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仮面ライダーガッチャード 第2話「追跡、錬金、スケボーズ!」感想

ケミーは道具か?友達か?

女子がマンホールで戦うシーンで何故かじわじわくる件

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  • ルールに縛られない少年の夢

 前回ドライバーを渡されてガッチャードへと変身した宝太郎。今回はその続きとして、担任の「ミナト」先生から「錬金アカデミー」なる錬金術師の学校に誘われ入学するまでの過程が描かれました。入学のために「カマンティスとオドリッパのカードの重さを均等にする」というテストをクリアしなければならない宝太郎が、どういった人物なのかを引き続き見せてくれていたのが今回のポイントだったと思います。

 何といっても宝太郎が終始ワクワクしているのが印象的でした。錬金術を魔法と勘違いしているのは問題でしたが(とはいっても、視聴者からしても錬金術の描写が魔法みたいに見えるので仕方ないかも)、これらを好意的に捉えている様子が何とも前向きさに満ち溢れています。前回から錬金術を悪用する連中が出てくる中で、この術に対して「楽しそう・やってみたい」といった感情を持ち続けるのはかなりポジティブだと思いますね。この興味あることに夢中になれる姿勢に、見ていて結構元気づけられました。

 そしてケミーを錬金術で作られたモノではなく、1人の友人のように接している辺りも好印象。強盗犯の悪意に晒されて「スケボーマルガム」になってしまったスケボーズを助けるために躍起になる姿からも、ケミーへの尊重が感じ取れます。それ故テストをクリアするためにカマンティスとオドリッパに「太って!」「痩せて!」とお願いするやり方も彼らしいと納得させられますね。この錬金術としては邪道ながら、常識に囚われない姿勢こそがこの主人公の魅力であることが強く印象付けられました。錬金術師を目指すだけでなく、「全てのケミーと友達になる」という目的を見つけた宝太郎を応援したくなる回だったと言えます。

 

 

  • ルールに縛られた少女の過去

 そんな常識外れの宝太郎に対して、引き続きどこか辛辣だったりんねも印象的。宝太郎のやり方に呆れたり錬金術の使命や掟を絶対視している発言が多く、どこまでもルールに忠実で型に嵌ったタイプであることが描かれていました。ケミーも危険な存在として封印・管理するべきだという考えが見え隠れしていましたし、現状徹底して宝太郎とは対照的な存在になっているように見えます。(あとマンホールを飛ばして戦うシーンに吹いてしまったり……マンホール……釈由美子さん……)

 ただりんねの過去なども同時に明かされ、彼女がそれらにこだわる理由について何となく察することが出来ましたね。ケミーカードを盗み出した父親・風雅を「裏切り者」呼ばわりするシーンは結構ショッキングで、幼少期のりんねと父の仲睦まじい様子を見た後だと余計に彼女の心情を察してしまいます。英雄のようだと慕っていた父が理由もわからないままカードを持ち出し自分の元を去った……りんねにとってはこれが裏切り以外の何物でもないことは言うまでもありません。風雅の目的もハッキリしていないため、ただただ父を恨むしかないりんねに同情を寄せてしまいます。

 その分宝太郎とのやり取りでりんねが少しずつ朗らかになっていく様子には癒されました。最初こそ当たりが強かったものの、無茶を実現させていく宝太郎に徐々に心を許しつつあるように見えるのが微笑ましいです。個人的にはこの時のりんねは父が読んでくれた絵本に登場した英雄「暁の錬金術師」と宝太郎を重ね合わせているのではないか?とも思いましたね。考えそのものは簡単には変わりませんが、宝太郎の考えも否定しなくなった辺りに彼女の前進を感じさせてくれます。まだちょっと距離感がある分、この2人が信頼し合えるようになるのが楽しみになってきましたね。

 

 

  • 華麗に切り裂き舞う、大鎌と魅惑の錬成

 

  カマンティス

KAMANTIS!

 

オドリッパ   

ODORIPPA!

 

ガッチャンコ!

 

オドリマンティス!!

 

 錬金アカデミーのテストの過程で宝太郎と仲良くなった「カマンティス」と「オドリッパ」のライドケミーカードを組み合わせ錬成(ガッチャンコ)して変身したガッチャードの派生形態「オドリマンティス」。本作最初のフォームチェンジなのですが、ワイルドモードである「オドリマンティスワイルド」のみの登場となりました。戦闘では必殺技でスケボーマルガムを一時追い詰めるなど、実質的な必殺技扱いだったと言えます。

 人型が登場しなかったのは少々残念ですが、ワイルドモードという設定を活かしていくつかのフォームをワイルドモードで出す采配は中々に面白いと思います。このオドリマンティスのワイルドも、モチーフであるカマキリと踊り子を上手いこと組み合わせたオシャレな風貌をしていて結構好みです。(下半身が渦を巻いているのは、かまいたち」をイメージしているのでしょうか

 また今回は「ゴルドダッシュ」というバイク型のケミーも登場し、ガッチャードの専用マシンとして活躍してくれた点も見逃せません。金色のボディに加え、手前に巨大なアームを構えているビジュアルがかなり独特のバイクとなっています。このゴルドダッシュ自身に意志があるため、いざという時は自力で動いてサポートしてくれる頼れる存在となってくれるでしょう。実際今回はスチームホッパーに蹴り飛ばされて障害物を避けたり、マルガムの攻撃をアームで受け止めたりと中々の活躍を見せてくれました。バイクである以上この先出番があるのか怪しいですが、今後もガッチャードのメインマシンとしてのサポートに期待したいです。

 

 

 今回は他にもケミーの描写が多いのが特徴的でしたが、中でもスケボーズがマルガムになってしまうまでの過程が衝撃的でした。最初こそ子どもたちと楽しそうに遊んでいたのに、強盗たちの悪意に触れて変質してしまう様子は少々恐ろしかったです。強盗犯の男が仲間を突き落として金を独り占めする凶悪ぶりを見せたのも、スケボーズが当てられた悪意の強さをより強調していたと思います。というか2話目にして朝に出てくる悪人としてはかなりヤバい描写がされたので、今後出てくる悪意の数々にも戦々恐々してしまいますね。

 あとはケミーの「重さ」の説明が興味深かったです。ケミーごとに重さが異なるという設定で、ラストの太ったカマンティスと痩せたオドリッパのカードを出してきた時は思わず笑ってしまいました。(このイラスト違いのカードもいずれ商品化されたりして)この設定は恐らくケミーカードに記された「レベル」に関係しているのだと思いますが、レベルが低いオドリッパの方が重かったのが気になるところ。レベルの低さと重さは反比例するのか、そもそもレベルは関係ないのか……今後の描写で判断していきたいところです。

 

 

 さて次回は宝太郎がミナト先生に課された次なるテストに挑戦する模様。かなり気難しいケミーを使いこなすとのことですが、そのために何故か剣道の特訓をする絵面吹き出してしまいました。ブシドーのカードだから剣道だ!と言わんばかりの安直さは嫌いじゃありません。

 さらにケミーとドライバーを狙う謎の男も登場。ライバルキャラであろう彼の目的や、実力が如何ほどかなどで早くも注目が止まりません。久々のライダーではない存在に変身する点も楽しみですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。