新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

2023年夏アニメ簡易感想 その21

 

 

 

www.youtube.com

 

 2011年に初登場し、アニメ界に衝撃を与えた魔法少女まどか☆マギカ』の新作映画『劇場版 魔法少女 まどか☆マギカ 〈ワルプルギスの廻天〉』の新情報が先日発表されました。新作制作決定の初報から軽く2年以上は経っており、多くの人が忘れかけていた中での発表だったのでかなり衝撃的でしたね。かくいう僕も、続報を若干諦めかけていたこともあり、特報を発見した瞬間度肝を抜かれました。

 

metared19.hatenablog.com

↑制作決定初報時の話については上の記事を参照。

 

 そんなわけで上の新キービジュアルと特報映像を確認してみたわけですが、中々に興味深い絵面のオンパレードでテンションが上がります。2人のほむらが向かい合うキービジュアルに、それぞれ新衣装に着替えた魔法少女たち(包帯グルグル巻きのさやかが気になる)がちらりと映った映像など、多くの人が考察しがいのあるものばかりで見ているだけで楽しいです。さらに様々な新情報がこれからも小出しで見られると思うとワクワクが止まりません。当時のスタッフも再結集し作られている本作の公開は来年の冬と結構長いですが、決まっているだけでありがたいのでこの映像を糧に待っていく所存です。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ポケットモンスター リコとロイの旅立ち

第21話「ひとりぼっちのミブリム」

 今回はサブタイにもある通り、たった1匹で傷ついていたミブリムを助けるためのお話。周囲の感情を読み取る能力を持っているせいで心を閉ざしたミブリムの姿には見ていて胸が痛みました。本編が途中からミブリム視点に切り替わっており、ライジンボルテッカーズのみんなの些細なケンカも気になってしまうミブリムの気持ちがよく伝わってくる構成も印象に残ります。そのせいで他の人やポケモンから優しくされても声を発することが出来ないなど、純粋なポジティブ要素も吸収出来ずにいるのは何とも悲しいものです。

 そんな暗い要素があった故、ミブリムがリコの優しさに救われる展開には大いに癒されました。何と言ってもミブリムのために何が出来るのかを考えるリコが、相手の立場に立って寄り添う方法を実践したのが素晴らしかったです。ライジンボルテッカーズに入ったばかりのよそよそしかった自分と重ね合わせる……というくだりもリコらしい歩み寄りの仕方だったと思います。前回はリコの優しさが思わぬ方向で相手を傷つけてしまったものの、今回はそれが正しく相手を助けてあげられるようになった物語の上手さにも舌を巻くばかり。心を開いてくれたミブリムを新たに手持ちに加え、リコも自分の目指すべきトレーナー像に一歩近づけた気がしますね。

 

 

呪術廻戦(2期)

第31話「宵祭り」

 超巨大ロボで真人を迎え撃つメカ丸もとい「与幸吉(むた・こうきち)」の奮闘に魅せられた前半。最初はエヴァみがあったロボットが段々グレンラガンのような熱さと勢いを以て真人に喰らいついていくバトルは手に汗握りました。呪力を出し惜しみなしで使いまくるほか、まさかの簡易領域まで使う戦いぶりは意外性の連続で、ハラハラと同時にテンションが上がっていくのを感じましたね。触られたら終わりの状況でよくここまで……!と感心させられます。
 しかし悲しいかな、予想していた通りの結末にショックを受けました。内通者をしていたものの、動機や「みんなに会う」という目的もハッキリと描かれていたので彼の死が思った以上に辛かったですね。中でも三輪ちゃんが抜け殻のメカ丸に話しかけるシーンは現場の激しさとは対照的に静かだったので、余計に情緒を崩されてしまいましたよえぇ。

 そして来たる10月31日の渋谷。一般人を大量に巻き込んだ帳の発生にホラー染みた緊張感を覚える中、ラストの五条先生現着のシーンに引き込まれました。本来ならば安心してもいい状況なのですが、敵側の作戦もあってやっぱり不安が襲い掛かってきてしまいます。

 

 

スパイ教室

第21話「MISSION 《夢語》Ⅱ」

 帝国の凶悪スパイ「紫蟻(むらさきあり)」拘束のために各々作戦を実行する灯メンバーの戦いが見られた今回。それぞれが敵に追い詰められていく中、仲間との連携で困難を脱する展開には興奮させられました。なんか別件で普通に逮捕されそうになったリーダーがいましたがまぁ放っておきましょう。劇中でグレーテが説明していましたが、彼女たちの本領は攻めることにあることがよくわかる一幕でしたね。(身を守るのが苦手なら自分たちが攻められる状況を整える、とばかりの理屈は嫌いじゃないです)

 中でもひと際鮮烈な活躍を見せたのがモニカ。敵側である「ミラン」とのダーツ勝負は絵面こそ地味ですが、外したら負けというスリリングな魅力がありました。何よりモニカが以前のニヒリズムを捨てて、本気で勝ちにいったのが素敵でしたね。17話での彼女の心情を知った今だと、自分の凡人ぶりを認めたうえで心に炎を灯せたのだと実感出来ます。努力を重ねてきたミランダも敵ながら天晴で、中々に見応えのあるバトルでした。

 とはいえ負けた瞬間即自害するミランダにはギョッとさせられましたね。全ては紫蟻の洗脳によるものだと判明したラストには納得したものの、暴力で従わせてきたという点に軽く引いてしまいます。自ら命を絶つほどに調教するまでにどれほどの暴力を重ねてきたのか……そんな兵隊を数多く従えている敵に、かつてないほどの脅威を感じずにはいられません。

 

 

ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~

第11話「古城の決戦」

 討伐隊を助けるために出発したライザ一行。序盤はまず順調に冒険を進める様子にグッときましたね。最初の頃はマトモに戦えず進めなかった彼女たちが、今や立派にそれらをこなしていると思うと何だか感慨深いものを覚えます。実際劇中でもライザが「最初は迷ってばかりだったのに」と言及していたシーンもあって、着実に成長していることを本人たちと共に感じさせてくれました。
 そして竜との決戦でも見事なコンビネーションで撃退したことにはびっくりしました。てっきりアガーテ姉さんの手くらいは借りるかとばかり予想していたので、彼女たちだけで倒してみたのはかなり意外です。思えばタオの情報収集と竜への対策が功を為したと言えますし、上述と同じようにこれまでの経験が見事に活かされているのがわかります。

 そうしてボオスたちを助け出し、島の人々から賞賛される展開にもほっこりさせられした。ただ気になるのはボオスで、舐めていたライザたちに助けられたことが彼のプライドを傷つけてしまったようで少々不安に駆られます。ライザと彼の和解は思った以上に難しそうですね。

 

 

TIGER & BUNNY 2

第23話「Lookers-on see most of the game. (見物人が最も状況を見ている)」

 前回グレゴリーが如何にしてオードゥンを味方につけたのか疑問に思っていた中、思った以上に目が綺麗なオードゥンに面食らってしまいました。一見するとフランクで優しそうですが、自分がヒーローであることを信じて疑わない精神性、グレゴリーに吹き込まれた嘘を信じてヒーローたちを襲う容赦のなさに狂気を感じます。(Mrレジェンドといい、ヒーローの名に固執して心を病んでしまった人物が多いです)能力のハンドレットパワーのインターバルが1分というチートっぷりも相まって、過去最悪の敵が現れてしまったことを否が応でも認識させられます。

 そのうえ市長に乗り移っていたウロボロス構成員「シガニー・ロシツキー」が今度はルナティックの体を乗っ取ってアウロラの命を狙う急展開に。幸い市長とルナティックの名誉は守られたものの、状況がドンドン悪化の一途を辿っていく光景に気が気でなかったです。(そんな中唐突に挟まれる折り紙ロックの勘違いコントはいい癒しでしたが)しかし終盤になってようやくトーマスが帰ってきたり言うなれば「帰還者トーマス」、バーナビーが虎徹の元に向かったりと盛り上がるポイントはきちんと押さえてあったのでただのピンチでは終わないのが救いですね。絶望的な状況であることは依然変わりありませんが、決して諦めないヒーローたちを応援したくなります。

 

 

幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-

第11話「ヨハネのまほう」

 突如発生した異変にてんやわんやになりながら、自らを追い詰めるヨハネの姿が突き刺さった今回。いきなり落ちこみ始めた時は何事かと思いましたが、自分の無力さを呪ってしまったいることを思えば納得がいきますね。ここまでうまくいっていた分、肝心なところで動けなかった自分が情けなくなったのでしょう。(とはいえもうちょっと頑張ってから落ち込むべきでは?と思わなくもなかったり)ずっと大切にしていたステッキを序盤から捨ててしまうなど、中々に辛い展開が続きました。

 その分仲間たちがヨハネを励ましてくれる後半にはほっこりしましたね。隠し芸大会のような催しを慣れないなりに挑戦している姿はおかしくもあり、見ていてどこか元気づけられます。何と言ってもヨハネがみんなに貰い、与えてきた喜びがここで活かされた感覚を覚えました。そんなおもてなしを企画し、みんなを引っ張っていったチカの明るさも印象的で、今回のMVPは間違いなく彼女でしょう。元ネタ『サンシャイン!』の主人公としての存在感を本格的に魅せてくれたと言える回でもありました。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第75話「カルティオス計画」

 ついに姿を現した全ての黒幕「クワィドール・ベルギャー」フェイザーの洗脳やカード化、ダークネスカードなど諸々の事件を全て裏で操っていた彼の仰々しさには最初ギョッとさせられましたが、ユウディアスを利用した作戦には衝撃を受けました。誰もが憧れる英雄となったユウディアスを敢えて操らないことで、ダークネスカードは安全だと周囲に信じ込ませて使わせる逆転の発想にはかえって感心してしまいます。ユウディアスの親しみやすさやヒーローらしい精神性が全てこの人心掌握のために用意されたものであるとわかり、主人公優勢のデュエルなのに遊飛視点では勝たせてはいけない状況を作り出したことにも舌を巻くばかりです。

 そんなクワィドールの全人類を駒、つまり自分にとってのカルトゥマータにするという目的にも驚かされました。全てのベルギャー人のプロトタイプにして創造主のカルトゥマータという宿命を背負ったことで、自分が支配される側ではなく支配する側に回ろうとしている考えには恐怖と同情を同時に覚えます。言うなれば以前のズウィージョウのようにベルギャーの宿命から脱しようとしているわけですし、そう考えると彼もまたカルトゥマータとしての被害者とも捉えられます。真の元凶である「またお前か」的再登場を果たしたオーティスには色々言ってやりたい気分になりますね。

(余談ですが今回フェイザーがズウィージョウとデュエルを交代するためにインターステラ・チェンジというカードを使っていましたが、これ絶対現実ではカード化されませんよね……

 

 

 ようやく色々発表されたまどマギ新作ですが、脚本を務める虚淵玄氏によると『仮面ライダー鎧武』の脚本を完結させた時点で本作の脚本も脱稿していたことを2年前の初報時に話していた模様。*110年以上前の時点で既に出来上がっていたことに驚くと同時に、それがここで日の目を見るまで温めてあったことにちょっと喜びを覚えますね。それほど長い年月をかけて続編を作ろうとしてくれる制作側の意気込みに、ファンとしては感謝したいほどです。

 

 

 ではまた、次の機会に。