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2023年夏アニメ&特撮簡易感想 その8

 

 

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 かの『おそ松さん』のOVAエピソードの劇場公開を記念して、六つ子の代表的エピソードをチョイスした傑作選がYouTubeで期間限定配信されました。(8月7日までとのこと)長男・おそ松から末弟・トド松それぞれにスポットを当てた作品が見れるのは嬉しいところです。特にアニメ1期のエピソードが集中しており、当時見ていた身としてはその懐かしさに思わず見入り、そのギャグに大笑いしてしまいましたね。

 そんな中異彩を放っていたのが三男・チョロ松のエピソード「チョロ松記念館」。他の兄弟は1期からのチョイスなのに対し、彼だけ3期のエピソードが配信されていました。とはいえこのエピソードはチョロ松が抱える自意識と承認欲求、そして狂気がまとめて入っているので選ばれたのも納得ではあります。「未来を思い出して泣けてくる」など耳を疑うようなパワーワードを連発してくるので本当に恐ろしいです。(他にも友人回など、3期はチョロ松の狂気に触れるエピソードが多いです)真面目を装っているようでいて、その実とんでもないモンスターであるチョロ松の端的に表している内容なので、僕も一度見返しておこうと思います。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

『華衛士F8ABA6ジサリス』の総評は個別感想で書く予定です。ご了承ください。

 

 

 

 

 

BLEACH 千年血戦篇ー訣別譚ー

第16話「THE FUNDAMENTAL VIRULENCE」

 長いこと見えざる帝国に辛酸を舐めさせられてきた護廷十三隊ですが、いよいよ反撃の兆しが見え始めました。浦原さんとゲーミングマユリの研究者チームの活躍によって滅却師の虚への耐性がない点を突き、卍解を取り戻す流れはやはりテンションが上がります。演出面に関しては冬獅郎の声が二重になっているのが芸コマで、侵影薬(しんえいやく)によって隊長たちが若干の虚化を果たしていることがわかりやすく描かれていました。

 中でも特に目に焼き付いたのが原作では見られなかった平子の卍解周囲の敵と味方の認識を逆転させ同士討ちを狙う「逆様邪八宝塞(さかしまよこしまはっぽうふさがり)」の強力ながら状況を選ぶピーキーがたまりません。(始解が強敵との1対1向きで、卍解が多数の雑魚相手に有利というあべこべな性質がまた興味深いです)さらに始解の逆撫を使って「バンビエッタ・バスターバイン」を翻弄するなど、平子の活躍がかなり盛られてて本当に嬉しかったですね。

 しかしそんな逆転ムードも滅却師完聖体で早々にぶった切られることに……勝ったと思ったら敵がさらなる奥の手を引き出してくる構図はBLEACHあるあるですが、今回は中でもひっくり返った優勢をさらにひっくり返されたという印象を強く受けました。

 

 

 

シュガーアップル・フェアリーテイル

第15話「誰かのための砂糖菓子」

 前回の時点で感じたペイジ工房の問題についてアンが深く切り込んできた今回。新聖祭に参加することに断固反対する長・グレンさん相手に一歩も引かず意見を通そうとする主人公のめげなさに安定した爽快感を覚えました。出ていくように言われたので部屋を後にする→間髪入れず再入室して打診を再開の流れには笑ってしまいます)ペイジ工房の職人頭としての誇りを持って、工房を立て直そうとする辺りは相変わらずとも言うべき気持ちよさに包まれていたと思います。

 一方で工房の問題の原因が明らかになったのも大きな見どころ。グレンさんの伝統を重んじる姿勢以上に、お互いへの善意が上手く噛み合わないことが原因という事実に驚かされました。オーランドたち職人もグレンさんも、仲間や家族を想っている故の行動が相手と工房を悪い方向に押しやっている状況がもどかしい気持ちを湧き上がらせてきます。中でもブリジットの歪みなどもそうした親心・仲間意識が完全に裏目に出た結果なのが個人的に歯がゆいですね。良くも悪くも身内への愛情が深すぎてそれ以外が疎かになっている人たちばかりですが、そこにアンが「誰のために砂糖菓子を作るのか」という問いで変えてくれることを期待したいです。

 

 

SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)

第3話「Behind the mask

 やたらカッコいいBGMと共に主人公に「自分も童貞だ」宣言をかますイケメン仮面がいるらしい。ロボアニメでよく見られる仮面枠である「黒仮面」のクールな見た目に反して、初登場が風俗店での待合室という事実に思わず吹き出してしまいました。しかも彼が探している「女神」とやらと会えると勘違いしている天然ぶりが腹筋に悪いです。(今回走っているだけで終わったトキオといい、この作品の男性キャラはやたら面白いですね)それでいてパートナーの「シュネー」との信頼関係、そしてドリフターとしての高い実力などは真っ当なので妙にカッコよく見えました。

 そんな黒仮面の駆る「ギルボウ」での戦闘シーンは、シュネーが何やら特殊な力を発揮している場面が印象に残りました。ここまでリアル寄りのロボ描写だった中突然放たれた霊的能力に属性攻撃といった要素にちょっと困惑させられます。詳細はまだ不明ですが、これがメイガスの本当の力ということなのでしょうか。

 また全体を通してドリフターたちの切り替えの早さが描かれていたのが良かったです。エリーがカナタのことでショックを受けてしまうところが可愛らしかった一方、エンダーが出現するや否や迷わず出撃する真面目な姿に惚れ惚れしました。上述の黒仮面も含め、ドリフターの「人々を守るために戦う義務」を果たそうとする真っ当さは見ていて好感が持てますね。

