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仮面ライダーギーツ 第42話「創世Ⅳ:女神完成 闇の刃」感想

歪められた仮面の奥底に

悔しい……!ケケラの思い通りで腹立たしいのにブジンソードのカッコよさに惚れてしまいそう……!!

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  • 復讐に燃える狸にカエルは笑う

 まだまだ続くよ景和の闇堕ち展開!とも言うべき内容だった今回のギーツ。道長を手に掛けず敢えて生かしたことには内心ホッとしたものの、「楽に死なせない」とばかりのやり方にはゾッとさせられました。道長が不器用で自分を追い詰めやすい性格であることを理解して、彼は生かしておいた方が苦しむ方法小林靖子の思考かな?を選んだ辺りに景和の底知れない悪意を感じます。仲が良かったお人好しが反転するとこうなってしまうのか……と感じずにはいられません。

 一方で次なるターゲットを大智に変えた展開には少々納得。姉をジャマトに変えた張本人ですし、よくよく考えなくともこいつが元凶なので当然の恨みと言えます。というか見事に悪役らしい大智を思う存分ボコるシーンは道長と比べても大分スカッとしましたね。(「犠牲になった人々の記憶を実に変えて食べる」大智が小物悪役感たっぷりだったのもかえってカタルシスの前座になっていました)BACK-ONさんが歌うクールな挿入歌「Chair」がバックで流れたことも相まって、ブジンソードの戦闘シーンは中々にカッコよかったです。

 とはいえジットと手を組んでツムリを捕らえるなど、以前からは考えられない手段まで使う景和にはやはり衝撃を受けてしまいます。姉を含めたデザイアグランプリの犠牲者を取り戻させる当初の目的は失われていないものの、手段を選ばなくなるとここまでショッキングになるのかと少々驚かされました。劇中で英寿が言っていたように、デザグラを憎む一方でデザグラ運営と同じ穴の狢になっているのは何とも悲しいですね。ツムリが創世の女神にほぼなりかけてしまったのもあって、景和が堕ちるところまで堕ちてしまったように感じてしまいました。

 しかしそもそもの景和闇落ち計画の首謀者であるケケラはご満悦の様子。ここにきて彼の言う仮面ライダーが「悲しき涙を仮面で隠す戦士」というものだと判明したのが興味深いです。まぁ涙を仮面で隠すくだりは初代から続く仮面ライダーのコンセプトの1つでもあるので言わんとしたいことはわかるのですが、悲劇を用意して故意にヒーローを作り出すやり方には首を傾げますね。さながら仮面ライダーはこうでなければならない!と厄介なオタクが登場人物を捻じ曲げている様を見ているような気分です。あくまで景和を自分の理想を叶える人形として見ているケケラへの憤りを覚えると同時に、この男によって景和がどうなってしまうのかという不安にも駆られるばかりです。

 

 

  • 己の愉悦に酔撃す邪悪な未来戦士

 

KEKERA SET.

BEROBA SET.

 

LASER ON.

 

PREMIUM KEKERA LOADING.

PREMIUM BEROBA LOADING.

 

READY FIGHT.

 

 ケケラとベロバが40話でジットから貰った「ブラックレイズライザーカード」をレーザーレイズライザーに装填して変身した姿「プレミアムケケラ」「プレミアムベロバ」。ここにきて未来人2人にまさかの強化形態登場です。しかし劇中での道長のセリフや公式ホームページでの紹介*1によると仮面ライダーでもジャマトでもない模様。あくまで未来人のデザインによる疑似ライダーといった立ち位置なのでしょうか。見た目も人型になっており、それぞれモチーフであるカエルと牛を意識したような怪人的デザインになっているのが興味深いです。(しかしライダーを名乗っていた頃は人外みたいな見た目だったのに、ライダーではないこっちは人型なのが何とも複雑な感情を抱かせてきますね)

 その戦闘能力は「デザグラプレミアム会員専用の力」というだけあって非常に強力。2人がかりだったとはいえ、戦闘慣れしているバッファ(レイジングフォーム)を一方的にねじ伏せるだけのパワーとスピードを発揮していました。特殊能力もなく武器もレイズライザーそのままではあるものの、単純に肉弾戦の能力が上がったと見るべきでしょう。一見すると2人の戦闘力に大きな違いはないようですが、プレミアムケケラは跳躍力、プレミアムベロバは耐久力に優れているようです。完全に敵側となったケケラたちが強化を受けたことはショックですが、英寿や道長たちが彼らにどうやって立ち向かっていくのか見ものではありますね。(あとCGとか気にせず思う存分戦って倒せるとも考えられますね)

 

 

  • 未だに見えぬ希望の糸口

 そんな感じで景和やケケラ、そしてジットと英寿と敵対する勢力ばかりが順調な状況だった今回。おかげで主人公サイドの活躍があまり見れなかったのが残念でした。特に英寿はここ最近はやることなすこと全てが後手に回ってしまっているのが惜しいですね。創世の力を手にした主人公にだって何でも出来るわけではない……というシビアな現実を見せつけられているようで実に歯痒いです。景和の説得にも失敗してしまいましたし、全く希望が見えない中、英寿はここからどう巻き返していくのでしょうか。

 他には道長やツムリの追い詰められっぷりが印象に残りました。片や景和から姉を奪ったことへの負い目を感じ、片や景和のためにとやったことが裏目に出てしまうと、それぞれの善意が徹底して空回りしているように感じましたね。特に道長は自分1人で罪を背負おうとする勢いながら、ベロバたちに妨害されるなど前回から負け続きなのが可哀想でした。心身ともにボロボロになっていく道長や如何に。

 そしてツムリが創世の女神にほぼなってしまったのが今回最もショックを受ける展開でした。元々のツムリの意志はまだ残っているようですが、完全に言いなりになってしまっているのが見ていて辛かったです。何より創世編に入ってから少しずつ溜まってきたフラストレーションが、ツムリの人としての最期によって完全に決壊したような感覚を覚えました。この先の展開で英寿たちが反撃し、視聴者のストレスを解消してくれるのでしょうが、やはりそれまでの間は見ていて大変だと感じすにはいられなかったですね。

 

 

 さて次回はツムリによって叶えられた景和の世界が始まるとのこと。「デザグラの犠牲者が全て蘇った世界」というわけで彼の家族や他参加者たちは全員生き返っているのでしょうが、どうやらそう都合よくはいかない様子です。人々を襲う謎のライダーやベロバのいう「世紀末ゲーム」など、予想のつかない悪魔のような展開が待っていそうです。

 一方で本筋としては祢音とその父・光聖にスポットが当たる模様。しかも次回登場する新ライダーに光聖が変身する可能性が高いことに思わずテンションが上がりました。ここ最近ずっと哀れだった父親に挽回の機会が訪れたことには興奮する他ありません。あかりの件が明らかになって以降ずっと不幸に包まれていた鞍馬一家ですが、ここから家族揃って再起していくことを期待したいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:公式ホームページの「プレミアムケケラ」と「プレミアムベロバ」をそれぞれ参照。https://www.tv-asahi.co.jp/geats/rider/kekera/premium_kekera/stand.html

https://www.tv-asahi.co.jp/geats/rider/beroba/premium_beroba/stand.html