新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

2023年夏アニメ&特撮簡易感想 その6

 

 

 

 いよいよ公開を来週に控えたライダーと戦隊の夏映画。仮面ライダーギーツ』と『王様戦隊キングオージャー』という今盛り上がっている2作品の映画ということもあり、個人的にもかなり楽しみな映画となっています。

 そんな中映画の宣伝ということなのか、先日2作品それぞれの名エピソードがYouTubeにて期間限定配信されました。ギーツは丹波/ケイロウや冴/ロポなど映画に登場するライダーたちにスポットが当たった回、キングオージャーは序盤1~5話+第1章クライマックスといえる10話がピックアップされています。映画を観る前の予習復習として、中々に良さそうなラインナップです。ギーツに関しては謀略編の中でも特に面白い11&12話やギーツⅨ初登場回である38話が入っているのが嬉しいですね。これらの回は感想の方もかなり筆が乗った記憶があります。(当ブログの感想については仮面ライダーのタグで探してみてください)両作品とも神回と言えるエピソードばかり揃っているので、既に見ている方も興味を持っている方もYouTubeで気軽に視聴してみてはいかがでしょうか。(下に続く)

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

BLEACH 千年血戦篇ー訣別譚ー

第15話「PEACE FROM SHADOWS」

 影を使って瀞霊廷と見えざる帝国の本拠地を置換させた星十字騎士団。そんな強敵たちとの戦いは、主に「卍解なしでどこまで喰いついていけるか」に焦点が当てられていました。冬獅郎は乱菊さんと共にミルフィーユ大作戦真空多層氷壁で「バズビー」の炎を防ぎ、砕蜂は瞬閧(しゅんこう)を極めて「BG9(ベー・ゲー・ナイン)」を迎え撃つなど、各々が工夫を凝らして戦っているのが実に興味深かったです。(中でも妹を身を挺して守る大前田がここすきポイント)そんな中滅却師の影対策にめっちゃピカピカしているマユリのインパクが凄すぎて笑いが止まりませんでしたが……

 しかしそのような策を弄しても圧倒的な力に粉砕される展開には思わず目を覆ってしまいました。バズビーの炎の威力といい、卍解でも防げたかどうかも怪しい敵の実力を披露してくるのが何とも無慈悲といったところです。個人的には「ユーグラム・ハッシュヴァルト」の七緒に向けた「それ(白断結壁)を誰もが使えるものになるまで洗練させるべきだった」という指摘が的確過ぎて、敵ながら突き刺さりましたね。第一次侵攻時ほどではないものの、やはり絶望感のある絵面には愕然とさせられるばかりです。

 

 

 

シュガーアップル・フェアリーテイル

第14話「再び、挑むとき」

 ペイジ工房の職人として仕事を始めたは良いものの、そこで工房の気質に触れていくアン。自分の仕事は他人に頼らず1人でやり切るという仕事の進め方は、職人らしいもののアンが戸惑うのも無理はないかもしれません。それ自体はまぁ納得出来ることだったのですが、仕事がドンドン減っている事実は目に見えてヤバいと感じましたね。依頼人の要望よりも作り手のこだわりを優先してしまう点が、この工房の先細りを助長しているのでしょうか。「オーラング・ラングストン」の突き放すような態度といい、悪い意味で職人の気質が出ていたと思います。

 一方シャルの問題に関しては割とあっさり解決(?)した模様。工房長のおかげでブリジットの拘束は解けたものの、彼女のシャルへの執着に関しては未だに続きそうな予感がします。自分のやりたいことを否定され続けた結果、他人の望むものを奪うことに固執するようになったブリジットは何とも哀れです。シャルがそんな彼女をよそにまたもやアンを元に向かったこともあって、ますますブリジットの荒みように不安と同情、そして危機感を覚えます。

 

 

SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)

第2話「My Master」

 カナタとノワールが共に戦った次の回は、引き続き2人のボーイ・ミーツ・ガールが展開されていました。自分はノワールに相応しくないと卑下するカナタが、勘違いがありながらもノワールのマスターになっていく過程に早くも胸打たれます。何といっても今回のノワールの行動全てが「カナタの役に立ちたいから」にあるのが素敵で、一途な彼女に対して答えようとカナタが覚悟を決めてマスターにした瞬間で中々にスカッとさせられましたね。最初はコミカルながらも陰鬱だった空気が、お互いに相手のことを想っている2人がパートナーになるラストで一気に盛り上がりました。

 またカナタを支えてくれる面々の活躍も最高でした。「トキオ」はカナタの良き兄貴分として軽い調子で激励していましたし、カナタに思いを寄せる「エリー」がそれでも彼の背中を押してくれたいじらしさが何とも心揺さぶられます。自己肯定感の低い主人公を仲間たちが「お前なら出来る」とフォローしてくれる……そこから自信を持って一歩を踏み出す主人公の構図はやはり良いものです。前半カナタたちをバカにしまくっていた「ランゲ」をクレイドルコフィンの戦闘シーンで返り討ちにするシーンも含め、実にカタルシスに満ちていましたね。

 

 

好きな子がめがねを忘れた

第3話「好きな子がラブレターを拾った」

 NTRやんけ~!!寝てから言え!と脳破壊されかかった小村くんと視聴者に対し、イケメンの素敵な返しが突き刺さった回。クラスのイケメン「東(あずま)」くんの登場と三重さんとの絡みに最初こそ動揺させられたものの、小村くんと三重さんの仲を決して侵害しない絶妙な立ち位置に感激させられました。中でも後半のラブレターのエピソードでは、勘違いから勘違いに繋がる手紙の真相を理解したうえで完璧なフォローをしてみせたので本当に驚きました。イケメンがイケメンたる所以がそこにありましたね。

