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2023年夏アニメ簡易感想 その22

 

 

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 総合商社の丸紅が堺雅人さん主演の新CMを先日公開したのですが…………何これ?という感想が真っ先に出てくる謎の映像がそこには広がっていました。堺さん演じる鎧武者が敵の武者と戦っていたらゾンビ相手に共闘することになり、そしたら今度はキングギドラが出てきてゾンビとも共闘、最後に隕石を撃墜するためにキングギドラとも手を組む……字面だけでも大分意味不明な展開のオンパレードです。

 「できないことは、みんなでやろう。」という丸紅が掲げているスローガンらしきものを表しているのでしょうが、そこからどうして堺雅人&武者軍団&ゾンビ&キングギドラVS隕石なんて代物が出来あがるのでしょうか。さらに『ファイナルファンタジーⅤ』の有名なBGM「ビッグブリッヂの死闘」が流れている点も、このCMのシュールさをより加速させています。意味不明すぎて最初見た時は笑いが止まらなかったですね。

 まぁそれはともかく、ゴジラシリーズのファンとしてはキングギドラがまさかの単体でCM出演を果たしたことに注目したいところ。このキングギドラは『ゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃』に登場したもので、「GMKギドラ」や「千年竜王」など様々なファンからの呼び名を持つギドラです。貴重な善玉ギドラでもあるのでこうしたCMに引っ張り出されるのも納得、とついニヤリとしてしまいますね。何だかんだ意味不明といいながらも、堺雅人さんと一緒に戦うギドラの活躍には目を輝かせてしまいます。(下に続く

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

BLEACH 千年血戦篇ー訣別譚ー

第22話「Marching Out the ZOMBIES」

 今回はバンビーズの1人・ジジこと「ジゼル・ジュエル」が大暴れ。相手をゾンビに変えて操るという極めて厄介な能力で一角たちを翻弄していたのも印象的ですが、それ以上に実は男疑惑だったりゾンビのバンビちゃんをいじめるシーンが強烈でした。この嗜虐要素満載の絵面には、本作でも屈指の変態キャラだというイメージを抱かずにはいられません。最もこいつより絵面のヤバい奴がまだ控えているんだよなぁ……何より原作者の趣味とも言うべき内容の数々が見え隠れてしているので少々引いてしまいましたね。

 そんなジジ相手に活躍してくれたのがみんな大好きマユリ様。相手の能力を分析したうえで入念に対策してくる姿は何だかんだで頼もしさに溢れていました。浦原さんも含め、本作の研究者キャラの活躍には安定感がありますね。しかも懐かしの破面軍団をゾンビとして復活・使役するという、ゾンビVSゾンビの光景は非常にやかましくて楽しかったです。他にも恋次とバズビーの気の合いそうなやり取りや「まぶしい理由の方は訊いてないんですけど?」など、全体を通して愉快なネタの密度が濃い回だったと思います。

 

 

シュガーアップル・フェアリーテイル

第22話「妖精と人と」

 ラファルに羽を奪われたシャルと幽閉されてしまったアン。彼女たちに待ち受けていたエグい展開の数々に、まず目を覆ってしまうことに。羽とアンを人質にしてシャルに汚れ仕事をさせているだけでもキツいのですが、ラファルについてきている妖精たちの態度にはさらに愕然となりました。3話で生まれた妖精が何もわかっていなかったように、自分たちが人間に使役されていると同じ事に気付いていないところにラファルの醜悪さを感じます。何より自由を謳って無垢な妖精たちを縛り付け、「妖精の王」を名乗る……悪い意味で人間のような存在になりつつあるラファルに、アンたちは泣き寝入りをするしかないのでしょうか。

 そんなあまりにもショッキングな本筋とは対照的に、アンたちのために動く仲間たちには逆に胸打たれました。いてもたってもいられないキースは言わずもがな、アンが帰ってきた時のために砂糖菓子の制作を進めているペイジの職人たちに感動させられます。自分たちが助けに行ったところで何も出来ない悔しさ、だからこそ仕事を進める職人としての意地を魅せてくれたと言えます。いつものおどけた態度を崩してしまうほどに声を荒げるエリオットも印象的で、誰もがアンのことを想っていることが伝わってきて嬉しくなりましたね。

 

 

あやかしトライアングル

第10話「誘う少年」

 突如現れた謎の少年「日喰想介(ひのじき・そうすけ)」の怪しさに眉をひそめていた矢先、妖をパクッと食べるシーンに面食らってしまった急展開。加えて人間に近い人妖(じんよう)に進化した彼の目的が食事であること、対象に恐怖を与え味を高めるという話にも同様にゾッとさせられました。『トリコ』のネオみたいだな……何といってもすずたちを追い詰めようとする悪辣さが強烈で、これまで登場してきた妖は何だかんだで可愛げがあっただけに余計異質なものへの恐怖を覚えます。そんな想介をすすが「可哀想な人」と評したのはまた意味深かつ興味深いですね……