 

 

好きな子がめがねを忘れた

第4話「好きな子のめがねを選んだ」

 相変わらずめがねを忘れてはポンコツなところを見せる三重さんと、彼女の一挙手一投足にドキドキしっぱなしの小村くん。最早この2人のやり取りに慣れてきた中、三重さんが見せる恥じらいや嫉妬の感情に悶えてしまうことになりました。体重計の件はともかく髪の乱れようや身長問題について、小村くん基準で考えている三重さんの破壊力は抜群の一言。中でも「染谷成海(そめや・なるみ)」さんと小村くんが良いカンジだと勘違いしての突き飛ばしは最高に可愛かったです。本人にとっては小村くんとの日々が当たり前になりつつある……そんな三重さんの日常にトキメキが止まりません。

 そして三重さんの替えのめがねを小村くんが一緒に選ぶ買い物パートが印象的。あまりの可愛さに似たような感想しか言えない小村くんに共感を覚えつつ、彼の「三重さんはどんなめがねをかけててもいいと思うよ」には驚かされました。下手するといい加減な対応に見なされそうな言葉ですが、小村くんの三重さんへの好意は本物なので決して適当で言っているのではないことがわかります。三重さんも小村くんのそんな気持ちを知ってか知らずか、いつもと同じめがねを選ぶ素敵な選択をしてくれたので実に微笑ましかったですね。それはそれとして買っためがねをその日のうちに壊してしまうドジっ子ぶりはいい加減どうにかした方がいいと思う。

 

 

贄姫と獣の王

第15話「少年と幼子の邂逅」

 今回の前半はアミトとヨルムンガンドの恋のお話の続き。以前渡したアミュレットを返却されたアミトに最初同情しつつ、ヨルムンガンドの真意に膝を打ちましたね。あくまで無事を願う相手への思いやりに過ぎないのに、遠征先での負傷で約束を果たせなかったと考えるヨルムンガンドの何とストイックなことか……ラントとの一騎打ちで王様たちに無様な敗北を見せないようにする点も、そんな彼の弱みを見せず不安を抱かせないことを心掛けた姿勢が出ていたと言えます。正直かなり不器用ですが、アミトへの好意を誠実に受け止めてくれる辺りに好感が持てますね。

 そして後半は久々登場のイリヤが主役。攫われた魔族の少年「マアロ」との出会いを経て、イリヤが少しずつ丸くなっていく過程に大いに癒されました。人さらいで結託する人間と魔族の関係を知ってどちらかが悪という考えを改めつつ、最初は邪険にしていたマアロを助ける流れにウルっときます。中でも魔族への憎しみやトラウマを抱えたままという点が秀逸で、魔族に触れることに拒否反応を示しながらも、マアロを助けるために彼を抱きかかえるシーンに胸打たれました。そう簡単に変えることが出来ない感情を持っていても、子どものために戦えるイリヤに感激が止まらなかったです。

 

 

華衛士(センティカ)F8ABA6ジサリス

第12話(最終話)「かなしき勇き」

 前回ラストで新形態を披露したジサリスがめっちゃツエー!!となった冒頭。獲得した飛行能力を最大限に活かし、押され気味だったデジールを圧倒していく様子に息を飲みました。前回に続き最終決戦ということもあって、戦闘シーンに気合が入っているのが感じられましたね。そしてジールを退けながらもあくまで倒しはしない、今後は彼自身の変化に任せるオチも爽やかでした。

 その一方で最後に訪れたアユカの世界でのやり取りは中々に衝撃的。シールに込められた感情の意味と最後に必要な“悲しみ”を得るために、アユカに自分を殺させようとするジサリスに目を剥きました。最初から自分が死ぬことでアユカを救おうとする魂胆だったと思うと、ジサリスのここまでの周到さと健気さに何とも言えないやるせなさを覚えます。(何故アユカにここまでするのかは謎ですが)それを託されたアユカも何だかんだでジサリスへの特別な想いを見せており、泣きながら彼を刺す姿はショッキングでしたね。何よりこれまでジサリスが散々アユカに言ってきた「おやすみ」を言う側が逆転する構図に舌を巻くばかりです。

 そうしてアユカが自分の世界を救った後は、生きていたジサリスが突然消滅する光景に唖然となりました。無事だったのかと思う間もなくいきなりいなくなる絵面はこれまで以上に困惑させられますね。ラストに登場した謎の女性センティカも含め、最後まで衝撃と疑問符が止まらない内容だったと思います。というか専門用語や各キャラの目的、真相などわからないことがたくさん放置されたままなので、是非続編を作ってそれらを解消していってほしいところです。

 

 

 さておそ松さんについてですが、上述のチョロ松「一見まともそうだけど実はヤバい」問題は意外と昔から続いてるネタであることを改めて感じる機会でもありました。自意識ライジングなど1期の頃からその自尊心の高さは垣間見えていましたし、何だかんだで結構闇が深かったように見えます。当記事のサムネであるデュエマとのコラボカード《自然の三男 チョロ松》も、他兄弟たちと比べてキチンとしたテキストのようでいてやっぱり役に立たないスペックなのが実にチョロ松らしい再現度ですね。(パワーも「4545(シコシコ)」とシコ松ネタに走っていますし)だけどそんなところがチョロ松の魅力でもあるので、その辺りは好意的に受け止めていきたいところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。