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仮面ライダーギーツ 第45話「創世Ⅶ:願いのゆくえ」

幸せを信じる想いが世界を変える

仮面ライダーの神様は色んなところが白くなりがち

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  • 不幸を望む邪悪な者ども

 前回覚醒した祢音によって退けられたベロバでしたが、今回は何と墨田奏斗/仮面ライダーダパーンを誘って彼をライダーに復帰させるという意外な策に出ることに。邂逅編で早々に退場した奏斗がここで再登場するという衝撃、そして懐かしさを覚えたものの、彼が悪い意味で全く変わっていないことに思わず面食らってしまいました。幸せな奴が許せない!とばかりに祢音を襲いにかかってきたのは序の口、彼女の母を撃つ卑劣な真似には軽く引いてしまいます。理不尽に望みが奪われたとはいえ、他人を妬み不幸を望む性根はある意味で相変わらずで苦笑いせずにはいられなかったです。

 またそんな奏斗を応援するオーディエンスの悪質さも印象に残りました。ジットが連れてきたVIPとのことですが、「この世界のバッドエンド」を望む連中ばかりを集めたというのが恐ろしいです。現代の世界とそこに暮らす人々を娯楽の対象としてしか見ていない、未来人のタチの悪さを改めて感じ取りました。ケケラやベロバも含め、そんな連中が奏斗や後述の景和にバックルを贈って味方してくるのですから厄介極まります。(ここにきてウォーターみたいな小型バックルを出すしょっぱいオーディエンスがいたことには笑ってしまいましたが)個人的にはそいつらすらツムリの力の覚醒に利用しようとするジットの底知れなさも出ていたのが興味深かったですね。

 さらには後述のギーツVSタイクーンで姿を見せた謎の未来人「メロ」と「仮面ライダークロスギーツ」の登場にも度肝を抜かれました。劇場版で登場予定の敵キャラがここで関わってくるのは意外と同時に、悔しいですがかなりワクワクさせられます。(恐らく今回と次回の間に映画のストーリーが展開されるのでしょうね)しかし彼らの口ぶりなどを見るに、この2人の目的も「不幸」にある模様。今回の件に便乗して何をするつもりなのかは不明ですが、いずれにしてもバッドエンドを望むオーディエンスと変わりないのかと思われます。人の不幸は蜜の味……とばかりの連中の台頭に、ちょっと辟易してしまう回でもありました。

 

 

  • 幸せを信じる創世の神

 そんな不幸を望む者たちの存在が目立っていた一方で、英寿の幸せを想うひた向きな姿勢が描かれていたのも今回の大きな見どころ。何といっても冒頭で明かされた英寿の創世の力の秘密「幸せを願う人が多ければ多いほど叶えられる力の幅が上がる」という事実はかなり重要なポイントだったと思います。“祈り”や“想い”の強さについては劇中で何度も描かれてきた要素なのでそれがカギとなるのは納得ですし、世界を変えるために仲間を集めるという目的が生まれたのもわかりやすかったです。

 そんな世界を変えるための願いを持った仲間を集める道中で、英寿たちがいきなり退院した大智の元にやってきた時は思わず吹き出してしまいましたね。さらに知恵の樹についての情報を話させるだけでなく、彼が奪ってきた人々の記憶で得たであろう罪悪感について触れたのも意外でした。というかここにきて大智の味方化フラグが立ったことがびっくりです。彼に関しては許せないことも多々ありますが、味方になれば頼もしそうなのでこのまま和解しても良さそうな気がしなくもありません。どちらにしても最後まで生き残りそうだなこいつ……

 そして終盤ついに勃発した英寿と景和との戦いでは、意外にも景和の勝利で終わったことに驚かされました。しかしそもそも英寿に戦う意志がなかったこと、彼の幸せのために仲間として説得に来たことが明かされて納得。ここでも一貫して人々の幸せ、何より景和自身の幸せを想う英寿にちょっと感激させられます。「信じることが出来るほど強くはない」と嘆く景和(というか何かと化かしてきた英寿のことを信じるのが無理な話である)のために、創世の力で世界を改変してみせた力技も一周回ってカッコよく見えてきました。

 そんな英寿ですが、ツムリの力を吸い取ったかのように白い姿に変化した時は衝撃を受けました。そして『鎧武』の始まりの男といい、神のような超然的な存在になると決まって髪とかが白くなるのがライダーシリーズらしいなぁ……と思ってしまったり。(また如何にもコスプレ感溢れる格好になってもカッコいい英寿役の簡秀吉さんの顔の良さに愕然)しかしそんな力を手にして神に近い存在になっても、あくまでみんなのために世界を変えてみせた英寿の覚悟に舌を巻きました。これまで散々他人を化かして本心をはぐらかしてきた英寿ですが、今度こそ正真正銘、本音で人々を幸せを願う誠実さを見せてくれたと言えます。

 

 

  • 黒き将軍が得る新たな衝撃

 

SET.

 

DUAL ON.

 

GREATBOOST!!

 

READY FIGHT!!

 

今回のギーツVSタイクーンの戦いで披露されたブジンソードの新たな形態「ブジンモンスター」と「ブジンブースト」。いずれもケケラたちが贈ってきたバックルでデュアルオンした派生フォームです。ブジンソードは通常のバックルと同じように他バックルと組み合わせられるのですが、通常とは異なりブジンソードの特徴を残したまま上半身を拡張していくシステムとなっているようです。モンスターもブーストも腕部と胸部のみが変化し、それ以外はほぼブジンソードそのままという変わった見た目になっていました。

 それに合わせてか戦闘能力も通常のデュアルオンよりかなり増大している模様。武刃をそのまま持って強化された出力でギーツⅨに肉薄する光景には思わず息を飲みました。中でもブーストのパワーは相変わらず桁外れで、さしもの英寿も若干押され気味だった辺りにこのバックルの力を再認識しましたね。(とはいえ英寿は今回の戦いでそこまで本気ではなかったのですが)単体で完結した性能を誇るギーツⅨとは対照的に、他のバックルの力でさらに強化出来るブジンソードの今後にも期待が持てる戦いぶりだったと思います。

 

 

 さて次回は英寿が変えた世界でジットが「バッドエンドゲーム」なるものを始める模様。英寿によってようやくみんなが戻って幸せになれる……と思った矢先にこれなのでかなり忙しないですね。しかもジットの元には謎の黒いツムリがいるなど、驚きの絵面が予告に映っていたのも見逃せません。これはもしやツムリから分離した存在なのでしょうか……?

 そして道長はベロバとの決着をつけるため、単身彼女に挑むことに。BLACKカードの力で強化された彼女に一度負けていますが、今の道長は何かしら対策をしていそうにないので心配です。というか次回のサブタイからし道長が死にそうなのが……これまで何度も死にかけながらも生き残ってきた道長が今度こそ退場してしまうかもしれない可能性に胸のざわつきが止まりません。

 

 

 ではまた、次の機会に。