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2023年夏アニメ簡易感想 その16

 

 

 

 悪役ライダーのチームを描く『仮面ライダーアウトサイダー』に橘朔也/仮面ライダーギャレンキングフォームが登場することが先日報じられました。このシリーズは以前も王蛇のサバイブだったり仮面ライダーデザストだったりを出してきましたが、まさか設定上のみのギャレンの最強形態を映像化してくれるとは思ってもみなかったです。当時多くのファンが妄想したであろうキングフォームに興奮が止まりませんその結果ブレイドライダーでレンゲルの強化フォームなしがますます不憫に扱われそうですが……

 さらに上の写真にもあるそれがまさにキングフォームなのですが、見た目がまさに当時妄想していたイメージ通りで感動させられます。全身金色の装甲に包まれ全体的にマッシブになり、頭のハサミの意匠も巨大化。武骨な見た目と大砲のようなラウザーの迫力が本当にカッコいいです。(上のS.I.C.も少なからず踏襲しているっぽいのがまた良き)他にもカテゴリー13のギラファアンデッドとダイヤのスートの意匠のみが施されている点も興味深く、スペードのアンデッド全てと融合したブレイドのキングフォームとはまるで別物であることがわかります。あちらがイレギュラーだった設定を考慮するに、ギャレンのキングフォームは本来あるべき姿の正統強化というわけですね。

 まさしく『仮面ライダー剣(ブレイド)』のファンやオタクを感涙させてくれるこのキングフォームにはテンションが上がりっぱなしになります。上述の王蛇サバイブといい、もし当時このフォームを考えていた人が東映の社員になって、夢を実現させたという裏話があっても納得してしまうかもしれません。個人的にもそれほどまでに魅力的な最強フォームのお披露目でした

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

BLEACH 千年血戦篇ー訣別譚ー

第20話「I AM THE EDGE」

 千年血戦篇史上、最も何でもありかつとんでもない絵面が展開された回。想像したものを現実にする「グレミィ・トゥミュー」の反則的な能力を相手に、帰ってきた剣八が攻め立てるバトルは最強VS最強の衝撃に満ちていました。グレミィが用意したありとあらゆる死のシチュエーションを持ち前の暴力でねじ伏せていく剣八の姿はまさに規格外。宇宙空間に放り出されても生還する意味不明さに、グレミィが「化け物」呼ばわりするのも納得するほかありません。

 そんな怪物剣ちゃんですが、今までと比べるといくらか落ち着いた態度を見せていたのも忘れてはいけません。卯ノ花さんとの死闘を乗り越えて、本当の意味で「剣八」の名前を手にしたからこその威厳が感じられました。その結果ついに手にした自身の始解野晒(のざらし)」の登場シーンの迫力も素晴らしかったです。そしてやちると出会ったばかりの回想が挟まることで、2人は“名無し”だった頃から今の名前を自分のものに出来たことが伝わってきました。それにしてもあの描写から察するに、やちるの正体はやはり……

 対するグレミィも剣八との戦いを通して少しずつ人間味溢れる顔を見せてきたのが良かったですね。最初こそいけ好かない少年だったものの、どうやっても倒せない相手に「勝ちたい」と対抗意識を燃やす姿は何とも微笑ましかったです。原作と比べてあっという間に倒されてしまいましたが、この1話でグレミィというキャラの魅力は十分に伝わったかと思います。

 

 

シュガーアップル・フェアリーテイル

第19話「猫の手も借りたい」

 雨で砂糖菓子が湿り固まってしまい大ピンチ!だった前回のラストから少しだけ光明が見えた今回。予告のサブタイからキャットの力を借りることは予想していましたが、彼への命令権を賭けてヒューと対決することになった時は面食らいました。しかも勝負の判定役にノアを据えたヒューの采配にも感心させられます。少しややこしくなってしまったものの、人手不足とノアの空腹問題の両方を解決させられる展開にまで転がった点は非常に上手いと思いますね。(一方でグラディスの怪しい行動の数々は未だに不穏なものを残していますが……

 そうして行われる対決はノアが求める「見えないもの」に視点が向けられていたのがポイント。一見するとノアはハーバート様との再会を望んでいるように思えますが、それは本当に彼が求めているものなのか……?依頼人や受取相手のことを第一に考えるアンの職人魂が願いの本質をじっくり考えている過程は中々に興味深かったです。(禁書を閲覧したりノア自身に話を聞いたりと、着実に見抜いているっぽいヒューの実力の高さが感じられる振る舞いも流石)そうしてノアが仕えた王家の紋章を作るという答えに辿り着く結果にも深く頷かされます。存在を抹消されたものを蘇らせようとする怖いもの知らずのアンと、彼女を絶対に守ると誓うシャルに勇気づけられるラストも素敵でしたね。

 

 

あやかしトライアングル

第7話「歌川画楽」

 放送が一旦休止になってから半年近くが過ぎ、ついにあやトラアニメの続きが放送されました。(内容を忘れかけていたので6話まで見返してしまいましたよえぇ)久しぶりの視聴なのでついてこれるか心配だったものの、触手プレイや変態鳥獣戯画といったお色気ダークネスな要素も全開で安心感を覚えましたね。

 というわけで本編はサブタイにもある新キャラ「歌川画楽(うたがわ・がらく)」がまず印象に残りました。まさかの人型の妖というだけでそこそこインパクトがあるのに、掴みどころのないキャラクターがこれまた強烈。敵か味方かわからない雰囲気に、如何にも信用してはいけない匂いがしてきます。絵を実体化させる能力もわかりやすく厄介で興味深いです。

