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2023年夏アニメ簡易感想 その24

 

 

 

 現在放送中のアニメ『BLEACH』の原作者、久保帯人氏の作品の1つである『BURN THE WITCH(バーン・ザ・ウィッチ)』の新たなアニメ化が決定。今週のブリーチ放送終了直後に特報として発表されたこともあり、その日はとんでもない話題を呼びました。かくいう僕もいきなりの発表に意表を突かれ、思わず内心で飛び上がってしまいましたよえぇ。

 さてこのバーン・ザ・ウィッチは2020年に一度劇場アニメが公開されたのですが、その映画は短期集中連載として週刊少年ジャンプに掲載されたストーリーを下敷きにした内容でした。そして今回のアニメ化は恐らくその連載の前、読み切りとして掲載された単発エピソードを扱うつもりでしょう。劇場アニメの時は既にドラゴン憑きになっていたバルゴの話などもここで描かれているので、話の流れを掴むのにはちょうどいいと言えます。前作の映画の時点で見応え抜群のアニメ化だったので、こちらにも是非期待したいところです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

BLEACH 千年血戦篇ー訣別譚ー

第23話「Marching Out the ZOMBIES 2」

 前回と同じく、まだまだ続くよマユリ無双。ジジのゾンビにされてしまった冬獅郎たちに全く狼狽えることなく、むしろ新薬を試す絶好のチャンスとばかりの態度を取るマユリに何とも言えない感情を抱きました。さらに新薬が造り出したイザナミループともいえる状況に困惑するゾンビ冬獅郎を見て、つくづく恐ろしい相手だと思いましたね。手札の多さがモノをいう本作のバトルにおいて、無限に対策を講じられるマユリや浦原さんといったポジションの強さを改めて実感します。味方としてはこれ以上ないほど頼もしいだけに、やっていることや目的のあくどさにドン引きしてしまうんですがね……(シロちゃんに色々しているシーンは迫真の絶叫もあってどっちが敵かわからなくなりましたねはい

 他にも今回は「愛」を以て敵を洗脳する「ペペ・ワキャブラー」登場のインパクトも凄まじかったです。愛を語る割に見ていて何とも嫌悪感を抱くキャラクターはどうしても印象に残ってしまいます。おまけに完聖体のやや下品なビジュアルには上述とは別の意味で引いてしまいますね。こういう奴ばっかりと戦わされる白哉を気の毒に思いつつ(その不遇の代わりと言うべきなのか、キャンディスたち3人をまとめて相手にして圧倒する戦闘シーンが盛られていたのは良かったですね)、リルトットがペペを喰らって終わりという、呆気ない仲間割れの結末にもちょっと拍子抜けしてしまいました。

 

 

シュガーアップル・フェアリーテイル

第23話「妖精王となる者」

 「妖精と人は幸せになれない」というラファルの言葉に惑わされ、どうにもぎこちなくなってしまうアンとシャル。それぞれがラファルに良いように利用されている状況もあって、中々にフラストレーションが上がる展開でした。それだけに戦いで傷つく妖精たちを砂糖菓子で癒してあげるアンの優しさにはほっこりさせられますね。そんな彼女の心遣いと言葉を受け、受け身だった妖精たちが少しずつ自分で考え始めていく過程もどこか微笑ましかったです。

 徐々に妖精たちと打ち解けていくアンとは対照的に、ラファルが妖精たちの間でも孤立している印象を受けたのも今回の大きな見どころ。人間に使役されていていただけでなく、仲間の妖精たちに裏切られた過去をシャルに見抜かれて激昂するシーンは何とも哀れでした。妖精王の後継になりえる存在である自分が羽をもがれ虐げられる……その屈辱ともいえる経験が彼を甘言と謀略で相手を支配する暴君にしてしまったと思うと納得がいきますね。

 人間どころか同族すらも信じられなくなってしまっているラファルの苛立ち、そしてそれでもシャルに固執する恐怖を覚える中、アンのピンチでようやくシャルVSラファルの戦いの幕が切って落とされたことにも興奮させられます。妖精王云々はこの際置いといて、兄弟とも言えるラファルにシャルが如何なる処断を下すのか気になるところです。

 

 

あやかしトライアングル

第11話「調和の心」

 前回のラストで力を取り戻したシロガネも日喰によって倒され絶体絶命のピンチ、そんな中で祭里が男に戻って復活する展開には思わず衝撃を受けました。性醒流転の術が結果的に祭里を守ったという理屈に最初こそ困惑したものの、勝てる気がしない絶望的な状況でのこの盛り上がりようは素直に燃えますね。日喰の能力の攻略もジャンプのバトル漫画らしい組み立て方で、弱点を見抜いたうえで修行した技を喰らわせるお約束の流れに安心感を覚えます。それを成功させるのに必要な「調和の心」というものを、祭里はシロガネたち妖との触れ合いで培っていた点にもグッときました。

 そうして日喰を退けた終盤のパートではいつものお色気展開に戻ってこれまた一安心。祭里の誘いにまさかの外で!?と勘違いして脱ぎ始めるすずのムッツリスケベっぷりを見て、本来のあやトラに戻ったことを確信しました。その一方で祭里がようやくすずのことを異性として意識し始めてきた描写も注目ポイントで、女体化が結果として2人の仲を進展させてここまできたことにニヤニヤが止まりません。まぁそういったラブコメ股間凝視の瞬間に女体化&「両方見られた」のパワーワードで全て吹き飛んでしまった印象なのですがね……

 

 

SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)

第11話「Storm of A.I.