 対する小村くんに関しては東くんと三重さんのやり取りに心がささくれ立ったりする様子が印象的。魅力的な男子に自己評価の低い卑屈な面を見せていましたが、一方で東くん相手に心の中で語気が強くなるといった対抗心を燃やしていたのが何とも可愛かったですね。しかし三重さんの無自覚な言葉に照れたりと、いつも通りに収まってくれて何よりでした。(余談ですが今回はめがねをかけた三重さんのエピソードなど、単にめがねを忘れただけではない話のバリエーションが増えていたのが面白かったです

 

 

贄姫と獣の王

第14話「濡衣と孤独の鬣犬(はいえな)」

 突如発生した領主の襲撃事件で疑いをかけられたラントベルト。今回はそんな彼の無実を証明するためにサリフィが犯人を見つけようとする展開となりましたが、犯人捜しよりもラント自身のモノローグがメインとなっていました。ハイエナ族であるからと差別され、信じてもらえなかったから地位に固執するようになったという、ラントの幼少の経験がまず悲劇的。薬屋のおじさんみたいな優しい人とも触れ合っていたのに、その他大勢の偏見に価値観が押しつぶされているのは何とも悲しい話です。

 そんなラントがサリフィに救われ、彼女に忠誠を誓うまでの流れは一転してスッキリさせられました。ハイエナ族関係なく信頼を寄せるサリフィの優しさが、権力以外信じようとしなかったラントに突き刺さる展開は見ているこちらもほっこりさせられます。(他にも上に立つ者の責務を全うする部隊長から「地位あるもののあるべき姿」を学ぶ構図もグッド)犯人捜しのくだりはほぼダイジェストで済まされましたが、人間の目が手掛かりの毛の色を見つけるのに最適だとわかった点にもスカッとさせられますね。人間であるからこそ助けられたサリフィに続き、ハイエナ族であることに誇りを持ち続けるラントを見せてくれたのも素晴らしかったです。

 

 

華衛士(センティカ)F8ABA6ジサリス

第11話「よくぼうの王こく」

 次なる世界は以前登場した「ジー」が治める世界。住人の欲望が存在しないという歪な世界観を説明しつつ、ジールの暴君ぶりが序盤から炸裂していました。ただ自分の世界を守るためという目的もあり、ジール自身今の自分の在り様を指摘されてショックを受けていたのが不憫でしたね。欲望を持たない人々を守るうちに、彼自身が支配するという欲望に囚われてしまったのは何とも皮肉な話です。(ジサリスとの戦闘開始前の動揺ぶり、その直後の叫びは賀集利樹さんの演技力が遺憾なく発揮されていてここすきポイント

 そんな「センティカ デジー」とセンティカジサリスの対決はかなりの激戦。いきなり質量を持った残像のような動きで高速戦闘を繰り広げるわ、激しい武器のぶつかり合いが展開されるわと、終盤だからこその出し惜しみの無いバトルに目を奪われました。ジールが見た目通りの正統派に見せかけて、自身の大剣の上に乗ってくるくる回って空中飛行するユニークな戦いを披露したのも面白かったですね。加えてラストには満を持してジサリスの強化形態がお披露目されたのも衝撃的で、クライマックスに向けてテンションが上がるのを感じました。

 そしてアユカの世界についての言及がされましたが、世界の崩壊を抽象画のようなテイストで表現する演出には度肝を抜かれましたね。画用紙に広がったかのような大雑把な人や建物が実写のように滑らかに動き、徐々に崩れていく様子は中々にショッキングです。詳しい説明は例によってされなかったものの、アユカの置かれている状況が如何に深刻かは十分に伝わったと言えます。

 

 

 さて上述ではギーツの話をしていましたが、キングオージャーについても話しておきたいところ。毎回クライマックスのような内容を見せてくれる怒涛の展開、意外な要素が意外なところで回収される緻密なストーリーは魅力的で毎回楽しく見させてもらっています。ファンの人たちの間でも「定期的に最終回が来る」と評判ですが、中でも10話の盛り上がりは今もなおこの作品のトップクラスと言えるでしょう。僕自身、この10話を見返すたびに興奮と感動に打ち震えています。

 

「一に王、二に王、三四が王で、五にも王!」

「序列なく、異(い)なる高みを極めし英傑!」

「不倶戴天の仲なれど、民のため今、交わらん!」

「孤高を捨て連帯し、王冠を戴く戦士となる!」

「我ら──王様戦隊!!」

 

降臨せよ!!

レジェンドキングオージャー!!!

 

 物語当初から長いこと個人で戦っていた王たちが「力を合わせる」道を選び、そこで初めて「王様戦隊」を名乗る……そこからのレジェンドキングオージャー完成の瞬間までがもう本当に最高で、このシーンだけでも何度も見返してしまいます。ここからさらに19話で「五国異事案対策用略救命部」略して「王様戦隊キングオージャー」を結成するのがまた素敵なんですよね。(『ブレーザー』のSKaRDとかもそうなんですが、オタクはこういう長い正式名称を略すのが大好物なものなんですよね……過去の戦隊の様式美に囚われない作風ながらも、決める時はキッチリ決めてくれるキングオージャーは本当にとんでもない作品だと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。