずに見せてくる構成にまず驚かされますね)全体的なシルエットはリガドとほとんど同じですが、マスクの中央部が開き、巨大な単眼(モノアイ)が露出しているのがΩの最大の相違点。これまでの無機質なマスクのイメージが一転し、目が血走っているかのようなビジュアルへと変化したことに息を飲みます。またその巨大な眼は、初代『仮面ライダー』のラスボスであるショッカー首領を彷彿とさせますね。
ラストに少しだけ登場したのでその力のほどはまだ明らかになっていませんが、ただでさえギーツⅨに肉薄していたリガドがパワーアップしている以上かなりの強さだと思われます。何よりオーディエンスと一体化し、バッドエンドをもたらそうとするスエルの悪辣さがこれでもかと発揮されそうな予感がしますね。推定ラスボスライダーに相応しい凶悪な見た目をしているので、次回からの大暴れにも期待したいです。
そんな感じで色々あった今回ですが、忘れてはいけないのが大智の活躍。沙羅を助けるだけでも驚きなのに、大ピンチに陥った景和を助けてみせたことに衝撃を受けました。しかも「自分が栽培したジャマトを意のままに操れる」能力を披露し、ジャマト化の研究をしていた設定を存分に活かしていたのがとんでもなかったです。少々唐突でしたが、この頼もしさには思わず感激せずにはいられません。
そして大智が沙羅を助けた理由については何となくですが理解出来ます。知恵の樹で沙羅の記憶を一時的に得たことで彼女への親近感を覚え、同時に英寿からも指摘された罪悪感も知っていったのでしょう。そこから英寿の語る幸せを手にするために、彼なりに償いを果たそうとしたのかもしれません。色々と思うところがある一方で、少しずつ反省しつつ大智にどこか好感が持てましたね。
というわけで次回はスエルが言っていた終幕のデザイアグランプリが開幕。無理やりライダーにさせられた人々が生き残るため、否応なく戦わざるを得なくなる状況に陥るらしいあらすじにまず仰天しました。ここにきて一気にデスゲームらしくなってきた展開に、スエルら未来人への憤りを覚えます。まさに大勢の不幸を味わおうとする敵に対し、英寿たちはどう対処していくのでしょうか。
またスエルによる英寿を陥れるための策がまだ何かある模様。予告では呆然とした英寿に怪しい笑顔を向けたツムリが近づく映像が確認出来ますが、まさか彼女が英寿を……!?これは黒ツムリによる変装なのか、それとも本物のツムリなのか、そういった点も含めて気になって仕方がないです。
ではまた、次の機会に。