 熱すぎる……最高に熱いよこの展開!!シルヴァーストームの脅威から人々を守るために立ち上がったドリフターたちの奮闘はもちろんのこと、果敢に戦いに赴くカナタたちに終始興奮しっぱなしでした。何と言ってもマイケルをはじめとしたドリフターたちはモブに至るまでやる気と熱意に満ちており、誰もが戦う覚悟を以ているのが見ていて気持ちよかったですね。そしてランゲが図らずも先導を務めるギャグ展開にもニッコリ。

 そして最大の目玉である「デイジーオーガ アルター」のお披露目と、復活したトキオとカナタのコンビは胸熱の一言ノワールの力を最大限引き出す機体に付いていくことを決意したカナタの成長ぶりの時点で素敵なのですが、そんな彼をトキオが認めてくれたことに感動させられます。カナタが守られるだけの弟分ではなく、肩を並べて戦う「相棒」になったのが本当に素晴らしいです。ようやく対等な関係になれた2人を見ていると、ちょっと感極まってしまいますね。

 そんなロボットアニメとして燃える展開の目白押しだった一方で、シエルの苦悩が描かれていたのも見逃せません。愛するカナタの処分にギリギリまで迷っていた様子が何とも痛々しかったです。それどころか逃げることを提案するなど、任務から逃れられない中でも必死に自身の感情で抗っていたことが伝わってきました。今回は黒仮面のおかげで手に掛けずにすんだものの、いざその時が来たらシエルはどんな選択を取るのでしょうか。

 

 

好きな子がめがねを忘れた

第11話「好きな子と調理実習したかった」

 三重さんを好きになって初めて自我が芽生えた人間(本人談)・小村くんの脳内コントは今日もキレッキレ!イマジナリー三重さんのオムライスから進路指導用紙に「三重さんのおむこさん」とか書くわ、三重さんがうっかりキスしてしまった自分の写真を重要文化財にするわいつにも増して感情の出力がぶっ飛んでいました。中でも鉄棒での鼻血の流れとかは思春期らしさを覚えつつ笑いが止まらなかったです。

 それでいて小村くんと三重さん、お互いがお互いへの感情の重さを見せているのも面白いところ。小村くんのジェラシーはいつも通りとして、三重さんが拗ねたりそっぽを向く態度を取ったのが印象深かったです。好意からくる嫉妬を本格的に隠さなくなってきたことに、妙な甘酸っぱさを感じますね。それでいて最終的にはそれぞれ赤面するのがこれまた微笑ましいこと微笑ましいこと。

 また8話で示唆されていた東くんの好きな人の話も注目ポイントでした。隣の家のお姉さんという事実と尻込みしている態度に、東くんも何だかんだで迷いを持った少年であることを感じ取ります。そのうえで何でもない風に装いつつ、「三重さんの真似をする」ことで告白の決意を固める姿が何ともいじらしくて素敵でしたね。

 

 

贄姫と獣の王

第23話「神官長と王の真実」

 長らく行方不明だったという神官長「カペル」によって明かされた王様の真実。父の前王との過去から本当に親子なのか疑問に思っていましたが、厳密には追放された弟の方の子どもだという真実で一気に腑に落ちました。王族存続のために人間の血を引く子を息子として扱わなければならない前王や、それを隠していたカペルたちの苦悩がこの時点で伝わってきます。同時にセトの過去と動機も描かれ、彼がその見た目故に王になれず母を悲しませてしまったこともわかり胸が締め付けられました。やってきた所業こそ許せないものの、彼らもまた王族や種族に縛り付けられていたと言えます。

 それ故それらに縛られないどころか、あるがままを受け止めるサリフィが眩しかったですね。アヌビスの問いに「人間と魔族両方があってこその王様」と答えるシーンには思わず膝を打ちました。生まれや見た目の違いをあくまでそれぞれの個性と見定めることこそが、この世界において何よりも肝要であることがよくわかります。そんなサリフィと王様の想いに、竜族の戦士やサーブル王国の王様たち、ヨアナの人間にイリヤといった懐かしの面々が応えてくれる終盤はカタルシス満載で本当に気持ち良かったです。(個人的にはやっぱりアヌビスの「私の真の王」発言が最高にここすきポイント!)個々人が考えて差別や偏見を乗り越える理想的な展開に、興奮が止まりません。

 

 

 バーン・ザ・ウィッチと言えばもう1つ気になっているのがブリーチとのリンク。原作やアニメを既にチェックした人ならご存じかと思いますが、あちらが西側の尸魂界であるラストに明かされ、一護たちの世界と繋がっていることが仄めかされています。それ故続編などで両作品のキャラが共演する、何てことを密かに妄想してしまいますね。ブリーチもちょうど以前に新作読み切りが載って話題になりましたし、アニメが話題になっている今こそそういった新作を期待したいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。