 攫われたすずを助けるために駆けつけた祭里たちと、罠を張る想介のガチバトルが繰り広げられたのもかなり新鮮。過剰なエロやコミカル描写がほとんど見られない流れに、本作始まって以来の緊張感を覚えずにはいられません。ただいつものお色気はない分、少年漫画らしい手に汗握る光景は中々見応えがありました。祭里の死亡!?からの本気のシロガネ復活と、終盤の怒涛の展開にも興奮させられます。ギャグが基本の作品にたまに入るシリアスが好きな身としては、今回は特に盛り上がりましたね。

 

 

SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)

第10話「Drifters' pride」

 ロックタウン周辺の被害から始まった今回の事件は、カナタとトキオの口論にまずハラハラさせられることになりました。弟分を危険な目に遭わせまいとするトキオと、兄貴分に守られているだけではいられないカナタそれぞれの主張がわかるだけに見ていて少々辛かったです。お互いに相手を大切な家族のように想っているからこそのすれ違いは、何とも言えない切なさがに溢れていたと言えます。中でもトキオが見せた親心が印象的で、成長していくカナタに抱く寂しさなど普段の彼とは異なるしんみりとした一面に意外と見入ってしまいましたね。(被害にあったネストの男たちもカナタを可愛がっている描写があって余計に胸にきます

 そんなトキオの語りがあまりにも死亡フラグに見えたのもあって、寄生型エンダーズに襲われた瞬間はもうダメだと覚悟してしまいました。クラウディアのおかげで九死に一生を得たものの、本気でトキオが退場してしまうのかと思い焦ってしまいましたよえぇ。そのうえ過去に発生したという「シルヴァーストーム」の恐ろしさも十分に説明・描写されるなど、これまでのお気楽な空気が一気に変わってきた印象を受けましたね。一時脱落してしまったトキオの想いを受け継ぎ、カナタはこの大災害にどう立ち向かうのかと期待と恐怖が入れ混じるばかりです。

 

 

 

好きな子がめがねを忘れた

第11話「好きな子と文化祭の日に」

 実の息子にピアスと勧めるとは中々にワイルドだな小村母……となった冒頭。前半は文化祭の準備を通して小村くんと三重さんの家庭環境、そして2人それぞれの過ごし方の違いが印象に残りました。門限破ったら朝食のココアはなし!という話は微笑ましい一方、準備のための居残りで見せた三重さんの焦りと涙には胸を締め付けられましたね。一方で門限を破ってしまうほどに、小村くんへの感情が抑えきれていないと思うと微笑ましいのですが。

 対する小村くんですが、三重さんのために自分が靴を間違えたと嘘をついた時は感動したものの、基本的には自分を卑下しがちな面に若干イライラしてしまいます。(三重家とは対照的に緩い家族で育ちながらここまで真面目で自己肯定感が低く育ったのは少々興味深いです)文化祭に針立てを出す辺りからも自分の虚無さを表しているように感じましたが、三重さんがそんな小村くんに注目してくれたことで彼もちょっとだけ自分の欲望を吐き出せたのではないでしょうか。三重さんの言う小村くんの「安心感」の意味に、2人が気付くまでの過程にも期待してしまいますね。

 

 

贄姫と獣の王

第22話「逃亡と法官の野望」

 セトに嵌められ民衆の前で人間になってしまった王様に衝撃を受ける間もなく、次々訪れる国の混乱に動揺が止まらなくなった今回。何と言っても首謀者のセトが王族の血を引いていることが判明したことがポイントで、王位に就いたことで早速種族の選別を始めてきたことにドン引きさせられました。劇中でも言われていたように徹底した選民思想ですが、これがセト自身の隠された血が関係しているかと思うと納得がいきます。神官にして王族という立場が、自分が特別な存在だと増長させてしまった要因なのでしょう。ある意味で悪しき偏見や差別に最も毒されているセトに恐ろしさを感じずにはいられません。

 その暴虐を止めるためにサリフィたちが次々と合流していきましたが、最大の見どころはやはり王様の再起。今回の件で完全に心が折れてしまった王様が、ようやく自分の血と向き合うことを決断する姿は実に勇ましかったです。長いこと自分を卑下しまくっていた王様を見てきた分、付いてきてくれるサリフィたちを前で人間の姿のままで立ち上がるシーンに感激させられますね。種族による選民を強行するセトに対して、自らのルーツを探りつつ向き合う王様の陣営に胸が高まりっぱなしになる決戦の始まりでした。(そしてアヌビスについてですが……君の言う「真の王」は誰かこちらはもう察しているのだよニヤニヤ……

 

 

 ちなみに上述のCMに出てくるギドラの着ぐるみですが、当時の映画で制作・使用されたものを補修して使用しているとのこと。

 

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 上のリンク先の記事でも確認出来ますが、当時の映画と同じものにするために、光線や鳴き声などを徹底して分析・再現したとのことです。特にCGを使わずにかつてのギドラと同じ操演をやってみせたところに特撮スタッフのこだわりが見えますね。20年以上の時を越えてGMKギドラを復活させてくれたことには、ファンとしても歓喜の極みと言えます。何だかんだでこのCMも楽しめたので、せっかくだから堺雅人キングギドラをまたやってもいいのよ……?とかつい思ってしまいそうになります。

 

 ではまた、次の機会に。