 また前回の時点で触れられていた妖巫女の力について色々明らかになったのも見逃せません。少々難しい説明がされていましたが、人間では扱えない魄(ハク)=妖力を扱える力はなるほど「妖の神」と呼ばれるのも納得と言えます。そして祭里を男に戻すためにもその力を積極的に使おうとするすずを見て、何やら彼女の強化フラグっぽいものを感じ取ってワクワクしてきましたね。まぁその結果弟くんがとんでもないものを見てしまったわけですが……

 

 

SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)

第7話「My dear...」

 今回はノワールの出番はお休み、ということで『SYNDUALITY Ciel』とも言うべき物語が展開されました。お姉さんぶってカナタを翻弄するシエルの通い妻っぷりに、まず見ているこっちもドギマギしてしまいそうになります。何より家事も難なくこなせてカナタとの生活に自然と溶け込んでいるヒロイン力の高さに、打算100%で突撃したエリーが見事撃沈する様子に思わず同情してしまいましたよえぇ……

 とか思っていたらシエルが謎の組織から送り込まれた存在と判明してびっくり仰天。以前黒仮面も言及していた「鍵」やノワール奪取のために手段を選ばなそうな物騒な発言などを聞いて、以前から怪しかった彼女の立ち振る舞いに対し腑に落ちることになりました。そしてメイガスとしての自分を「道具」と割り切っている態度に、彼女の悲痛なキャラクターが見えてきましたね。

 それだけにスパイのシエルがカナタに絆されていく展開に何ともほっこりさせられます。その理由が育ての母がメイガスだったカナタの過去にあったのがまた面白いの一言。幼い頃からメイガスを道具ではなく「家族」のような1人の人間として見てくれる彼の優しさに、シエルが惹かれるようになるのも当然と言えます。篭絡するつもりが対象に好意を抱いてしまったシエルの可愛さったらたまらなかったですね。マクロスが如く歌って戦うシーンも含め、シエルの魅力が満載の回でした。

 

 

好きな子がめがねを忘れた

第8話「好きな子と告白を見てしまった」

 止まらない三重さんの無自覚な距離詰めっぷりはドンドン加速し、今回はいつにも増して煽情的に……靴下を脱いでの生足上履きやら、下がズボンのスカートをめくったりやら、思春期男子が目をカッ開いてしまいそうなことばかりしてくるのが最高に刺激的でした。(もう小村くんのことばかりをツッコめないな……)極めつけは夜の電話越しの会話で、声をこらえたりつい出てしまったりとお互いに相手の耳をくすぐってくるのが何とも可愛らしいです。このASMR的なやり取りには、視聴者的にも不思議とこそばゆさを感じずにはいられませんね。

 そしてサブタイにもある重要なシーン、イケメン東くんが告白される場面は中々に鮮烈でした。三重さんが何も気付かないまま告白現場に辿り着いてしまいそうになる可能性は不思議と手に汗握ってしまいます。何とか退散させようとする小村くんのくだりだけでも緊張感マシマシで、彼女を抱きしめて止めるシーンで張りつめた糸が一気に解放されたかのような感覚を覚えましたね。出歯亀になっていたものの、告白の邪魔をしないように必死な小村くんを見ているとどこか応援したくなります。それにしても、東くんが言っていた「好きな人」とは果たして誰なのだろうか……?

 

 

贄姫と獣の王

第19話「魔族と人間の懸橋」

 フェンリルとの戦いを終え、物語はついに魔族と人間の和解に向けた戦いへ────式典でのサリフィの不参加などがありつつも、生贄制度の廃止といった悪しき風習を正そうとする王様とサリフィそれぞれの決意に早速胸打たれました。古い歴史を知る先人たちの伝聞のみで次なる世代に差別意識を残すことを阻止する姿勢は実に素晴らしいと思います。特に人間を怖がる魔族の声も受け入れつつも(王様がそれらを雑音を切って捨てていましたが、対するサリフィはきちんと「国民の声」として拾ってあげようとするのがここすきポイント)柔軟に対応しようとするサリフィに好感が持てますね。アヌビスとのやり取りではそんなサリフィの「種族」ではなく「個人」を見るやり方があっけらかんと描かれていたのも印象深いです。

 また王様もサリフィに応えようとする一方、やはり彼女個人に囚われてしまっていたのもちょっとした見どころ。以前からサリフィを心配するあまり命令をゴリ押ししがちな王様でしたが、この度彼女とキチンと向き合ったうえで夫婦として心配することを覚えて何よりでした。頼りないと思われていると勘違いしたサリフィとのすれ違いにはモヤモヤを覚えていたので、ようやくお互いの認識を共有し合えたことにホッとさせられます。

 そして王様の出生の秘密についても触れることになりましたが、神官セトの不審な調べもの描写もあってこの辺りにはザワザワさせられますね。不自然なまでに抹消された王様の“本当の母親”の謎やそれを探るセトが真意・悲願とは何か……?それらの問題が静かに浮上していく感覚に、冷や汗が出てきて仕方がなかったです。

 

 

 ところでギャレンのキングフォームの話で忘れてはいけないことが1つ。ギャレンこと橘さんを演じる俳優・天野浩成さんのキングフォームへの言及があり、そのどれもがほっこりさせられるものでした。X(旧Twitter)越しからも伝わってくる子どものようなはしゃぎっぷりは読んでいるだけで癒されますね。キングフォームの姿を「西洋のお城」と例えるセンスも素敵で、天野さんの天然かつ優しい人柄が伝わってきます。(奥さんの雛形あきこさんとのやり取りもこれまた微笑ましいことにもにっこり)天野さんのギャレン愛も感じられ、この一件はファンとしても実に楽しくて喜ばしい一幕となってくれました。

 

 

 ではまた、次の機会に。